トップ 最新 追記

墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2012-11-11 宿題消化週間 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 43号

指原莉乃
表紙と巻頭グラビア8ページ12カット。 撮影は桑島智輝。
ぱっと見て感じたおかしな何かは、水彩画風に加工した背景だった。 人物に手を加えないのは良い。
まぁ色々とあった訳だが、達観が悪い方に働いてしまって、借金のカタに撮られたビニール本を見てしまった時のような居心地の悪さ。
これは指原莉乃の良さを引き出そうとし、矯めずにのびのび振舞わせた結果映りこんでしまったものであって、その日その時の指原莉乃を記録する写真として捉えれば凄いものが撮れている。
柔らかい笑顔と、呆けたような素の表情。 抱え込んで押し殺した虚無、「死に至る病」のような何か。

矢倉楓子・吉田朱里(NMB48)
巻末グラビア6ページ6カット、撮影は桑島智輝。
セーラー服と水着、そして水着の上に羽織ったYシャツ。
顔見世グラビアではあるのだけれど、それ以上のものにして来ている。
一人ひとりのカットは、映える角度と惹きの強い表情。 二人並べたカットは体格差や顔立ちの違いを生かして。
4ページ目が秀逸。

日南響子
巻末の末に前号の巻頭グラビアからのお蔵出しで4ページ16カット、撮影は桑島智輝。
この号のグラビアは全て桑島智輝の撮影。 被写体によって撮り方を変えて見る者を飽きさせない。 (まぁ、巻頭は飛び道具だが)
「撮られる」と言う仕事の教科書にしたいくらいの佳品。
カメラを直視し過ぎたカットが多いのは瑕だが、表情であったり仕草であったり、媚びたり誇示したりする凡百のグラビアの対極に有る、『お砂糖とスパイスと素敵ななにもかも』が見る者に働きかける。
眼福。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 44号

逢沢りな
7ページ16カット、撮影は細野晋司。
長崎の街と洋館の中で撮った、水着もあるグラビア。
水着以外の部分に力点が置かれているのは良いが、着物の着付けがだらしないのと最後の最後でワンピースの前をはだけているのは蛇足。
無理にひん剥く必要は無い。

巻末グラビアは論評するに値しないので割愛。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 45号

山本彩
7ページ11カット、撮影は門嶋淳矢。
ショーとカットにして初めてのグラビア。
顔よしスタイルよし、撮られ方もソツが無いのだけれど、ちと物足りない言うか、曲が無い。
NMB48の看板を背負わされてしまったが故の頑なさと言うか、目と表情の乖離と言うか、どうにもしっくり来ないところは有るが、それは求めるほうが贅沢と言うもので、「女の子を矯めず殺さず可愛らしく撮る」事はできている。

松井咲子
巻末グラビア4ページ8カット、撮影はTANAKA。
漸く表情もこなれて来た松井咲子に色々塗りたくって弄りすぎてしまっているが、すらりとした脚であったり、Torso のようなくびれであったり、ブツ撮りとしては上手く撮れている。
ただ人物が撮れていない。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 46号

SUPER☆GiRLS
表紙と巻頭グラビア8ページ28カット、撮影は桑島智輝。
集合で1ページ、下町散歩の写真を散りばめたコラージュで見開き、あとは個々人で1ページ1カットずつ。
下町散歩の写真に殆ど背景が入っていないことから考えて、かなり撮りにくい状況だったのではないかと思われる。 これでは外で撮った意味が無い。 浅草周辺でも地元民以外来ないところは有る訳で、撮る場所が悪すぎる。
カメラマンの所為ではないが、後藤彩は瞳を大きく見せるコンタクトレンズの所為で死んだ魚の目。 他は良いだけに惜しい。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 47号

きゃりーぱみゅぱみゅ
7ページ7カット、撮影は桑島智輝。
名前を打ったら指が攣った。
色々弄ってあって私がどうこう言うようなものではない。
まぁ、可愛く撮れてはいるので、これはこれで成功なのだろう。

荒井萌
何時の間にやらグラビア映えする体形になっていて、表情も多彩・・・にはなったが、紋切り型の表情も増えた。
モデル仕事の功罪か。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 48号

有村架純
7ページ12カット。 撮影は細野晋司。
表紙は水着だが、水着"も"あるグラビア。 水着以外の部分が実に良く、今年見た細野晋司のグラビアの中では出色。
「協力:くまもとフィルムコンミッション」とあるが、ロケ地の選定も良い。
光線の加減も絶妙で、光と影の描き出し方が巧み。 2ページ目上段、5ページ目6ページ目が秀逸。

高橋亜由美
4ページ10カット、撮影はTakeo Dec.
肉感的なモデルを扇情的に撮っても下卑て来ないのは流石。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 49号

AKB48(大島優子、柏木由紀、小嶋陽菜、島崎遥香)
6ページ6カット、撮影は桑島智輝。
大島優子で1カット、見開きで集合を2枚並べてから小嶋陽菜→島崎遥香→柏木由紀の順で1ページ1カット。
2ページ目の柏木由紀が誰かに似ている様な気がして脳内検索したら、ピート・タウンゼントだった。
表紙では冴えない島崎遥香だが、グラビア本編ではメイクが嵌まったこともあって実に良い表情。
立ち姿がぎこちないのも愛嬌のうち。
こうなると浮き上がってしまうのが柏木由紀で、ひとりだけ素人が紛れ込んだようで痛々しい。
「アイドルかく在るべし」と言う固定観念で自縄自縛に陥っている。

入山杏奈
5ページ5カット、撮影は桑島智輝。
撮られ慣れていない所為か、水着だと表情が硬いが、無理に取り繕って表情を作らずにカメラと正対出来ているのは良い。
元が良いのでただつっ立っているだけでも映える。
最後のセーラー服で飛び跳ねているカットのみ、生き生き。 これがどんな衣装でもコンスタントに出せれば、仕事の幅は自然に拡がる。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 50号

渡辺美優紀
7ページ7カット、撮影は西田幸樹。
まぁ、いきなり反則気味のカットで始まる訳だが、出会い頭の一発以外は正攻法。
西田幸樹一流の光線コントロールで表情も柔らかく、一見無邪気そうでいて矢張り無邪気だが、致死量の毒を秘めた蟲惑を隠しているようなところも写り込んでいる。
くどくど申し上げるまでも無く、素晴らしいグラビア。

永尾まりや・山内鈴蘭(AKB48)
巻末に5ページ8カット、撮影は山口勝巳。
グラビアで見ると冴えない出来であることも多い二人だが、山口勝巳が手際良く型に嵌めることによって表情が生きている。
私が劇場から遠ざかって久しく、生で観る機会が殆ど無い所為でもあるのだけれど、永尾まりやのこんな表情は初めて見た。
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [buy viagra with mastercard <a href=http://dstvmediasales...]


2012-11-10 川崎から広小路へ(続) [長年日記]

_ 『談大LOVER ~談大の咄をしよう~』

今は亡き立川談大さんを偲ぶ落語会。 早いものでもう三回忌。
開場時間に広小路亭に着くと、既に何人か。
開演する頃には椅子席はほぼ一杯の入りに。

「子ほめ」寸志
「平林」志獅丸
「ろくろっ首」吉幸
「だくだく」龍志
<中入り>
「うなぎ屋」錦魚
「らくだ」キウイ

それぞれが談大さんのよく演っていた根多、一緒に稽古に行った根多、教えた根多、etc... 由縁のある噺を。
2年前からすると、皆変わった。 巧くなったり、面白くなったり、味わい深くなったり。
「生きていたらどうだっただろう?」と考えてみるも、最後の一年となってしまった年の頭から自分の会を始めて、物凄い勢いで変わりつつある中での死だったので想像もつかない。

志獅丸さんは安定して面白く、吉幸さんは明るく楽しく賑やかに。 ワッと沸いた「ろくろっ首」のサゲのあとに淡々と始めて何時の間にか自分の空気にしてしまう龍志師匠。 錦魚さんが軽く演った後にキウイさんが文字通りの長講一席。

この日のキウイさんのみっちり加減は尋常ではなく、家元を絡めた入れ事も、いつもの大脱線も、自虐根多も無しにして屑屋と半次の遣り取り(・・・と言うか一と騒動終えてからの屑屋の独白)に力点を置いて噺を膨らませていた。
それはキウイさんの持ち味である「楽しさ」を殺すことにもなっていたし、退屈なところもあったのだけれど、マクラで「三度破門になって三度戻ったのは僕と談大だけ」と語っていたような、家元と談大さんの繋がりであったり、キウイさんと談大さんの繋がりであったり、傍からは窺い知れぬ愛憎入り混じった複雑且つ濃密な関係性のキウイさんなりの解釈が籠められていたように思った。
面白いとか詰まらないとか、そういうのを超えたところの聴き応え。

顔付けとか、この会の意義とか、掛けられた根多とか、疑義を呈する向きも有り、それはそれで正しくはあるのだけれど、そのチグハグは「談志直弟子の会」の頃から続く伝統的チグハグであり、このチグハグ加減も懐かしかった。

故人と遺された者の関係は、年を経るごとにそれぞれの中で独自の熟成を遂げてしまい、共有しえない物になって行く。 それを大掴みに纏めて一つの落語会にしてくれたお陰で、食い違う部分は多々ありつつ、それぞれがそれぞれに偲ぶ会となった。
そもそも談大さんは存在そのものが一つの謎であったので、その解釈には幅があり、偲び方にも正解は無い・・・と、私は思う。

談大さんにとっての私は、嫌な客であったようでもあり、そうでなかったようでもあり、良い客だったのかどうかは今でも分からないし、この先も当然分からない。
しかし私にとっての談大さんは、巧いと言う意味に於いても、面白いと言う意味に於いても、最良の落語家の一人であった。
left


2012-11-04 川崎から広小路へ [長年日記]

_ 『キミと星空に未来を描いた日』(Bチーム公演)

川崎駅前のショッピングモール、ラゾーナ川崎の5階にある「プラザソル」にて、ヒロセプロジェクト・第13回目公演『キミと星空に未来を描いた日』を観覧。 客席も舞台も、奥行きはあまり無いが幅は有る、思ったよりしっかりした劇場。

全席自由だったが、私が好んで座る舞台も客席も見渡せる席は例によって不人気で、あらかた埋まった中でもぽっかり空いていた。

裏にいる裏方はどうだか判らないが、場内整理や物販などに携わる、表に出る裏方は総じて若い。 場内を廻る物販や膝送りのお願いなどで押しが弱いところはあったが、仕事そのものはきちんとしていて悪く手馴れたところが無く、好感が持てた。

客層はキャストの父母や家族、この送り手の固定客と思しき筋、そして客演のジュニアアイドルやプレアイドルの客など種々雑多。 センターブロックの最前列と二列目は子供用になっていたが、その後ろにズラリ雁首を並べるアイドル方面と思われる出席確認強要系田舎大尽客。
この手合いが早くから並んで最前列に陣取る為に、後ろに座った子供が見えないと言う御意見が寄せられ、対策として子供席が作られた由。 良い対応だと思う。

山田渚の初舞台と言う事で観に行った訳だが、そのあたりを抜きにしても芝居として面白かった。
キャストはアイドルからミュージカル系子役から叩き上げの役者まで多岐に渡り、ダンスや演技のレベルもバラバラ。 出来る人は出来る人なりに、出来ない人は出来ない人なりに、それぞれの懊悩や苛立ちを抱えて稽古を続けて来たのではないかと終演後の挨拶からも窺い知れたが、それを上手く纏めて客前に出して来ている。
張られた伏線も丁寧に回収され、多少強引なところはあるが無理の無い展開と結末。
以前上演した芝居の世界を敷衍しつつ、身分で雁字搦めになった社会の改革を試みる下層階級出身者が絶望からクーデターを企図していくさまとそれを鎮める為に異世界から召喚された主人公の活躍を縦糸に、孤児院の子供たちを中心としたその世界の人々の人間模様を横糸に物語は進み、クーデターの芽は未然に摘み取られて一滴の血も流れず、誰も死なない(捕まらない)玉虫色の結末にはなっているが、社会の変革ではなく個々人の意識を強く高く持つことで未来を切り開こうと言うメッセージは、こんな世の中だからこそ胸を打つ。

劇中で使われる曲も凝っていて、孤児院の子供たちが歌い踊る曲はアコーディオン、祭りのクライマックスの群舞の曲はパイプオルガン、奏でる楽器で身分と階級を暗示。

山田渚は宮廷女官三姉妹の一人で、台詞もそれなりにある役。 上手いとまでは言えないが役には成れていたと言うか、役の人生を生きていた。
芝居が詰まらなかったら山田渚だけ見ていようと思ったのだけれど、思いの外芝居そのものが面白く、珍しく没入して観てしまったので山田渚に限って書くことはあまり無い。
それは芝居の中の役としてきちんと機能していたと言う事でも有り、実に上手く廻した芝居だった。
脚本、配役まで含めた演出、音楽、照明や音響。 裏方の仕事もしっかりしていて不快なところは一つも無い。

終演後に劇中曲で構成したライブ。
樂日と言う事でAチームBチーム取り混ぜて全員出演。 Aチームの岡崎みさとも見る事が出来た。
山田渚は上手側に行きっぱなしだったので碌すっぽ見えなかったが、下手側に来た岡崎みさとが凄かった。
バケツやモップ、雑巾などを持って歌い踊る曲があるのだけれど、岡崎みさとが振り回すとボロ雑巾もレースのハンケチの如くふわりひらりと翻る。
人を押しのけて前に出るような振る舞いはしないのだけれど、飲まれた人波の中でも目を惹く。
山田渚も同じように人波に飲まれがちなのであるが、こちらはくっきりした動きでそれと判る。
この二人の群衆の中での突出の仕方も面白かった。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [purchase female viagra <a href=http://www.rwuk.org/?produ..]


