フォトテクニックデジタル 2014 5月号としておりましたが、正しくは4月号でしたので訂正いたしました。
例によって本人からのSNS等での告知は無く、私を含めて目当てで来ているのは片手ほど。 ラジオ経由のお客さんらしく、所謂「宇佐美難民」は私くらいか。
宇佐美は7:3に分けたようなボブ、青系統の色のワンピース。 寒色の服の所為か、痩せた印象。
ラジオの仕事が増えたことで変化があったのか、以前担当したときより声のトーンは抑え目。 イベントよりラジオ寄りの語り口。
普段はラジオのDJとかリポーター、イベントの司会などをやっていますと自己紹介。
「今年で30になります」で、私だけ驚く。
宇佐美セレクトの曲を掛けるコーナーで「アナと雪の女王」のサントラについて妙に掘り下げた話をするのを見て、この人のキャリアの振り出しが千葉テレビでのディズニーレポーターだったのを思い出す。
クリス・ハートや徳永英明を掛けた後、最後に乃木坂46の「気づいたら片想い」。
アイドル好きとして(我々には)知られている宇佐美が現在入れ込んでいるのが乃木坂46だそうで、「正統派の美人が多い」「普通はサビの部分を聞いて良いなと思ったり好きになったりすると思うけれど、この曲はむしろサビの部分以外の歌詞が素晴らしい」などその特質を熱く(また暑く)語り、飽和しているアイドル界ですが、いっぱいアイドルが居てセレクトに困ったら乃木坂46。
「飽和している」と言うのは実に的確で、言って良い事とあまり宜しくない事の境目にある言葉をスパッといってしまうのが宇佐美らしくあった。
不特定多数に向けたラジオ的な語りで進行しつつ、目の前で見ている女子四人組が誕生日を祝うために来ていると知るやそちらに話を振って盛り上げるなど、ラジオの仕事もイベントの司会もこなしているからこその仕事振り。
終了間際、直近のイベントとして翌日のトークショーの話など。
出演者が宇佐美友紀、星野みちる、浦野一美と言うパ・リーグ東西対抗戦みたいな豪華メンバー。 そんな事もあってか「私もAKB48のメンバーだったんですよ」的な根多もブチ込んでいて、客の反応は薄かったが私が驚いた。
(※このトークショー見に行った古い小嶋陽菜ファンの友人曰く「ヒドかった(良い意味で)」とのこと)
仕事が割と早く片付き、間に合いそうだったので足を運んでみた。 乗り継ぎに手間取り、ぎりぎりにはなってしまったが、とりあへず開演前には到着。
既に前のほうはギッシリ、脇に回って平和そうで且つ近くで見られるところを見繕ってしばし開演待ち。
乳呑み児抱えた若い母親なども居て、おとなしく抱きかかえられつつ、ケチャなどに勤しむ我が母を怪訝そうに見上げる様が微笑ましい。
元気に飛び跳ねる兄ちゃんが横に居てはらはらしたが、最低限の距離はとってぶつからないようにしていた。
例によってああしろこうしろと煩わしく言われることも無く、しつこく煽ったりもしないが、「こうしたら楽しい」のヒントは判りやすく散りばめられていて、その流れに身を委ねていれば楽しめる。
そうしたワイワイ楽しむ方面が、一寸引いてのんびり見ている客をほっといてくれるのが有り難い。
マルイシティは声出し禁止なので「その分手拍子で」と言うのが唯一の指示らしい指示。 リリカルスクールの客の盛り上がり方は巷間よく見られるアイドル客のそれとは違って奇異なものではないので、通りすがりの客に嘲笑されることも眉を顰められることも無く、足を止めて見て行く人・CDを買って行く人も見られた。
客の中にはヲタヲタしい「応援」手法でしか動けないようなのも散見されたが、そうした手合いはリズム感も無いので盛り上がる集団の中でも遊離してしまい、滑稽さに拍車が掛かっていた。
ベースラインがしっかりしているのでリズムは取りやすいと思うのだけれど、何故かずれている悲喜劇。
「マルイシティさんには tengal6 の頃からイベントをやらせていただいていて・・・」と、集客が少なかった頃の話しもしつつ、過去最高の売り上げとのことでマルイシティがクス玉を用意。
