野暮用を済ませて漸く三田線の春日駅についた頃には5時半を回ろうとしていた。 ピカピカさまの出番まではあと30分しかないが、一か八かとりあへず戸越銀座まで行ってみることにして地下鉄に乗る。 6時5分前、戸越駅着。 電話で場所を聞いて兎に角現場へ。
戸越銀座は西は中原街道から第二京浜を挟んで東は豊町の1丁目まで続く総延長1キロを超えるアーケードなしの物としては日本最大規模の商店街であり、そう云う商店街のお祭だから当然人出も多く、商店街の中ほどに作られた仮設ステージにたどりつくと既に人垣が出来ていた。
出遅れたかと思ったら一寸押しているらしく、まだ二人組の「癒し系ユニット」アスミックという人たちが歌っており、ビールケースに乗った見るからにピッカケな人々が既に踊っていた(笑)。 30分押しで漸くピカピカ様が登場するも、日は既に暮れかかっており、撮影は諦めて静かに見る事にした。
ご当地アニメの主題歌を唄っていることも有って、最前の2列は小さいお友達に開放、その後ろにビールケースが並びピッカケの大きなお友達が、さらにその後ろには最前に入り損ねた小さいお友達を肩車したお父さん連が、さらにさらにその周りに地元住民、さらにさらにさらにその周りにビールケースに乗り損ねたピッカケ連、噂を聞いて見に来たと思われる各方面の「えらいひと」「ダメなひと」「ひとでなし」が取り囲み、アスミックの時とは打って変わった異様な雰囲気の中ピカピカさまのステージは始まった。
曲は「ウルトラメンゴ」→「ピカピカ音頭」→「ドキドキデート」→「なつやすみ」→「ウルトラメンゴ(ぢごくのロングバージョン)」の順。 このあたりの詳しいレポは他のまともなピカピカファンサイトにお任せして、私は断片的な印象などを・・・。
私はピカピカ様を生で見るのも、歌を聴くのも今回が初めてだったのだけれど、兎に角感心したのは歌やMCをひっくるめた出し物全体の纏まりの良さであり、驚いたのは生で見る実物のあまりの可愛らしさであった。 宣材写真を見て多寡を括って今までピカピカ様のイベントを見に行かなかった事を後悔しつつも、今回無理をして見に来て良かったと心底思った。 そんな訳で、こうしてファンサイト(のような物)を作っている。
横で一緒に見ていたごくらくWEB主宰ひろろん長官が「ピカピカは逆コナンだ」(「カラダは大人ココロは子供」の意)と言っていたのだけれど、まったくその通りであり、しかもそれがかなりプラスに働いているように思った。 「最年少、17歳のはるかです!」という野見山嬢のMCにあるように、他のメンバーは皆「それ以上」なのだけれど、とてもそうは見えない。 しかし、ステージ上ではコドモの可愛らしさを振りまきつつ、オトナの自覚できちんと勤め上げる。
澁谷様御製による「なつやすみ」の詞もどう考えても小学生の夏休みであるのだけれど、あの詞は小学生そのものには書けないように思う。 コドモの心を持ったオトナだからこそ書けるのではなかろうか?。
そんなこんなで、オトナとコドモの微妙なバランスがピカピカ様の魅力であるように感じた戸越銀座夏祭りであった。
11時過ぎにちんたら行ってチケットが残っている筈も無く、キャンセル待ち11番。
なんとか入れて七列目に潜り込む。
一曲目のセリの演出は旧に復していた。
二日見ない間に宮澤が散髪。
叩くと文明開化の音がしそうな髪形。
切り立ての頃は少々短すぎる様に思えた増田の髪型は漸く落ち着いてきた。
この人もずい分垢抜けた。
小野の髪型がいつものに戻っていたので、今日も休演の河西の代役は誰がやるのかと思ったら、野呂が出てきてどよめく。
どよめきも「キスはだめよ」初期の否定的なものではなく、好意的なものであった。
