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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2012-03-24 竹内美宥の報われなさ [長年日記]

_ 第6回 吉幸・錦魚 ふたり会(2012.3.21)

仕事帰りに両国亭。 隔月のふたり会へ。 レギュラー前座のこはるさんはお休み。

「狸の鯉」春樹
「寿限無」吉幸
「だくだく」錦魚
<中入り>
「時そば」吉幸
「小言幸兵衛」錦魚

狸と言えば札か賽ばかり、久し振りに狸を聴いた。 あまり演られないのはサゲが判りにくいからだと思うし、やはりそこが引っ掛かったのだけれど、これは前座のうちは仕方が無い。 そのあたりを差っ引けば良い出来。

時そばのサゲは意表を衝くもので、且つ出来過ぎても居ない佳品。 噺の寿命はこうして延びて行く。

立川流の売れている師匠連は立川談志の伝統と革新の「革新」の部分を色濃く受け継いだ人達だと思うのだけれど、革新を前に出さない師匠連にも談志の遺伝子は受け継がれていて、私はそちらにより惹かれる。
その延長線上に居るのが吉幸さんであり、錦魚さんであり、先年亡くなった談大さんであったと思う。

_ AKB48のオールナイトニッポン(2012.3.24)

今週はコンサートのさなかとあって、録音での放送。 その代わり生では出られない18歳以下のメンバーから、阿部マリア・加藤玲奈・川栄李奈・高橋朱里・竹内美宥の5人。
小島慶子の降板騒動でも見られた「送り手であるラジオ局側がメディアとしてのラジオの特性や価値を理解していない」と言う根源的な問題から来る退屈さに支配された二時間。

チーム4から2人、研究生から4人。 必然として自由さが売りの阿部ではなく真面目な竹内に進行役のお鉢が廻ってくる訳なのであるが、その竹内にすら碌に番組の趣旨説明が行われておらず、メンバーの架空の目撃情報を募るコーナーではそれがフィクションであることを全員が理解しないまま進行。
録音で且つあまり忙しくは無い面子を使うのであれば、仕込にも収録にも手間や時間は掛けられる筈なのであるが、その形跡は欠片も見られなかった。
それがAKS側のスケジュール管理の問題なのか、ニッポン放送側が「たかがアイドル」と手抜き仕事をした結果なのかは定かでないが、実にお粗末。 頑張って聴いていたが二時半過ぎに敢え無く寝落ち。

竹内美宥はチームYMでもそうだったが、一見するとチャンスなのだけれど、その実チャンスどころか可能性の芽を摘み取るような事になっていて、素材としての良さを引き出して貰えていない。
他の人はどうだか判らないが、私は責任感から解放された竹内美宥が見たい(聴きたい)。

_ UTB+ 2012 2月号 続

HKT48(兒玉遥、松岡菜摘、宮脇咲良、菅本裕子、若田部遥)
6ページ6カット、撮影は門嶋淳矢。
集合で1ページのあと、個別カットで押す構成。
ハイキーに白く飛ばしつつ、見せるべきところは見せた匙加減の妙。 顔見世グラビアとしては成功している。

與儀ケイラ
5ページ8カット、撮影は栗山秀作。
歳相応のあどけなさと年齢以上に大人びて見える部分の差が有りすぎて一寸撮り難そう。 特に子供っぽい部分を可愛らしく切り取るのに梃子摺った感じ。
これはカメラマンの腕より、モデル側の資質に係る部分。

_ UTB+ 2012 2月号 続々

杉咲花
4ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
子供グラビアは苦手なので評価に困るのだけれど、佐藤裕之の仕事は素晴らしい。
2カット目の背景のブロック塀を見ると被写界深度の浅さと焦点の絶妙さが判るのだけれど、1カット目は引いて絞って背景を描き込んでいる。
カットと毎の切り替えが鮮やかで、背景を生かす写真も飛ばす写真も自在に撮れているのは、機材の特性をしっかり把握してどれだけ絞れば(開ければ)どう変わるかを感覚として身体に刻めているからだと思う。
勿論撮影中の試行錯誤も有ると思うが、気難しい機材でここまで撮れているのが凄い。
以前の佐藤裕之の写真には良い表情で空気も捉えているのに肝心なところでピントを逃すような歯痒さがあったが、もはやそんな事も無く、「佐藤裕之」のクレジットが有るだけで期待できるしハズレも無い。

chocole
4ページ9カット、撮影は桑島智輝。
顔見世グラビアとしては良い出来。
これは私自身の問題なのだけれど、面白いと思えないものをじっくり見る気力と体力と時間が無い。
今後は面白いと思ったもの、書く必要が有ると思ったものに絞って行こうと考えている。

佐藤優樹・生田衣梨奈
2ページ2カット、撮影は岡本武志。
実に酷い。 活かす殺す以前に素材を腐らせた拙作。
撮られ慣れていないのを差し引いても、表情が死んでいて目が開いていなくてポーズも臭い上に固まっている。
UTBでここまで低劣な写真を見る羽目になるとは思わなかった。
零点。

吉川友
5ページ7カット、撮影は藤本和典。
打って変わって見応えのある7カット。
目線の来ているカットより来ていないカット、意識は来ているカットの方が味の有る表情。
このグラビアの出来は良いのだけれど、役者として扱うとより映えるように思う。

和田彩花・前田憂佳
4ページ9カット、見開き1箇所。 撮影は西田幸樹。
薄野原に色違いのワンピース。
前田憂佳は何と言うか吹っ切れたような表情。 和田彩花は要らない苦労と心労で表情が一足飛びに大人になってしまった。
1ページ目下段あたりの感情の箍が外れかかったカットが哀しくも美しい。

前田憂佳
こちらも西田幸樹で4ページ7カット。
愁いを帯びた表情を使う雑誌と使わない雑誌が有ったが、後者は総じて写真の質が低かったように思う。
笑顔ではない表情を心持斜めから切り取ると映える。 映えるからこそ正面切った笑顔がより輝く。
そんな二面性が貴重だったのだけれど、それももう見られない。
レコード大賞最優秀新人賞から先の明るい未来を提示してやれなかった寺田の罪は重い。

真野恵里菜・矢島舞美
7ページ9カット、見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
新成人と言う事で晴れ着で4カット、大人びた膝丈のワンピースで2カット。
矢島と真野の撮られ方の違いが顕著。 矢島のモデルとしての仕事に不足は無いのだけれど、真野は一段上を行っている。
役者として積んだ経験がモデルとしての仕事にも生かされており、全てのカットでハズレの無い表情。
「役を演じるというより、役の人物の感情を俳優は生きるべき」とはスタニスラフスキーの言だが、真野恵里菜は真野恵里菜本人としてもカメラの前に立てる。 そのあたりはもっと評価されて然るべきだと思う。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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