2012-10-28 現場を廻す土曜 [長年日記]

_ メグリアイ『CandyGirl』インストアイベント(新星堂サンシャインシティ アルパ店)

乗換えと乗り継ぎで盛大に読み違えて12時丁度に現地着。 都電がのんびり走るものであることをすっかり忘れていた。 例によって10分遅れの開演とのことで一息つく。
坂本樹莉と山中香穂が店のまわりでチラシ配り。
デザインは良いが紙が厚すぎるのではないかと思っていたが、受け取った一般客がチラシがちゃんとしている事に驚き、ライブも見て行ったのでメジャー感を醸す手段として、これはこれで良いのかもしれない。

芝居の本番が迫っているからか、岡崎みさとはお休み。
荒天だった先週と較べて集客は少なめだったが、これは岡崎が休みであることに加えて、出演するイベントやライブが一日に4本あり、客の側も選択を迫られていることも影響しているのではないかと思う。
大衆の嗜好は、良くも悪くも「巨人・大鵬・玉子焼き」なので、柏戸が一人横綱の場所は興行として一寸厳しくはある。

岡崎パートとイベントの進行は柳真倫が担当。
柳真倫は、頑張っているのも緊張と重圧を笑顔の下に隠しているのも見て取れたが、声量と音程に難があり、矢張り岡崎不在の駒落ち感は否めず。 事故には到らなかったが衣装に乱れが合ったり、靴が違っていたりするのも痛々しくあった。 転がり込んだチャンスをものに出来れば色々変わってくるのであるが。
音域の合わない曲もある山田渚のマイク音量が大きめになっていて孤軍奮闘の趣。

メグリアイは物販や付随するアトラクションについては時間的にも質的にも良心的だと思うのだけれど、それはメンバーに魅力があってこそ集客に結びつくわけで、注力すべきところがずれているような歯痒さを感じたイベントであった。

岡崎みさとが横に居ると目立たないのであるが、居ないと山田渚の動きの質が明らかに周りより高い事に気付かされる。
止め撥ね払いがしっかりしていて流れない。

_ バニラビーンズ「バニラビーンズIII」発売記念予約イベント

バニラビーンズとしては初めての噴水広場でのイベントと言う事で、早めに現場へ行ってリハーサルから観覧。

用意されたスタンドマイクの置かれた間隔が些か狭く、事務所スタッフが修正。 14:40頃に到着してリハーサル。 音の出や返りを確認した後、3階から観ているお客さんに「ここじゃツムジしか見えないですよね?」と確認しつつマイクを立てる位置を後ろにずらしていた。

定刻に開演し、高々と吹き上がる噴水とともに出囃子に乗って入場。 この場所でイベントが出来る喜びからか、終始絶やさぬ笑顔。
四階まで鈴なり・・・とまでは行かなかったが、足を止める人は多く、「知らないものを見てもしょうがない」と抜かして通り過ぎる生意気な餓鬼が居た(こういう自分の目と耳で判断しない奴は、経験則から言って将来碌なモノにならない)くらいで、反応も良く。
「初めて聴いた方もいると思いますが、5年やってるんです。」と自虐的に語るキノコの人の語りが浅草芸人のようで、可笑しくもあり歯痒くもあった。 私としてはとっとと売れて、遠くから見るものになっていただきたい。

最後の曲が始まる頃には次のイベント目当ての民度の低いのが増え始めたので、終演後は早々に退散


2012-10-21 しかし渋谷は居心地が悪い [長年日記]

_ 「シブカル祭。」ライブステージ(バニラビーンズ)

何を勘違いしたのかマルイの入り口でやるものだとばかり思っていて、現場に着いて子供対象のイベントをやっているのに出くわしてから慌てて調べ直してパルコpart1へ。
ステージ前の観覧スペースは既にほぼ一杯、最後列に潜り込んで開演待ち。
left
舞台袖にはシンセドラムやらDJ卓やらが置いてあり、この規模の舞台だと袖にヤッツケで設えられるのが常のPAは奥のほうにしっかりと。
会場スタッフがしっかり目配りをしていて、客が増えると仕切りの柵を徐々にずらして観覧スペースを広げたり、膝送りをお願いしたり、交通整理をしたり。

1. ベイビィ・ポータブル・ロック
2. チョコミントフレーバータイム
3. ニコラ
4. 東京は夜の七時
5. キラーキュイーン


間にお喋りを挟みつつ5曲30分。 渋谷らしくピチカートカヴァーも織り込みつつ、自前の洒落オツ系の曲を要所々々で演る構成。
舞台横まで客が入っていて、キノコの人はその辺りを含めた全方向に目配り気配り。
外ハネの人ははじめのうち一寸表情が硬いところもあったが、大入りの客を前にして解れたのか、途中からは明るく楽しげに。
マネジメントの体制が変わって、本人に係る気苦労も増えたように見受けられるが、それを何とかする力は既に備わっていると思う。

比較的ヲタヲタしい客が少ないのと、奇態な合いの手を入れて馬鹿騒ぎの出来る曲が無いのと、何より楽曲が洒落オツなので一般客の食いつきは良く、終演後の物販列にも並ぶ姿が見られた。

呼ばれたイベントで何が求められているのか、そこで何が出来るのか、それによって何が得られるのか、しっかり考えて見極めた上で出演しているので、主催者も演者も客もそれぞれがそれぞれに幸せを分け合える。
hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)にしてもでんぱ組inc. にしても、異業種系対バンイベントで重用されるグループはその辺りがしっかりしているように思う。
left


2012-10-14 鉄人とミサイルと月見草 [長年日記]

_ メグリアイ『Candy*Girl』CD発売記念 ミニライブ&握手会

所用を片付けてから新星堂 サンシャインシティ アルパ店へ。
岡崎みさとと山田渚が店の前の通路でチラシと新曲に因んだ飴を配っていた。 チラシはデザインも印刷もちゃんとしているのは評価できるが、紙が厚すぎる。 配る・持ち運ぶことを考えるともう少し薄くて良い。

目当ての客どころか人影すらまばらでどうなる事かと思ったが、蓋を開けてみれば20人凸凹の集客。
店内では新曲の音源とライブ映像が流されており、衣装や振り付けも含めてきちんとした作り。 もう少し売れてもおかしくはないのではないかと考えたりしつつ開演待ち。

店内奥に幅一間奥行き半間くらいのステージ。 近隣店舗との兼ね合いでジャンプや所謂「MIX」は無しで、と店からのお願い。
曲折あって12時からの回は岡崎、山田、坂本、山中、柳の5人。 上手袖にある簡易PAでぶっつけ調整なので始めは音も安定しなかったが大過なく。
5本中2本がコードレスのワイヤードマイク、岡崎、山田、坂本のマイクは生きており、この三人のパート割りで繋いでいる。

Candy*Girl は初見より練れてきており、少なくとも前の二人にはあやふやなところはなく、全体的に揃ってきた。
ストイックな岡崎と山田と較べると些か Epicureanism の徒みたいなところのある坂本は、自分のパート以外では自由な目配り。

CD一枚購入で全員と握手できるアトラクションが付いてくる。 複数枚購入では、更に色々と。 私は懐都合も有り、一枚のみ。
パパッと終わらせてササッと帰りたかったのだけれどそうは問屋が卸さず、比較的長めにみっちりと握る羽目に。
こうなると際立つのが岡崎みさとの真人間っぷりで、やる気が空回りするような局面もありつつ、至極丁寧な受け答え。
山田渚は奇矯な振る舞いがある訳ではないのだけれど、誠実な中に潜むどうかしている感。
坂本樹莉は握手をしている間ずっと何かしら喋っていて、その中で探りを入れてくるような、相手が何者か掴もうとするようなところがあった。
喩えると稲尾と榎本と野村。 パ・リーグ野武士オールスター。


2012-10-13 "LinQ aber ist Kyushu wie Kyushu LinQ ist!"  [長年日記]

_ アイドルフェス・イン・ボートレース多摩川Vol.6

前回の一部出演者とその客が最低に碌でもなかったのでどうなるかと思ったが、無事6回目を迎えた。
そんな事もあってなんとなくやる気が起きず、起きられはしたもののぐずぐずしているうちに家を出るのが遅れてしまい、競艇場に着いたのは10時半を廻った頃。 道すがら知己から「今回は大丈夫そう」との伝書鳩で一と安心。
今日の多摩川競艇は競艇もアイドルもイケる知己がぞろぞろ来たので、そっち方面と観覧。 細切れのステージを見ながら、合間合間にパァパァ言う軽口が楽しい。 楽しいが楽しいことほどこういうトコには書けない。

荷物に関しての注意が念入りになされたり、物販の時間と仕切りが考えられたものになっていたり、締め切り3分前には終わるようにセットリストが緻密に組まれていたり、前回の反省すべき点はほぼ改善されていた。
客の方も前回のような思慮分別の欠如した山出しのバカみたいなのはおらず、お茶目にはしゃいでも羽目を外しすぎるようなのは居なかった。

left

イベントの目的である「ボートレースの広報」の部分にも力点が置かれていて、出走表が配られいたが、その効果も上がっているようで、舟券売り場とステージ前を行ったり来たりするアイドル方面の客も多く、鉄火場の親爺連もベンチに腰掛けて楽しげに観ていた。
前述の通り「競艇もアイドルも好き」な知己が複数人来訪、どちらも十分以上に楽しんでいた。
師ボヤいて曰く「真面目に予想しちゃうとアイドル観てるヒマがない」

LinQ
自己紹介やお喋りは控え目にして、切り詰めた時間を曲に割く趣向。
一曲が長いので3曲もやると制限時間一杯なのだけれど、流石に場数を踏んできただけの事はあり、なんとか収めていた。
影アナで高揚させておいてから、腹の底から声の出た煽りで点火。短い時間ながら上手く盛り上げていた。
影アナの科白は定型的なものらしく、客との掛け合いが醸す全体主義的な高揚感。 煽られ、統制されることによってのみ得られるカタルシス。
歌で背骨を作るメンバー、煽るメンバー、役割分担がしっかり出来ており、全体への目配り気配りで鉄火場の客を含めた全体を掴みに行く意気。 全員連れてきた訳でも精鋭のみの選抜でもなく、バランスを取った分遣隊であると聞いて更に驚く。
衣装を換えたり、密度の高い構成にしたりしつつ、過剰に肩に力の入ったところはなく、観ていて重くない。
一ノ瀬みくから漂う「西野バレエ団」感。

hy4_4yh
今の hy4_4yh は、なまじ「それ以前」を知っていると想像を超えたところにあるようで(私もそうだったが)、知己が「こんなでしったっけ?」と何度も訊いてくるのが可笑しかった。
場内警備の老嬢(「シニアビーンズ」と命名)にマイクを向けたり、楽屋にいる LinQ を煽ったり、やりたい放題なようでいて枠組みは壊さない試合巧者っぷりも素晴らしい。
上手後方で楽しそうに観ている江崎マサル(何時の間にか容貌と体形がリック・フレアー化)。 場内全ての人の中で一番楽しそう。
ツナギに白ヘルの老人が見に来ていて「病膏肓の熱心な人か?」と思ったら工事の業者だった。

バニラビーンズ
外ハネの人が一寸調子悪そうに見えたのだけれど、ライブだけでなく、出演者紹介やレース広報、抽選会やら表彰式やら仕事目白押しな中、ソツ無くきっちりこなしていた。
新曲の「キラーキュイーン」はPVがチカチカして見づらいのが難だが、曲そのものは聴きやすく耳にも残る佳品。 いろいろ有るが曲には恵まれている。

一時はどうなる事かと思ったアイドルフェス・イン・ボートレース多摩川であるが、無事次回開催も12/2に決まったとのこと。 余程の事が無ければ楽しく一日を過ごせる稀有なイベントなので、12月と言わずこの先も続いてくれると嬉しい。

left

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [cialis early ejaculation <a href=http://dstvmediasales.co..]


2012-09-29 大毎ミサイル打線アイドル [長年日記]

_ 「IDOL SUMMIT Vol.1 発売記念イベント」

寝惚け眼で秋葉原へ。 ASOBITCITYにて表題のイベントを観覧。
電車が遅れて開演後に入場。 パイプ椅子が3列(30脚くらい)並べられ、後方に広く立ち見エリア。
わいわい賑やかに観たい向きが多いようで、空きが有った椅子席へ。

思い入れの殆ど無いアイドルが入れ代わり立ち代り出てくるこの種のイベントを観るってのも久し振りだったのだけれど、演者にも客にもスタッフにも殆ど知った顔の無い気楽さ。
スピーカー2対、モニタースピーカーが1対。 照明は螢光燈とスポットを併用しているが、切り替え等は無しで照らしっ放し。

ROCO GIRLS
一と組目が始まっていたのだけれど、口跡が悪く自己紹介が聞き取れず。 帰宅してから調べてユニット名を知る。
ネイル屋のやっている"オシャレユニット"との事であったが、衣装だけはオシャレであった。
幅はともかく奥行きの無い舞台なので仕方ないっちゃ仕方ないのであるが、歌の最中にぶつかったり、見知った客の奇態でも目に入ったのか笑ってしまったりしたのは興醒め。
シンセのみで作ったオケは安っぽい上にも安っぽいのだけれど、曲がりなりにもオリジナル曲があり、振りも付いているってのは幸せな事だ。

mocomoco
だぶだぶのサロペットで出てきた二人組。
MIXが入り始めるが、国家社会主義的な統率の取れたものではなく、散発的且つ間歇的な、別箇に進んで別箇に打つ人民戦線的MIX。

メグリアイ
3組目に目当てのメグリアイ。 内容については後述。

Saki(2&)
この御時勢にピンでアイドルか・・・と色めきたってみたが、普段は 2& と言う二人組で今日は相方がお休みとのこと。
上手くは無いが生歌で押し切る気概は買える。 要所々々で「イェイッ!」と自ら合いの手を入れ、「ハイタッチしまーす!!」と最前列に下りて行く自己完結ぶりも楽しい。
制服っぽい衣装は茅野しのぶインスパイア系と言うか、国民的アイドルモチーフAVみたいな感じ。 くっつき過ぎるとどうしても贋物感が出てしまうので離れたほうが良いと思うのだが。

B-Limit.
こちらも三人のうち一人欠席。
「次の曲はorzから始まるので(略)みなさんお願いします。
「正座して聴け」を超える立ち見客と最前列の総ダイイング状態は壮観だった。

さっちゃん
名前が名前なので検索しても情報が出てこないのだけれど、結構な飛び道具。 蜜蜂風の衣装で登場、Melodybeeを思い出したり(あれはこう言う衣装ではなかったと思うが)。
ステージを降りてエニウェアフォール・マッチをおっぱじめたので驚いた。

Mary Angel
大阪から遠征。 踵落としのような動きを多用するくらい動きは良く、歌も安定しているし、歌っている時の表情も良い。
スクール系が強い所為か、大阪発のアイドルはなんと言うか押しが強いのが多いのだけれど、Mary Angelも客を上げたり下げたり自在に操る感じ。

寄席の初席のような、細切れの持ち時間でパッパッと廻していくライブ。 生理的に受け付けない芸風もありつつ、切り替えが早いので助かった。

終演後に物販があったのだけれど、ほぼ同じ面子でライブ三回廻しとあってか、客の動きは鈍かった。

_ 今日のメグリアイ

メンバー8人中何人かが出る体制になっているようだが、このライブの出演は岡崎みさと、坂本樹莉、山田渚、山中香穂の四名。

先に出た二た組とは明らかにオケの出来から違う。
どこも大体シンセのみで作っていて、その中で音の広がりとか厚みとかで力の入り具合と送り手の技量が推し量れるのだけれど、メグリアイは楽器の音もするオケ。 帰ってから聴き込んでみたらミックスもしっかりしていたので驚いた。

