家に帰ったら6時半過ぎ。 日の有るうちに帰れたのがせめてもの救い。
「残業有りアリで精神的ゆとりが持てない」とか「休みが思う様に取れない」とか言うと、「世の中そんなのあたりまえだ」等と諭されることがままあるのだけれど、そんな事はこちらも承知していて、「仮令賃金が低くとも」って言う前提がついた上での愚痴なのだ。
休みも無くあくせく働いた金がストレスのはけ口としての物欲に行ってしまうのでは馬鹿々々しいとはおもわないのか?
人間社会にこれ以上の上積みが有るとは思えないし、況してや日本国に於ておや、である。
8時過ぎに目が醒めた。 帰り支度をして9時半ころ帰路に。
18:05発の会津田島行き→会津高原→下今市→新栃木→鐘ヶ淵・・・と細切れの乗り継ぎ。 鐘ヶ淵で友達に拾ってもらい、晩飯を食って帰宅したら日付が変わっていた。
Marcus Aurelius 「自省録」より
いつもの時間にいつもの場所へ。 先週の狂騒が嘘のように短い行列の最後尾に付く。 平和だ。
そろそろ死ぬのではないかと思うくらいの籤運の良さで三列目。
高橋、大江共に休みで15人。
噂に違わず倉持明日香の臍が綺麗。 同じ衣装の筈なのに、倉持だけ臍が見える。
小林は側頭部二つ縛りで縦ロール。 こう言う髪型にすると、内実はともかく一見上品そうに見えたりするものだが、小林はどこまでも小林だった。
「あなたの心の中のKAアイドルは?」と客に問いかける小林。 此処で客は「香菜ちゃーん」とか「香菜ー」とか返さねばならない訳だが、「KAアイドル」=「クイズ大好きアイドルの略称」が浸透していないので客の反応は今一つ。
「クイズ」は「quiz」だし「アイドル」は「idol」なのだけれど、全ての情報を耳から仕入れている小林にとって「クイズ」は「kuizu」であり、「アイドル」は「aidoru」なのだろう。
劇場では久し振りに見る宮澤。 ボーイッシュに作り込まない髪型が良い。
「アイドルなんて呼ばないで」は途中から出てくるポンポン隊に注目して見る。 今日はやる気のある面子が揃っていた。
たかがポンポン、されどポンポンであって、振り方一つでもなかなか難しい。
振り方の美しさでは上手の戸島(しっとり)と下手の大堀(ねっとり)が双璧。
「そのうち○△□も」の部分を小野が口ずさんでいて驚く。 「汚れちまつた悲しみに・・・」
「僕とジュリエットとジェットコースター」は佐藤が今日も楽しい。 適度に肩の力の抜けた軽みが良い。
「ヒグラシノコイ」のイントロに乗って上手から戸島花が現れると、どよめく客席。 そして拍手。
演る前から大きな拍手。
歌い出せばもう戸島花の歌に聴き入るばかり。 曲中は手拍子、間奏ではさらに大きな拍手。
振りに気を取られてマイクが口からずれたのが有ったくらいで、振りも歌も貶すところは何も無かった。
もはや大抵のことでは驚かなくなりつつあるが、先日の峯岸みなみに続いて戸島花にも驚かされた。
出來るのは判っているのだけれど、その想像の更に上を行く素晴らしい出來。
歌が終わって暗転。 戸島の着替え待ちをどう繋ぐのかと思ったら早野と小林と小野と成田が「雨の動物園」のキグルミ衣装を着て出てきた。 懐かしい。
「この衣装を着ると回りたくなるんです」 ニコニコしながらくるくる回る早野薫。
成田は日本青年館のコンサート以来のパンダ衣装。 首を傾げながら小林らの話に聞き入る成田。
くんくんと、しきりに衣装の手の部分の匂いを嗅ぐ小野。
「まゆゆ(渡辺麻友)の匂いか」と訊かれると頷き、何の匂いがするか訊かれると
「ピルクル」
「愛しさのdefense」は宮澤が良かった。 憂い顔の妙と、中西を彷彿とさせるキレのある動き。 チョコラブでの經驗を上手く生かしている。
戸島は「ヒグラシノコイ」とは打って変わって激しく扇情的な動き。 戸島はどんな曲でも「どう見えるか」「どう見せるか」を考えて舞台に立っている。
「向日葵」を松原、大堀、成瀬、倉持の四人で見るのも久しぶり。 歌入りオケと生歌が混ぜてあるとは言え、歌に関してはまぁナニがアレだった大堀や松原(今日は居ないが篠田も)が曲がりなりにもソロパートを成立させている事に改めて感心する。