4月5月の野呂だと罰ゲーム感が漂ってしまったと思うが、今日の野呂は堂々たるもので、初めはざわめいていた客も、最後は黙って聴いていた。 ・・・と言うか、野呂の迫力が黙らせていた。
いつもは大島がタチで、相方をやる誰かがネコって感じなのであるが、今回ばかりは野呂がリードする感じ。 これはこれで面白い。
「雨の動物園」後のMCの導入部の謎の動きがなくなってしまった。
秋元のご母堂の出身地がついに明かされ、「フィリッピンにもう一軒家がある。 みんな来い々々」ってな感じの豪快な話になっていた。
六時前に行ったら、既に列が出来ていた。
隣の店の前に掛かり始めたので、列んでいる人に折り返してもらったり、開場を前倒しして貰ったりしながら、「俺は何者なんだ?」と自問。
今日も大入り。 家元が野末先生と待ち合わせで楽屋に居るとかで、一席目は談志へのオマージュって感じの「野晒し」
二席目は季節ものの「青菜」。 サゲが秀逸。
中入りを挟んで「反魂香」。
新解釈と言うか、「死者に再び逢えるお香」ってのを使って、噺を再構築。
談笑さん曰く、「逢えないってのは切ないじゃありませんか。」
死者と逢って、そこからどうするかてぇのがミソ。
この月例独演会は、談笑さんな遣りたいことを一番出来る会であり、毎月何かしらの新機軸を打ち出して来るのだけれど、それが立川談笑の可能性だけでなく、落語そのものの表現の広がりをも見せてくれるので、他に何か有っても、なるべく毎月観に行く事にしている。
どうせ日曜は遠方と婦女子限定公演で、東京に居ても碌な事は無いので、夜行日帰りで酒田へ。
バスはそれなりに混んでいたが、制服で旅をする女子高生と思しいのが居て驚いた。
何故制服なのか。
朝っぱらに酒田に着いて、日曜でバスも走ってないので、歩いて中町へ。
駐車場の片隅ではススキが穂を出して、早くも秋の気配。
吹き渡る風は既に秋だが、陽が昇ればまだそれなりに暑い。 写真を撮りながらケルンへ行き、モーニングをいただく。 コーヒーが旨い。
マスターと落語談義に興じた後、自転車を借りて写真を撮りに出掛ける途中で眼鏡屋さんに寄り、中通りの本屋がお盆に店を閉めた事を聞いて愕然とする。
愕然としたまま台町をうろついて写真を撮る。
相生町から中町のはずれに戻ったところで雨。 丁度開店時間だったので寿司屋へ。
茶豆と水なますをいただきながら、東北泉の出品酒をちびちび。
茶豆は固いが、噛むほどに旨い。
東京の飲み屋で頼んだ枝豆がすぐ無くなるのは、噛んでも味がしなくてすぐ飲み込んじまうからなのではないかと思った。
水なますってのは、白身魚と薬味を叩いたのに味を付けて、団子状にして氷水に浮かせた物。
「なめろう」みたいな物だけれど、氷水で〆めたのがミソ。 この間作ったときは手抜きをしてフードプロセッサを使ったが、なめらかに成りすぎて美味しくなかったとの事で、今回は包丁で叩いたもの。
成る程、身の形が有る程度残っているので、歯ごたえかしっかりしている。
この時点で私は既に半泣き。 旨い。
水なますを平らげたところで握りに突入。 カネタタキ、オーヨ、カヤカリダイ、モーヨ、カサゴ、フグ、イシダイ、その他白身オールスターキャストでお届け。
途中で酒を補給。 「あとは白身だけだからさっぱりしたので行きましょう」てんで、今度は杉勇。
ワラサ、サワラ、マグロ、トロ、カキ、タラバエビ、ガサエビ、生シャコ、〆でなにやら白身のヅケ。
味噌汁の具はイギスと焼き茄子と白身のしんじょ。 この組み合わせがまた旨い。
生きてて良かった。
観光用貸し自転車がロハで借りられるのは有り難いが、どうもメンテナンスがなってない。