4人並べて見るとそれなりに揃った動きをしているのだれけれど、振り付けの解釈に幅が有るので全く別のことをやっているようにも見える。
岡崎みさとの振る舞いがアイドルとしての最適解に近いように思うのだけれど、テーゼに対するアンチテーゼと言うか、他のメンバーも異なる発想でアイドルと言うものを体現しているのが面白い。
岡崎みさとが客席の隅から隅まで3点バーストで殺して行くのに対し、山田渚は全体に弾幕を張るような目配り。
弾幕と言っても機関砲や高角砲なんてチンケなものではなく、三式弾を46サンチ砲で盛大にブッ放す感じ。 これはハコが大きくなり、客の分母が大きくなると生きてくるのではないかと思う。

客の求めるものを提供しようとする岡崎みさとと、客により良いものを提供しようとする山田渚の対比。 どちらも間違いではないのだけれど、もう少し全体の調和を考えられるようになると、グループとしても舞台映えしてくる。

一緒に観ていた友人曰く「(山田渚は)結果オーライの4打数4安打では納得しないが、4打数1安打でも会心の当たりなら納得するタイプではないか?」。
やる気と努力が結果に繋がっても周りとも自分自身とも折り合いの付け難い榎本喜八タイプで、私としては非常に面白いのだけれど、当世の主流を占めるアイドルファンにどこまで受けるかについては、不安が無きにしも非ず。

メグリアイそのものも大毎ミサイル打線のようなところがあり、繋がりと機動力はさておき、長打率は高い。
今後も可処分所得の許す範囲内で見て行こうと思う。


2012-09-17 次の時代が始まりつつある [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 39号

巻頭に鈴木愛理、巻中にモーニング娘。、巻末にスマイレージ。 一号丸ごとハロープロジェクトで固めた布陣。
オマケピンナップは、表が鈴木愛理で裏がモーニング娘。 名実ともに ℃-ute が看板を背負う時代。

鈴木愛理
巻頭グラビア7ページ13カット、撮影は細居幸次郎。
プール、学校、夏祭り、海の見える散歩道の4場面で構成。
プールで真昼間に撮ったカットは流石に眩しそうなのだけれど、眩しさを逆手に取った上手い撮り方。
夏祭りは夜の縁日。 ストロボをバッチリ当てたカットは興醒めだが、その場に在る光も生かして撮ったカットは味わい深い。
光が柔らかく廻った、夕闇迫る海辺の散歩道。 愁いを帯びた表情で〆る構成の妙。
しかし鈴木愛理、随分大人びてきた。 ピンナップの白いセーラー服も、良く撮れている。

モーニング娘。(石田亜佑美、工藤遥、鞘師里保、道重さゆみ)
巻中グラビア6ページ12カット、撮影は飯塚昌太。
全員で1ページ、個別で1ページ1カット、最後に集合で1ページ1カット。
飯塚昌太にしては珍しく敢えて貶すほどでもない写真。 可も無く不可も無く。 道重さゆみの一本調子な表情がカメラマンの腕を象徴。
最初のページの四隅のコマにそれぞれを配置した割付けは上手かった。

スマイレージ
巻末グラビア5ページ12カット、撮影は長野博文。
自覚的過ぎて切迫したところもあり、一寸息苦しくもあるが、色々有ったことが表情に深みを加えていることは間違いない。
4ページ目5ページ目が良い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 40号

大島優子
巻頭グラビア8ページ7カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
前半は白ロリ、間をおいて後半はブラックウィドウ。 衣装より大島優子そのものがノースロップ P-61。
衣装もバックもライティングもバラバラな3パターン、それに合わせて過不足なく仕事をする大島優子にシャッポを脱ぐ。
肌の質感にリアリティの欠片も無いのが瑕と言えば瑕だが、そんな物ぁこの際どうでも良くなる出来。

乃木坂46(生駒里奈、白石麻衣、橋本奈々未)
7ページ18カット、撮影は小池伸一郎。
3人並べて1ページ、1人ずつ1ページ1カット、後半はスナップを並べる構成。
個別のカットが良い、空間構成の引き出しが多い。 三人三様の撮り方で差異を際立たせつつ、三人並べたカットでは類似性を示す演出。

AKB48 ウェイティングガールズ
5ページ5カット、撮影は桑島智輝。
AKB48グループから埋もれがちな連中を引き上げる企画。 皮肉なことに載る頃には二人辞めていると言う奇禍。
本誌掲載は1ページ1カットで然程良いとは思わなかったが、ヤングジャンプの公式サイトで見られるアザーカットの入山杏奈が良い。
もう少しずれていれば載った筈であり、入山も微妙に運が無い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 41号

篠崎愛
8ページ16カット、撮影は樂満直城。
髪のあしらい方、水着の種類の多さから、力の入った撮影であることは察せられるのだけれど、写真そのものの出来はさてはて。
大人になりかけの童顔と言う難しさは有るにしても、一寸ちぐはぐ。
篠崎愛の表情の種類は多いので、引き出し方・あしらい方に係る部分の問題。

おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!
調べても正式表記の判らない本年度のおはガールのグラビア、3ページ7カット。 撮影は桑島智輝。
子供は守備範囲外なので割愛しようかとも思ったが、紋切り型のポーズと笑顔な割でありつつも変化は付いており、なかなか良かった。

麻倉みな
4ページ7カット、撮影は栗山秀作。
栗山らしい彩度と湿度高めのこってりした写真。
バスの時刻表から撮影場所を考えたりしつつじっくり見る。
夏の蒸し暑さ、下町の廂間の風を感じるグラビア。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 42号

日南響子
7ページ7カット、撮影は桑島智輝。
身体の線の美しさと表情の良さの両方が上手く引き出されており、写真の上がりが非常に良いので、構成もシンプル。
日南響子は綺麗に見える角度が広くて、切り取る角度によって印象が変わる。 極端な話、口の開き方閉じ方、閉じた唇の引き結び方一つでも表情が変わり、曲げた指の一本にも感情が宿っている。
桑島智輝の今年の仕事の中でも出色であるし、日南響子のグラビアとしても過去最高の出来ではないかと思う。
2ページ目のペタり座って軽く振り向いたカットが秀逸。

この7ページの為だけにでも320円払って損は無い。

星名美津紀
6ページ6カット、撮影は長野博文。
童顔で肉感的な娘を敢えて長野博文で撮ったのが奏功、他誌で見た下卑た視線で舐めまわすようなものにはなっておらず、歳相応の可愛らしさと不相応な肉感のアンバランスなバランスが上手く引き出されている。

2012-09-09 天地開闢以来の衝撃 [長年日記]

_ 更新情報

コラム置き場に思考の断片

メグリアイ 山田渚をさまざまなものに喩えると

をアップロード。

例によって絵解きは無し。


2012-09-08 悲痛なる感激 [長年日記]

_ メグリアイ新衣装&新曲初披露ミニライブ

秋葉原の@TV東京本社にて、ネット配信番組「ふたたび、アキバ De メグリアイ厨なのよ!」を観覧。

事の発端は吉田豪がリツイートした山田渚の Eccentric な呟き。 フォローしてみた山田渚の発言の熱量に惹かれたので、直近にあったイベントに足を運んだ次第。

11:30から整理券配布との事であったが、ハナッから必死ってのもどうかと思ったので12時過ぎに現地へ。 それでも整理番号はまだ一桁。 やる気のあり過ぎる番号に頭を抱えつつ夕方まで時間を潰す。

「(番組開始の)15分前に来てください」との事だったので頃合を見計らって現場に戻るも、待てど暮らせど入場は始まらない。 結局入場が始まったのは16:59。 急いで階段を下りて椅子に座ると「30秒前です」の声。 メンバーが駆け込んで放送開始。

A3くらいのペラ紙が進行表らしく、ほぼそれを読みながらの進行。 語るが如く読めるメンバーと読み上げる事すら覚束無いメンバーの差が激しい。 きっちり四つ折りにしていたり、斜めに折られていたり、進行表の扱い一つからも職業意識の高低が見て取れた。

2曲ほど演って間繋ぎのお喋りで息を整え、また2曲ほど演る構成なのだけれど、進行表が出来るのが遅いのか渡されるのが遅いのか、下読みを殆どしていないし、お題がある場合でも話す内容を各自が事前に考えていないので話がまったく膨らまない。
製作する側も番組の質については考えておらず、撮って流すだけ。 「ライブ」とは銘打っているものの殆ど歌声は聞こえず(死んでいるマイクすら有る体たらく)音響的には蜜柑箱ステージ以下、放送終了後にあるアイドルの接客業としての側面である部分に重きが置かれているようにすら思える好い加減さ。 近くで見られることが唯一のメリットと言って良い。

歌声は聞こえず、振り付けもバラバラ以前、喋りも拙いどころの騒ぎではなく、頭の痛くなるようなあれこれはズラリと並ぶが、面白くなかったかと言えばさに非ず。 負の側面を相殺して有り余る山田渚の面白さ。

今日の出演は岡崎みさと、山田渚、坂本樹莉、高田淳美、山中香穂、浅原桃子の6名。 岡崎みさとと山田渚が真ん中に居る事が多く、喋る部分はほほ岡崎みさとの仕切り。
振り付けもしっかりしているのはこの二人なのだけれけど、岡崎みさとが感情を乗せることにより喰ったり遅れたりするのに対して、山田渚は動きに感情を乗せつつも抑制的で正確なリズムを刻む。 この辺りの対比も面白い。

山田渚は前に出ようとする意識は薄いのだけれど、舞台に立つ人として「歌う」「踊る」「喋る」を丁寧にきっちりこなしているので自然と目が行く。
そして視点の移動から、客席を大きく見ている事に気付く。 実際に客が座っているところだけでなく、客席の隅そしてカメラの向こうまで。
気になったのは、途中から真顔でいる時間が長くなっていったこと。 不機嫌なのではなく、きちんとやろうとする使命感の発露だったのだと思う。
恐らく彼女には他のメンバーとは違った景色が見えているのだろう。

入場料1000円で45分ほどのライブ。 思い立ってふらっと行って、手銭で見られるのは嬉しい。
山田渚については、また項を改めて。


2012-08-26 組織内視野狭窄 [長年日記]

_ 更新情報

コラム置き場に

AKB48 新人事分析

をアップロード。

_ UTB+ 9月増刊

山本彩(NMB48)
表紙と巻頭グラビア10ページ8カット、判型を生かして見開き2箇所の攻めた構成。 オマケポスター付き。 撮影は桑島智輝。
カメラの前に素で立てる強さはあるが、余りに隙が無いので面白みには欠ける恨みがある。 表情そのものは多彩。
綺麗に見える角度が、左右に狭く、上下に広い。 見上げると幼く、見下ろすと精悍に。
水着のカットもさることながら、最初の2ページのフェイクレザーのタイトワンピースに目が行く。

橋下愛
先日発売になった分厚い写真集からのアザーカット6ページ6カット、撮影は熊谷貫。
何度も書いてきたが、ともすればキツくなりがちな橋本愛を矯めずに生かして撮るのが上手い。 実に様々な角度から切り取っているのだけれど、粗が出そうな撮り方をしても破綻しない。
同時期に出た映画絡みの写真集よりも、被写体を生かして撮るという点に於いては勝っている。
水着など1カットも無いし、そもそも身体の線が出るような服も着ていないのだけれど、カメラに対して構えないから出る危うさを帯びた仕草と表情に、ドキリとさせられる。

吉川友
7ページ9カット、こちらも熊谷貫。
水着と、その上に一着たカットで構成。 水着と着衣、屋内と屋外で表情に付けた変化が良い相乗効果。
熊谷貫は隠して撮った時の暗示が上手い。

峯岸みなみ
キャデラックDTSのストレッチリムジンの中で撮った6ページ8カット。 撮影は桑島智輝。
ポーズ、仕草、表情。 どれを取っても隙は無いが、器用貧乏と言えば器用貧乏。 芝居をやらせればこの辺りも生きてくるし伸びると思うのだけれど、なかなかそう言う機会も無いし、そもそもこうして仕草や表情を生かして撮って貰える機会が少ない。
グループへの貢献度を考えたら、もう少しご褒美が貰えて然るべきでは無かろうか。

梅田彩佳
6ページ8カット、撮影は熊谷貫。
浴衣と水着、水着の上にニットのワンピースの衣装3パターン。
水着は2カットだが、柔らかく廻した光で付けた陰翳で身体の線を立体的に描き出している。
無いものを有るようにも無いようにも撮らず、身体の向きで上手く隠して仄めかす手法。
横から斜めからの方が映える顔立ちなのだけれど、正面からのカットと並べることで横顔の美しさを引き立たせている。
2ページ目上段の横顔が秀逸。

山内鈴蘭
6ページ7かっと、撮影は山口勝巳。
筋肉隆々たる逞しい二の腕を上手く誤魔化した、山口勝巳の匠の技が光る。
ブツ撮りもここまでやると清々しい。

古川愛李
廃工場で虫愛づる姫君を撮った6ページ9カット、撮影はMARCO。
場の力もあってか、構えない表情とポーズ。
荒れ果てた場所だからこそ嵌まるMARCOの作り出す幻想。
ロケーション、モデル、カメラマン、編集者。 様々な要因が上手く噛み合って出来た佳品。

武藤十夢
6ページ8カット、撮影はサトウノブタカ。
ドーム公演の最中に正規メンバー昇格が決まり、一夜にして表情に風格と説得力が出た武藤十夢の、覚醒前のグラビア。 前座のおどおどした所が一夜にして消え、二つ目通り越して一気に真打の説得力が出たのには驚いた。

さて、このグラビアの話。
ソロの水着グラビアはこれが初めてだったようだが、構えず臆せずにカメラと向き合えている。
顔が微妙に左右非対称なのだけれど、左眉の上辺りに前髪の分け目を持ってきているのは、自分の顔と言うものをよく理解しているからだと思う。
ここまで丁寧に撮ってくれる媒体の方が少ない訳で、この先雑な撮影の中でどこまで自分を保てるか鼎の軽重が問われて来るが、この表情が出せれば大丈夫。
3ページ目のアルカイックスマイル。 こう言う表情が出せる娘が、AKB48にも久し振りに出て来た。

松原夏海
陽の当たらないメンバーを引っ張り出して虫干しにする企画。 4ページ7カット、撮影は門嶋淳矢。
上にTシャツを羽織らせたビキニ2パターン。
松原夏海を人として撮ろうとしてモデルが空回りした感じ。 これは矢張り生写真撮影の悪影響で、紋切り型の笑顔しか出せない。
かまぼこ板に残ったかまぼこを削って集めてビキニに詰めたようなカットは虚構現実にしても虚構に過ぎて涙を誘う。 ウエストから太腿に掛けての部分のラインだけは綺麗な訳で、トルソと割り切ってブツ撮りに徹すれば良かったようにも思える。
無から有を作り出すより、有るものを生かして撮るべき。
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [propecia canadian no prescription <a href=http://dstvmedi..]


