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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


1999-11-20

_ 二十二日に

法政市ヶ谷キャンパスで行われる怪しいイベントにて、ゲームショーでとった写真を写っている人たちに渡してもらう為、新宿駅小田急線改札口で伝令と待ち合わせ。 しかし、改札が少なくとも四つ以上有る事が駅に着いてから判明。 お互い戸籍名を知らない為、放送で呼び出す訳にも行かず、候補を二つに絞り、行ったり来たり二往復半したところでようやく相手を見つけてネガの受け渡しに成功。 そのイベントを撮影したいと言う伝令氏に、撮影する状況に合わせたフィルム撰びとか、必要なレンズとかをレクチャーして、中古屋を案内して別れた。 なんだかいつもこんな事をしている様な気がする。
 しかし、当日。 彼はフィルムの装填に失敗して一齣も写らないと言う悲劇に見舞われた。 私も流石にそこ迄は考えていなかった。

 今日から当分の間、日記に於ける「(笑)」の使用を自粛する事にした。 オチをつけたいときには便利なのだけれど濫用し過ぎている様な気がして来たので。


2002-11-20 明けて今日

_ いろいろあって

くさくさするので、仕事終わりで四ツ谷に行こうと思います。 Cutie PaiBiBi

平日なのに何故か豪華な客席になりそうです。 ところでアイヲタ界の赤い撃墜王マンフレート・フォン・リヒトフォーヘンさんは来るんでしょうか?(苦笑)

_ 今日の一枚

藍原まゆり

_ りえくらぶ撮影会におけるガッツキ大会

以前は休憩中のモデルさんにがっつく客は居なかったのですが、だんだん増えてきたようで参加者心得が出来ました。 今回は殺伐としていなかったし事務所側が率先してやっていた(苦笑)ので問題にはならなかったけれど、現状でも十二分にまったりしているのだから、休憩時間くらいはモデルさんを休ませてあげたいものです。

まぁ今回も含めて、こういう風潮はデジドルというものの「接客業的側面」の及ぼす悪影響なんじゃないかと思いました。

_ 澁谷さまより檄。「書き込みしようよ!」

澁谷さまラジオ番組掲示板に澁谷さまが久しぶりに書き込み。

15  書き込みしようよ!
2002/11/14 02:16
From:澁谷 良子
ノリに乗って作詞完成しましたぁー!聞かせられるのはまだまだだけどぉぉぉぉぉ お!
みんな楽しみに待っててね!ホントみんな書き込みしないよね。
しようよ!
女性 10歳以下 O型 東京都

・・・すいません!!(泣)。 書き込みます!!(号泣)。
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

# 最近彼を良く見かける人 [恐らく来るでしょう(笑) とっても活き活きしてますよっ!]

# ひろろん長官 [新秘密基地が開設されるのに伴い旧秘密基地はもはや秘匿する必要がない、という判断なんですね?(苦笑)]


2003-11-20

_ つかえないどころではない

ホセさんのおっしゃる通りでして、何度煮え湯を飲まされたり泥被らされたり尻拭いさせられたりしたかわかりません。地元有力者の息子ってのにとなり町の役場へパイプ椅子借用のお願いの電話を掛けさせたら「あー、ワシだが」口調で担当の社会教育課長が激怒。 こりゃ大変だってんで急いで先方へ。 「先ほどはこちらの者が大変失礼致しました」ってんで平謝り。 なんてのを思い出しました。
これには更にひどい落ちがありまして、よくよく話を訊いて見たら「入学式の時にパイプ椅子を貸したら、数は足りないし、壊れているのはあるし、信用出来ないから貸さない。」・・・事務方の不始末を学生が被るというバカな話で。

_ グラビア日記

ヤングサンデー、巻頭グラビアに栗田梨子。 上手く撮ったものですな。

_ りえくらぶWEBRAMA 第2弾

りえくらぶドットコムのアイドルるんるんBBSより引用
● Re:情報。 ... かがわりえ  

11月30日より WEBRAMAサイトにて 新ウェブドラマが配信されます。
「みらい少女 シェリーココ」 出演アイドルは!?! 桑原彩美・阿部千明・桜井美侑・水原鈴花・安齋舞・ 山本理恵と豪華ラインナップ。 他出演者も、三坂知絵子。特別出演に くみちゃん。 さらに声優アイドル界からは、森永理科を迎えます。
30日配信をお楽しみにー。 第一話、撮影無事しゅうりょう。 あのテレビ朝日で大人気だったドラマ「ヴェッカー」監修 畑澤和也が監督でっす。 かがわりえプロデュースウェブドラマ第一弾!
果たして!?どんな仕上がりか、お楽しみに。 雨にやられ、泥まみれになって、おなかすかせながら みんなで撮影がむばったです。

