暫らく足を運んでいなかった多摩川競艇。 天気も良く、顔付けも良かったので足を運んでみた。
今回の出演はバニラビーンズ、predia、Party Rockets GT。
バニラビーンズは出囃子に乗って出て来るところからお辞儀から〆の挨拶まで、きっちり形が出来ている楷書の芸。
型に嵌まりっぱなしではなく、その時々で臨機応変(すぎるほどに)対応できるのが凄い。
先代の桂文楽の立ち居振る舞いで、客弄りが先代林家三平。
Aラインの寒々しいワンピースに申し訳程度のダウンジャケットではなく、それなりの厚さのタイツと上着のある衣装で寒そうではありつつ悲惨さは緩和されていた。
Party Rockets GTは、既にオリジナルメンバーの方が少ないのに何故かそれ以外のメンバーの立ち居振る舞いからも立ちのぼるステップワンの残り香。
友人曰く「部活の元気少女みたいな感じ」。 言い得て妙。
客の総体を掴みつつ、細部にも気配り目配りをするところは流石。
prediaは長期休養から復活した松本ルナを確認。 完全復活には今しばらく掛かりそうな感じはしたが、動きが遅れる事も無く、表情もやわらかく踊れていたので、知らない人が見たら全くブランクを感じないと思われるところまでは来ている。
相変わらず頭抜けて色が白いが、病的な感じはしなかったので安心した。
湊あかねと村上瑠美奈が歌の軸になっているのだけれど、他の連中が歌えるようになって奥行きが出来た。 張らずに歌う湊あかねがまた良い。
見世物として出来上がっていて、入れ替り立ち替り目の前に現れる綺麗なお姉さんに眩惑され、歌声に聴き入っているうちに終わる白昼夢のような甘美な時間。
荷物による場所取りに対する注意喚起が為されるようになり、荷物の山を築いてどこかへ行ってしまうようなのは居なくなった。
昔とは違うとは言え、ここは鉄火場。 持ってくる荷物は最低限にして、貴重品は身に着けているべき。
ハズレ舟券による抽選会などを行っていることもあってか、アイドル目当てで着ていると思しき客もレース結果に一喜一憂。 ライブの合間にオッズと睨めっこをしている様が其処此処で見られた。
客層の裾野を拡げる事に、或る程度は成功していると思う。
今回の出演者はステージ巧者揃いで客の民度も高く、不愉快な場面には殆ど出くわさずに一日過ごせた。
次回開催は桜の咲く頃だろうか。