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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2017-09-24 橘が暴れたがってるんだ [長年日記]

_ 『橘まき生誕祭~橘が暴れたがってるんだ。~』(29.09.24)

ここ一と月二た月で目の色が変わり、変化と成長のスピードが上がったCURATIONS。
中途加入メンバーである橘まき、初めての生誕祭。

これまでは前に立つ場面も多くはなかったが、今回は生誕祭と言う事でほぼ出ずっぱり。
それどころか選曲から衣装のアイデアから、様々なところに関与したらしい。

CURATIONSはオリジナル曲が少なく、常に何かしらカバーの楽曲を織り込んでいる訳であるが、今回のライブは新たなカバー楽曲だけで構成。
10月15日の集客目標の有るワンマンライブはこれまでに演った曲の中からのリクエストアワー的な構成にするとの事だが、ここに来て切れる手札が一気に増えたことになる。

生誕祭の衣装は色違いのセーラー服。 リハーサルを終えたメンバーが客の前を通って楽屋に戻る際、毛布上のものでぐるぐる巻きになってまで見せまいとしていたので何かと思ったら、それであった。

薄手の生地でコスプレ感溢れるものではあったが、祭事用としてならアリだろう。
昔同人映画を撮る際に、監督の趣味でオリジナルのセーラー服を仕立てた(流石に自腹は切らせた)ことがあるが、ちゃんと作るとそれなりに高い。

閑話休題。
現役の高校生は一色真衣のみだが、桐谷・橘は黒髪なのと髪型をそれらしくしたので違和感は無い。
春名あかりがどうなるかと思ったが、突き抜けて虚構だったので却ってサマになっていた。

客の習性として「からかう」「ひやかす」と言うのはあって、言われた方はそれ相応に傷つく羽目になるが、洒落にならない程似合っていなければ根多にも出来ない訳であり、割り引いて考えていただきたい。

そのままな感じのセーラー服ではあるので、衣装然とした形に加工すれば、客前で着ても可笑しくはないと思う。

橘まきが考えた「アニソン縛り」と言うセットリスト

1.残酷な天使のテーゼ
2.お願い!シンデレラ
3.緋色のカケラ
4.Don’t say ”lazy”
5.ハレ晴レユカイ
6.それは僕たちの奇跡
7.今話したい誰かがいる

アンコール
もってけセーラーふく

もってけセーラーふく で使うポンポンは、一色真衣が所属するチア部から拝借してきた本物。
知恵と工夫とコネ。 今自分たちで出来る事を片っ端からやりつつ、大人に協力を求める良い循環で動き出していると思う。

終盤に客が用意したケーキや花束が出て来て橘まきを祝福。
悪目立ちしたり出し抜こうとしたりする客もおらず、生誕の仕切りも牧歌的。

橘まきがその成長ぶりを見せつけつつ、和やかに終演。

グループの変革と成長のスピードが急に速くなると、メンバーそれぞれの成長速度との誤差が出て来る。
月城凛花の休演に一抹の不安を感じないでもなかったが、実り多い生誕祭であったことに間違いはない。


2017-09-16 カメラマンの技術で成り立ったグラビア [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 40号

泉里香
表紙と巻頭6ページ8カット、撮影は阿部ちづる。
ビキニトップにホットパンツ(その上に一枚着てみたり)、身体の線の出るノースリーブのニットなどで露出度をコントロール。
限りなく水着に近く、そうではない衣装。 水着の安売りはしないと言うことらしい。
私はこうした即物的でない見せ方の方を好むのでこれはこれで良いが、事務所の方針であるような気もする。

始めと終わりをノースリーブのニットのカットにするなど、流れを作ろうとする意図は感じられるが、間のページは些か散文的で物語を紡げていない。
写真そのものは悪くないが、全体としては阿部ちづるのポートフォリオの趣。
それもこれも事務所側の官僚的な仕切に起因しているように私には感じられる。
このまま行くと「仕事は繋がるが代表作と言える物が無い」と言う笑えない事態に成りかねない。

ジャスミンゆま
巻末4ページ10カット、撮影は桑島智輝。
天候が思わしくなかったと見えて、ハウススタジオの中での撮影。
美点としての手足の長さと言うのが写真で見せようとすると難しいのであるが、その辺り桑島智輝は上手い。
カラーコンタクトが然程気にならないのも、そう撮っているのかも知れない。
桑島智輝は工芸家と美術家の間を往ったり来たりして顧客の要望に添ったりその上を行ったりする仕事をするので、見ていても気が抜けない。