・・・との事。 三坂知絵子に森永理科ですか、なんだか裏で木塚くんが暗躍していそうなキャスティング。 
ウェブラマのサイトでは現在のところ第1弾の「bikini探偵プリティビッツ」を配信中。

_ SHIPカレンダー

SHIP Shopにカレンダーの画像が上がりました。 1月2月が私の担当です。 

_ 今週末の予定

22日は不動院寄席。 仕事終わりで19時までに六本木まで辿り着けるかどうかは微妙。 ここは「なんだか良くわからないが1回落語を見てみたい」と言う人にもお薦めできる。 料金は、当日1200円 前売り 1000円。

_ はじめての落語

生で見るのが一番なのだけれど、とりあへずCDででも聴いてみたいと言う人には、100円ショップのダイソーに100円のCDが20枚以上置いてあるので、まずはそのあたりから攻めてみてはどうでしょう?。 但し、100円だけのことはあって、全く聴く価値の無いつまらないのや録音が悪すぎて聞き取れないのも混じっているので注意、注意。
三遊亭金馬(三代目)の奴なら大外れは無いと思う。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

# 長順 [うわ!(笑) 初めてここで知りました。>『シェリーココ』]

# Dwightsa [buy line viagra <a href=http://dstvmediasales.com/sitemap..]


2004-11-20

_ 酒田へ

プリントが4時過ぎまでかかってしまい、あわてて東京駅へ。 走って走って、発車寸前に新庄行きつばさの一番電車に飛び乗る。 これに乗れるか乗れないかで、新庄から酒田まで座れるか座れないかが決まる。
新潟経由のルートが使えない所為か、車内はいつもより混んでいるような感じ。 車内販売の弁当は、・・・と言うか、めぼしい食い物は、自由席に来る前にあらかた売り切れていた。
目が覚めた時にお茶を飲んで、あとはひたすら眠る。 寝ているうちに新庄着。
新庄駅の地元情報センターみたいな所にあったインターネット端末は取り払われてしまっていた。 いづこも同じで、ここも利用者のマナーに問題があったらしい。
朝飯を食ったりして時間を潰し、陸羽西線の入線時間に駅の中へ。 席を確保して暫らくすると、つばさの2番列車が到着。 あっという間に満席となる。 多少うとうとしつつも周りがうるさくて眠れず、眠いまま酒田着。
降りてみたら知己が3人。 窓口で帰りの指定券を取ってから、タクシーで中町へ。
浪漫亭でランチを食する人たちと別れて、私ともう一人はレストラン欅へ。
階段を下りてドアを開け、中を見渡すと予約席の札がそこここに。 満席だったので涙を(ついでに涎も)呑んで階段を上がる。

_ 昼食

結局しばらくで寿司。 私は3000円でその日仕入れた最高の魚で一人前握ってくれる「じゃらん」とお酒を冷で一杯、連れは普通の一人前の(・・・と言っても、総て地魚だ)「庄内浜」1650円。
寒黒鯛、鰤トロ、ドンコ、鮪、鰆、穴子etc...、いつも乍ら旨い。 一つ食べてから酒を一口やると、酒も旨いし、次の寿司も旨い。 アンキモとイクラ(「はららご」と言っていた)で泣く。 更に、象潟で上がったガサエビと庄内の浜で上がったガサエビの食べ比べで泣く。 殻を剥く前のも見せてもらったが、象潟で上がったものの方が身が硬い。 象潟のものより地物の方が柔らかくて味も良いが、鮮度の落ち方が激しく、鮮度が落ちると溶けてしまうそうだ。 その代わりべら棒に旨い。

