江戸川橋のギャラリー NIWへ。
モデル主催の写真サークルの写真展。
一寸厭な予感はあり、その正体を確かめに行ったようなところはあったが、厭な予感そのものが其処にはあった。
このギャラリーは手前から三部屋に分かれており、おおよその写真展は中央の部屋を受付とか物販に使い、関係者はここに居ることが多いのだけれど、そのようには使われていない。
一番奥の部屋に入ると、中央にテーブルを設えてお茶会の最中。
もはや写真を見て回れる状態ではなかった。
写真を広く見せる為ではなく、仲間内で見せ合う為の催し。
客が来ることを想定していないからこそ、動線を塞いでお茶会が出来る。
モノクロに特化した出品者の作品が気になったが、もはやじっくり見る気も失せたので早々に退散。
閉じた内輪のお祭りなら、閉鎖空間でやっていただきたい。
客観的に場をコントロール出来る、状況を引いてみられる人がいない写真展は、得てしてこうなる。
フォトテクニックデジタル主催の私家版写真集を募った公募展の入選者による写真展。
写真集の公募展なので、出品作のパネル展示の傍らには入選した写真集が置かれる。 規模の割に観覧者の滞留時間が長い、濃密な写真展。
午後にトークショーが入っており、それを外して見に行ったのだけれど、トークショーからそのまま残った人が多かったようで、写真を見るでもなく写真集のページを繰る訳でもない、「出品者と語らう」目的の人々で溢れていた。
こうなるとじっくり見られるような状況ではなく、目当てのカメラマンの最新作と目に付いたものを見ただけで退散。
滞留時間が長くなる事を考えて展示スペースを考えておらず、そもそもが手狭なところに写真を見るでもなく写真集を手に取るでもない人々が屯していれば写真を(写真集を)見るどころではなくなるのは目に見えている訳なのだけれど、主催者側にこの状況を客観的に見てコントロールしようとする者がおらず、見る環境としては最悪と言って良い。
見れば語りたくなる写真であり写真集であるのは判るし、自作について語りたくなるのも判る。 私も聞きたい。
然し乍ら、他の出品者の作品の前を塞いで自作を語る会を開いて仕舞うなどと言うのは論外。
広く見て貰う為にやっている写真展で「閉じた仲良しクラブ」「出品者の為のお祭り」みたいなことを始めたら邪魔にならない方法を考えたり交通整理したりするのが主催者の仕事。 それが全く出来ていない。
写真集ではなく、写真展が悪い意味で私的なものになってしまっていた。
ちなみに目当てで見に行ったのは錦織智の新作で、こちらの出来は素晴らしかった。
七時過ぎに開場着。 もう少し時間を潰してからとも考えたが、如何せん寒い。
今回から各所で配布しているクリアファイルを持参するとそれがチケット代わりになるシステムが始まる為、受付担当者にも周知していた。
クリアファイル効果は目に見える形で出ており、開場する直前で50弱。
開演してからも増えていたようなので、実数としてはもっと行っていたのではなかろうか。
先ずは見て貰ってナンボなので、集客が多いのは喜ばしい。
前の番組が終わってから開場までに15分しかないので入れ替えやら音響の調整やらリハーサルやらでバタバタするのは仕方の無い事で、五分ほど遅延して開場。 開演は更に遅れた。
影アナは石川。
石川なりの味付けで硬い文面の諸注意や免責事項も柔らかく。
今回は人気投票で決まった順位でのセットリスト。
手持ち楽曲のすべてをやることにはなるが、投票の結果はメンバーも知らされておらず、スタッフがインチキDJ的に曲名を発表して初めてメンバーも客も次の曲がなんだか判る。
立ち位置でバタバタはするものの、振り付けと移動は頭にも身体にも染み着いており、目立ったトチリは無い。
途中で一曲新曲も披露。 まだ遣り慣れてはいない硬さはありつつも、既に人前で演って金の取れる出来にはなっていた。
神咲の振り付けに柔らかさが出てきた。 正確な動きの先にあるものを掴みつつある。
勢い余って一寸逸脱するところもある別所。 それもご愛敬。
石川は体調も精神状態も悪くはなさそうで安心した。 弱みを見せまいとする営為が完璧すぎて、煮詰まると atmosphere に出ることがある。
杏斉の歌が新境地。 心浮き立つような楽しさを聴く者に与える。
道地は情熱と冷静を同居させ、意識を半歩引いたところに置いたように客を煽ったり弄ったり。
煽ると甲高い声になりすぎて何を言っているのか判らなくなる宮瀬。
そのあたりを含め、宮瀬ファン某氏と話すと「楽しそうだからまぁ、いいんじゃないでしょうか。」と言うところに落ち着く。
上位に来るのは盛り上がる系統の楽曲。 聴かせる系統の楽曲の出来も良いのだけれど、現在の客の殆どが「ライブに来る客」なので、これは仕方がない。
私は一位になった「星空ディスティネーション」と七位の「メリーゴーランド」が好きなのだけれど、どちらもベースラインが変態的なまでに唸る。
良く出来ていて、且つよくよく聴くと「どうかしている」。
そう言う曲がもっと聴きたい。
只でさえ押し気味の進行のところへ持ってきてインチキDJ風のMCが長いのが結構なダレ場だったのだけれど、急に「これを遣れ」と言われて即応できる練度を目の当たりに出来たのは良かった。
次回はカバー公演とのこと。
二週間で何処まで煮詰めて自家薬籠中の物とするか楽しみである。