これが落ちたり割れなかったりもしたのだけれど、そんなことも含めて微笑ましく、楽しいリリースイベントであった。
リリカルスクールの何が良いかと言うと「ほっといてくれる」と言う事。
ワイワイやりたければ前のほうに行けば良いし、のんびり見たければ後ろに居ればよい。 盛り上がりを強制されることも無く、ありもしない一体感を演出し確認しあうための奇異な儀式に巻き込まれることも無い。
群衆の中でも孤独を楽しめるのが都会と言うものの妙味だと思うのだけれど、そうも行かない局面があまりにも多い。
18:00少し前に現地着。 例によって前方にCD購入者優先観覧エリア。 買い物客の動線として通路を確保して、後方階段部分も観覧エリアに。
18:00を少し回ったところで開演。 先ずは lyrical school から。
前のほうはヘッズ(リリスクのファン)で埋まっていて、その中で見ようとすればそれなりに揉まれる事になるが、揉みくちゃになったりすることはないし、その外側に居さえいれば、まだまだのんびり観ることは出来る。
客の分母が大きくなったときにどうなるかは判らないが、客席の環境に関しては楽観している。
気合入れのような儀式からわらわらと出てきて一曲目。 リリカルスクールのライブは、曲の繋ぎが実に上手い。 トラックが良くできているのもあるが、特段煽るようなことをせずとも、ゆるやかに盛り上がっていく。
「好きなように楽しんでください。 ただし、周りの迷惑にはならないように。」 マルイシティは声出しNGなので、そのあたりの注意も喚起しつつ、煽ったりはしない。
曲から「こうして欲しい」「こうしたら楽しい」というのが伝わる作りになっているので、客は思い思いにそれに乗ったり乗らなかったり、やはり乗ったり。
観覧マナーに関しては「皆さんホント優秀でした」と及第点。
変な同調圧力が無くて、それぞれが思い思いに楽しんでいつつ、協調したほうが楽しいところでは協調。 それに乗っても良いし、乗らずにのんびり観ていることも許容される。
lyrical school は、昨今のアイドルの現場の中では最も敷居が低く、気負わずに楽しめる現場の一つなのではないかと思う。
続いてバニラビーンズが例の出囃子に乗って登場。 口開けは(七時にはちと早いが)「東京は夜の七時」
自己紹介がてらひとしきり喋ってから新曲の振り付け講座をマクラに新曲へ。
「ワタシ・・・不幸グセ」と言うタイトルから漂う地雷臭にどうも気が乗らず、仕事が繁忙期だったりもしてリリースイベントも最終日になって漸く足を運んだのだけれど、曲の出来は素晴らしく、ここ数枚のシングルの中でも出色なフィル・スペクター風味の佳曲。
カップリングも良く出来ているのだけれど、譜割りが細かく且つ難解で客がリズムを取るのに四苦八苦、それを傍から見ているのもまた楽しい。
CD即売会もありますよと告知しつつ「お手に取ってみてください。」と婉曲な表現をするところがバニラビーンズらしさ。
どうも歯車が上手く噛み合ってくれない歯痒さはあるが、良い曲に恵まれたのは幸甚。
逃げ場の無い狭い店内でラインダンスに巻き込まれることを想像するだに恐ろしく、回避しようかと思いつつも現場に行ってみたら、なんとか巻き込まれずにやり過ごせそうな場所を見つけたので見て行く事にした。
ラインダンス厭さに端で見ようとする客は私だけではないらしく、沸きたい方面からちょっと距離を取って立つ人もちらほら。 その間に容赦なく後から来た客が割り込んで行く。
簡易ステージは階段付き。 ワイヤレス受信機からPA機材からスピーカーまで、結構な量を持ち込んでいたのだけれど、頻繁にハウリングが発生。 収束は割と早かったのだけれど、これはPAの腕よりハウるや否や咄嗟にマイクの向きを変えるメンバーの練度によるものだと思われる。
機材が増えれば関わる人も増える。 関わる人が増えれば Negicco の当人たちが食っていくだけでなく、関わる人々の食い扶持も稼ぎ出さなければならない。