歌の後の間繋ぎMCでは、話し始めた大堀を遮って、先日誕生日を迎えて18歳になった倉持の話をする成瀬。
ひとしきり成瀬が話した後、倉持に誕生日プレゼントをした話をさせてもらった大堀だったが、そのプレゼントにまつわる話は日の高いうちにすべきではなかったようで、うやむやで終了。
倉持曰く「親に見せられない」ものらしい。
「Lay down」ではここのところ増田と大堀の絡みが面白いのだけれど、今日は増田が休み。 これで大人しくなってしまうかと思いきや、出口や宮澤や佐藤(由)相手に遣りたい放題。 実に面白い。
歌の後のMCは、宮澤の兄が朝帰りで電車に乗り、立ったまま寝ていて、目が覚めたら隣の会社員の耳たぶに掴まっていたと言う話から、驚いた話か何かそんなのを。
佐藤(魚)がチームBの某(特に名を秘すとの事)が「田園都市線」を「たえんとしせん」と読み違えた話など。
「私もあります」と成瀬。 出口の部屋に泊まったら、思ったより片付いていたし、電気も来ていたが、風呂に入ったらリンスがなかったってんで盛り上がる。
そんなのを買う金があったら別の事に使うと出口。 偉い。
出口もようやく硬さが取れてきた。
着替えが終わって入れ替わり、小林主導で「変身願望についての話」。
段取りが違う、「やってみたいコスプレじゃ無かったのか ?」と突っ込まれても、頑なに変身願望の話を続ける小林香菜。
小野に「返信願望ってなに」と訊かれて「知らない」と答える小林。
大堀に話しを振りつつ、何か喋ろうとすると「そろそろお時間ですので」と遮る小林。
「AKB48劇場には、小さいお子さんや女性の方もいらっしゃいますので、そんな方たちでも楽しめるめ話をお願いします。」と、大堀相手だと自棄に強気な小林。
今日はひまわり組始まって以来最高の面白さ。
戸島と大堀と小林のお陰で、朝っぱらから並んだ甲斐のある楽しい公演になった
まぁなんとか座れた。 少々遠いが仕方がない。
口を半開きにしてニコニコと歌い踊る小林が楽しい。
楽しそうな顔をしてはいけない曲ではもっともらしい顔をして歌っているが、気を抜くと頬が緩んでニヤニヤしていたりする。 そのあたりも小林らしい。
「Lay down」。 マチネでは多少抑え気味だった大堀が、ソワレで暴走。
佐藤(由)やら宮澤やら出口やら、片っ端から色仕掛けで絡んで遣りたい放題。 歌そっちのけで怯える小林。
今日は「ヒグラシノコイ」の戸島と、近代的自我が目覚めてキラキラパワーならぬダークマターを振りまき始めた小野と、遣りたい放題の大堀と、柄にも無く話を纏めようとする小林で おなか一杯。
眉を顰める向きも有ろうが、大堀にはこのまま遣りたいようにやらせていただきたい。
歌はまぁアレだが、振りと表情に関してはよくやっているので、多少逸脱しても破綻はしない。
読みたい本として「星の王子さま」を挙げた早野に
「カレーの奴よねぇ」
9月8日から11日まで、「SHINKA〜心華〜」Episode2 と言う芝居に小林香菜が出演。
私は手元不如意で回避したが、観に行った友人曰く、出番は少ない乍ら良い役を貰っていて、長い台詞もちゃんと演じられていたとのこと。
映画出演に続いてこの芝居。 色々な可能性を試してもらえるのは有り難い。
前述の通り、芝居が入って取材が間に合わず、今回も未使用写真のお蔵出しで間繋ぎ。
一枚目。 軽く両手を握って顎の下にあてたグラビアポーズ。
こういう格好をさせると、可愛く見えなくもない。
二枚目。 グラビア企画の頃の写真。
爪に描かれているのは版権物の猫の図柄のような気がするが、多分気の所為だろう。
うまい棒のキャラクターが断じてドラえもんでは無いように。
三枚目。 両手でハートマークを作って見せる小林の図。
今より痩せている様な気もするが、これも多分気の所為だろう。
四枚目。 「連載企画でやりたい事」を描かせたら『石川五右衛門 これから釜茹での図』みたいになった絵を見せる小林。 小林画伯によると「料理」らしい。
五枚目。 「では、どう言う料理をしたいのか?」で書かせた絵。
背骨の曲がったハマチで海洋汚染を糾弾みたいな死んだ魚の図だが、小林画伯曰く「ムニエル」とのこと。
六枚目。 何かの拍子に間違って撮れた美少女風写真。 写真だけ見れば儚げ。
