給料が出たので、定期で購っているものを4冊買って帰ってきたのだけれど、フォトテクニックデジタルが出色の出来だった。
北原里英、中村歩加
表紙と巻頭14ページ25カット、見開き2か所。 撮影は細居幸次郎。
外でも撮っているが屋内中心。 外で撮ったものをアクセントにして、中で撮ったものを見せる手法。
技術誌らしく撮影機材とデータが載っているのだけれど、オリンパスはマイクロフォーサーズのOM-D E-M1 MarkII に17mm/f1.8と25mm/f1.2、ライカM9にはズミルックス 50mm/f1.4ASPH。
単焦点の標準レンズと一寸広めの換算35mm。
かなりのソフトフォーカスになっているのが2カットあるのだけれど、どちらも25mmで撮ったもの。 開けて撮っただけでここまでの絵にはなるのか、あるいは何かしらの細工をしているのか。 兎に角、良い。
中村歩加は撮られ慣れていないが故の硬さが出ているカットもあるが、北原の寄り添い方が上手く、和らいだところを細居幸次郎が逃さず掬い取っており、中でも10ページ11ページの2カットは、中村歩加の被写体としての魅力を良く引き出している。
北原も寄り添いつつ、脇に廻り過ぎずに自分の色は出している。
北原が良いから、中村も良くなる。 良い循環。
私がこの雑誌に期待しているのはアイドルグラビア誌にも年寄り向け月間写真誌にも載らない類の、想定読者層であるコアなアイドルファンに迎合せず、権威に寄り掛かったような分別くささもなく、それでいて質の高いポートレートなのである。
今月のフォトテクニックデジタルは、この巻頭グラビアの為だけでも購う価値がある。