明治通りの、ちょうど渋谷と恵比寿の中間にある tokyoarts gallery での写真展。 撮影が桑島智輝と言うことで見に行ってきた。
小ぢんまりとしたギャラリーなのだけれど、配置の妙で約30点。 中央に吊り下げられた巨大プリントが目を惹く。
普段の仕事はほぼデジタルだと思うが、カラー・モノクロ取り混ぜてほぼ半数が銀塩。 モノクロの焼きの追い込み方に瞠目。
粗を隠して綺麗に撮ったものと、粗も含めて抉り出すように撮ったものとあるのだけれど、抉り出すように撮りつつも被写体を踏みつけにするような撮り方はしておらず、角栓から皺から下着の痕まで写っていて生々しくは有るのだけれど、野卑ではない。
肌や体形は明らかに成熟した女性のそれであるのだけれど、顔立ちが幼いこともあって撮り方によって如何様にも見え、撮られ慣れすぎていて一筋縄では行かぬ被写体を相手に、あの手この手で実像に迫ろうとする撮影者の執念が感じられる。
モデルを泳がせて撮ったカットとモデルを圧伏せしめて撮ったカットが並存し、どちらも良いのだけれど、普段のグラビア仕事ではまず見られない後者の写真、特に右側の壁に纏めて貼られた6枚に引き込まれる。
写真集の売り上げ次第で或る程度は回収が見込めるにしても、これを撮る労力と時間を想像するだに眩暈がする。
出展作品一覧を見ると、私が惹かれたカットの多くは今年の4月に八丈島で撮られたものが多いようだ。
息苦しくなるくらいの、切なさ。
いやはやなんとも、恐ろしいものを見た。
安達祐実写真展 「私生活」
会期:9月14日(土)- 9月23日(月)11:00 - 20:00(※9/17は休廊)
場所:tokyoarts gallery
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