昨年から「いやぁー、良いっスよ、折井」と知己には話して来つつ、実際に芝居を観に行ったことは無かったのだけれど、手持ち現金と時間にゆとりが出来たので下北沢の北沢タウンホールにて折井あゆみの出演する芝居を観覧。
駅から迷いに迷って遅参し、開演後十分少々経ってからの入場となったが、折井の最初の出番には間に合った。
予備知識無しで、どんな劇団なのかも知らずに観たのだけれど、思いの外しっかりした芝居だった。
大道具・小道具から衣装に到るまで簡素でありつつ、脚本が練れていて、演出もしっかりしているので気にならない。 気にならないと言うか、芝居に引き込まれるうちに気にならなくなった。
序盤は端役のような位置に居る役者が、話が進むにつれて存在感を増して行き、芝居を引っ張って行く。
折井も始めはとらえどころの無い役なのだけれど、次第にその役柄がはっきりして来る。
張られた伏線は上手く処理され、処理しきれない部分も無いではないが、山場への話の持って行き方とその処理(「腑に落ちる筋立て」)が上手いので、伏線が伏線として残るモヤモヤは無く、観終えた後はスッキリ。
目当てで観に行った役者は褒められても芝居そのものの論評は避けたくなるような芝居もある中、支払った代価に見合う質の芝居だったと思う。 明日まで。
参考リンク:『海冥の城 白の姫君』特設サイト
折井は主役ではないが物語の鍵を握る重要な役どころ。 パンフレットでも客演扱いで上段に写真が有り、役も予想より大きかった。
舞台専門の役者と較べると声が細いが聞き取りにくいほどではなく、通る声。
芝居の中で描かれる以前の部分での懊悩を抱えつつもそれを隠して振舞わねばならぬ難役。 演じ切れていたかどうかは別として、役柄の人格を見るものに理解させるだけの芝居は出来ていた。
また、直前に映像作品の仕事が幾つか入っていたようで、発声から科白の間の取り方から動きや表情の出し方まで、色々と求められるものが違って切り替えも大変だったのではないかと思うが、目立ったトチリも無く、及第点は差し上げられる演技だった。
大友さゆりの芝居が良かった。 上手くは無いが一生懸命なのが役柄に嵌っていた。
中村康介の殺陣。 しっかり斬り下げて止められるし、斬り下げてから斬り上げる動作が上手い。 ストロボで誤魔化さずにスローモーションで斬るシーンに驚嘆。
終演後にロビーと客席で役者と客が歓談する時間があったようだ(私は帰宅)。
SKE48の山下もえ。
普段は筆不精であまりブログも更新しなかった山下が、活動終了間際に遺言の如く怒涛の更新。
メンバーに宛てた文章など、読み応えのある内容だったのだけれど、日付が変ると同時に全て消された。