2012-08-16 持てる者と持たざる者 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 33号

夏菜
7ページ13カット、撮影は細野晋司。
例によって表紙が一番扇情的なのだけれど、それは必要以上に肉感的に撮っていないと言う事でもある。
水着そのままより一枚着たカットの方が表情も良く、適度に隠した分より身体の線も綺麗に出ている。
良くも悪くも細野晋司らしい写真なのだけれど、そう言うオーダーだったのだと思う。

花澤香菜
喫茶店主と言う設定での巻末グラビア5ページ12カット、撮影は細居幸次郎。
開店前、営業中、閉店後と衣装3パターン。
良い所しか見せたがらない声優グラビアの腐臭は薄め。 4ページ目の下に小さく使われている写真が良い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 34号

フレンチ・キス
7ページ19カット、撮影は宮坂浩見
いやまぁ酷い出来。秋田書店や講談社みたいな塗り絵レタッチで「なんだコリャ」とも思ったが、カメラマンの名前を見て納得。
屋内なのに光が強すぎて三人が三人表情が死んでいるし、色もおかしい。 深度で誤魔化してピントはなんとかなっているが、露出オーバーで構図も凡庸。
宮坂浩見では碌なものを見たことが無いのだけれど、何度も使う理由が判らない。
フレンチ・キスのグラビアそのものが詰まらない傾向にあるのに、わざわざこんな下手糞を宛がうと言うのもどうかしている。

加藤夏希
見開き2ページの広告、撮影は袴田幸治。
「なんだ広告の紋切り型の写真の方が余程撮れてるじゃないか」と思ったら、学生時代の知り合いの仕事。
私の道楽領域でお目に掛かるとは思わなかった。

柏木由紀
巻末グラビア5ページ7カット、撮影はTakeo Dec.
巻頭とは別人の柏木。 一寸光が強いようにも思えるが、表情は段違いに良い。
まだ +α は無いのだけれど、漸く「こんなものかな?」的な表情を出さなくなってきた。
Takeo Dec.との相性も 良いように思うのだけれど、それにしてもあの写真集は何故箭内だったのだろうか。
同じ条件化で Takeo Dec. が撮っていたら、あそこまで悲惨な出来には成って居なかったと思う。
あらゆるものを手にしているようにも思える柏木由紀には、仕事運だけが無い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 36号

ももいろクローバーZ
7ページ12カット、撮影は塚田和徳。塚田亮平。
水着グラビアを断固としてやらない(やらせない)と言うスターダストの姿勢は評価して良いと思うが、写真の出来を顧慮しないのはいただけない。
昨今の付和雷同型の客はこんなものでも狂喜するのかもしれないが、ひとりひとりをきちんと撮ってやるべきだと私は思う。
その点、早見あかりは、少なくとも撮られる仕事には恵まれている。

和田絵莉
巻末グラビア5ページ12カット、撮影は中山雅文。
屋内で撮らせると陰々滅々、ねっとりと嘗め回すような四畳半グラビアになりがちな中山雅文であるが、海の家と言う設定に助けられていつもよりは心持ち爽やか。
浜辺近くで撮りつつも直接的に海を撮らないと言うのは良い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 37・38合併号

篠田麻里子
9ページ13カット、見開き1箇所、両面ピンナップ付き。 撮影はTakeo Dec.
ピーカンの海辺での水着グラビアと言う事で、全く期待していなかったのだけれど、篠田麻里子が凄すぎた。
太陽を背負わせて撮っているとは言え、かなり眩しいだろうとは思うし、実際眩しげではありつつも全カット生きた表情。
カメラマンとモデルの信頼関係で出来上がった9ページ。
Takeo Dec.の光の見切り方の上手さにも呻る。

伊藤梨沙子
巻中グラビア5ページ15カット、撮影は桑島智輝。
衣装4パターンの15カットを5ページに詰め込んではいるが、割付が良く、然程窮屈にはなっていない。
カメラマンの性格と精神年齢の若さにも係る部分だとは思うが、扇情的に切り取ったカットすら不躾にはなっておらず、爽やか。
作った笑顔はまだ単調なのだけれど、動かして撮ると実に楽しげで、それを良く切り取れてもいる。

AKB48
巻末に例の茶番のムック本からのグラビア。
今年も今村敏彦の無駄遣い。
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [viagra generic effectiveness <a href=http://dstvmediasale..]


2012-08-14 Old soldiers never die; they just fade away. [長年日記]

_ 更新二題

コラム置き場に戯れ文

リトマス試験紙

消化不良のままほったらかしにしていた アイドルフェス・イン・ボートレース多摩川 Vol.5 の総括としての

7.22 しず風&絆 問題総括

をアップロード。
そろそろ通常営業に戻りたい。

2012-08-06 諸事多端 [長年日記]

_ 更新情報

諸事多端につき下書きすらままならぬ日々。
とりあへずコラム的な何か

アイドルフェスに於ける反省と改善の欠如が齎す明るくない未来についての一論考

をアップロード。

送り手の楽しみや遣り甲斐は客としてのそれとは別のところに有る筈なのであるが、客になって楽しんでしまっていて且つその自覚の無いオタンコナスが多すぎる。


2012-07-22 宿題消化週間 2 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 29号

有村架純
表紙と巻頭グラビア6ページ10カット、撮影は細野晋司。
水着"も"有るグラビアなのだけれど、水着で押さない構成。 寧ろ水着を水着として見せないカットの方が多い。
それを求める向きには物足りないかもしれないが、4ページ目と5ページ目(特に5ページ目)などは細野晋司の本領、実に良く撮れている。
久し振りに見応えのあるグラビア。

石田晴香
巻末に5ページ8カット、撮影は門嶋淳矢。
山椒は小粒でピリリと辛いAKB48の八百屋お七に、写真の余白に思いの丈を書かせて埋めて、「お侠な部分」を引き出したグラビア。
幼児体形でありつつ、デッコマヒッコマもしっかり有る、アンバランスなバランスの妙。
惜しむらくは石田の持つ「侠気」を、写真そのものではなく、グラビア総体として漸く引き出し得たと言う事。 写真に映り込めば申し分なかったが、何分難しい人なので贅沢は言いっこ無しで。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 30号

前田敦子
表紙と巻頭グラビア7ページ13カット、撮影はHIROKAZU。
笑顔と真顔を半々で構成。 笑顔が表層的で真顔に凄みが有り過ぎることから見て、この日は「機嫌の悪い前田」だったのかもしれない。
この「凄み」の部分が、前田敦子の役者としての強みになってくるのではないかと思う。

ももいろクローバー
裏表紙と巻末グラビア6ページ、撮影は塚田和徳・塚田亮平。
道具立ては凝っているが、それだけ。
事務所の意向なのか何なのか、様々な格好をさせた写真を雑多に並べた、例によって例の如くの箸にも棒にも掛からない屑グラビア。
零点。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 31号

岡本玲
表紙と巻頭グラビア7ページ17カット、撮影は宮坂浩見。
モデルとしても役者としても、この世代の中では仕事の出来る部類に入る岡本玲を以ってしても、光量過多で全篇ほぼ死んだ表情。
辛うじて見られるのはホテルの部屋で撮ったカットのみ、表紙もその中から。 何をしにグアムくんだりまで出掛けたのか理解に苦しむ。
岡本玲の芸歴に汚点を残すグラビア。 カメラマンが折角の素材を全く活かせていない。

藤原令子
巻中で4ページ7カット、撮影は細野晋司。
見るからに寒そうな曇天下の浜辺での水着グラビア。 半分以上が凍えそうな表情で哀れを誘う。
天候や気温によって撮影計画を練り直せばもう少しマシなものになったのではないか。

日南響子
巻末に3ページ3カット、撮影は桑島智輝。
公式HPに載せた未公開カットから投票で選ばれた3枚。
全て紋切り型の笑顔なのはいただけないが、1位になったカットは流石に可愛らしく撮れてはいる。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 32号

北原里英
表紙と巻頭グラビア7ページ9カット、両面ピンナップがオマケで付く。 撮影は桑島智輝。
久々の巻頭グラビア。 表情は良いのだけれど、ポーズにぎこちなさが残る。 仕方の無いことではあるのだけれど、隠すほうへ隠すほうへ意識が行ってしまっている。
そこを責めるのも酷だとは思うが、北原里英があと一歩のところで売れ切れないのも、この辺りの詰めの甘さに起因しているように私には思われるので、敢えて記しておく。
表情に関しては及第点どころか満点に近いだけに尚更惜しい。

菅本裕子
巻中グラビア7ページ10カット、撮影は小池伸一郎。
話題がその肢体の方に偏りがちだが、なかなかどうして表情も良い。
柔らかく光が廻った曇天で且つ地元での撮影と言うこともあってか、全篇柔らかな表情。
小池伸一郎の、構図に奥行きを出す上手さも再確認。
背景の線の組み立てが巧み。

_ アイドルフェス・イン・ボートレース多摩川 Vol.5

さてはて、何から書いて良いやら。
年末恒例行事の北伐と重なって見られなかった第1回以外はずっと観て来た訳なのだけれど、過去最悪の愁嘆場であった。 会場に着いてから帰るまで終始不愉快。

諸事多端で寝坊をして、会場に着いたのは11時を廻ってから。 その道すがら「しず風の客が無作法でヒドい」との報。 暗澹たる気分で競艇場に着くと、事態は想像を超えていた。

しず風や lyrical school の客のモラルには期待していなかったのだけれど、これまで比較的民度は高いと思っていたバニラビーンズの客も便乗して辺り構わず馬鹿騒ぎ。
モラルと言うものは、かくも容易に崩壊するものなのか。 他の客の振る舞いがどうでも、出演者でありつつ主催者でもあるバニラビーンズの客が働く無法はバニラビーンズの二人の顔を潰す事にもなる。
その辺りに無自覚且つ無邪気にはしゃいでいる。

会場はベンチを並べた椅子席と、後方と左右の立ち見エリアに分かれているのだけれど、しず風の客は椅子席を上下に分ける舞台正面の通路に殺到。 そこを橋頭堡にしたのち、なし崩し的に舞台と客席を隔てる仕切り部分に荷物を置いて椅子席一列目の前に立ち見ゼロ列を構築。
こうなると椅子席に座っても舞台の上なんざ見えやしないから椅子席にはそこかしこに空席。 見えないので開演後に立ち去る人もちらほら。

一旦舞台上の話に戻す。

バニラビーンズ
割りとキツめのスケジュールの中でも綺麗な動き。 巻きが入った後の収拾の付け方にいつものキレが無かったようには感じたし、客の無礼・無作法を前にして眉を顰めがちなところはありつつも、ナビゲーターとしての仕事はこなせていた。

lyrical school
曲はまったく食いつけないが、悪くは無い。
然し乍ら、1ステージ一曲で終わらせて下がり、控え室素通りして即物販を始める商魂にはゲンナリ。
舞台前中央のみに客が集中するという異常事態とは言え、目の前の客に餌をやるばかりで客席全体を見ていない。 縮小再生産の悪い見本。

しず風&絆~KIZUNA~
今日の凶事は全てはこのグループのスタッフ、メンバー、客から。
先ず、スタッフが無能。
このイベントは各レースの舟券販売中の短い時間にライブを何回か挟み込む構成になっているのだけれど、販売終了5分前のアナウンスを会場に流す必要が有る為、その前にライブを終わらせなければならない。
然るにここのスタッフは制限時間を優に越える長さのセットリストを組んで強行。 制限時間に即したセットリストも組めない。

そしてメンバーが無知蒙昧。
販売終了までの時間は、ステージ上からも確認出来る時計に表示されるのだけれど、販売終了4分前になっても次の曲を始めようとする(巻きの指示を出した会場スタッフは無視)。 その曲が漸く終わって「早く捌けろ」と指示が出ているのに告知をだらだらと。
イベントの性格上、レースが(舟券の販売が)主であり、ライブイベントは従なのだけれど、そういった根本的な常識が無い。 無知であるのは本人たちの罪であり、教えてこなかったスタッフの罪でもある。
販売終了時間が迫って会場スタッフがヤキモキする様は此れ迄にも見た事はあったが、頭を抱えたのは初めて見た。 結局、捌けたと同時に会場モニターには舟券販売終了の文字列。
lyrical school の項でも書いたが、このグループも目の前の客に餌をやるばかりで客席全体を見ていない。 これまでに出たグループも色々あったが、ここまで近視眼的な輩は初めて。 何の為にこう言うイベントに出るのか、目的意識が著しく欠けている。目の前の客からの収奪で生計を立てるなら、名古屋に帰って閉鎖環境でやれば良い。

さらには、客が馬鹿。
前述の通りの場所取りの荒っぽさにも呆れたが、会場スタッフからの「巻き」の指示を無視するようにメンバーを教唆扇動。
荷物は財布やらカメラやらを入れたり出したりしつつ客席後方に山と積み上げて放置。 比較的治安が良いとは言え、ここは鉄火場なのである。 11レース12レースともなれば自然と殺気立ってくる。 そんな中でも放置。
何故盗難事件が起きなかったか、それは馬鹿な客が狂騒の巷に居る間、会場警備の人がつきっきりで見ていてくれたからなのである。

スタッフ・メンバー・客が三位一体で社会性を欠いている。 世の中に迷惑の種を振りまかぬ為、今後は名古屋から出ない方が良いのではないか。
私はこのグループを(客やスタッフを含めて)金輪際見たくないし、私の見たいグループと同じイベントに出るのは真っ平御免蒙りたい。

最後の最後で10月に「アイドルフェス・イン・ボートレース多摩川 Vol.6」開催との告知が有ったが、仮にそれが飛んだら(または縮小されたり次が無かったりしたら)、その責任の一定部分を しず風&絆~KIZUNA~ の客とスタッフ担った事は間違いない。

_ タワーレコードの功罪(主に「罪」)

タワーレコードがアイドル専門レーベルの T-Palette Records を立ち上げてから一年、私は淘汰されるべきではないものが報われる慈雨だと思っていたし、バニラビーンズ Negicco についてはそうであった(そうである)と今でも考えているのだけれど、しず風&絆~KIZUNA~を見てその考えが揺らいだ。
慈雨だと思っていたものは、淘汰されるべきものを無為に生き永らえさせる「ぬるま湯」なのではないか。
客層の拡がりを求めず、目の前の客からの収奪に明け暮れるものに、今日は有っても明日は無い。 尽きるべき命運は尽きて然るべきではないか。

