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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2016-03-19 [長年日記]

_ 朝練講談会(28.3.19)

朝八時に家を出て三越前の駅に着くのが九時前、軽く手繰ってから福徳稲荷に詣でて日本橋亭へ。
顔付けからして出足は早そうだったのだけれど、予想以上の客足で開場前に既に30人から並んでいる。
満員とは行かないがほぼ一杯の入り。

「海軍カレーの父 高木兼寛」神田真紅
発声に少々無理があり、低い声を出そうとして喉を絞め過ぎているのが疵だが、演技過剰になっていないのは良い。
二つ目になってSNSを始められるようになり、食べ歩きの写真を投稿するのが趣味になったと言う話からカレーどら焼きを食べた話、そして本編へ綺麗に繋がる構成に唸る。
気になったのは軍の階級が把握出来ていない事。 兵、下士官、士官の別がついておらずあやふや。
詳述する必要は無いのだけれど、「判ってますよ」と言うのは仄めかしておいた方が良い。

海軍の脚気対策の手柄を全部高木に持って行くのは正確では無いと思うのだけれど講談なのでそのあたりの脚色は許容範囲か。

「大岡政談 村井長庵」から「雨の裏田圃」神田松之丞
見巧者の知己が揃って嵌まっているので興味はあったのだけれど、漸く観る機会に恵まれた。
顔が大きく、首から上がぐいと迫り出した写楽の役者絵のような容貌。
松鯉先生の口調の名残は感じられつつ、猥雑で胡散臭く、色気がある。

師匠である松鯉先生が食って行くために編み出した「ビジネス講談」的な物とは逆の芸になっているのが先ず面白い。
ホームページが出来た話、渋谷らくごの話など、マクラは面白いのだけれど、本編に入るとガラリと変わる。
目先の笑いは取りに行かず、ピカレスクロマンを聴かせることに徹する。
そうそう、これこれ。 これなのである。 笑わせるだけが話芸ではなく、聴かせる芸。
楽しいと言うか、愉しい。

陰惨なうえにも陰惨な話なのだけれど、後味は悪くない。

_ 鎌田紘子Presents『シースルー写真展』

浅草橋駅西口にほど近いギャラリードレインで開催されている写真展を見てきた。
鎌田紘子Presentsだが、撮影はすべて黒澤奨平。

エンピツビルの三階にあるギャラリーで、一階から真っ直ぐ伸びた、擦れ違うのにも難渋するような細い階段を昇って行くのだけれど、こちらが昇り切ろうかと言う頃合いで「微笑みデブ」みたいなのが無頓着に降り始める。
客筋はそういうところに在り、写真そのものより写っている人にのみ興味のある向きが中心。

肌色の水着的な何かを着用した上から紗と言うか絽と言うか、透けた生地を羽織っている。
カラーコンタクト着用、肌のレタッチは強目。 分かりにくく書くと「写真見世」のような感じで、可愛らしくない写真は一枚も無いが、人物写真としての面白味は薄い。

見応えがあるのは構図の妙。 癖のある顔、地味な顔でも、可愛らしく見える角度を探して撮っている。
それでいて自撮り的な決まり切った角度だけで凝り固まった窮屈さも無い。
見に来ている客には全く伝わっていないと思われるが、巧い。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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