売れなきゃ 続かない
食えなきゃ 続けられない
それは重々承知しているのだけれど、引っ掛かる何か。 「この売れ方で良いのか。」
出囃子は完全に小西風味。 風味と言うかカルピスとコーラスの関係のようなピチカート的な何か。
いろいろ思うところはあったが、メンバーが楽しそうだったのは良かった。
幸いラインダンスに巻き込まれることも無く、然程不快な思いもせずにすんだが、一般客も買い物をしている店内イベントで小規模とは言えサークルモッシュが起こっていたのには呆れた。 そう言う客が増えたという事。
それが厭な客は、静かに去って行った。
ラクーアでのイベントの二回目を観覧。 開演前に延々流されていたPVの茅野しのぶインスパイア系制服崩し衣装ではなく、独自色のある衣装で登場。
CDの売り方で下手を打って反感を買った所為か、優先観覧スペースには空席もあったが、その周りを家族連れの民間人を含めた人々が何重にも取り囲む。
橋本環奈の知名度もあり「Rev.fromDVL? 何それ、シラネー」的な冷笑は見る限りに於いては無く、「これがアレか!」的に情報としてある程度浸透している感じ。
歌って踊ってに関してはかなりのレベル。 何と言うかテーマパークのアトラクションのような、健全で練り上げられたステージ。 タップダンスやアイリッシュダンスを取り入れたような振りもあり、見せ場も多い。
冗長に過ぎる仕込み過多な自己紹介さえ簡潔に纏められれば、何処へ出しても務まると思う。
橋本環奈を効果的に中央に据えつつ、「が率いる」ではなく「を擁する」に見える演出も良く出来ている。 金のニオイのする現場を取り巻く壮大な悪意が見え隠れするのは舞台の下だけで、歌い踊る様だけを見ている分には素晴らしい。
観覧スペース後方で怒号が飛び交い、何かと思ったら盗撮だか痴漢だか置き引きだか、男が警備スタッフに3人がかりで取り押さえられていた。 取り押さえられた男は執拗に逃走を試みるので警備スタッフは暫くそちらに掛かりきりになり、見張りが居なくなった隙に職業盗撮カメラマンが湧いて出ていやまぁ撮る事撮る事。
1人はカメラに黒いトレーナーか何かを巻き付けて、警備スタッフを気にしながら撮っていたが、もう1人の爺いの方はもう大っぴらにキヤノンの白レンズ持ち出して撮り捲くっていた。 それだけ金になるのであろう。
もしかすると、捕まった男も同じ穴の狢かもしれない。
面白かったのは媒体への出演告知の中に、地方AM局の番組が含まれていたこと。 これまでは合法的手段では聴きにくかった番組も、有料サービスではあるがネット環境さえあれば聴くことが出来るようになったので、告知する事に意味が出てきた。
吉本興業のお家芸であるところの殿様商売が災いしたところは大いにあったが、舞台の上で起こっていることを見ている分には実に楽しい。
広告塔となった(された)メンバーだけでなく、グループとして売れて欲しい。
MEGA WEB はゆりかもめの青海駅に隣接し、都バスのバス停も至近。 実にトヨタらしい無駄の無い立地。
Negicco 目当てで来ている客以外は、車を見に来た家族連れと海外からの旅行者。
例によって撮影・録音は禁止なのだけれど、旅行者向けの掲示などは無く、そちらはほぼ取り放題。
彼らの目には果たしてどう映ったであろうか。
公式グッズとして売られているにしても、明るいところで光モノを振っている連中の精神構造が私には判らないし、その中に混じって観たいとも思わないのだけれど、心に斜眼帯とシャドーロールを付けて視野を狭搾して対象だけを見て・聴いていると、やはりNegicco は楽しい。
本編が終わってアンコールの声が掛かり「圧倒的なスタイル」。
目当てで来ていない一般客がいる場所でそれなりに知られた持ち歌があると言うのは強い。
ここ一週間のキャンペーンでの手応えもあったと思うのだけれど、実に楽しそうに歌い踊りつつ、観覧エリアの外周を廻って客を煽る。