七枚目。 未発表水着写真。 ピンクのビキニで踏ん反り返る小林の図。
八枚目。 取材で使ったチュッパチャプスを八本持ってご機嫌なチュッパー(※「暴徒」と言う意味ではなく、「チュッパチャプス偏愛家」くらいの意味で)小林。
作り笑いではなく、本人が心から嬉しい楽しい時の笑顔は実に良いのだけれど、これは小林の美点でもあり、欠点でもある。
担当編集者やカメラマンとの慣れ具合や相性、現場の雰囲気がもろに写真に出てしまう。
こういう仕事をしていれば、殺伐とした現場や段取りの悪いスタッフに当たることもまま有る訳で、そう言う時にも小林の「らしさ」が出せるようになって頂きたい。
今回はマイナビルーム9F-B、いつもより少し狭い部屋。
盛大に寝坊したが、なんとか1コマ目には間に合った。
今回はリーダーの生誕企画があったりもした所為か出席者も多く、ぎっしりとまでは行かないものの3人掛けの机に少なくとも一人は座っている状況。
隣と近いと何をやっているのか気になって気が散るので、混んで来ると私のように「勉強では無い何か」をしている者は肩身が狭くなるが、そうなったら勉強をしに来ている人に譲ろうと思っている。
高校三年生の私を思い起こすとなるべく勉強から身を遠ざけようとしていた訳で、不純と言えば不純な動機でも、勉強をしようと思い立った人は尊重したい。
今回は後述する別件の為、2コマ終了後に退出。
メンバーの出欠もイベントとしてどうなるかも分からず、「濱野の独演会になって終わるのではないか」「指原の本にかこつけて説教でもするのではないか」などの憶測が飛び交っていたが、蓋を開けてみれば課題図書を与えて感想を書かせたり言わせたりすることでメンバーの人となりを浮き彫りにしていく、面白いイベントとなった。
読書や考える習慣の有無がはっきり出て、それを身につけた方が良いかどうかも人夫々。
読書の習慣が無い方の筆頭が小室と福田。 しかし小室には考える習慣があり、福田には無い。 小室は読了していないながらも感想と自分の考えは話せたが、福田は読了こそしたものの感想も自分の考えも堂々巡りしたあげくはっきりとは話せない。
同じく、考えてはいるもののそれを上手く言葉に出来ないでいたのが永瀬。 永瀬が損をしているのはこの「やるべきことはきっちりこなしているが、それをそうと分かりやすく明示できない」ところ。 性格としては好ましいのだけれど、現在自分が受け持っている役回りとしては好ましく無い。 アンダー制度が導入されれば「何が出来るのか」についてはっきりさせなければならない。
本を読むということ、考えを纏めることについて慣れていたのは橋田・小林・瑞野。 きっちり読み込んでソツの無い感想。
森崎の保育士としての経験も交えた「叱ること」「叱られること」への考察が面白かった。
二足の草鞋を履いて初めて見えてくる世界。
空井は本の内容より当人が直面している「私服ダサい問題」と、それをキャラクターとして受け入れるか否かについて。
濱野がテレビ出演などの経験からキャラクターがはっきりしていること利点について説明。 私服がダサいと言うキャラクターを受け入れ・演じるのではなく、私服がダサいと言う指摘に抗う現在のキャラクターを受け入れ・否定しないと言うことだと思う。
気になったのは大学のレポートの形式に囚われすぎて本来力点を置いて語られるべき部分が薄くなってしまっていた事。 森崎もそうなのだけれど、簡潔に纏める事がこの先求められて来ると思う。
意外にと言うと失礼だが、豊栄の考察が深く、視点も面白かった。 小室もそうだったが、アイドルを見る側と演る側の両方の視点から考えている。
指原莉乃とファンの関係性に触れ「どう応援して良いか分からなくなっているのではないか。」「私は応援し甲斐のアイドルが良い」と遠慮がちに表明。 正鵠を得ているだけに反発も招くかもしれないが、良い切り口だった。
工藤はハロープロジェクトのファンだったこと、地方出身であることの類似性に惹かれつつ、現場より書斎で楽しむ嗜好の違いについてなど。 現場で見るにしても「黙って見ている方が楽しい」と語る工藤。 このあたりは大いに頷けた。
