撮影ワークショップであり、撮影会でもあるSHOZO CLASS PROJECTへ。
モデルは水瀬りんこ。
機材面で試したいことがあり、元々不得手なポーズ指示などはせずにお任せだったのだけれど、良い意味で撮られ慣れていてシャッターを切る度に表情や仕草に変化を付けてくれる。
撮り易いモデルさんで助かった。
自然光編のポイントは、ポージングとポジショニング
動かない光源に対するアプローチを考えます。
先ずスタジオ内で、広い天窓から入る光をレフ板で拾って当ててみる。
晴れてはいたが風が強く、気まぐれな雲の動きに翻弄される事で、図らずも自然光で撮る事の難しさを知る。
ひとしきり撮ったところでスタジオの外へ。
街を歩きつつ背景として映える場所、良い具合に光のある場所を探して撮影。
初夏の午后、日向に出ると強すぎるが日陰では一寸暗い。
そこで頃合いの光が有る場所を探すのだけれど、木漏れ日であったり、周囲の建物の窓や壁からの反射、道路からの照り返しなど、晴れていたからと言うのはあるが、思ったより選択肢には幅が有る。
その光源に対してモデルをどう配置するのか、撮りながら試行錯誤。
日向に出ると流石に暑いが、日陰に入れば吹き抜ける風は未だ涼しく、一時間近く歩きながら撮ったが、然程汗もかかずに済んだ。
撮影した写真はこのあたりに。
ワークショップ帰りに四ツ谷のギャラリー・ニエプスに寄って写真展を見て来た。
脳梗塞で療養中の父との九州への里帰りの日々を撮った写真。
ベッドに横になっていたり、介護用車椅子に乗っていたり、自らの意志で出来る事が限られている状況ながら目には光が有り、表情は柔らかい。
そうした父の姿と、撮影者の心象を現すかのような風景や動物、草花の写真が並ぶ。
浜辺に居る首の長い鳥が鷺ではなく鶴であるところに九州を感じる。
流れる車窓、燃えるような赤い花、枯草に絡んで風に靡くビニールなどから、その時々の撮影者の思いを推し量り、父と過ごした最期の日々を思い起こす。
静かで強い写真だった。