このあたりは Negicco の真骨頂。 ここまでは良かった。
間奏部分で舞台に駆け戻り、例のラインダンス。
私はこれが厭さにいつも遠目から見ているのだけれど、年々ラインダンス参加への同調圧力は強くなっているように感じる。
混み合う前方観覧エリアは仕方ないにしても、比較的空いていた後方観覧エリアでラインダンスから逃れ得たのは最後方で柵ギリギリまで下がって体をかわしたほんの数人だけであった。
前は圧縮、後ろはサークルモッシュ、どこに逃げても巻き込まれるラインダンス地獄。 もはやのんびり楽しめる Negicco は地球上の何処にも存在しない。 「チケットが売れていない」とボヤいていたが、それもむべなる哉。 のんびり楽しみたい客を排除してしまったのだから仕方が無い。
私は全体主義の息苦しさは為政者から齎されるものではなく、大衆が自ら求め、追い立てていくものだと考えているのだけれど、Negicco の目に見える形での盛り上がりを安易に求めすぎた結果のラインダンス同調圧力も、そうしたい客が導いた結果であり、(意図したかどうかはさておき)ラインダンスをやりたくない客を排除して、現在の状況がある。
客に気持ちの悪い儀式(ラインダンス、肩組み、大移動など)への参加を強いるアイドルの現場で「そうしない自由」が "客によって" 否定される気味の悪さ。
来なくなる客は大抵何も言わず語らず去って行く。
Negicco は(客も送り手も)文革期に突入した印象。 何処かで釦を掛け違ってしまったのではないか、そんな気がしている。
常磐線か、遠いなぁ・・・と思っていたが、バスを乗り継げば金町までは出られることを思い出したので足を運んでみた。
更地にはせず、壊せるところを壊して再開発をした柏駅前は面白い感じに入り組んでおり、古い喫茶店が其処此処に残っているのが良い。
タワーレコードの入っているビルは妙な場所にあり、タワーレコードに用事のある人しか来ないような立地。
イベントスペースは猫の額で、例によって仮設ステージなどは無し。 なんで作らないのか訝しく思っていたが、なんとなく腑に落ちてきた。
最年少の星野くるみがお休みで5人体制。 激しいフォーメーションチェンジが無いので、ひとり二人欠員が出ても目立たない。
これは振り付けがしっかり染み付いているからでもあると思う。 それぞれの解釈の違いや動きの癖はありつつ、揃っているべきところは揃っている。 人前で歌って踊ることを生業にする上できちんとしておくべきところで手を抜いていない。
「ネコになったら」は星野パートを千葉が担当。 二宮と二人で歌っている間、他のメンバーは客席を回って百万人握手作戦的接触営業。 これも舞台と客席の境目が曖昧だからこそスーっと客席へ入って戻って来られる訳で、そこまで考えてやっているのかどうかは判然としないが、やり方として面白い。
冷やかし半分で見ていた地元の若者が居たのだけれど、握手をする際にアタリを付けた槻島もも、終演後に出身校から趣味から聞き出して、それこそ「あっと言う間」に落としていた。
冷やかしで見ていた人を「客」にしてしまう保険屋のおばちゃん的豪腕。 これが千葉と言う土地柄にあったやり方なのかもしれない。
最後に新曲を披露したのだけれど、「振り付けを憶えていない」と言うよくわからない理由で川原結衣がほとんど踊らずに賑やかしに回るという展開。
私はMIXなるものを唾棄しているのだけれど、それを賑やかし役の川原がやっていると、これはこれで良いような気がして来る。 実に馬鹿馬鹿しく、楽しい。
帰りがけに寄った四国大名の美味しいような美味しくないようなかき揚げうどんもも含めて、なんとなく充実した一日。
BOSO娘が撮れそうなイベントと言う事で、カメラ担いで千葉駅へ。
千葉都市モノレール千葉駅の2階コンコースが会場。仮設ステージなどは無く、そもそも仕切り線もバミリも無い。 こう言う蜜柑箱に毛を生やして舞台を設えるのが送り手の仕事だと思うのだけれど、非営利の甘えと言うか、手を掛けていない。 金が無いなら無いなりに考えるのが送り手の責務。
