万年筆の修理に雑司が谷へ出向いたその足で池袋へ。 懸案だった palet のリリースイベントを観覧。 無軌道な若い衆向けに特化したようなグループに渋好みの新メンバーと言うのが気になっていたのであった。
客層は若いのからそうでもないのまでまんべんなく。 お行儀の悪そうな連中は観覧エリア後方と9Fデッキあたりに陣取っており、最前列付近の方が平和だったのには拍子抜けした。 まぁ、ライブハウスなどの閉鎖空間になればまた違ってくるのだろう。
開演前に注意事項としてジャンプ禁止のお達しはあったのだけれど、なぜ禁止なのか客の側がまったく分かっておらず、構わずに飛びまくるもの、飛ばないまでも飛ぶ素振りを見せるものがズラリ揃っているのでまぁ揺れること揺れること。 禁止にした意味が丸で無い。
スタッフは終始ピリピリ。 事あるごと注意に出向くが完全に舐められており、強権を発動しないこともあって、リフトだのジャンプだのと若い連中は遣りたい放題。
禁止事項としてアナウンスされた事を守らない、スタッフの注意にも丸で耳を貸さない一部始終はステージの上からも見えており、その傍若無人な振る舞いは palet と言うグループの活動そのものを否定することにも繋がる訳なのだけれど、特典会にも悪びれることなく参加する神経の働きが私には理解できない。 踏み付けにしている相手に客としてサービスを求める無神経さ。 他者への想像力の欠如。
楽曲はそれなりに練られており、歌って踊る部分も悪くは無いが、活動が近視眼的で拡がりがない。
新メンバーの中野佑美は挙措も美しく、喋りも歌も丁寧。 観に行く動機には充分成り得るのだけれど、周辺環境が悪すぎる。
「"SNOW DISTANCE" は、女の子の切ない気持ちを歌った曲なので、是非歌詞に注目して聴いてみてください。」と語りかけてから歌い始めたものの、騒ぎたいだけの層はまるで聴いていない。
メンバーが舞台上から客に釘を挿すなんざ非常事態以外やらない方が良い(況してやオープンスペースでのイベントに於いてをや)のだけれど、裏方が裏方として機能していないので客の狼藉を誰も止められない。 客をコントロール出来る存在がその場に一人も居ない。
久し振りに見た「地獄感」溢れる地獄であった。