_ アイライフさんへ

眼鏡のアイライフさんへ行き、到着のごあいさつ。 今朝方焼いたプリントを見せつつ、暫し歓談。

_ モアレさんへ

ジェラートのモアレさんへ行き、ノヴォフレックスを見せびらかそうと思ったら、逆にアサヒフレックスで撮ったモノクロ写真を見せられる。
外注プリントだけれど、ラボマンが上手くて良いプリントに成っていた。 撮影者の意図をネガから読み取って、最適のトリミングと焼き込み。 モアレの親爺さんは建物の使い方が上手い。
アイスクリームは今月も色々と新しいものが・・・。 「マルサラ酒に漬け込んだレーズンがたっぷり」ってのに惹かれて「マラガ」を選んだらこれがまた旨い。 ラムに漬けたものよりまろやかで、果実の味と香りが強い感じ。

_ 仏壇のさとうさんへ

家の仏壇の蝋燭を2箱購入。 ご夫妻と四方山の話をした後、居合わせたこばひろ氏に宿まで送っていただく。

_ チェックイン

こばひろ氏に送っていただいたお蔭で、重い荷物を担いで歩かずに済んだ。 お礼申し上げる。
チェックインして荷物を整理し、お茶とお団子で一服してから街へ。

_ ケルンへ

大旦那から、戦後すぐに東京に居た頃の話を伺う。 寺島町(鳩の町の近くだったそうな)におじさんと二人で1部屋借りていて、浅草まで歩いて地下鉄に乗り銀座へ通って何か習っていた(このあたり失念)と言うのを聞き、「鳩の街ならまだ奥の方に昔の建物が残っていますよ」なんて話を振ったら「怖くてあんなところには行かなかった」とのこと。
私が住んでいるところの話になり、墨田区ってのを説明するのに「昔の本所区と向島区を合わせたのが墨田区です」なんて言ってから、当たり前のように35区時代の話をしている自分が何歳なんだか判らなくなってへこむ。
ホットコーヒー2杯。

_ 合同御生誕祭

浪漫亭にて、SHIPの客4人の誕生日を祝う集い。 店主のW氏は同窓会という事で開店時は不在。 同窓会の2次会の人たちと共に帰還し、その後は店中えらい騒ぎ。
ビールを飲むと潰れそうな気がしたので、バーボンをストレートで3杯。 日付変更線手前で辛うじて散会。


2005-11-20

_ 今日の自堕落なわたくし

昼まで寝ていた。

何の為の暗室だかわからない。

新宿へ出て中古カメラ屋を梯子。特に欲しいものはなく、何が欲しいのかショーケースを見ながら考える。

知己に出会ったら茶など喫しようと思っていたのだけれど、こう言う日に限って誰にも出会わない。リンガーハットにてちゃんぽん。

これから越谷の奥地、大袋へ

倉庫の二階の十一月公演「漫才で踊ろう」を観に行ってくる。

_ 「漫才で踊ろう」

今月の倉庫の二階は「漫才で踊ろう」。

出演は「アドバルーン」「ペイパービュー」「宮田陽・昇」の三組。

アドバルーンのボケの方が大学の後輩で驚いた。

三者三様、芸風は違うが、全て面白く、久しぶりに何も考えず、腹の底から笑った。

来月も楽しみだ。


2009-11-20 Trinity

_ Don't trust over fifty.

リンクを貼り損ねていたので再掲、

'00年代初頭はアイドルが歌わない時代とか寝言は寝てから言ってください

_ 小林香菜 よのなか入門 vol.74

先週からのダイエット企画の続き。 久々に小林の小林っぷりを堪能できた。
もつ鍋ダイエット(もつ鍋なのにもつを殆ど食べないダイエットらしい。 効果は不明)以外に何かやっているか聞かれた小林。
「歩いてます!」
この間も一時間半歩いたそうなのだが、それは「家の周りを一時間半」ではなく、「家からまっすぐ一時間半」
一回でも曲がると道に迷ってしまうので、家からひたすらまっすぐ歩いて、戻って家の前を通り過ぎてまた歩く。 これならどうやっても道には迷わない。
で、小林。 今何キロあるのか知らない(量っていない)らしい。 現在の膨張の極致を数字で見しまうとあまりのことにやる気をなくしてどうでもよくなってしまうので、多少痩せた実感が出てから量る・・・と。
オタンコナスなようで居て、自分のオタンコナスさ加減はきっちり把握しているのが面白い。