客がしゃがんで見ている訳でもないので、遠くからは何をやっているのか分からない状態。
BOSO娘は13:15からの出演と告知されていたが、何故か15分早まって13:00頃に始まってしまった。
とるものもとりあへず撮影の準備をし、人垣の隙間から撮ってはみたが、背後に東向きの窓、高い天井からは水銀灯と言う厭な感じのミックス光源。 AEも安定しないのでざっくり露出を計って1/200sに固定して撮影。
川原結衣(BOSO娘) posted by (C)2petri2
曲ごとに微妙に並び方が変わるのだけれど、曲中のフォーメーションはあまり変わらないので、位置取りを誤ると撮りたいメンバーがまるで撮れないという事になる(なった)。
その辺りは割り切って、他のメンバーも抑えてみる。
千葉あずさ(BOSO娘) posted by (C)2petri2
今日はフルメンバーの6人。 振り付けに比してフォーメーションは軽めなので、欠席メンバーがいても然程目立たないが、矢張り全員揃った方が見栄えは良い。
イベントとして辛かったので、BOSO娘のみ見て撤収。
その他の写真はこのへんに。
前日の柏の葉を見に行った友人が面白がっていたので尻馬に乗ってみた。
開演15分前に出てきてリハーサル。 当たり前と言えば当たり前なのだけれど、立ち位置や振り付けの確認をするなど、客寄せではなくリハーサルがリハーサルとして機能していて驚く。
ショッピングモールの渡り廊下の一角を潰して作った会場はズラリ椅子が並べられ、「座って観て欲しい」と言う送り手の意思が明確に。
椅子席は「目当て」で来た層でほぼ埋まっていたが、閉じた生態系にしたい訳ではなく、通路として確保していた椅子席脇のスペースを買い物に来た家族連れに開放するなど、目当てで来た客が一定数居る事による「人気」を演出の一部として買い物客にも売り込もうとしていた。
目当てで来ている客は、一般客に対する「これだけ人気があるんですよ」と言うのを見せるための仕掛けの一部であり、且つ運転資金を提供する燃料であると言うことは踏まえておくべきだと思う。 買い物客には、チラシも配っていた。
スタッフの前説の後、ほぼ定時に開演。 出囃子程度で音を鳴らして出てくるかと思いきや、曲に合わせたソロダンスを見せながら一人ずつ入ってくる。 六代目圓生が正札附をたっぷり聞かせてから出てくるような、長い導入部。 これをぶっ壊す頭の悪い客の胴間声。
演者に対する大向うからの掛け声と言うものは、短くやって然るべき物で(これは古典芸能のみならず、寺山のアングラ劇に於ける「名乗り」でもそうだ。)あるのだけれど、八文字だかなんだか知らないが冗長で五月蝿い。 そこには wit も esprit も無い。
騒ぐやつは後ろと言う原則が生きているのが救いではあった。
ダンスや歌に関しては、平均点以上ではありつつ飛び抜けたものは無く、未だ凄みとか情念の炎とかそう言ったものは感じられず、良く訓練はされているが、驚きは無い。
然しながら送り手の演出によって、それ程でもないものが何か凄いもののように見えるようになって行く。 被せがきついように感じられたオケも、ここぞと言う聞かせどころでは生歌で押して来るし、ずらり並ぶと揃っていない振りも、ソロダンスなら上手いように見える。 兎に角、見世物として良く考えられているし、練られてもいる。
ただこれは「凄いものを涼しい顔してさり気なく見せる」本来のTPDのやり方からは乖離しているように思われた。
私の嫌いだったTPDは、実力を(演者ではなく送り手や客が)鼻に掛けつつ、文句を言わせないだけの説得力はあったが、現状での新生TDPは書割りと言うか虚仮脅しと言うか、実力以上に見せようとする演出が鼻につく。
過去の音源資産の活用は上手く行っているように感じられたが、新曲の出来は宜しくない。
キメラ的と言うか鵺的と言うか、80年代90年代のヒット曲を切り貼りして作ったような、インチキ臭さ。