MCが苦手だという話から始める柚木。 恐らく完璧ではない自分を見せることへの嫌悪だと思うのだけれど、やりたいと思うことでも反射的に拒絶してしまい、「やっておけばよかった」と後悔することがよくあるらしい。
柚木の面白さであり欠点でもあるのが「分かりにくさ」であると思うのだけれど、出来ていないこと・苦手な事も曝け出せればとっつきやすさも増すのではないかと思う。 初期の大島優子がそうだったのだけれど、どこまでやって良いのか計りかねているように私には見える。
最初に書いた通り濱野智史独演会になる事を危惧していたのだけれど、アイドルと言う共通項を持つ指原の本を使って、メンバー一人ひとりの嗜好と思考を掘り下げていく良いイベントになった。
<9/21 追記>
PIPブログに空井、豊栄、御坂の感想文が掲載されたのでリンクを貼っておく。
PIP秋の読書会:指原莉乃さん『逆転力』を読もう! 空井美友・豊栄真紀・御坂ゆき乃の読書感想文
豊栄の「二重の視点」が面白い。
純粋にアイドルが好きでアイドルで在りたい豊栄には理解しつつも許容はし難い指原莉乃が、不純な大人の目には面白く映り重用される。 これは指原本人にとっても「引き裂かれた自己」に対するそれぞれの評価であり、この上ない幸福であると同時に絶望的な不幸でもある。
金子理江
巻頭7ページ10カット、撮影は桑島智輝。
海辺の町で撮った水着多めのグラビアなのだけれど、夜の浜辺、林の中、木陰etc...、夏らしさは感じさせつつも光が強く当たり過ぎない状況下で撮っているので、1ページ目のような光溢れる海に立ち眩し気にこちらを見つめるカット以外は表情が生きている。
眩しさに必然性があれば、強い光の下でも写真にはなる。
髪の傷みが激しく、安手の鬘のような質感。
仕事で染めなければならない事情があったのであれば仕方がないが、趣味嗜好で色を入れたり抜いたりしてこうなってしまったのであれば、自分の仕事に対する思慮が浅すぎる。
やるなら破綻しないように金と手間は掛けるべき。
髪はあしらい方で上手く誤魔化せているところもあり、破綻しているところもあるが、肩甲骨の下あたりまで伸ばした髪を出来るだけ写り込ませずに撮って絵を作る桑島智輝の仕事には唸らされる。
水着は大き過ぎたり小さ過ぎたり、意図してサイズの合っていないものを着せているが、見せ方が下衆でいただけない。
サイズの合わないものを敢えて着せる事によって身体の線を描き出そうとしているのかもしれないが、成功していない。
眩しげであることに意味を持たせた1ページ目と、髪が傷んでいない生え際の部分でうねりを出して視線を誘導する6ページ目が上手い。
モデルは撮られるがままで仕事をしていないし、衣装も首をかしげざるを得ないが、桑島智輝の腕で持たせている。
毀誉褒貶相半ばする金子理江であるが、人の心に波風を立てる何かは持っていると思う。
それがプラスに働くと、この撮影のように裏方に盛り立てて貰えることもあるが、マイナスに働くと「盛り立てて貰えている事」自体が不快に思われてしまう。
私は何というか、気味が悪い。 関わると不幸になりそうな、躓きの石。 Loreley 的な何か。
人の心に波風を立てる何かは幻想に過ぎず、中は空洞なのではないか。
堀みづき
巻中4ページ8カット、撮影はTakeo Dec.
表情は悪くないが、こちらも髪の傷みが激しい。
プールで撮るのにかこつけて髪を濡らして撮ったのは良い。
作為は有るが笑顔になると表情の諧調は豊富で、そこに特化した写真の選択と割り付け。 力技ではあるが見られる物にはなっている。
加藤里保菜
巻末5ページ6カット、撮影は西村康。
眼鏡がトレードマークになっている訳であるが、眼鏡と言うものは実に厄介で、正面から撮らないと目に掛かってしまう事がまま有り、目に掛からないようにすると位置が不自然になってしまう。
レンズが入っていれば透過した光は影響を受けてしまうし、表面の反射も邪魔になる。
そんな訳で顔を撮る事の出来る角度が限られてしまう為、些か冗長。
ポーズも表情も、湿板時代のそれのような固まった写真。
退屈な5ページだが、カメラマンが何とかしようとしている形跡はある。
モデルが頑なだと写真にはなりにくい。