そしてレースの合間の大々的物販大会。
儲かっているとはこっちも思っちゃいないが、イベントの趣旨からしてレースの合間は予想と舟券の購入に宛てて貰うのが筋。 そこで大々的に物販大会なんざおっ始めっちまうものだから、物販ブースには長蛇の列。 舟券は何時。
物販机を遠巻きにする馬鹿が通路を塞ぐので会場スタッフが一般客の動線確保に借り出されていたが、それもタワレコ側の仕事では無かったか。
そして全グループ同時に物販を始めるとどうなるか、舞台前の一角に置かれた場所取りの荷物には、ライブ中と同じく会場警備の人が張り付くこととなり、ライブが終わって会場警備の人が持ち場を変えると、無人の野に宝の山。
流石に不味いので会場スタッフに声を掛けて注意を喚起して貰ったが、客の間抜けさも去ることながらタワレコの無計画・無定見は指弾されるべきであろう。


2012-07-21 宿題消化週間 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 22・23号

篠田麻里子
表紙と巻頭グラビア8ページ12カット、撮影はTakeo Dec.
いつもの篠田グラビア、安定して高水準。
特に褒めるところも無いが貶すところも無い。
8ページ中7ページが一枚の写真で組まれた思い切りの良い構成。 それが出来るのも上がりが良いから。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 25号

日南響子
表紙と巻頭グラビア8ページ7カット、うち見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
眩しがりなところがあり、光が強いと表情が硬くなる傾向があるのだけれど、屋内で光源と正対させずに撮ったカットは表情も柔らかく切り取れている。
その中でも訴求力の強いカットを見開きで見せている。

伊藤梨沙子
巻末グラビア3ページ8カット、撮影は桑島智輝。
3ページに詰め込まれて些か窮屈ではあるが、少ないスペースに様々な表情を散りばめている。
頑張って目を見開いたカットが多いのは興醒めだが、そうである割りには見るに堪える表情。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 26号

AKB48(大島優子、柏木由紀、前田敦子)
表紙と巻頭・巻中ぶち抜きでAKB48。
巻頭はSENIOR編として大島・柏木・前田で7ページ7カット。 撮影は桑島智輝。
集合で1ページ、あとは一人2ページずつ。

大島・前田と並ぶと、柏木の万年大関感が目に付く。 気持ちがカメラと正対できておらず、立ち合いで逃げてしまっている。 もっともらしい表情ではありつつ、所在無げな表情。
こうした素人臭さが抜けないところに物足りなさを感じるのだけれど、それが受けているのかもしれない。

毀誉褒貶(毀と貶が多め)の激しい前田ではあるが、カメラの前に立った時の説得力は流石。
私はもう少し機嫌の良い前田の方が好きなのだけれど、これはこれで良い。

ふくよかさをポーズと諸々で隠したようなところが有る大島ではあるが、表情は柔らかい。
仕事をし過ぎなくなってからの大島は安定して良質。

AKB48(川栄李奈、島崎遥香、渡辺麻友)
巻中グラビアはJUNIOR編として川栄・島崎・渡辺の3人。 こちらも撮影は桑島智輝。
集合で1ページ、渡辺麻友で2ページ、島崎遥香と川栄李奈は1ページ。

渡辺麻友は宝塚に耽溺して以来、グラビアで見せる表情も良い方向に変わってきた。
以前のような紋切り型の表情は影を潜め、様々な解釈の成立する味わい深い表情。

川栄李奈は借りて来た猫。 畏まりすぎて本来の良さが出ていない。
撮られ慣れれば良い素材だとは思う。

島崎遥香も硬いといえば硬いのだけれど、カメラと正対するだけで絵になる強さが有る。
ふとした表情や仕草が悉く絵になる。 神懸っている。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 27号

SUPER☆GiRLS(志村理佳、前島亜美、八坂沙織)
表紙と巻頭グラビア5ページ15カット、撮影は桑島智輝。
このグループのグラビアは大抵そうなのだけど、今回も小間切れ写真の羅列。 兎角、的外れなことの多い SUPER☆GiRLS の送り手側の意向なのではないかと勘繰りたくもなる。
扉などは良く撮れているのだけれど、全体的に冗長且つ散漫。

高柳明音
巻中グラビア4ページ11カット、撮影はTakeo Dec.
強固な意志を持っていたからこそ現在の位置に居るとは思うのだけれど、ことグラビアとなると「高柳明音かく在るべし」が邪魔をして素材の持つ良さが引き出されていないように思う。
固められた前髪と巻き髪がそれを象徴している。
中国の少数民族の盛装の記念写真みたいなグラビアが本人の考える「商売用の高柳明音」なのかもしれないが、Google+ で愛鳥を見せびらかす動画などで見せる飾らない姿の方が私にはより魅力的に映る。
このグラビアも悪くは無いのだけれど、気負いが強すぎる。 一寸食い足りない。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 28号

三根梓
表紙と巻頭グラビア5ページ11カット、撮影は細野晋司。
細野晋司らしいグラビア。 撮られ慣れていないので笑顔はぎこちないが、隙を見て撮ったようなカメラに意識が来ていないカットは味の有る表情。
こうした写真は矢張り上手い。

内田理央
巻末グラビア4ページ11カット、撮影はTANAKA。
巻頭が水着無しだったので、バランスを取る為か水着たっぷりのグラビア。
可も無く不可も無く。
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [cialis and hearing loss <a href=http://dstvmediasales.com..]


2012-07-16 無能と無責任 [長年日記]

_ ヤングガンガン 2012 14号

SUPER☆GiRLS(志村理佳、後藤彩、前島亜美、宮﨑理奈、八坂沙織)
巻頭グラビア8ページ、撮影は西條彰仁。 「ビキニでサマーキャンプ」と言う設定。
一人1ページ、後は集合で2ページ、細かい写真の寄せ集めで1ページ。 時間の無い中、様々な角度・間合いから撮っていて、西條彰仁の苦心惨憺が窺い知れるのだけれど、上がりが良すぎて編集者が撰べていない。
大きいサイズで八点並べれば見応えもあり視覚的効果も大きいのに、撰ぶことを放棄して小さく大量に並べて誤魔化した気になっている。
編集者の無能と無責任の所為で散漫な印象にはなっているが、写真そのものは良く撮れている。

鈴木ちなみ
6ページ11カット、撮影は樂満直城。
水着は集英社の独占らしく、水着にならずに露出度を上げることに腐心。
水着にならない(なれない)事情を表情を上手く引き出す方向ではなく、徒に谷間やら何やらを見せる事で誤魔化す方向で何とかしようとして失敗。

青年誌と言うより少年誌の延長線上にあるガンガンらしさと言うか、編集者の意識が幼稚で、それが仕事に対する無責任さにも繋がっているように感じられる。
まぁ、そんな中でも敢えて目を閉じさせて撮ったカットなどには呻らされる。 カメラマンはカメラマンなりに仕事をしている。

かせんとびじょきょ
グラビアの質に関してはハナッから期待していないガンガンを何故買ったかと言えば、この漫画の連載が始まったから。
(ほぼ)現役のアイドルファンの原作によるアイドル漫画。 誇張はあるけれど、訳知りが手掛けているだけあって為にする「あからさまな嘘」は無い。
アイドル現場のムラ社会の言葉についても、脚注で逃げずに登場人物の台詞の中で処理していたり、クド過ぎず浅過ぎず良い塩梅。
これ"だけ"の為ってのも気が重いが、とりあへず次号も買う予定。

_ 更新情報

コラム置き場に殴り書き。

明け透けな悪意

をアップロード。
乃木坂46にも、ソニータイマーは入っているのではないか。


2012-07-13 おいてけ堀 [長年日記]

_ 第五回『吉幸&らく里のハノイハノイナイト』(2012/07/10)

北千住の路地裏、三軒長屋の端でやっているベトナム料理店での落語会。
良く言えば和室、割った話が二階の茶の間に仮の高座を設えての会なので、毎回ほほ満員だが最大で12人(詰めればもう少し)の小ぢんまりしたもの。 それがまた良い。

「たがや」らく里
「野晒し」吉幸

らく里さんは夏らしく「たがや」、吉幸さんは「野晒し」を端折らずみっちりと。
吉幸さんはここのところ意欲的で、なんだか凄いのを見せて貰っている。

二席終わってユーストリーム配信されるトークショー的な打ち上げ。 生春巻やらゴイ(甘酢和えのサラダ的なもの)やらバインミー(柔らかめのバゲットで作ったサンドウィッチ)などをパク付きながら痛飲。 つまみが旨いので酒が進む進む。
鎌ケ谷から来たというお客さんが居たのだけれど、話の遣り取りの中で何かに気付いたらく里さんが「あなた KGY40Jr. の皮茶パパさんじゃありませんか?」
果たしてそうであって、そこから落語方面の客にはおいてけ堀を喰らわして暫しアイドル談義。
色んな意味で有意義な落語会であった。

_ 更新情報

書きっぱなしで忘れていたが、コラム的な何か

AKB48で『菅原伝授手習鑑』

をアップロード。

匂ひをこせよ。


2012-07-08 バニラビーンズ三昧の週末 [長年日記]

_ バニラビーンズ「ノンセクション」インストアイベント(山野楽器成城コルティー店)

小田急線成城学園前駅に繋がる商業施設の二階、吹き抜けになった小体なイベントスペースでのライブ。
小田急や東急沿線のこうしたショッピングモールは、建物の構造も入っている店舗の種類も(客筋も)郊外型のそれとは異なる。 所得と学歴の差なのだと思うが、自分の知らないものを「知らない」と言う理由に於いて馬鹿にして掛かる傾向が少なく、一旦足を止めたら最後まで見て行く人も多かった。

外ハネ担当のリサが昨年まで成城大に在学していたので、御学友と思しき女性客もちらほら。
在学中は休日に来たことはあまり無かったとのことで、人が多いことに驚いていた。 四階のグランファミーユ・シェ松尾には、よくランチを食べに来ていたそうで、このあたりの「らしい」エピソードも微笑ましく。

土地柄に合わせてか「トキノカケラ」「ノンセクション」「エルスカディ」とお洒落系の三曲。 スピーカーからの出力も上品。
暗黙のドレスコードと言うか、普段は長年の洗濯で布地が透けかけたようなヨレヨレのティーシャツを着ているような客もとりあへず襟付きのシャツを着て来ており、手拍子メインで振りコピーは控え目。
同調圧力が掛かったのではなく、「りさこさまの地元(・・・の、ようなもの)」「りさこさまに恥はかかせられない」・・・と言う各自の判断が結果的に同調したのではないかと思う。
優先観覧スペースに椅子が並び、その周りに人垣。

天井が半透明で、曇ってはいたが自然光が柔らかく廻り、それに色温度高めのスポットライトが三階から2灯。 光線の加減で、二人が動くたびに白いワンピースの陰翳が身体の線を美しく描き出していた。
この辺りが件の写真集に不足している「品のある色気」なのだけれど、それについては別項にて。 スカートの丈を詰めたり、襟刳りを深くすれば良いと言うものではないのである。

或る程度売れないと、また売れ過ぎてしまってもこうした小規模商業スペースではイベントを打てない。
かつて通った大学の在る街への凱旋と言う祝祭感も心地良いイベントであった。

「追記」
新宿は見ても見なくても後悔は薄そうだったが、成城だけは見ておきたかったので、諸事多端の中、一寸無理をして遠出をしてみた。
「バニラビーンズを売りたい」と言う客の総意が、同調圧力ではなく個々の自由意志の同調と言う形で現れていたように思う。
良いものだから売れるとは限らないのは世の常であるが、良いものであるだけに売れて欲しいと切に思う。


2012-07-03 繁忙期 明日は明日の 風が吹く [長年日記]

_ バニラビーンズ“ノンセクション”インストアイベント(タワーレコード渋谷店B1)

締め切り・納期等が重なっててんやわんやの繁忙期。 今日出来ることは明日に延ばして渋谷へ。
タワレコ名物レジ前行列に巻き込まれたりしつつ、店員が巡回してバニラビーンズ目当ての客を誘導していたのでなんとか時間前には会場に入ることが出来た。

平日の夜にしてはまずまずの入り。 開演が七時半なのだけれど、とりあへず働いてはいそうな客層だったので妥当な線。
定時で逃げ出してなんとか間に合って、一寸残業したくらいの時間に衣服の乱れもなく帰れるので、所帯持ちの宮仕えにも優しい。
上手から見ることが多いのだけれど、日曜に下手から見た視界が新鮮だったので今日も下手から。
横に二人並んだ状態で見るより斜交いに見たほうが、振り付けの解釈や動きの質の違いが判り易い。 客を目配りで殺しに掛からないので、正面に陣取らないほうが気楽に見られると言うのもある。

一曲目が「LOVE&HATE」で驚く。 オープンスペースでのイベントとは違い、目当てで来た訳知り向けのセットリスト。 先日のワンマンライブの成功が生きている。
「LOVE&HATE」も発売当時は「ナンダコリャ?全然北欧じゃねぇ!!」(≒タンバリンスタジオ的な音造りじゃない)とムカッ腹を立てたりしたものだが、今こうして聴くと悪くない。
PVと写真集(ブックレット)には言いたい事・書きたい事も有るが、曲そのものは良い。 今日は演らなかったが、カップリングの「秘密」はオケだけでも繰り返し聴きたくなる佳曲。

アンコールは写真集の表紙の衣装で「君は僕を知ってる」。
忌野清志郎の歌い方とはまるで別物だが、その分物真似感は無く、曲に籠められた精神を換骨奪胎して自家薬籠中の物には出来ていた。
曲としての好みは分かれると思うが、良いカバーではある。 オケの作りの良さもあるが、コピーではなく、ちゃんとカバーになっていた。

シングルリリースの度に、こうして面白いものを見せて(聴かせて)くれるのも嬉しい。
幸せな気分で帰宅。
明日からも日曜まで怒濤のインストアイベント攻勢なのであるが、さてはて何回観られますやら。


2012-07-01 パンドラの匣に底に光る希望の芽のようなもの [長年日記]

_ 「 スクールガールジャパン 」

新宿のペンタックスフォーラムに於いて開催中の、小林幹幸のライフワークと言っても良いであろう制服女子の連作を散りばめた写真展を見て来た。

これまでに撮り貯めたものと、震災後に宮城県内を中心に撮りおろしたテクプリ関連で10枚。

旧作は見たことのある写真も多く、大きさに圧倒されつつも冷静に見ることが出来たが、テクプリを撮った10枚で感情を持って行かれた。
津波に破壊された学校の前、そして荒れ果てた音楽室の中で始まり、朝焼けの石巻駅のホームを歩いて行く後姿と桜の蕾の前に佇む写真で〆ている。
開けられてしまったパンドラの匣からありとあらゆる災厄が飛び出してしまったあとで、底に光る希望の芽のようなものが写し撮られていた。

