最上もが
巻頭7ページ14カット、撮影は桑島智輝。
髪型からカラーコンタクトから作り込んで人前に出る姿が「最上もが」なのであろう。
裏方もしっかりしているのだと思うが、綻びを見せることは先ず無い。
松本愛
巻末5ページ9カット、撮影は桑島智輝。
ファッションの撮られ方を引き摺っているようなところはあるが、囚われ過ぎていないのは良い。
武田玲奈
巻頭6ページ18カット、巻末3ページ6カット。 撮影はTakeo Dec.
悪くない、寧ろ良いのだけれど、やはり目に生気が無いのが気になる。
素材の良さに寄り掛かってばかりで、生かそう伸ばそうとする工夫が感じられない。
撮る方は何とかしようとしているのであるが。
藤原令子
巻中4ページ4カット、撮影は細居幸次郎。
すっかり大人びて役者の貌である。
4ページ目の睨め付けるような表情が良い。
佐藤美希
巻頭7ページ16カット、撮影はTakeo Dec.
とっかえひっかえほぼ水着。 程の良い体形と煽情的でありつつも遣り過ぎないポーズと構図。
4ページ目のみ、上に一枚着たカット。 タートルネックの白いニットの描き出す肩から二の腕にかけての線が美しい。
伊藤しほ乃
巻末5ページ10カット、撮影はHIROKAZU。
巻頭とは打って変わって「これでもか」と煽情的な5ページ。
そう言う売り方なのだと思うが、狙い過ぎているのが一寸鼻につく。
松岡菜摘
写真集の未使用カットから巻頭7ページ12カット、撮影は佐藤裕之。
水着とセーラー服なのだけれど、どちらを着ていても表情にブレが無く、カメラと素で向き合えている。
上だけセーラー服だったり、水着の上に薄物を羽織っていたり、暗喩で青少年のリビドーを刺激するようなカットが憎らしく巧い。
何気なくページを繰っているうちにコロリと殺られる。
買わずに済まそうと思っていたが、この写真集は買わなければならない気がしてきた。
太田夢莉
巻末5ページ8カット、撮影は門嶋淳矢。
気が付いたら死んでいる(こちらが)感のある松岡に対して、向こうから積極的に殺しに来る太田夢莉。
前門の虎、後門の狼。
物怖じせずにカメラの前に立つ太田夢莉は、カメラのその先を見ている。
アイデア勝負の大道具も含めて面白い8カット。
伊藤萌々香
巻頭7ページ20カット、撮影は桑島智輝。
10月1日発売なのであるが、夏らしい南国の浜辺で撮った20カット。
惨憺たる出来。
眩しがると眠そうになるので太陽を背負わせたり出来る工夫はしているのだけれど、如何せん光線が強すぎる。
モデルにもカメラマンにもこの不出来の責任は無い。
松井珠理奈
写真集からの未公開カットで巻末5ページ12カット、撮影は渡辺達生。
全編商売用の松井珠理奈。 そのままお蔵入りさせた方が良かったようなカットが並ぶ。
獣脂とグルタミン酸ナトリウムがコッテリと効いたようなのが好きな向きには堪らないのかもしれないが、私は真っ平御免被る。
篠崎愛
巻頭6ページ、撮影は桑島智輝。
全編肉感で押し捲りつつ、くびれるところはくびれていることを見せてバランスを取った15カット。
内田理央
巻末5ページ、撮影は桑島智輝。
好対照な「線で見せる」14カット。
巻頭もそうだが、美点を生かすことで被写体を生かしている。
充実は欠落の不足であり、欠落は充実の不足であって表裏をなす・・・とか何とか埴谷雄高が書いていたような朧げな記憶があるが、対称的な巻頭と巻末であった。