tokyoarts galleryにて、舞山秀一による動物園での連作の写真展。
小体なギャラリーに巨大なプリントを展示しているため、点数は少なめながら見やすい環境で落ち着いて見られたのは良かった。
私が言った時間帯は丁度在廊中で、撮影手法や苦労した点などを話しているところに出くわしたので、図らずも気になっていた点を知ることが出来た。
会場の中央に置かれたジッツォと思しき三脚にリンホフ・テヒニカ。 ニッコールの180mmが付けられていたが、4×5にレンズ二本のみで全国の動物園を撮って回ったとのこと。
写っているのは動物と飼育施設のみ。 客や飼育員は写り込まないタイミングでシャッターが切られている。
私が心惹かれたのはハシビロコウを撮ったもの。
飼育施設の網の前後数十センチに被写界深度が設定されていて、網と言う境界の向こうにハシビロコウが立ってこちらを向いている。
網の哀しみ。
購入した図録にも入ってはいるのだけれど、やはりあの大きなプリントで見なければ判らない。
クリエイションギャラリー日本橋箱崎で開かれている写真展へ。 熊本地震へのチャリティーと言う事で、入場料が500円。 但し、入場券を持っていれば当日に限り再入場可とのこと。
入場料だけでなく、物販の売り上げもすべて寄付との事で、受付の横に物販コーナー。
写真展への出品は初めてと言う人も居るそうで、作風も様々。 「復興」と言うお題についての解釈も様々。
九州で撮影した写真であったり、復興支援のイメージを写真にしたり、ライフワークで撮っている中からの出品であったり。
私が見たかったカメラマンの作品はライフワークとして撮っているものの延長線上にあるもので、趣旨に合わせて控えめな表現にはなっていたが、質は保たれていたので安心した。
復興と言うテーマが生で出ているものも多く、それが気恥ずかしくもあり、面白くもある。
構図の切り方、色の出し方から感じる若さ。
意図はしていないと思うが、種々雑多な写真がサラダボウルの如くに集まることによって文化祭的な祝祭感が醸され、重くなりがちなテーマを幾分軽くしていた。
雨そぼ降る中、日本橋へ。 着いた頃には小降りに。
出足は悪かったが、開演までにはそれなりに埋まった。
開演待ちの間、今日も太鼓の稽古をする音が漏れ聞こえてくる。
心なしか上手くなったような。
「源平盛衰記 五條橋主従の出逢い」田辺いちか
「寛永宮本武蔵伝 吉岡又三郎」神田みのり
「お掃除ホームレス」田辺凌鶴
いちかさんは多少アワアワするところもありつつ。 言い間違いに関しては前座なのでまだ目くじらを立てる必要は無いが、講談特有の音便(「ん」の省略)がまだ身についていないのが一寸気になった。
みのりさんは前回の前座勉強会で不測の事態の中二席読むと言う修羅場を潜ったのであるが、あれで肚が出来たのかもしれない。
サマになってきた。
前座と言う芸人未満の状態で芸を腐すと言うのも野暮なものであり、また見たい・聴きたいと思える水準にあるのは間違いなく、今後も足を運ぼうと思う。
凌鶴先生は、自身の前座修業時代の思い出話、前座勉強会事始めをひとしきり。
そこから、前座の会にも是非足を運んでほしいと温かい言葉。
「お掃除ホームレス」は自作の新作で、講談の文法に則った地の文と会話のバランスが前者よりのもの。 途中で歌が入るのが一鶴門下らしい。
しみじみ聴く。
外に出ると、雨は上がっていた。