11時過ぎにちんたら行ってチケットが残っている筈も無く、キャンセル待ち11番。
なんとか入れて七列目に潜り込む。
一曲目のセリの演出は旧に復していた。
二日見ない間に宮澤が散髪。
叩くと文明開化の音がしそうな髪形。
切り立ての頃は少々短すぎる様に思えた増田の髪型は漸く落ち着いてきた。
この人もずい分垢抜けた。
小野の髪型がいつものに戻っていたので、今日も休演の河西の代役は誰がやるのかと思ったら、野呂が出てきてどよめく。
どよめきも「キスはだめよ」初期の否定的なものではなく、好意的なものであった。
4月5月の野呂だと罰ゲーム感が漂ってしまったと思うが、今日の野呂は堂々たるもので、初めはざわめいていた客も、最後は黙って聴いていた。 ・・・と言うか、野呂の迫力が黙らせていた。
いつもは大島がタチで、相方をやる誰かがネコって感じなのであるが、今回ばかりは野呂がリードする感じ。 これはこれで面白い。
「雨の動物園」後のMCの導入部の謎の動きがなくなってしまった。
秋元のご母堂の出身地がついに明かされ、「フィリッピンにもう一軒家がある。 みんな来い々々」ってな感じの豪快な話になっていた。
六時前に行ったら、既に列が出来ていた。
隣の店の前に掛かり始めたので、列んでいる人に折り返してもらったり、開場を前倒しして貰ったりしながら、「俺は何者なんだ?」と自問。
今日も大入り。 家元が野末先生と待ち合わせで楽屋に居るとかで、一席目は談志へのオマージュって感じの「野晒し」
二席目は季節ものの「青菜」。 サゲが秀逸。
中入りを挟んで「反魂香」。
新解釈と言うか、「死者に再び逢えるお香」ってのを使って、噺を再構築。
談笑さん曰く、「逢えないってのは切ないじゃありませんか。」
死者と逢って、そこからどうするかてぇのがミソ。
この月例独演会は、談笑さんな遣りたいことを一番出来る会であり、毎月何かしらの新機軸を打ち出して来るのだけれど、それが立川談笑の可能性だけでなく、落語そのものの表現の広がりをも見せてくれるので、他に何か有っても、なるべく毎月観に行く事にしている。