今回借りた一号車は空気が完全に抜けていて、中通りの自転車屋さんで空気入れを借りてその辺はなんとかしたが、呼び鈴はもげかけていて鳴らないし、驚いたのはリアブレーキが固着した事で、流石に危なくて乗ってられないので返却。
中通りのジェラート・モアレさんへ行き、持って行った「マグナムの撮った東京」展と「カルティエ=ブレッソン」展の図録を出して暫し写真談義。
ブレッソンの写真に見入るご主人の「凄いが、凄すぎて見ていると疲れる」と言う意見に大いに頷く。 コミコミ○万で買ったというライカM3+エルマー50mm/f2.8を借りて川っぺりで試写。
撮りやすくて泣く。 手から放れないのをひっぺがして返し、来ていた写真好きのお客さんに拉致されてアンセル・アダムスのオリジナルプリントを見せていただく。
いやぁ、凄い。 見ると気が滅入るくらいのプリント。 ゾーンシステムなんざ糞食らえと改めて思う。 こう言う理詰めの写真は凄いけれど性に合わない。
時間も時間なので辞去してケルンへ。 アイスコーヒーをいただく。
水出しなので香りが良くてすっきりしていて、何も入れなくても旨い。
東京で飲む、あの泥水見たようなのは何なんだろう・・・と悲しくなる。
ト一屋で魚の煮付けと茶豆、清水屋の中の大谷閣の総菜屋で鶏レバーの煮たのと茄子の味噌炒めを購入。 駅へ向かう。
なんたら言う魚の煮付けは、食べてみたらブリの小さい奴。 淡泊で旨い。
茄子味噌は紫蘇の入ったさっぱりしたもので、茄子が良くて味噌が良いから気取らぬ味ながら旨い。 レバーも、東京で食う臭いのとはちがって、薄味ながらしっかり旨い。
この大谷閣の総菜は料亭とは思えない気取らぬ味付けが好きで良く買っているが、今のところハズレは無い。
ビールはヱビスと黒ラベルを買ったのだけれどこれは失敗で、両方ヱビスにすれば良かった。
茶豆の味が濃すぎて、黒ラベルを飲んでも炭酸水みたいな味しかしない。
楽しいのは新発田あたりまでで、新潟駅の乗り換えで走らなきゃならない事を考えると、そうそう酒も飲んでいられない。
新潟での乗換えで大荷物抱えて走って疲労困憊。
ぼーっとしたまま東京へ。
次に行かれるりのはいつだろう。
コラム置き場に
AKB48 新人事分析
をアップロード。
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浜田翔子×福島裕二写真展
をアップロード。
逢田梨香子
表紙と巻頭7ページ11カット、撮影は佐藤裕之。
かつては声優グラビアと言えば退屈を絵に描いたような代物で、信仰対象として崇め奉る向き以外には何の意味も価値も無い様なものばかりではあったが、変われば変わるもので写真として見るに堪え得るものも増えて来た。
このグラビアも出来としては悪くない。
声に特化した芝居が生業で、且つ「役ではない自分」としてカメラの前に立たねばならぬ訳で、こと笑顔に関しては階調の乏しさが目に付くが、それ以外はカメラの前で気負わずに振る舞えている。
水着ではないがそれに近い衣装もあり、そこから先の展開も見据えての出し惜しみだと思われる。
富永美杜
巻末5ページ10カット、撮影はHIROKAZU。
富永美杜としては初めての、事実上の富永美杜としてのものも含めると2回めの水着グラビア。
潜った修羅場の数が違うので、服を着ていても水着になっても表情に変化はなく、カメラと向き合って動じるところはないが、素で向き合えているかと言うとそうとも言い難い。
隔意が有ると言うか、正体を現さないようなところがあり、まぁそれが悪いかと言うと、その食えなさ加減がまた良かったりするのであるが。
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