「青龍刀権次(5)乳母の義心」玉川太福/玉川みね子
権次が出て来ないエピソードの続き。 わたくしといたしましては、いない方が楽しんで聴ける。
これまでのあらすじを語った後、眼鏡を外して本編に入るのだけれど、そこまでの時間が日に日に長くなって行く。
浪曲に耳が慣れてきたので、節回しを味わう愉しみ方も分かりかけてきた。
ここから面白味が増していくのだと思う。
「清水次郎長外伝 荒神山の間違い (5)仁吉の最期」 神田春陽
ついにクライマックスの切った張った。 血生臭いところなのだけれど、ねっとり演らずに、さらり淡々。
湿っぽくなりそうな部分も適度にクスグリを入れて軽く明るく。
引き込まれて聞き入ってしまうが、草臥れないのが良い。
明日から後半戦である。 気を引き締めて早起きしたい。
湿度は低いが日差しは強く、真夏日となった。
靖国会館は本日も大入り。
「村越茂助 左七文字の由来」田辺凌天
「回向院 猫塚の由来」神田こなぎ
「太閤記 本能寺の朝駆け 右大臣信長の最期」宝井梅湯
「石川一夢」一龍齋貞寿
<中入り>
「赤穂義士本伝 楠屋勢揃い」一龍齋貞弥
「爆裂お玉 三泥棒出会い」神田すず
「加賀騒動 紅葉山の闇試合」一龍齋貞花
こなぎさんは初見だが、特徴のある声。 ソプラノ。
この声がしっくりくる口調と演目が出来てくれば面白いのではないか。
中トリの貞寿さんが良かった。 語り込むべきは語り込み、客を引き込んだところで一寸はぐらかす。
基本的なところがしっかりしているので崩しても変な崩れ方はしない。
気持ちよく手玉に取られる。
良否の否では必ずしもないが、好き嫌いだと嫌いで、まぁ耳を塞ぎたいような局面もあったが、出たり入ったりも出来ないので心を無にして耐える。
貞花先生は今聴けて良かった。