寝て起きて気が付いたら予約フォームは既に公開されており、慌てて申し込んだが後の祭りで81番。
例によって予約するだけして来ない手合いと立ち見の良い場所を取ろうとする人々のお陰で椅子にはありつけた。
立ち見も含め、ほぼ大入りの盛況。 葬式でも賑やかな方が救いがある。
前半のバラエティ番組部分は、後半のライブに時間を割きたいとの事で短く30分。
メンバーには「PIP年表クイズ」と言ってあったようだが、蓋を開けてみると例によって差し替え。 「クイズ卒業メンバーに聞きました」で澤村、高城、福田が登場。
福田は落ち着きが増し、澤村と高城は磨きが掛かっていた。
濱野智史が一筋縄では行かない連中しか採っていない事もあり、辞めた連中の書く「答え」もメンバーの想像して当てに行く「答え」もなかなかの物で、最後だと言うのも忘れて笑わせて貰った。
ネタの爆発力は意図したものもしないものも小室が頭抜けて凄いのだけれど、滑った後の石川の受け身のうまさが光る。
そして瑞野の「常識的対応」の完璧さ。
これがあるので他の連中もボケやすいし与太も飛ばしやすい。
後半はライブ。 開演前の影アナは全員で。 休演が予め発表されていた豊栄を含む六人の卒業公演と言う位置付け。
山下の出演は「未定」となっていたが結局最後まで現れず。
この「未定」と言うのも連絡が取れずに未定になった訳ではなく、出演の可否を訊ねたところ山下から「未定としておいて欲しい」と頼まれた由。
山下は自分の中では理屈として通っているのだとは思うが、それを他のメンバーと擦り合わせる努力を客の目に触れる形では全くと言って良いくらいしておらず、今回が実質的にPIPとして開催する最後のイベントとなるにも関わらず「残る人」としての最後の説明の場も放棄してしまった。
影アナの段階で既に何かを刺激されてしまったのか意味の汲み取れない奇声を発して騒ぎ始める客もちらほら。
こうした「高まり無罪」系の客の何割かは物販に於ける接触が主目的であり、それ以外のすべてを弁当幕扱いしてしまう。
ライブは無料にして客が金を落とす機会を接触営業に集約してしまった事が客民度を下げた事は否めないし、多種多様な趣味嗜好の客の棲み分けを図ろうとした試みによって一定の治安は保たれたにせよ、根本的な部分では失敗であったと思う。
濱野智史がこれについてどう考えているのか知りたくはあるが、そう言う機会ももう無いのだろう。
「Baby! Baby! Baby!」→「アーモンドクロワッサン計画」→「禁断のカルマ」
2014年6月15日に田町のSHIBAURA HOUSEで行われたお披露目の日に初めて客前で演った曲を演った順に。
あの日の3曲はなんとかみられる物に仕立ててきた感じであったが、一年有半を経て、きちんと見世物になっていた。
「ハート型ウィルス」(小室・石川・瑞野)
この曲の為に色違いのタンバリンを三つ買っていたと記憶しているが、今日は使われず。
「てもでもの涙」(濱野・空井)
体調不良で休演することが多く、出演できても体調が万全ではないこともまま有った濱野。
歌で金の取れる連中が軒並み辞めてしまう中、伍して歌える面子も限られてしまい、ユニットコーナーでの出番も少なくなってしまっていたが、最後の最後でたっぷり聴く事が出来た。
全員出てきて「RUN RUN RUN」から間繋ぎMC。
調子の悪いマイクを交換していたが、専門のライブハウスでは無いところは割り引くにしても、レベルを上げていないだけなのか死んでいるのか判断が遅い。
「誘惑のハートビート」
四つ打ちの佳曲。 なぜこっちを音源化しなかったのか理解に苦しむ。
濱野舞衣香がこの曲に手古摺りつつ歌いこなして行く過程を見ていられたのはPIP: Platonics Idol Platformを見に来ていて良かった事の一つ。
「選ばれたから」
オケを魔改造して5人分の二番の歌詞のみで再構築した特別篇。
歌えども歌えども終わらず、さながら鉄道唱歌。
「きっとぐっとサマーデイズ」
歌いっぱなしても息が上がらなくなった。
泣いたり笑ったり忙しい小室。 将に「今泣いた烏」。
「PIP Move On!」
この曲の昭和19年頃の軍歌のような空元気には全く感情が揺さぶられないままだった。
PIP: Platonics Idol Platform のオリジナル曲も好きなものからそうでないものまで色々有ったが、「駄曲」と切って捨てられるのはこの曲のみ。
「僕を信じて」
「桜のまた咲く日まで」
濱野智史は信じられないし、PIP: Platonics Idol Platformも桜が咲く季節を前にして瓦解してしまった。
最後の曲を歌い終え、一礼して去る。
裏に引っ込むや否や嗚咽とも悲鳴とも嘆息ともつかぬ声が響く。 小室志織だった。
「10年桜」
「最後なのでメンバーの名前でお願いします」的な予定調和のアンコールの後、初期衣装を模した紺ポロシャツをで出てくる5人。 本当はこれと一緒にしつらえたメンバーの名前入りタオルを持って出てくる筈だったようだが、見事に忘れていた。
先月の定期公演ではリーダーの石川からの発表のみであったので、改めてそれぞれから辞めるに至った経緯や今後など。
元々裏方志望であった、と瑞野。
舞台の上と下、表と裏の両方を知っている裏方と言うのは実に貴重な人材であり、石橋のイベントの裏方でも何でもサークルではなく金銭の動く仕事としての現場に潜り込んで欲しい。
舞台に立った経験に裏打ちされた聡明さと謙虚さは、必ず役に立つと思う。
空井は内定を蹴ってPIP: Platonics Idol Platformに入った訳であるが、就職した同期には何をやっているのか話す気にならない時期が長かったとのこと。
CDを出して漸くと言うから、PIP: Platonics Idol Platformとして活動したほぼ全てが鬱屈期であった事になる。
今後どうするかは未定であるとの事だが、喋る仕事は向いていると思う。
小室は嗚咽交じりと言うかほぼ嗚咽で何を言っているのかよく分からない大平正芳の答弁のような感じ。
・辞めたくはなかった
・アイドルは続ける
・今後の事は決まっていない
・違う場所に行ってもよろしくお願いします
大意を汲むとこんな感じ。
濱野舞衣香は休演が多かった事について自虐的に。
「健康になりたい」「長生きしたい」
今後も何かしら活動はしていきたい由。
石川はもうすぐ映画の撮影が始まるが、仕事で地元に帰れるようになる迄、まだまだ頑張るとのこと。
山下以外全員卒業により、PIP: Platonics Idol Platformが事実上の瓦解に至った経緯については、傷つく人が居るかも知れないとのことで多くは語らず。
これはまぁ仕方がない。
説明はなされるべきだと思うが、それは石川の仕事ではない。
「タンポポの決心」で〆。
長いようで短く、短いようで長いPIP: Platonics Idol Platformの一年有半が終わった。
山下が残る形になるのでPIP: Platonics Idol Platformが消えて無くなる訳ではないが、歌って踊る部分は覚束無い、運営業務も担っていない、グループどころかセルフプロデュースも出来ていない人に何が出来るのかは考えなくても判る。
改めて何かが始まるにしても、これまでのPIP: Platonics Idol Platformとは全く別のものにはなるであろう。