旧作で目を惹いたのは、畏怖すら感じる気品漂う三吉彩花、温暖湿潤気候の齎すねっとりとした空気の中で撮った広瀬アリス、煽情的なグラビアでは見られない柔らかな笑顔の逢沢りな。

オンライン写真展で何枚か見られるので、遠隔地の方はこちらで雰囲気だけでも。
7/9(月)まで。

_ オトメ☆コーポレーション 「事業計画」発売記念 インストアイベント

バニラビーンズの過剰摂取が健康に影響を及ぼす懸念があったので、一寸横道に逸れて亀戸サンストリートへ。
碌に調べずに行ったので現場に着いてから知ったが、ゲストで リル・クミン と Marry Doll の二た組。

リル・クミン
着いた頃にはリル・クミンが始まっていた。 本人達も「デビューしてまだ三日なので、一曲歌うと息が上がっちゃうんです」と語っていたが、歌も喋りも覚束無く危なっかしい。 具体性のまったく無い告知が面白い。
しかし衣装はちゃんとしていた。 唯一ちゃんとしていたのが衣装。
当世流行りの色分け衣装。 ざっくりと印象を書くと、黄色ははっちゃけ水着隊系、白は京塚昌子系、赤はルー・フィン・チャウ系。

Marry Doll
事前に耳に入っていた情報が「客が柵を破壊」「客が風疹を媒介」とか物騒なものだったので、恐れ戦きつつ見たのだけれど、会場側からのコール禁止のお達しが有った所為か暴れる客も騒ぐ客もおらず、平和裏に進行。
前日まで北京で営業だったとか。 そんな事もあってか衣装のくたびれ加減が気になる。
中にもう一枚着ているので事故には至らないものの、チューブトップ的なものが上から下から狭まっていくのには冷や冷やした。

場数踏んでいるだけあって客あしらいは巧く、歌も上手いが、それの見せ方はうまくない。
その辺りの野暮ったさを魅力に転化出来得るかどうか。

オトメ☆コーポレーション
東京で活動しつつ、伊那市の観光大使を務める OLギミック のアイドル。
コンセプトを盛り込みすぎた二股膏薬感が前提としてあったので第一印象は良くなかったし、リーダーのネットリした営業トークにも当てられて中盤までは秋葉原を蹴った後悔の念に苛まれつつ見ていたが、視点を変えたら拾い物だった。
振り付けが単調で変化に乏しいのは瑕だが、動きそのものには切れがあり、歌も上手く表情も生きている。
特に真ん中の人は喋っている時は自信無さげなのだが歌い始めると豹変。 ここに視点を固定したら印象が黒から白へ。

よく調べずにオトメ☆コーポーレーションを見に行ったらリル・クミンが出てきて、あっけにとられているうちにMarry Dollが出てきて、呆然としているうちにオトメ☆コーポーレーションが出てきて、混乱しているうちに日が暮れていたのだけれど、反芻咀嚼してみるとそれなりに楽しくはあった。

_ バニラビーンズ“ノンセクション”発売直前インストアイベント(2回目)

原宿KDDIデザイニングスタジオにて、発売直前の予約イベント。
2回目の始まる20分くらい前に着いたのだけれど、裏で大規模アイドルイベントが有る割りにまずまずの集客。

三回廻しの2回目は、例によってミニライブ&トークショー。 月刊NEOバニラビーンズの表紙で着ている後ろ身頃がレース状に透けたカーディガンにスカート。
本人達も話していたが、Aラインのワンピース以外でのライブは初めてとのこと。 袖のある柔らかい布地の服なので、動きに合わせて身体の線が出るのだけれど、こうして見ると実にどうも細さが際立つ。 髪飾りが無いからかキノコ担当は髪を耳挟みにしていて軽やか。

トークショーで出た写真集に関する質問「(写真集の撮影で使った中で)一番気に入った靴は何ですか?」には、レナがジュゼッペ・ザノッティの黒のピンヒール、リサはシャネルの白と黒のオープントゥのブーツと答えていた。
相変わらず司会者要らずの座持ち。 

_ バニラビーンズ“ノンセクション”発売直前インストアイベント(3回目)

3回目は7thシングル「ノンセクション」の私服。 白いハット付きの白いワンピース。
「ベイビィ・ポータブル・ロック」「恋のセオリー」「チョコミントフレーバータイム」「ひとつのうた」の4曲、合間のお喋りもたっぷりと。

いつもと視点を変えて、二人の動きが見比べられる位置から見たのだけれど、レナの動きの美しさに磨きが掛かっていた。 どんな振り付けでも、すぅーっと動いてピタリと止まる。
動かす力、止める力、止めたところから逆に動かす力、全てにゆとりが有るので客席への目配りも行き届き、表情も柔らか。
伊達の筋肉ではなく、必要に迫られて付いた筋肉なので、しなやかで細いまま引き締まっている。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [viagra spray <a href=http://dstvmediasales.com/sitemap.ph..]


2012-06-17 チャフの舞う渋谷 [長年日記]

_ バニラビーンズワンマンライブ 北欧の風vol.4

会場の渋谷WWWは、スペイン坂の上と言うおよそ私のような人間には似つかわしく無い場所にあるライブハウス。 元は映画館だったとかで、客席は大きく3段に分かれていて圧縮が起きにくく、後方からでも非常に見やすい。
整理番号が良かったので前に行こうかとも思ったが、圧縮の危険性に鑑みて二段目中央付近へ。 極端な圧縮は起きなかったが、のんびり見るなら矢張り後方。

先頭入場で最前列に居た知り合いに話し掛けるふりをして3列目あたりに無理やり潜り込む女子二人組が目に付いたくらいで、醜悪な行動をする客は殆どおらず、昨今の殺伐を極めるアイドル現場の中では例外的に客の理性による平和が保たれている。
先に書いてしまうと、自己顕示のための「ジャンプ」「オーイングと称する奇声」「MIXと称する荒らし行為」「アンコール発動に関するヘゲモニーの取り合い」などは最初から最後まで見られず、(アンコールは拍手のテンポの切り替えの為に発せられ、統制棒もテンポを保つために振られ、巷間よく見られる悪目立したがる馬鹿が居なかった。)それでいてきっちり盛り上がってはいる奇跡。

暗転した中で流れるアメイジング・グレイス(曲名が思い出せず、採ったメモには「風に立つライオン」と書いてあった)から1969年のドラッグレースで口開け。 チョコミントフレーバータイムの私服。
中盤はシングルを時系列で並べる構成。
「迷走期」と呼ばれる2009年から2010年あたりにリリースされた LOVE&HATE や D&D は、久し振りに演ったとのこと。
どちらもリリース当時は「ナンダコリャ」と思ったものだが、今聴くとそんなに悪くは無い。 これは演る側にも聴く側にも心のゆとりが出来たからだと思う。

後半は新曲の私服に着替えて登場。 前半と後半では照明や演出を含めてガラリ変えてきていて、細かい知恵と工夫の積み重ねが感じられた。

恒例のオリジナルチロルチョコ撒き大会(投げられたチロルチョコが側頭部を直撃したり)、東京は夜の七時では天井からマンハッタンの戦勝記念パレードの如くヤケクソな量の紙吹雪が舞ったり5周年の祝祭感もありつつ、ここから先を見据えた未来志向の終演。

ライブ中叫んだ訳でもなく、朝から立ち食い蕎麦屋の親父くらいとしか口をきいていないのに、終わってみたら声が枯れていた。 心地よい疲れ。


2012-06-16 Until Nude [長年日記]

_ sharaku vol.001 [Until Nude]

気鋭のグラビア系カメラマン5人のグループ展「sharaku vol.001 [Until Nude]」を見た来た。
南青山でドアノーとブレッソン、ミッドタウンのフジフイルムで植田正治を見てから行ったのだけれど見劣りしない刺激的な写真。
写真展告知欄以外に紙幅を裂いた媒体は私の知る限りにおいて(ネット以外は)フォトテクニック デジタルの6月号だけだったが、私が見ている間にも何人か入っていたので、それなりに知られてはいるようだった。
フリの客が入ってくるような場所ではないので、目当てで来ているひとばかりだったと思うのだけれど、人を撮ることを趣味としていたり生業にしていたりする向きは見ておいて損は無いと思う。

小池伸一郎
アパートと思しき調度品の無い畳敷きの部屋で撮ったカラー4点。
温度と湿度は低めの色調。 調度品の無い殺風景な感じが生活感を消し去っていて、前述の色調とも相俟って四畳半写真でありつつさらりと。
広角で撮っているが歪みは無く、柱や梁、畳の縁が描き出す縦横の線を使って画面を構成。 串刺しとか首切りと言った禁忌に囚われず、それでいて見る者を不快にもさせない。

三輪憲亮
モノクロで4点。
黒と暗灰色の間のトーンの妙。 暗がりに躍る黒髪。
引いて見た位置で映えるようなライティングで、寄って見ようとすると照明が邪魔をするのには閉口したが、綺麗なプリントだった。

門嶋淳矢
カラーで5点。
温度と湿度高め、5人の中では「写楽」のあの頃に一番近い感じ。 粗にして野だが卑ではない、程の良い生々しさ。
肉感的なモデルを撮りつつ、その「肉感」に寄り掛かり過ぎずに撮った、顔にピントの来ている写真が印象に残った。

松田忠雄
カラーで5点。
水の中に浮かぶ身体の線を美しく描き出した5枚。 下着やストッキングの痕、毛穴や産毛まで写し撮っていながら、描き過ぎる事による不快さは無い不思議な写真。
門嶋淳矢と同じく肉感的で puffy nipple なモデルを撮りつつ、対照的な作品に仕上げていた。

吉田裕之
カラー5点。
赤バックと白バックでモデルが異なるようなのだけれど、私は寄って撮った赤バックの写真により興味を惹かれた。
ピント薄め。 ピンを置いた位置の意味を考えつつ見る。
カラーコンタクト着用の所為なのか目に力が無いのは気になったが、表情そのものは良かった。

小ぢんまりしたギャラリーで、些か窮屈ではあるのだけれど、出点数を絞ったことによりそれぞれの作風は明瞭になっていた。
こうしたグループ展がいきなり商売には結びつき難いとは思うが、作品撮りをする事によって自分の撮りたい写真を明瞭にし、作品を仕上げる過程での気付きが普段の仕事にも生きてくるのではないかと思う。
見る側の好みの問題で評価の分かれる作品は有るかもしれないが、写真の質として劣悪なものは無かった。
細くとも長く続いて欲しいグループ展。

日程:6/15(金)~6/21(木)
会場:SPACE eje
Facebook:http://www.facebook.com/sharaku.project
入場無料

_ 「植田正治の写真世界」展

ミッドタウンのフジフイルムスクエアで開かれている写真展。
ちょっとだけなので量的には物足りないが、作品の選定と照明が素晴らしく、質的には申し分ない。
このスペースでは常に何かしら見たくなる写真展が開かれていて、それ"だけ"の為に行くには一寸アレだが、何かのついでに近くに行ったら見ておいて損は無い。

_ アンリ・カルティエ=ブレッソンとロベール・ドアノー写真展

六本木へ行く前に、南青山の路地裏にあるギャラリー「ときの忘れもの」に寄ってみた。
全品正札付きなので見に来たお客様は「お買い上げになるかもしれないお客様」として遇される。
それが重く感じる向きにはお奨めできないが、好きな写真がこれくらい出せば買えるという目安を知ることが出来るので、私は見ておいたほうが良いと思う。
出品点数は写真美術館などには及ばないが、全品コンディションの良いオリジナルプリント。

_ 更新情報

コラム置き場に

不道舊故

をアップロード。
自分を安全圏に置いた上で讒訴するような輩の醜さ。


2012-05-27 美は乱調にあり [長年日記]

_ 東京女子流「追憶 -Single Version- / 大切な言葉」リリース記念フリーライブ (5/26 ラゾーナ川崎プラザ)

日比谷野音には行かれなかったので、久し振りの女子流。
正面から観たい向きが多いらしく、側面は割りと空いていたので、例によって近さを取ってみる。
真横から見るとフォーメーションも振り付けもきっちりしているのが良く判る。 個々の裁量に任されている部分は有りつつ、逸脱しすぎない頃合の良さ。

アイドルグループのシングルとなると馬鹿の一つ覚えでアップテンポの曲が並ぶ中、敢えてバラードを持ってきたのには驚いたが、それも納得の歌唱。

被せ無しのオケで踊りながら歌っても破綻らしい破綻をしない女子流が動きを最小限のフォーメーションチェンジに止どめて歌を聴かせることに徹しているので、歌に説得力がある。
USTREAMで観た野音のライブではモニタースピーカーからの返りが弱く、客席に歌声が届いている実感を持てなかった為か声を張り過ぎて歌唱が不安定になっていた小西彩乃も音程を安定させた上での伸びやかな歌声。
しっかり歌えてさえいれば通りすがりの買い物客の足を止める力は有り、ステージ上ではなく客を見て冷笑する手合いも居るには居たが、4階テラスも含めて多くの民間人がイベントを観覧していた。

私はどうにも握手会と言うものが苦手で、AKB48ですら最初期の「桜の花びらたち」と、よんどころない事情が有って行った「大声ダイヤモンド」くらい。 他のアイドルでもCDだけ買って握手券は知己にあげてしまう事すらあるくらいなのだけれど、今回はちょっとた目論見があって握手会にも参加してみた。
それは「小西彩乃と握手をすることによって、先日小西彩乃に突撃を敢行した今出舞と間接握手をする」と言う、下らないと言えば実に下らない事なのであるが、先々はともかくとして一旦は足を洗ってしまう今出との邂逅が望めない現状において、不遇を囲ったまま辞めてしまうことへのもやもやを解消するための儀式として何かしておきたかったのであった。
うるさ型の知己でも「ダメだありゃ」と言う声を聞いたことが無かった今出舞が陽の目を見ることなく研究生のまま辞めて行くというのも納得の行きかねる話では有るが、何度も書いてきた通り「その先の人生」の方が長い訳で、なまじ昇格しなかったからこそ将来を見据えた決断が出来たのかも知れない。
禍福は糾える縄の如し。

閑話休題、女子流の話。
昨冬から今春に掛けて怪我や病気で休養を余儀なくされたメンバーが多い中、グループとしての活動は続けてきたものの、そろそろ修正と休養が必要であるのは明らかであって、八月以降の反転攻勢に備えて活動を抑えるという送り手側の決断は評価できる。
更に進化した東京女子流を見られる事を楽しみに待ちたい。

_ hy4_4yh(ハイパーヨーヨ) インストアイベント(5/27 HMV大宮ロフト店)

江崎マサル(・・・のAKB48への提供楽曲)が苦手だったので食わず嫌いで来た hy4_4yh であったが、A.I.S.Aに国鉄の菜っ葉服着て出てきてアナーキーの「333」を演ったのを観て興味が湧き、給料が出た頃合に纏まった曲数をやるイベントがあったので足を運んだ次第。

4時過ぎにロフトに着いてCDを購入。 会場時間は開演の30分前と聞いたのでそれ位の時間に戻ると、未だ10人凸凹。 どうなることかと思ったが、開園時にはそれなりに増えていて安心。
頭頂部で結んでパイナップルのヘタみたいにした髪形の快楽亭ブラック師に似た人が闊歩していたので、誰かと思ってしげしげ眺めてみたら、江崎マサル氏であった。

ライブはアンコール込みで約1時間、盛り上がる曲聴かせる曲、硬軟取り混ぜて各種取り揃えたセットリスト。 歌入りオケだが被せは弱めでほぼ生歌。

そこそこ歌って踊れて、ソツは無いが華はもっと無い Sadachi から漂う「宮五郎」感、アイドル界のぴんからトリオ。 Sadachi は空気を構成する気体に喩えると窒素。

衣装はアルバムのジャケットでも着ている白のツナギに反射材ベスト、ゴーグル付きヘルメットと黄色いゴム長靴。
この格好が此処まで似合うのは、芸能界広しと言えども関武志とガッポリ建設と hy4_4yh くらいであろう。けして動きやすい格好ではないが、激しく歌い踊って息が上がらないのも凄い。
キレの有る歌唱と振り付けと、ダラダラした喋りの落差も愉しい。

アイドルらしいものからゴリゴリのロック迄、楽曲は多岐に渡るが、下手なロックバンドより魂からのパンク。
パンクはパンクでもアナルコ・パンク。 まつろわぬ者の血が滾っている。

最近わたしが嵌まるものの傾向として、バニラビーンズにしても hy4_4yh にしても Tomato n'Pine にしても通奏低音として在るのが「大人の悪ふざけ」。
アルバムのオマケとして付いてきた特典 CD も真面目に不真面目。 碌でもなく面白い。

美はただ乱調にある。階調は偽りである。真はただ乱調にある。
(「生の拡充」大杉栄)

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [online phamacy viagra <a href=http://dstvmediasales.com/s..]