小林そのものは汲めども尽きぬ珍談奇譚の泉なのだけれど、上手く汲んでやらないと面白味が伝わらない。
このあたりがテレビ向けではないところなのだけれど、逆に乱暴に消費されにくくもある訳で、アイドルヲタ属性の表層的な部分だけをテレビ屋に面白可笑しく取り上げられてしまっている指原莉乃と較べれば幸せなのかも知れない。

そもそもチームK公演が少ない上にチケットはさっぱり当たらず、オンデマンドでも不規則発言はカットされてしまい、そもそもそんなものを見られる環境にも無ければ割ける可処分所得も無い私にとって、小林の小林っぷりが確実に見られるのはこの連載だけなので、何とか続いていただきたい。
さらにおかしなことになりそうな次回更新は11/26予定との事。

_ 指原莉乃の三位一体

アイドルであり、アイドルファンであり、「いわゆる普通の17才」である指原莉乃は、自分が崇め奉るところのものであるアイドルに自分がなってしまって、アイドルである事とアイドルファンである事、アイドルファンである事と「いわゆる普通の17才」である事との折り合いを上手く付けられておらず、キェルケゴール的な意味合いでの「絶望」を内包しているように思えるのだけれど、昨今のテレビでの取り上げられ方は「珍しい生き物」としてのアイドルファン的な部分の表層だけを掬い取られているようで、実に勿体無い。

指原の面白さの本質は、もっと深いところにある。
ドロドロした澱のようなアイドル時評みたいなものを書かせると面白いと思う。


2016-11-20 ひとつき十冊

_ 第23回「ひとつき十冊」(11月19日(土) 神奈川公会堂和室)

先月見に行った好事家が集まってその月に読んだ本十冊について語り合うイベント。
今月は出る方に混ぜていただいた。
喋る人は丸岡巧(漫画家/イラストレーター)、倉庫の二階 村田席亭(演芸コンサルタント)、墨田ペトリ堂(好事家)。
司会はドジブックス 佐藤晋(古本屋)
それぞれのリストは以下の通り。

丸岡巧
ロマン優光「間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに」(2016/コア新書)
町山智浩「さらば白人国家アメリカ」(2016/講談社)
畑中純「愚か者の楽園」(2000/新潮社)
いましろたかし「新釣れんボーイ」(2016/エンターブレイン)
彩瀬まる「神様のケーキを頬ばるまで」(2016/光文社文庫) ※親本・2014
村上春樹「職業としての小説家」(2016/新潮文庫) ※親本・2015/スイッチパブリッシング
広瀬和生「僕らの落語 本音を語る! 噺家×噺家の対談集」(2016/淡交新書)
立川志らく「雨ン中の、らくだ」(2012/新潮文庫) ※親本・2009/太田出版
「落語とメディア」展パンフレット(2016/早稲田大学坪内博士記念演劇博物館)
「この世界の片隅に」劇場パンフレット(2016)

倉庫の二階 村田席亭
スペンサー・ジョンソン「チーズはどこへ消えた?」(2000/扶桑社)
吉行淳之介「夕暮まで」(1982/新潮文庫) ※親本・1978
天津木村「天津 木村のエロ詩吟、まだまだ吟じます。」(2009/河出書房新社)
朝井リョウ「少女は卒業しない」 (2015/集英社文庫) ※親本・2012
加藤千恵「卒業するわたしたち」(2016/小学館文庫) ※親本・2013
川上弘美「ニシノユキヒコの恋と冒険」(2006/新潮文庫) ※親本・2003
春日太一「鬼才 五社英雄の生涯」(2016/文春新書)
ロマン優光「間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに」(2016/コア新書)
市川しんす アダム徳永・監修「スローセックス相談所」(2010/講談社)
愛内なの「どんな時でも巨乳女子と子作りOK!! ~目が覚めたら全ての女が俺に惚れていた!?~」(2016/ぷちぱら文庫 Creative)

