ゲンセキ10(佐藤美希、松本愛、寺田御子、大貫彩香、朝比奈彩、大澤玲美、谷口愛理、柳いろは、小林麗菜、片山萌美)
巻頭巻末ぶち抜きで15ページ34カット、見開き1箇所
グラビア本編の撮影はTakeo Dec.、その他は後藤倫人と藪下剛士。
流れ作業の顔見世グラビアではあるが、上手く売り物になる写真に仕立てている。
雨宮天
8ページ12カット、見開き1箇所。 撮影は細居幸次郎。
踏み込んで撮らない典型的声優グラビアでありつつ、所々切り込んだカットを織り交ぜてある。
7ページ目、縦に三枚並べたカットが良い。
椎名ひかり
5ページ9カット、撮影は桑島智輝。
見せたい自分しか出したがらない被写体の意に添うような撮り方をしつつ、そうでもなさそうな物も撮っている。
5ページ目から漂う仄かな悪意のようなものに唸る。
武田玲奈
7ページ11カット、撮影はTakeo Dec.
カラーコンタクトの功罪について考えさせられる。
寒空の屋外で撮った水着以外は生きている表情ながら、目が死んでいる。
アップになるとこれが顕著で、6ページ目などは正視に堪えない。
素材は良いだけにカメラマンの腕ではどうにもならない部分で残念な出来。
山地まり
5ページ10カット、撮影は橋本雅司。
眩しそうになっていないカットでは柔らかい表情も見せているが、そうでないカットは布面積少な目な事もあって陰惨な印象。
後半2ページは良い。
西野七瀬
7ページ9カット、見開き1箇所。 撮影はTakeo Dec.
過去五回の掲載分からのミニフォトブック付き(こちらはHIROKAZU、大江麻貴、Takeo Dec.)。
boyish、formal、stylish、dressyの4パターンを着こなし撮られ分ける西野七瀬と、撮り分けるTakeo Dec.
寄って撮ってピント薄めの6ページ目が良い。
伊藤万理華
5ページ8カット、撮影はHIROKAZU。
衒いが有るようで無く、見る者を(もしかしたら撮る者も)翻弄する enfant terrible。
4ページ目、見透かすような横顔が良い。
有村架純
巻頭は京王沿線、巻末はハワイ。 合わせて16ページ27カット、撮影は大江麻貴。例によってハイキーで飛ばし気味、撮影時期が離れていなかったとしても、ハワイと西東京で似たような色にしてしまうセンスが良く分からない。 表情は柔らかく切り取れているが、季節感が薄い。
素では無いが臆することなくカメラの前に立てる有村架純に助けられており、1ページ目6ページ目などは良く撮れている。
向井地美音
7ページ10カット、撮影は西田幸樹。
7ページ目の変態的ライティングに唸る。 影の出方がどうかしている。
子役上がりで物怖じしない被写体で、仕草の芝居も細かい。 この辺りは大島優子にも通ずる食えない部分なのだけれど、大島のような盛り込みすぎるヤニっこさは無く、程が良い。
それが食い足りなくもあるのだけれど、モデルとして良い仕事はしている。
佐藤麗奈
5ページ14カット、撮影は宮坂浩見。
宮坂浩見なので全く期待していなかったが、意外に悪くない出来。
佐藤麗奈は表情に階調が乏しく、笑顔と真顔以外の違いは口の開き方くらいなのであるが、切り取る角度を変えて変化を付けており、ハズレカットは無い。
山本彩
7ページ10カット、撮影は門嶋淳矢。
タイガースモチーフの衣装と大道具小道具を揃えつつ、面倒臭い諸々は回避しているところに先ず唸る。
原色の生かし方の上手い門嶋淳矢と、どんな衣装でも自分なりに着こなしてしまう山本彩が凝りに凝った道具立てを生かして、阪神の「は」の字も出さずにそうとしか見えない物に仕上げている。
隙が無さ過ぎるのが瑕と言えば瑕だが、撮られる仕事としては完璧に近い。
益田恵梨菜
5ページ11カット、撮影はTakeo Dec.
撮られ慣れていない被写体を動かして、考えさせずに撮ったお手本のようなグラビア。
宮脇咲良
12ページ23カット見開き1箇所、インタビュー4ページ19カット。 撮影は桑島智輝。
前半はスタジオに桜の木(人工的なものではあるが)を立ててかっちりと。 後半は古汚い民家でごろごろと。
自分なりの決め顔しかしない時期も有ったが、カメラの前に気負い無く立てるようになって表情にも仕草にも幅と厚みが出た。
前半のかっちりした部分でも求められる仕事をしているが、肉まんを頬張るインタビュー部分も含め、後半のごろごろした部分での素に近い表情が新機軸。
乃木坂46アンダーメンバー
表紙と裏表紙、巻頭巻中巻末、おまけフォトブックまで含めると33ページ使用。
巻頭は集合で3ページ、部活動モチーフで数ページずつ。 一人一人の顔写真とプロフィールはミニフォトブックに。 撮影は細居幸次郎。
科学部(伊藤かりん、能條愛未、和田まあや)
2ページ7カット。
バドミントン部(渡辺みり愛、北野日奈子、新内眞衣)
2ページ8カット。
漫画部(佐々木琴子、斎藤ちはる、寺田蘭世)
2ページ6カット。
巻中も集合で1ページ、部活動モチーフ。
吹奏楽部(鈴木絢音、樋口日奈、井上小百合、永島聖羅)
3ページ7カット。
巻末は中元日芽香が写真部として狂言廻し。
写真部(中元日芽香)
1ページ2カット、その他カメラを持って写り込み。
ダンス部(川村真洋、中田花奈、川後陽菜)
2ページ7カット。
かるた部(伊藤純奈、斎藤優里、山崎怜奈)
2ページ7カット。
青年漫画誌の限られた紙幅でも突き詰めれば此処まで出来ると言う見本、素晴らしい出来。
学校と言う設定と狂言回しの中元日芽香が効いていて、伸び伸びと柔らかい表情で撮られている。
高校の写真部でライカのM9を持っていると言うのもなかなか無いとは思うが、ストラップを可愛らしくしてそれらしく。
カメラを構える中元日芽香を画面に入れる事で被写体がこちらを向いていないことにも辻褄が合い、目線が来ていないどころかこちらすら向いていないカットを入れる事で見る側が画面内に入りやすくなる。 女子高の賑やかな雰囲気が卒業アルバムのページを繰るように仄かに甘く香り立つ。
アイドル専門誌でも、此処までしっかり作りこまれたグラビアは滅多に見られない。 眼福。