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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2011-08-30 あやしうこそ物狂ほしけれ [長年日記]

_ UTB 2011 10月号

AKB48(大島優子、板野友美、指原莉乃、峯岸みなみ、宮澤佐江、渡辺麻友)
13ページ11カット、撮影は細居幸次郎。
最後のページに集合が1カットあるだけで、あとは一人2ページずつ。 指原と宮澤は見開きで1カット、残りは2カット。
6人が6人良い意味で撮られ慣れていて、ハズレ無しの13ページ。 気負いすぎず抜きすぎずの大島、貫禄の板野、演じ切る渡辺、もっともらしい顔の出来る指原。
表紙と最後のページの集合は光が強すぎて表情が硬くなってしまっているが、個別のカットは良い。

鈴木愛理
6ページ8カット、撮影は佐藤裕之。
夜の縁日の浴衣と、祭りのあとの境内で白いスリップドレス。
縁日の光を生かして撮った素晴らしいグラビア。 金魚掬いをしているカットなどは、逆光気味にして縁日の暗さの中での鈴木愛理の柔らかな表情を捉えた情感溢れる写真でありつつ、紙が破れて金魚が落ちる、そしてそれに気付いて感情が揺らぐ寸前の「その時」を捉えた決定的瞬間でもある。  一瞬でもあり、且つ永遠でもある、無限の時間を閉じ込めた一枚。
この写真も事務所や編集者がボンクラだと「顔が暗い」の一点で没にされてしまったりもするのだけれど、こと「写真が解っている」ことに関して、UTBはグラビア誌の中でも群を抜いている。

UTBは、フォトテクニックデジタルのような技術誌とはまた違った切り口で「如何に撮るか」を突き詰めている。 技術誌と違って撮影機材やデータは載っていないが、写真と言うものは本来、上がったプリントから考えて盗んでゆくものだと思う。
木村伊兵衛がアマチュアから撮影データを訊かれて怒った逸話を思い出した。

剛力彩芽
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は橋本雅司。
橋本雅司の好きそうな、打てば響くモデル。 カメラマンのやる気漲る6カット。
一と癖あるモデルのその「一と癖」を、利かせ過ぎず殺し過ぎず、上手いこと活かして撮っている。

吉川友
初写真集からの6ページ6カット、撮影は樂満直城。
「夏」「海辺」「水着」で撮った三題噺のような陳腐さは有るが、出来としては悪くない。
予想より肉感的だったので、1ページ目で驚いた。

奥仲麻琴(ぱすぽ☆)
6ページ9カット、撮影は飯田かずな。
ぱすぽ☆での担当色であるピンクのビキニとセーラー服。
ハイキーでありつつ、こってりした色合い。 何と言うか、コダクロームっぽい色合い。
撮った後に弄ったような写真はあまり好きではないが、奥仲麻琴の個性を上手く引き出して撮れてはいる。

北原里英
7ページ10カット、撮影は桑島智輝。
もはや温帯ではなく亜熱帯を通り越して熱帯になってしまったかのような今年の暑さと、暑いだけではない先の見えない或る種の閉塞感が、今ひとつ弾け切れない北原里英の閉塞感と綯い交ぜになって襲ってくる倦怠。 気を張ったカットより、抜けたカットに引き込まれる。
雨に降り込められた屋内の、温度や湿度だけではない何かが漲った息苦しさ。 高校二年の夏の午后、四角関係の煮詰まり切った生徒会室に五人目(つまり安全装置として)逃げるに逃げられなかったあのネットリとした空気を思い出した。

最後のカットで、水中眼鏡越しにこちらを見る北原。 前号の島崎遥香とはまた違った意味でのタチの悪さ。 百の厭なことが有っても、この一瞬で帳消しにされてしまう底無し沼のような魅力。 荷厄介であるが故に、引き込まれるのではないか。
そしてそんな北原里英の引きの強い表情は、全て本人の意思とは別のところで偶然(であるからこそ必然的に)生まれているのではないか。 そんな気がした。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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