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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2012-04-17 自業自得 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 18号

川口春奈
5ページ8カット、撮影は長野博文。
割と薄着だが水着は無し、こう言うグラビアがもっと有っても良いし、もっと厚着でも良い。
動かしながら撮った1ページ目に目が行く。
意外だったのは3ページ目のアップのカット。 雰囲気重視で厳密なピントには拘らないと思っていたのだけれど、深度浅めでキッチリ合わせて視点を誘導。 もっとも最近はレタッチソフトで弄れるので、撮影後にどうにかしたのかも知れない。 いずれにしても唇がフワリと浮き上がるような良い写真では有る。

杉本有美
5ページ7カット、撮影は細野晋司。
露出度の高い水着と身体のデッコマヒッコマを強調した写真より、それを敢えて隠して撮った写真の方がより扇情的。
目で殺すカットをそこに持っていく構成も巧い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 20号

鈴木愛理
6ページ11カット、撮影は細居幸次郎。
素材も良く、料理人も巧い。 6ページ11カットは、普段なら詰め込みすぎと感じるところであり、実際少々窮屈ではあるのだけれど、「もっと見たい」と言う欲求がそれを上回る。
曇天が幸いして全てのカットが生きた表情。 水着、部屋着、制服etc...衣装にも力が入っており、その衣装と撮影場所にあわせて表情を引き出すカメラマンの腕、モデルの対応力、眉の出し方一つで印象の変わるモデルの特質を引き出す裏方の力量、写真の選択と配置のセンス、さまざまなものが噛み合って仕上がった佳品。
然程多くは無い表情も、切り取る角度や構図一つで別物に。

疋田英美
4ページ7カット、撮影は長野博文。
大袈裟な絶賛キャプション程の訴求力は無いが、その辺りは嗜好の違いと言うことにしておく。
表情は単調なのだけれど、妙に巧んで手馴れた笑顔が無いのは良い。 素でカメラの前に立てている。

柏木由紀
「袋綴じに当たり無し」の俚諺を地で行く8ページ8カットの袋綴じと1ページ1カットの広告。 撮影は箭内道彦。
カメラマンが本業の人間が撮ったとしたらウンコ以下の出来として切り捨てられて灰さやうならとなるところ、箭内が撮ったというだけで商売になる理不尽。

どう撮っても「アイドルかく在るべし」と言う固定観念に凝り固まったもっともらしい顔しかしない柏木由紀からなんとか生きた表情を引き出そうとした努力の欠片は見て取れるが、残念ながら撮影技倆が絶対的に不足しており、意図したところにピントがあっているものの方が少ない体たらく。
生きた表情を引き出すべく講じた手練手管も裏目に出て、「北風と太陽」の北風として作用して隔意のある表情にもなっており、写真としては落第。 柏木は二作続けてハズレ写真集となったが、自業自得と言えなくも無い。

箭内道彦は、カメラマンと言う仕事の職人的な側面を等閑視し過ぎているのではないか。
結果して大駄作。 ザマ見やがれ。

_ 週刊プレイボーイ 2012 No.18

柏木由紀
表紙と巻頭グラビア6ページ10カット、オマケでA1サイズの巨大ポスターが付く。
グラビアは例の箭内の写真集からのものなのだけれど、表紙とポスターは渡辺達生。 方向性は違えど、どちらも酷い出来。

渡辺達生は例によって自棄糞に光を当てたブツ撮り。 柏木は健気にも懸命に目を見開いているが、笑顔を作りきれていない。

グラビア本編は例の粗悪写真がズラリ。 半分以上ピンボケと言う惨状。
105ページのインタビューで柏木が明かしているが、撮影はインスタントのフィルムカメラで行ったとのこと。
ポラロイドはフィルムの生産を既に終了しているので、フジフイルムのinstax WIDE かinstax mini(チェキ)だと思われるが、道具として使いこなそうとした形跡が写真から感じられない。
デジカメほどではないにしても上がりはすぐに確認出来るわけで、最短撮影距離、AFの性能、ストロボの癖を把握していれば、もうちったぁマシな写真が撮れた筈。 箭内に発想をカタチにする技術に対する敬意が無かった事が、写真集の不出来の主因なのだと思う。

それでも嘘か真か「予約殺到」とのこと、集英社とてはホッと一と安心と言ったところか。

小池里奈
6ページ9カット、撮影は熊谷貫。
高校を卒業して、これまでのグラビアては定番であった制服やスクール水着に変わって大人びた衣装で押す構成、そしてそれにあわせたポーズと表情。
熊谷貫はお仕事モードで、あまり突っ込んで撮ってはいないのだけれど、最後のページなどは「らしい」カット。

岡田茉奈
3ページ4カット、撮影は西田幸樹。
4カット目、温泉の湯気の中に立つバックショットが巧い。

野中美郷
3ページ3カット、撮影は渡辺達生。
こちらも例のブツ撮りで表情は死んでいるのだけれど、1カット目は野中の造形美でなんとかなっている。

中塚智実
3ページ3カット、撮影は飯塚昌太。
メイクも写真も編集も悪い。 濃いものを更に濃くする愚。

松村香織
1ページ1カット、撮影はTakeo Dec.
Takeo Dec.に米村弘光なのだけれど、何かのついでにヤッツケで撮ったような黄色バックの黄色ビキニ。
それでも体形の粗は隠して貰っているし、全くと言って良いほど陽の当たらなかったSKE48の古参研究生が斜陽とは言え老舗雑誌のカラーグラビアに出られるのだから大出世と言って良かろう。
踏み台は踏み台として踏み潰して、出世の石段を駆け上って頂きたい。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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