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 41号

三城千咲
表紙と巻頭8ページ16カット、撮影は山口勝巳。
レースクイーンの仕事もしており、布面積の少ない衣装で人前に立つのも写真を撮られるのも慣れて居るであろうモデルに山口勝巳と言うのも解せなかったのであるが、撮られ慣れ方が雑誌向きではなく、紋切り型の表情で固まってしまっているので腑に落ちた。
下手に矯めると強ばる方に硬くなって表情が死んでしまうので、紋切り型に固まったのをポージングと撮る距離・角度で切り取って絵にしている。

こう言う「ブツ撮りポートレート」になると、矢張り山口勝巳は上手い。
美しいには美しいが退屈窮まる被写体を相手に、淡々と仕事をする。

松島菜々花
古民家的ハウススタジオでの巻末4ページ8カット、撮影はTakeo Dec.
表情の階調に乏しいのを光とポーズで変化を付けて上手いこと誤魔化している。

巻頭も巻末も、カメラマンの技術で成り立ったグラビア。
これはこれで面白い。


2017-09-11 わくわく祭り [長年日記]

_ 朝練講談会(第262回)

その日見たいものがその日見たいかどうかはその日にならないと分からない。
ふらっと行って入れるのが、それでも客はある程度いるのが、そして混みすぎないのが理想。
演者からしてみれば予約が入ることで安心できると言うのはわかる。
しかし縛られたくはない。

朝練の常連客は、開場してから開演までの時間に三々五々やって来る。
それなりに埋まって開演。

「藤堂高虎 出世の白餅」田邊いちか
「紺屋高尾」一龍齋貞橘

いちかさんは良い意味で図太くなったと言うか、物に動じなくなった。 
安心して聴ける。

貞橘先生、例によって脱線を繰り返すがなんとか戻ってくる。
盛り上がってきたところではぐらかす。 間合いを一寸外す。
で、締めるところは締める。
誰が良いですか、ひとに訊かれたら「貞橘先生」と答えている。

講談にしても浪曲にしても、朝練講談会は顔付けも敷居の低さも「入り口」として好適。
千円持ってふらりと行けば確実に楽しめる。

_ ツルノヒトコエ(29.09.10 東豊名店街 わくわく祭り)

桑原みずき、桑原彩音姉妹率いるレビュー集団「ツルノヒトコエ」が何故か団地のお祭りに出ると言うので見に行ってきた。

豊島五丁目団地は豊島区も外れ。 江北橋を渡れば足立区。
環七の西新井大師付近から江北橋を渡って明治通りに出る古い参詣道路の途中にある。
鉄道駅は遠く、何路線か通っている都バスが主たる交通手段。
王子駅前からが一番早い。

急拵えの舞台では、吹奏楽やダンススクールの発表会などが行われ、その流れで「ツルノヒトコエ」。
何故このお祭りに出て来るのか分からなかったのだけれど、次回公演を日暮里辺りの劇場で打つかららしい。
直線距離としては遠くないのであるが、交通の便で考えると近くもない。 やはりよく分からない。

歌い手抜きのダンサーのみの編成。
桑原姉妹は喋りは達者なので間延びはしないし、踊る技術と練度に関してはケチのつけようがない。
ただ、如何せん曲が古い。
分かり易さを採ったのかもしれないが、「ダイヤモンド」と「年下の男の子」で耳目を集めることは出来ない。

やっている事自体のレベルは高いのに、見せ方が上手くないのは勿体無い。
「凄いもの」ではなくて「凄そうなもの」に人は集まる。
虚仮脅しみたいな事を好んでやる桑原ではないだろうし、今のやり方でも興行としては続けられているので、これはこれで良いのかもしれない。


2017-09-07 湿度高めの四畳半グラビア [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 38号

斉藤朱夏
巻頭7ページ15カット、撮影は佐藤裕之。
服装やロケーションなどは当たり障りのない典型的声優グラビアなのだけれど、表情は生きたものが切り取れている。
生きた表情だけにクシャッとした笑顔などもあるのだけれど、それにNGを出さなかった斉藤朱夏も写真と言うものを分かっている。
最後のカットは海辺で撮ったものなのだけれど、ボーっとしてそのままページを繰ると、ゴールデンカムイのカラーページが同じような色味で男性キャラクターが褌一丁で浜辺に寝転ぶ絵から始まる。
バカバカしくも面白い。
こう言う手の込んだ悪戯も、斉藤朱夏が巻頭だからなんとかなったのだと思う。

Beauty Bust 7
水着映えする被写体を7人集めて、両面のオマケポスターと巻末ぐ゛ラビアページ、撮影は栗山秀作。
黄色人種の肌色をこってりと乗せた栗山秀作の撮り方が面白い。
コントラストを高める事でデッコマヒッコマを強調。
賛否あると思うが、私は採りたい。

