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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2012-03-12 禍福は糾える縄の如し [長年日記]

_ UTB+ 2012 2月号

武井咲
表紙と巻頭グラビア、6ページ7カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
整い過ぎていてソツが無い、外れは無いものの大当たりも無い武井咲の武井咲らしいグラビア。
7カット目の、軽く振り向いた写真にのみ、逸脱が感じられて面白い。
何をしても収まってしまうモデルと言うのは、実に撮り易く撮り難い。

橋本愛
7ページ8カット、撮影は熊谷貫。
これをどう書いて良いか悩んで放置したまま年を越してしまった。 モデルとカメラマンの幸福な(若しくは不幸な)関係の窮極が此処に在る。
例によってぐいぐい迫る熊谷、たじろがない橋本愛。 きつめに撮れてしまう事が多く、そうならないように柔らかい表情を要求するカメラマンも多いと思うのだけれど、熊谷貫はきつくなるのも厭わず撮る。 その中で橋本愛の柔らかさを引き出して行く。
此処に希望を見るか絶望を見るか、人夫々だとは思うが、私は後者だった。
美しすぎるが故に哀しい8カット。 眼福。

足立梨花
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
少年と少女に扮した足立梨花を撮り分ける趣向。 好きな写真ではないが、構図の切り方には厳しさがあって良い。
少年と少女が邂逅する最後のカット、ヒールが高いのか箱馬をかませたのか、少年の上背が拳一つ分くらい高く、心持ち見下ろすようになっているのが面白い。

荒川萌
最新写真集絡みの6ページ8カット。 撮影は西條彰仁。
屋外でも屋内でも生きた表情。 光を背負わせ過ぎているようにも感じられるが、眩しさのあまり死んだ表情になるよりは良い。

松井玲奈
7ページ7カット、撮影は門嶋淳矢。
ヘッドフォンで音楽を聴きながら、その曲にあった動きと表情をしろと言う無理難題を軽やかに(見ている分にはあくまでも軽やかに)こなす松井玲奈。
大衆受けする割に複雑怪奇で難解な人だと私は考えているのだけれど、撮影時に難しいテーマを与えることによって、多面性が解りやすく引き出されたのではないかと思う。

市川美織
6ページ9カット、撮影は桑島智輝。
長い髪をまっすぐにおろすか、三つ編みでおさげにするかで印象がガラリ変わる。
髪をおろしてベレー帽を被せた新機軸も良いが、アトリエと思しき室内で大き目のTシャツ一枚着せて座らせたカットが面白い。 危うげでありつつ危なげなくもある、不思議な写真。

峯岸みなみ
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
表情には力があるのに、目に力が無い。 これが何故なのかは本人が一番よく判っていると思う。
先々何になりたいのか知らないが、役者もやりたいのであれば、そろそろこう言うのは止したが良い。
ロケーションも衣装もカメラマンの仕事も良いのに、文字通り「画竜点睛」を欠いた6カット。 落第。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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