2012-05-20 傍若無人 [長年日記]

_ アイドルフェス in BOATRACE TAMAGAWA vol.4(2012/5/6)

レギュラーのバニラビーンズに AeLL. と Dorothy Little Happy と言う顔付け。
バニラビーンズはアンケートなどに基づいてゲストの人選にも関わっているとのこと。 Tomato n' Pine が主催ライブとして POP SONG 2 U をやっているのと、意味合いや目指すところは同じなのかもしれない。 次回は是非 Tomato n'Pine を呼んで相互乗り入れしていただきたい。

積極的に観に行こうとは思わなかったり、寧ろ毛嫌いしていたグループが出てくることもあるが、ここで見て良さに気づくことも有る。 今回も(初見ではないが) AeLL. が楽しかった。

AeLL.
オケの出だしが流れなかったり、音響トラブルに見舞われても全く動じない。 風が強くなった2回目3回目は髪を纏めてみたり、現場対応力が高い。
曲は例によってメッセージ色が強く、私は食いつけないのだけれど曲は悪くないし、西恵利香(苦労人)が芯になっていて歌も上手い。
年長組二人がしっかりしていて年少組二人が覚束無いのだけれど、覚束無いなりになんとかなっているのも面白い。
ステージ脇ですれ違った篠崎愛が思いの外細くて驚いた。

Dorothy Little Happy
10分程のステージを三回廻しなのだけれど、三回とも衣装を換えてきたのには驚いた。 換えて悪いって訳では無いが、力の入れどころが間違っている。
致し方の無いことでは有るのだけれど、首都圏へ打って出ると言う意気込みが強すぎて空回りしているような印象。
世の趨勢がそうであるのは承知しているが、踊らせ過ぎ。 成り立ちからしても歌よりダンスに重きが置かれるのだろうけれど、激しく踊りながら歌うと金切り声に近いものになってしまっていたのも気になった。
ただ、目当てで来ている客だけでなく、競艇オヤジまで含めた全体に向けて目配り気配りをしており、意識は高く持っている。 押し付けがましい圧迫感は有ったが、それも意欲が先走りすぎたからなのであろう。

客は聞きしに勝る民度の低さで、ダッシュできていないダッシュケチャであったり、やっている事がヌルい割に傍若無人。 似たような無茶をするのでも AeLL. の客が押し引きの加減を心得ているのとは対照的に終始暴れていた。
他のグループの出番にはセコ場か何かに行ってやがる癖に、途中でドヤドヤ戻ってきたり、置きっ放しの荷物の前に立っていた客に「見えないからどけ」と難癖を付けたり、呆れ果てたる屑加減であった。
これも送り手側が客の分母を増やすことに狂奔して内実を等閑にしてきた事に起因している。 何につけても背伸びと無理が目に付く。
ラモーンズの Rock and Roll Radio みたいな煽りの入った曲も耳に残ったし、デモサヨナラを〆に持って来る構成も意欲的だったが、如何せん尺に対して詰め込み過ぎた印象。
振り付けの過剰な激しさが暴れたいだけの客層に受けているのだと思うが、それが客の裾野の拡がりを阻害することになりはしないか。

バニラビーンズ
暦の上では夏となり、漸く防寒具からは解放されたが、江戸川競艇は中止になるくらいの強風。 風が強すぎて飛んではいけないモノが飛びそうになって大変そうだった。
これまでそう言う点で気を揉んだことは無かったが、ワンピースの裾が短いところに持ってきて舞台が高かったり、風が吹くと色々危うい。 それをおくびにも出さず、ににこやかに遣り過ごす強さ。
セットリストも巧く組んであって、レースの合間の短い時間に3曲演るのは勿論、喋りも挟んで客を飽きさせない。

次回は7/20に開催との事。 バニラビーンズカップと言うレースに併せてらしいが、それも楽しみ。

_ 反省点

些か寝かせすぎた。
楽しい記憶は「たのしかったなぁ」てぜ漠然として行くが、怒りは具体的に残るので、矢張りレポート的なものはとっとと書いたほうが良い。


2012-05-13 [長年日記]

_ UTB 2012 6月号 続

鞘師里保×石田亜佑美×田村芽実
6ページ10カット、撮影は佐藤裕之。
鞘師里保は当世風の顔立ちでは無いのだけれど、妙に絵になる。
放出するのではなく吸引するような、不思議な力が有る。
石田と田村は未だ硬いところがあるのだけれど、鞘師はカメラの前での振舞いが変わらない。

本村碧唯・宮脇咲良・谷口愛理(HKT48)
5ページ7カット、撮影はサトウノブタカ。
HKT48の「手をつなぎながら」公演で「ウィンブルドンへ連れて行って」を担当している3人。 前半は集合で4カット、後半は一人1ページ1カット。
強すぎず弱すぎず、光のコントロールが上手い。 まぁ私の好みからすると若干強いかな・・・とは思うのだけれど、表情は生きているのでこれはこれで良い。
宮脇咲良は常に撮られる人としての態度を保っていて隙が無い。 正体を現さない分、写真としての面白みは薄れるが、モデルとして質の高い仕事はしている。
髪のあしらいが三人三様なのだけれど、それぞれ映えるようになっている。 こうしてきちんと見極めて貰えているのも、見ていて嬉しい。

小嶋菜月
5ページ7カット、撮影は桑島智輝。
制服2カットで残りは水着と言う潔い構成。 水着映えするのでこの配分で間違いは無いと思う。
表情は変化に乏しく、劇場の壁掛け写真や生写真の域を出ない紋切り型の笑顔なのだけれど、桑島智輝が上手く纏めているのでモデルが詰まらない割にグラビアとしての出来は良い。
ホームランはおろかヒットすら出ないのに、デッドボールで出たランナーを盗塁とバントで進めて犠牲フライで一点取って、気が付いたら勝っていたような、そんな感じ。

浦野一美
5ページ7カット、撮影は長野博文。
仕方ないっちゃ仕方ないのであるが、七年遅い。 危ういくらいに白くて細くて皮膚が薄くて儚げであった猫被り期の浦野でこれをやっていたら歴史は変わっていたと思う。
積み重ねた苦労がふてぶてしさのような物を醸してしまっているのと、長野博文が仕事だから撮っているような定型写真であるのと、残念な部分は有るが、浦野がきちんと撮って貰えたというのは、矢張り有り難い。 感謝。

伊藤梨沙子
4ページ6カット、撮影はこちらも長野博文。
こちらの方が撮っていても遣り甲斐の点で上なのは仕方ないが、ささっと撮っているようでいて上がりは良い。
モデルの持つ力。

宮崎香蓮
4ページ6カット、撮影はHIROKAZU。
撮られなれていない所為かカメラを睨め付け過ぎるところがあるが、目線を外したカットは上手く撮って貰えている。

仙石みなみ
4ページ7カット、撮影は細居幸次郎。
一寸やっつけ感はあるが、破綻の無い7カット。
手間と時間を屋内撮影分に集約したほうが上がりは良かったのではないか。

新垣里沙
5ページ9カット、撮影は唐木貴央。
造りこみが過ぎたり、眩し過ぎたり、モーニング娘。 関連のグラビアで良く見られる退屈極まるもの。
3カット目は辛うじて見られるものになっているが、あとは論評に値しない。
高橋愛の時もそうだったが、グループを辞める段になって作った写真集の質が悪いってのは如何なものか。

矢島舞美
打って変わって見応えの有る6ページ9カット、撮影は國方大。
しどけなく和室で3カット、凛として弓道場で6カット。 矢島舞美として撮られるときには未だどうして良いか判らないような表情を浮かべることも有るが、何かテーマがあると強い。 特に弓道場でのカットは、緩急・強弱の付いた幅のある表情。
桑島智輝の特質がその場に有るものを組み立てる上手さであるとしたら、國方大はその場に在るものを汲み取る上手さ。
温度や湿り気まで伝わる写真。

真野恵里菜
6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は栗山秀作。
今月末に新たな写真集発売、撮影は再び栗山秀作とのことであるが、「写真集の話はまた次回」とのことで、このグラビアとの関係は不明。 しかしこのグラビアの出来から類推して、かなり良いものになっているのではないかと思う。
安心して撮り、撮られている。

総評
カメラマンとモデルの幸せな出会いが幾つも有る、見応えのある号だった。
1200円と言う最早雑誌とは言い難い値付けではあるのだけれど、それ以上の幸せは得られる。
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [pharmacy cialis <a href=http://dstvmediasales.com/sitemap..]


2012-05-06 イニシエーション [長年日記]

_ UTB+ 2012 5月増刊 続

吉永淳
4ページ4カット、撮影は栗山秀作。
役では無い自分でカメラの前に立ってどう振舞ったら良いのか、未だ分かっていないようでは有るが、役者を撮らせると上手い栗山秀作が何とかした感じ。
1カット目が素直で良い。 この表情でカメラの前に立てれば、どうにかなって行くのではないかと思う。

山崎紘菜
4ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
面白い撮り方。 風景の中に建物や樹木・稜線などで線を描き、その前にモデルを立たせて画面を構成。
そう撮っても埋没しない個性の光を、モデルが放っているからこそ可能な取り方。
一寸頬が上気したような3ページ目に惹かれる。

小池唯
6ページ8カット、撮影は長野博文。
水着グラビアだがロケ地が川と里山と言う珍しいロケーション。
背景の緑を肌に写して面白い色味。
暫く見ない間に小池唯の表情の種類と諧調が増えていた。 一年間主役を張るドラマで取られ続けるとこうも変わるものなのか。

目線を外して意識だけを向けたり、カメラと向き合う角度に変化をつけて見たり。目から鱗の6カット。
さんざっぱら「小池唯のグラビアは詰まらない」と書いてきたような気もするが、もはや呉下の阿蒙ではなかった。

宮本佳林(ハロプロ研修生)
5ページ7カット、撮影は熊谷貫。

研究生とか研修生とか言うものを抱えた束モノの嚆矢は TPD ではなかったかと思うが、TPD の研修生がそうであった様に、今後10年くらいのプレアイドル業界を下支えするのはAKB48やハロプロので下積みの苦労をした連中になっていくのではないだろうか。

閑話休題、宮本の話。
見るからにガチガチで指示を出したところでどうにかなる物でも無いことは自明。 とりあへず身体を動かさせて余計なことを考えさせないようにして撮ったカットのみ、表情が生きている。
カメラと正対させると怯えたような表情になってしまうが、妙につくった顔をされるよりは良い。 怯えたなりに宮本佳林の「今」が切り取れている。

詰まらない被写体をよんどころなく撮ったときの熊谷貫は、時として必要最低限の仕事しかしない事があるが、今回はそんな事も無く試行錯誤を重ねているので、熊谷としてもそれなりに面白い仕事だったのではなかろうか。

飯窪春菜
5ページ6カット、撮影は桑島智輝。
熊谷貫とは対照的にモデルを動かさずに撮っている。
研修生と正規メンバーの差なのか、カメラの前でも物怖じせずにレンズを直視できている。 笑顔が硬いのは瑕だが、それ以外には特に貶すところも無く。
そこにあるもので上手く纏めて撮る、桑島智輝らしいグラビア。

鈴木愛理×真野恵里菜
6ページ6カット、撮影は西田幸樹。
スタジオでの西田幸樹、一寸光が強いようにも思えるのだけれど、表情が死なないギリギリの線ではある。
こうして並べて見ると、モデルとしても魅力的な二人の撮られ方の違いが見えてくる。
真野恵里菜はやはり役者で、一本筋が通っている。

川口春奈
写真集のアザーカットで7ページ9カット、撮影は長野博文。
石垣島と故郷の福江島での撮影とのことであるが、家族や親族の前でも撮影したようで、長野博文の一種異様な撮影風景が身内の前でも展開されたかと思うと、面白いような面白くないような。

水着多めだが、寧ろそれ以外の写真、例えば歯磨きをしているカットなどが良い。

_ UTB 2012 6月号

NMB48(山本彩、城恵理子、谷川愛梨、小笠原茉由、渡辺美優紀、山田菜々)
14ページ16カット、撮影は MARCO 。
集合で2ページ4カット、あとは一人2ページずつ。 スタジオ撮影のファッション写真的水着グラビア。
仰向けに寝かせると、どんな美形でも人相が変わって(崩れて)しまう。 なので私は好まないのだけれど、あえて貶すほど崩れてもいないので、これはこれで良いのだろう。

吉川友
7ページ7カット、撮影は西田幸樹。
接客に於ける親密さと取っ付き易さがアイドルとして売れる為の必要条件になってしまっている現在に於いて、こうしたサバサバしていつつも神々しい美人と言うのもマイナス要因になり兼ねないのだけれど、グラビアの出来は相変わらず良い。
6カット目、水の中に浮かんで顔だけ出しているカットが特に良い。