巻頭巻末ひっくるめて面白い。
首を傾げざるを得ないような出来だったり、唾棄すべき企画が続いたりしていたが、ヤングジャンプ編集部の底力を感じた。
これならまだ暫くは指名買い出来る。

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 39号

松田るか
巻頭7ページ23カット、撮影は唐木貴央。
編集者の審美眼の無さから来るモザイク的な割り付けで損をしているが、唸らされるカットはある。
カメラマンの側のディレクションなのか、編集者の指示なのか、はたまた事務所の意向なのか、光を強く当てたり無理に表情を作らぜ足りするとよろしくない。
1ページ目2ページ目は良いのだけれど、モデルを動かして撮った部分は冗長。
うつぶせに寝かせて窓からの光を横から当てた最後のカットは良い。
どう撮れば映えるかより、モデル不在の撮影プランが優先されたが故の不出来。

川崎あや
巻中5ページ13カット、撮影はTakeo Dec.
すらりと伸びた手足とくびれたウエストを強調して見せようとして、捻った挙句上手く行っていない。
普通のレオタードはまだ自由が利くが、取れるポーズが限られる変形水着などは、却って身体の線が生かしにくい。
Takeo Dec.の試行錯誤は買えるが、健闘虚しく一歩及ばず。

みうらうみ
巻末4ページ6カット、撮影はTakeo Dec.
撮られ慣れていない硬さが露骨に出ている。
曇天の屋内と言う事もあり、借金のカタに売られたような陰惨さまでは無いのが救いだが、愛住町時代の英知出版を思い起こさせる湿度高めの四畳半グラビア。
撮られ慣れて来れば、集英社っぽいグラビアにはなると思われる。


2017-09-03 江東楽天地の名残 [長年日記]

_ 楽天地ミュージックラウンジ vol.2(29.8.27)

小林一三が城東地区の労働者向けの娯楽施設として作った江東楽天地の名残のビルの前の広場で不定期に開催されるアイドルとシンガーソングライターのライブイベント。

タイムテーブルは下記の通り。

11:30~12:00 LuI (ルイ)
12:10~12:40 月乃凛(ツキノリン)
12:50~13:20 akane
13:30~14:00 ANNA☆S(アンナッツ)
14:10~14:40 水森由奈withつるぴかりん
14:50~15:20 CURATIONS
15:30~16:00 神様アイドルプロジェクト

見たかった(撮りたかった)グループの出演時間に合わせて現地へ。

ANNA☆S
スイッチの入り切りが上手い。
にこにこと登場して立ち位置へ。 小池優奈が一曲目に何を演るかど忘れして「おいこら」的やり取りがありつつも、曲が始まると表情は一変。
歌って踊っての部分は実にしっかりしたもので、こともなげにやってのける全てが研ぎ澄まされている。
安定していて破綻しないので分かりにくいからやっている事の凄さが分かりにくい。
送り手の側は難易度の高いあれこれを難易度が高いようには見せないようにしているのだと思う。  そこがまた良いのだけれど、もどかしくもある。

一曲だけ撮影可なのを訝しく思っていたが、撮ってみて解った。 この一曲で、撮られる事に勝負を掛けている。
その曲だけ「撮られる事」を意識した動きになっている。
撮っているカメラを把握しており、その全てに視線を送って一寸止める。 それでも歌って踊っての部分は一切疎かになっていない。 なまなかのことでは出来ない芸当。

水森由奈withつるぴかりん
アイドルと言う括りでアイドルのライブに出てくると辛いところは有るが、コミックソング的なものを歌う人として地域のお祭りなどの営業に出た場合は強いと思う。

CURATIONS
このイベントの裏方に入っていたマネージャー氏が転換時間のBGMに CURATIONSの曲を流し、メンバーは出演時間直前までチラシを撒いて歩き、「知ってもらう事」に関して出来る事を片っ端から精力的にやっている。

オリジナル曲だけでセットリストを組めないのを逆手に取り、人口に膾炙した曲や盛り上がり易い曲を持ってきて通行するフリの客の足を止め、後半に自分たちの持ち歌を持ってきて聴いて帰らせるしたたかな構成。
大道芸や街頭広告の「聴いたことのあるメロディーで客を寄せ」「人だかりを作って足を止める」やり方を、知ってか知らずか踏襲しているのが面白い。
借り物の曲でも人前で演って金を取れるくらいの練度にはなっているから安心して見ていられる。

これでお客さんがドーンと増えてくれると良いのであるが、そうは問屋が卸してくれにくい。
良い循環にはなっていると思うので、倦まず腐らず続けて欲しい。

_ 更新情報

CURATIONS楽天地ミュージックラウンジ vol.2(29.8.27)の写真をこちらにアップロード。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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