仕事帰りに両国亭。 隔月のふたり会へ。 レギュラー前座のこはるさんはお休み。
「狸の鯉」春樹
「寿限無」吉幸
「だくだく」錦魚
<中入り>
「時そば」吉幸
「小言幸兵衛」錦魚
狸と言えば札か賽ばかり、久し振りに狸を聴いた。 あまり演られないのはサゲが判りにくいからだと思うし、やはりそこが引っ掛かったのだけれど、これは前座のうちは仕方が無い。 そのあたりを差っ引けば良い出来。
時そばのサゲは意表を衝くもので、且つ出来過ぎても居ない佳品。 噺の寿命はこうして延びて行く。
立川流の売れている師匠連は立川談志の伝統と革新の「革新」の部分を色濃く受け継いだ人達だと思うのだけれど、革新を前に出さない師匠連にも談志の遺伝子は受け継がれていて、私はそちらにより惹かれる。
その延長線上に居るのが吉幸さんであり、錦魚さんであり、先年亡くなった談大さんであったと思う。
今週はコンサートのさなかとあって、録音での放送。 その代わり生では出られない18歳以下のメンバーから、阿部マリア・加藤玲奈・川栄李奈・高橋朱里・竹内美宥の5人。
小島慶子の降板騒動でも見られた「送り手であるラジオ局側がメディアとしてのラジオの特性や価値を理解していない」と言う根源的な問題から来る退屈さに支配された二時間。
チーム4から2人、研究生から4人。 必然として自由さが売りの阿部ではなく真面目な竹内に進行役のお鉢が廻ってくる訳なのであるが、その竹内にすら碌に番組の趣旨説明が行われておらず、メンバーの架空の目撃情報を募るコーナーではそれがフィクションであることを全員が理解しないまま進行。
録音で且つあまり忙しくは無い面子を使うのであれば、仕込にも収録にも手間や時間は掛けられる筈なのであるが、その形跡は欠片も見られなかった。
それがAKS側のスケジュール管理の問題なのか、ニッポン放送側が「たかがアイドル」と手抜き仕事をした結果なのかは定かでないが、実にお粗末。 頑張って聴いていたが二時半過ぎに敢え無く寝落ち。
竹内美宥はチームYMでもそうだったが、一見するとチャンスなのだけれど、その実チャンスどころか可能性の芽を摘み取るような事になっていて、素材としての良さを引き出して貰えていない。
他の人はどうだか判らないが、私は責任感から解放された竹内美宥が見たい(聴きたい)。