HASEO主催のグループ展へ。
会場は新装成った渋谷のギャラリー・ルデコ。
以前より狭くなったが、それでも目抜き通りに面したビルの3階から6階までブチ抜きで展示スペースになっているので、こうして大規模なグループ展も開ける。
ギャラリーとしては、非常に良い。
先ず6階に上がる、丁度HASEOの作品解説が始まる頃合いで自棄な混み様。
HASEO作品は落ち着いて見られないどころか作品の前まで辿り着けない状態。
仕方のない事ではあるが、作品解説待ちの観覧者が他の出展者のスペースまで侵食して歓談、6階はざっと見て5階へ。
こちらも出展者と来客が作品の前で歓談しており、写真をじっくり見るような雰囲気ではなかった。
錦織智の作品は相変わらず美しく在ったが、作為と露悪が強すぎるようにも感じられた。
これは写真展のテーマに寄せた結果であり、別なところで別な形で見ればまた印象も変わると思う。
4階へ移動。
山本華漸の写真が何時もながら小洒落て狡くて美しい。 この人の写真は大仕掛けに纏めてドンと見たい。
全体的に撮ってから後の工程に力点を置かれたようなものが多く、予想はしていたがそれ以上に私向きではない展覧会だった。
写真と絵の間にある、絵寄りの、写真に似た何か。
良否ではなく、好悪に属する感情を刺激するもの。
美しくはあっても、見ていて心が浮き立たない。
厭悪ではなく、何と言うか、「俺はいいや」と言う諦めに似た感情。
出展者と来客、楽し気に歓談する祝祭空間。
煙草と食べ物と人いきれ、それに新築の建材の臭いが混ざった空気に耐え切れず、3階は見ずに退散。