橋本愛
6ページ6カット、撮影は熊谷貫。
髪をバッサリと切る前後の姿を追ったグラビア。
衣装をフェミニンなものからボーイッシュなものに着替えることでアクセントを付けているが

切る前 → 切った直後 → 切った後

で顔つきまで変わって行く。
モデルの感情の深層まで抉り出すように撮り、敢えて抉り出させているこの関係性。 カメラマンとモデルの関係として考えると幸福だが、切ない。

百田夏菜子
6ページ9カット、撮影は Takeo Dec.
可も無く不可も無い出来ではあるが、ももクロのグラビアは必ずと言って良いほど奇を衒った挙句に失敗しているので、それに較べれば格段に良い。

倉持明日香
6ページ6カットの水着グラビア、撮影は桑島智輝。
古代エジプトみたような輪郭強調アイメイクが恐いのと、臍を隠したカットが多すぎるのが先ず気になる。
AKB48にユニットは数あれど、フレンチ・キスほど売れている割に切磋琢磨より複合汚染の印象の強いものは無い。
柏木由紀のグラビアでもよく見る光景なのだけれど、扇情的なポーズと作り笑顔ばかりで構成されたグラビア。
肉だけ大盛りんなってりゃ喰い付くチョロい客ばかり相手にしているから進歩も成長も無い。

2012-05-05 美、極まれり。 [長年日記]

_ UTB+ 2012 5月増刊

指原莉乃
表紙と巻頭グラビア8ページ4カット、全て見開きでの構成。 撮影は桑島智輝。 オマケで表紙と同じ衣装のポスターが付く。
表紙に「美、極まれり。」とあるが見れば納得の出来。

相変わらず付かないところには哀しいまでに付かないが、全体的には細さは保ちつつ適度に肉が付いて女らしい身体つきになってきた。
それより何より変わったのは、カメラの前で負の感情を出さずに立てるようになったこと。 表情だけでなく、顔や身体の向きから仕草まで、きっちりと仕事が出来ていて過不足が無い。
赤い水着とも下着ともつかない衣装の裾が翻り、小道具の赤い花瓣が舞っているのをシャッタースピードを速めて止めているのだけれど、その撮影手法と指原のモデルとしての仕事が相俟って、止まった時間の中に永遠がある。

何やかやと蔑む方向で言われがちな指原莉乃であるが、私は質の高い仕事をしていると思う。

インタビュー部分でソロデビューにあたってやりたいことを訊かれ、指原先生答へて曰く。

ちっちゃいライブがしたいな。 オリジナルが4曲出来たから、AKB48のユニット曲を借りてきて全部で6曲くらいのミニライブ。
あと本当にいい曲なんで、私のことが好きじゃなくてもいいから一人でも多くの人にカラオケで歌ったもらえたらいいな、と思います。

結果的にプロモーションはあんな事になってしまったが、指原本人はぶれていない。
上っ面しか見ない奴に叩かれると言うのも売れた人間の背負う宿命ではあるのだけれど、それにしても切ない。

和田彩花
6ページ7カット、撮影は細居幸次郎。
紆余曲折ある中で厭でも大人びざるを得ない状況下に置かれている訳だが、陳ね媚びる事無く順調に育ってはいる。
屋内と曇天の屋外。 細居幸次郎らしい淡々と描き出したポートレート。

足立梨花
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
衣装3パターン、バレエをモチーフに白と黒で二面性を見せる趣向はナタリー・ポートマンのあれからの発想だと思うが、白の方がモデル本来の良さに近いのではないかと思う。

渡辺美優紀(NMB48)
7ページ9カット、撮影は佐藤裕之。
まだ全容とまでは行かないが、渡辺美優紀の本性の欠片は捉えたグラビア。
面相も体形も粒揃いのNMB連中と並べると、正直言って中の上くらいにしか見えないのだけれど、こうして一人取り出してじっくり撮ってみると、深みに嵌まると病膏肓な人気の理由が窺い知れる。

背は高からず低からず、それなりに出たり引っ込んだりはしているが肉感的と言う程でもなく、容貌も童顔でも大人びた女優顔でもなく(吉田喜重が好きそうな顔ではあるが)、捉えどころが無いのだけれど、視界に入ると妙に目を引く。

水着より着衣、厚着であればあるほど艶が増す不可思議。
4ページ目。 酒場と思しき扉の前に赤いコートでしどけなく佇む図などは、ついこの間高校を出たばかりとは思えない妖しさ。 始まったばかりなのに既に世紀末的。 ゾラとか荷風がモデルにして書きそうな Femme fatale. こんなハニートラップなら、寧ろ引っ掛かって死にたい。

3ページ目下段、アウトフォーカスの脹脛。 だいぶ後ピンなのだけれど最早そんなことはどうでも良く(写真論なんざ此の際犬にでも喰わせろ!!)、この空気感に引き擦り込まれる。
若い人には解らないかもしれないが、知らない方が幸せなことも世の中には多い。

NMB48 チームN(與儀ケイラ、城恵理子、島田玲奈、谷川愛梨、木下百花、肥川彩愛)
6ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
二人ずつ組ませてそれぞれ2ページ。 自由に振舞わせると子供っぽい部分が出過ぎたり、「まつろはぬもの」の血が騒ぎすぎる厄介な連中の動きと感情を抑制することによって、造形美を抽出することに成功。
このあたりはカメラマンの意図したものなのか編集者の指示なのか判然としないが、巧い。
木下百花もこうして黙って立っていれば実に可愛らしい。 元が良いから下手打ちゃ魚屋の店先の鰤のアラにしか成り得ないような血糊にまみれた姿でも、凄絶の美に昇華される。

木﨑ゆりあ
6ページ8カット、撮影は桑島智輝。
奇を衒わずに可愛らしく撮ることに専念。
渡辺麻友がイメージの固定化を嫌ってか忌避しつつあるハーフツインであるが、AKB48界隈で今これをやって嵌まるのは木﨑ゆりあなのではなかろうか。
ハーフツインは人生の或る短い一時期に、限られた人間しか出来ない髪形であり、それが似合うというのも運命の悪戯。 極めて頂きたい。

岩田華怜・武藤十夢(AKB48)
6ページ10カット、撮影は門嶋淳矢。
夜の屋外で制服、青味がかった光のスタジオでキャミソールにホットパンツを合わせた部屋着的なもの。 安易に水着にしないのは良い。

頭撫でたり、頬を突いたりする牧歌的な写真は屋外で。 もう少し湿り気を帯びた親密な写真は屋内で。
丸みを帯びた岩田と直線的な武藤の対比。 武藤の首から鎖骨に掛けての線の美しさを、心持斜めからから切り取ることによって描き出し、岩田の柔らかな線は正面から。

武藤が思わぬ拾い物。 衒いも気負いも無くカメラの前に立てていて、実に良い表情。
いきなり水着にしなかったからこその物かもしれないが、浅草軽演劇みたいな名前からは想像もつかない美形であった。

杉咲花
4ページ6カット、撮影はサトウノブタカ。
UTB の美点として、カメラマンを名前で使わない事を挙げて良いと思う。 アイドルグラビアとは畑違いだからこそ撮れる写真もある。
3ページ目あたりで微妙に逃していたりもするが、ピント薄めで押して勝負をする撮影手法は面白い。
1ページ目は全てが噛み合っている。眼福。
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# Dwightsa [priligy 60 mg filmtabletten <a href=http://dstvmediasales..]


2012-05-04 Gone with the Wind [長年日記]

_ フォトテクニックデジタル2012 4月号

平愛梨
8ページ8カット、撮影は西條彰仁。
整いすぎた顔をどう撮るか、その一つの答え。
前髪のあしらいが良く、眉そのものは弄らずに、適度に隠すことで整いすぎた顔の印象を薄めつつ、眉の作る表情も生かしている。
表情そのものは単調で面白みも薄いのだけれど、切り取り方で変化をつけている。 無理に表情を作らせないのも良い。

ヒガリノ
6ページ6カット、撮影は松田忠雄。
これ迄は扱いが大きい割りに然程良いとおもった事の無かったモデルだが、このグラビアで印象が変わった。
技術誌なので撮影データが載っているのだけれど、全て単焦点の短めのレンズで撮っている。
古いアパートか旅館か、そんな建物なのだけれど、日本家屋特有の薄暗さの中で廻った廻った光が、モデルの表情を柔らかく引き出している。 絞りは開け気味に撮っているのだけれど、ピンとも露出も構図も決まっていて、且つ出来過ぎてもいない良いバランス。

難と言えば難なのは御手洗のところの便所レンズのボケが安っぽくて五月蠅いところ。
これはまぁ致し方ない。

さくら学院(武藤彩未、三吉彩花、松井愛莉)
4ページ8カット、撮影は北條俊正。
モデルが良いので生きた表情にはなっているが、ピントを浅くしてシャッタースピードは速め、動きを完全に止めてしまっているので写真としては詰まらない。 3人並べたカット等は構図も雑に過ぎる。
カメラマンの技倆不足を被写体が補ったグラビア。 動画と静止画は別に撮るべき。

石田亜佐美
6ページ6カット、撮影は長野博文。
表情は硬いが、それを生々しさに転化出来るのが長野博文。
しかし瞳を真正面から捉えたカットは私には味が濃すぎる。

魚住誠一×クロダミサト(モデル:おかもとまり)
美術よりのクロダと工芸よりの魚住。
私の好みとしてはセンスと技術のバランスの上に立つ魚住なのであるが、センスで押すクロダの写真も悪くは無いと思う(好きではない)。
しかし今回は馬場が重かった分、魚住の方が良い表情を切り取れていると思う。 雪なのに眩しさに硬直したカットが無い。

_ フォトテクニックデジタル2012 5月号

鈴木愛理・矢島舞美
表紙と巻頭グラビア、10ページ9カット、見開き3箇所。 撮影は小林幹幸。
この雑誌の巻頭グラビアはいつも変則的な割付けなのだけれど、今号はいつにも増して変則的。
上がりがべら棒に良いからか、最大限誌面を割いて載せている。 詰め込み過ぎた窮屈な感じはなく、鑑賞に堪え得る大きさと密度に留めているところは流石。
珍しく踊っている絵を、矢島の影で1カット、矢島と鈴木でそれぞれ1カット、計3カット。 このあたりは ℃ute の美点を心得た小林幹幸ならでは。
躍動感溢れる、動きの芯は止まった美くしいブレと、薄暗がりの中に浮かび上がる肢体。

最初の2ページで見る者を脅かしたあとは、ハウススタジオで柔らかく光を廻した優しい写真。 似通っていつつもそれぞれに合わせて見立てられた衣装。
鈴木愛理の一寸ずつニュアンスの異なる優しい笑顔。 思えば最近のグラビアで誰かと組になると、大抵しっかりしなければならない立場に置かれていたが、今回は気心の知れた年長者と一緒と言う事で、程よく肩の力が抜けている。

矢島舞美は未だ一寸考えすぎなようなところもあるが、考えなくとも良いダンスの部分は凄絶。 これまで見た中でも出色。

空気迄しっかり描きこまれたような精緻な絵と、なだらかなボケ。 このあたりはペンタックス645Dのカメラとしての良さをカメラマンが上手く引き出した部分。

栗山秀作と真野恵里菜であったり、熊谷貫と橋本愛であったり、カメラマンとモデルの幸せな出会いが作品として結実することが稀にあるが、℃ute と小林幹幸の出会いも、そうなり得るものなのではないかと思う。

飯窪春菜
6ページ6カット、撮影は長野博文。
これまでは何とも思わなかったのであるが、前号から長野が描き出す眼球の生々しさが気になって仕方が無い。
瞳の中に何かが写っているカットはまだしも、眼球そのものが写ったカットはどうにも直視できない。
まぁ、それだけモデルがカメラに正対出来ていると言うことなのだけれど。

魚住誠一×クロダミサト(モデル:沢木ルカ)
3ページずつ、同じモデルを撮り合う企画。
経験と技術とセンスのバランスが取れた魚住に、やはり一日の長。
整ってはいるものの、基本的に同じ表情しか出来ないモデルを撮りあぐねたクロタと、何とか食らい付いてモノにした魚住の差が出た。

白羽ゆり
6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は関純一。
見開きのカット以外は、厚塗りがあからさまに出てしまって興醒め。
重ねた年輪をモデルの個性として撮るか、そこを隠して化けさせるか、そのあたりの踏ん切りがついておらず、どっちつがずな撮り方がモデルの魅力を損ねている。

_ 週刊プレイボーイ 2012 17号

大島優子・小嶋陽菜
7ページ7カット、見開き1箇所。 オマケでマウスパッドが付いたお陰でそこら中のコンビニで売り切れ。 5軒くらい廻って漸く手に入れた。 撮影は今村敏彦。
大人数のベルトコンベア式グラビアで無い所為か、今村らしさがいつもより出た、楽しげなグラビア。
撮られる側も肩の力が抜けて抜けすぎず、良い塩梅。
このあたり小嶋陽菜の匙加減の上手さは相変わらずだが、昨年の夏前あたりに藤代冥砂に撮られた頃から仕事をし過ぎないようになった大島優子も良い出来。

能年怜奈
5ページ7カット、撮影は今村敏彦。
薄着だが水着ではない、夏らしいグラビア。 これぞ今村な7カット。
目が開ききっていなかったり、笑顔がくしゃくしゃだったりもするが、全カット表情が生きている。

AKB48も時間が無いのは判るが、流れ作業で撮るような粗製乱造の写真をゴテゴテ弄って誤魔化すようなグラビアではなく、今村敏彦に撮らせるならこれくらい下駄を預けて然るべき。

SKE48
リビドー刺激系グラビアは端折ってSKE48。 増刊号からの選り抜きグラビア8ページ。
さまざまなカメラマンが撮っているのだけれど、Takeo Dec.の撮ったオレンジバックのメイド服が酷い。
オレンジの背景紙に肌の色が引っ張られて碌でもない顔色。 元が白すぎる松本はまだマシだが、松村香織と古川愛李は「風と共に去りぬ」に出てくるメイドみたいになっちゃっている。
飛んだ貧乏籤、ご愁傷様。

Google+ 連動企画「48サバイバル」
野中、中塚、松村で1/3ページずつ。 最悪1/4だと思っていたので先ずは良かった。
野中はお悩み相談、中塚は男子向けスイーツ指南、松村はメンバーとの対談。
松村はとりあへず企画の説明と自己紹介。 対談の始まる次回以降に期待。
人柄で押せる野中は大丈夫だと思うが、中塚と松村はネタ探しと工夫が必要になって来るのではないか。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
1998|11|12|
1999|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2000|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2001|01|02|03|04|05|06|07|08|11|
2002|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2003|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2004|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2015|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2016|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|07|08|11|
2019|09|11|
トップ 最新 追記