ドジブックス 佐藤晋
外山滋比古「思考の整理学」(1986/ちくま文庫)
内村光良「アキオが走る」(1996/角川書店)
村田席亭「業務日報」1~5巻(2006~2008/倉庫の二階)
矢野誠一「落語とはなにか」(2008/河出文庫)
南原清隆「僕の「日本人の笑い」再発見 狂言でござる」(2010/祥伝社)
丸山健二「田舎暮らしに殺されない法」(2011/朝日文庫)
前田敦子「前田敦子の映画手帖」(2015/朝日新聞出版)
「ユリイカ」2016年6月号 ※特集・日本語ラップ (青土社)
「BRUTUS」2016年11月15日号 ※特集・漫才ブルータス (マガジンハウス)
「ヒトハコ」創刊号(2016/書肆ヒトハコ)

墨田ペトリ堂
成島柳北「柳橋新誌」(1987/岩波文庫)※1刷1940
齋藤緑雨「かくれんぼ 他二篇」(1991/岩波文庫)※1刷1939
大杉榮・伊藤野枝「二人の革命家」(1985/黒色戦線社)
子母澤寛「味覚極楽」(昭和63年/中公文庫)
青木正児「華国風味」(1984/岩波文庫)
平井正「ゲッベルス」(1991/中公新書)
太宰治「もの思う葦」(昭和54年/新潮文庫)
立川談志「談志楽屋噺」(1990/文春文庫)
東京都写真美術館「ドキュメンタリーの時代 名取洋之助・木村伊兵衛・土門拳・三木淳の写真から」(2001/財団法人東京都歴史文化財団)
JOHN R.BAIRD「collecters guid to KURIBAYASHI-PETRI cameras」(1991/CENTENNIAL PHOTO SERVICE)

全ての本について語り切れるはずもなく、それぞれが選んだ十冊について簡単に説明した後、旬な話題にまつわる本などから。

ロマンポルシェが「浅草おにいさん会」にどの時期からどういった経緯で出演していたのかの検証から騒動の経緯を考えたり、広瀬和生「僕らの落語 本音を語る! 噺家×噺家の対談集」から落語家同士の対談があまりない理由を考えたり、縦糸と横糸が意外な形で織られて行って、思いもつかなかった図柄が現れたり、有意義な3時間だった。
日本語ラップのルーツが企画もののノベルティーソングにあり、新しいジャンルの音楽が持ち込まれる際にはえてしてそうなってしまうと言う話。 日本語をリズムに乗せようとすると、どうしても阿呆陀羅経のような音頭のような感じになってしまい、その実例とそこから抜け出す苦労を実際の音源から辿れたのも有意義だった。
予想通り聞いているだけより話の輪に入った方が愉しい。

私が興味を引かれたのは丸山健二の「田舎暮らしに殺されない法」。
一文の長さが異常で噛んで含んで回りくどく、ねちねちと読者を殺して行く理想の文章。
これは探して買いたい。

_ 朝練講談会(第206回)「吉例 芝居名優役者列伝」

混むであろうと踏んで早めに出て、九時前には着いたのだけれど既に蕎麦屋の先まで列が伸びていた。
こうなると椅子席は選びようがないので久しぶりに桟敷へ。
百人から入ったとの事。

「中村仲蔵」神田松之丞
門閥の無い役者が努力と機転で這い上がっていく様に焦点を当てた演出。
仲蔵を押し上げていくものが「四世団十郎の引き立て」「己の力」「客の後押し」に絞られていて、女房のお岸も師匠の伝九郎も出て来ない。
蕎麦屋で見本になる侍と出くわす時も観察するのみで会話は無し。
主題を「大部屋の役者がのし上がっていく様」に絞って枝葉を削り、幹を太らせて力技で押して行く。
話をぬるくする要素は徹底して省かれ、仲蔵は苦悩を通り越して苦悶の体。
役の工夫は成功するのだけれど、これで安泰とは到底思えない。
よかったよかったにはならない重い一席。

「名人小團次」一龍斎貞寿
善意を善意として受け取れなかった若き日の過ちのエピソードから、時が経って初めて判る人の心について語り、熱せられた客席を常温まで戻してから読み始める。
モールス信号のように細かく刻むリズム、丸いが角はある発声、芝居掛かった科白廻し。 しみじみ聴く。
貞心先生の口調を消化しつつ、貞寿さんなりの講談を読めるようになって来ているタイミングでの真打昇進。

大入りになるのも納得の二席。
私の好みに合うか合わないかと言う話になると、まぁ合ったり合わなかったりなのだけれど、凄いものを見たのは間違いない。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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