守りに入ってしまったらTPDはTPDでは無いのではなかろうか。
WEEKEND PARADISE で見られた客に対する煽りと誘導から見て、送り手の希求する「客の盛り上がり」は通行人・買い物客から見て奇異に映らない形のものであるように思われたし、第1期TPDの客もそうであったと思うのだけれど、他のアイドルから流入した人々は旧来型の奇矯な振る舞いを墨守しており、そのあたりの乖離と言うか断絶と言うか、カタストロフの萌芽のようなものが外野としては興味深かった。 これを乗り越えるのか、送り手が長いものに巻かれるのか、フーリガン層が斬られるのか。
私は好んで見に行こうと思わない類のものだが、見世物としての作り込みはしっかりしており、やり方として首を傾げざるを得ない部分もあるが、アイドルと言うものの多様性を保つためにも、成功して欲しいプロジェクトではある。
都バスで行ける現場の中から選択。 講談社ミスiD2014 アマテラス特別賞の余禄として始まったコミュニティFMでの公開放送の一回目。
木場にある商業施設「深川ギャザリア」の一角にあるレインボータウンFM 木場スタジオは、スタジオの正面、天ぷら屋とカフェの間のスペースが観覧エリアとなっており、いくつかあるテーブルと椅子以外は立ち見となる。
テーブルは早々に埋まってしまっていたので仕方が無いと言えば仕方が無いのだけれど、立ち見の客の民度が低いのには閉口した。 酒盛りを始めたり、カフェの禁煙席の横でタバコを吹かしたり。 接触前提のアイドル全盛でいろいろと麻痺しているのは分かるが、対象への認知欲求が高まり過ぎて座って見ている女子の前に立ち塞がったり、見苦しい振る舞いも散見。
コミュニティFMは時間の縛りが緩いらしく、二時を少し回ってから番組スタート。
良く聞き取れなかったし、レインボータウンFMサイトにも言及が無いので正確なところは分からないが、ミスiD2014がらみとあって「講談社の新書やコミック、映画などの情報をお届けしていく」とのこと。
自己紹介や番組の紹介などを済ませた後、ゲストの寺嶋由芙を呼び込み。 寺嶋の1stシングルが掛かると、スタジオを飛び出したご本人様が曲に合わせて舞い踊るという趣向。 盛り上がったところで巨大クラッカーの祝砲2発。 横で賑やかす加藤一華の振りコピーが完璧だったのが可笑しかった。
続いて昨晩から始まったアニメの紹介に絡めて、細川唯を迎えての朗読劇。
緊張していたであろうし、効果音も何も無く3人の語りだけで間を持たせるのも大変であったろうとは思うが、台詞が走ってしまっていて出来としては芳しくない。
加藤と新垣は仕方が無いとして、細川までつられて走ってしまっていたのが残念だった。 噛んでも言い淀んでも何とかならないことは無いが、台詞が走ってしまってはどうにもならない。 読み込みと読み合わせが足りない印象。
新垣こづ枝は上手くないなりにも破綻なく喋れていたが、加藤一華は些かやる気が空回りした印象。 意余って言葉足らず。
自分の言葉を紡ぎ出さねばならない部分以外の定型文は伝えることに重きを置いて読むべきなのであるが、感情を込めようとする分空回り。
月に二回、コミュニティFMとは言え、メインパーソナリティーの仕事を持ってきたミスiD事務局のお膳立ては良いと思うのだけれど、このオーディションの功罪の罪の部分である「内輪受け」が随所に見られたのはいただけなかった。
ミスiD2014 と言うオーディションの世間的認知度は薄いと言わざるを得ず、公共の放送としての体裁を取っている以上はそれを踏まえて語るべきなのであるが、身内で固めたゲストを「知ってて当たり前」な体で語られて何が伝わると言うのか。
伏龍鳳雛から鶏鳴狗盗の類まで個性豊かな女子が集まってわいわいやっている楽しさは前述の通り「内輪受け」と言う陥穽を内包しているのであるが、送り手の側にその危機感が無い。 チラシ配り要員も居たようだが、「いつもの客」にばかり渡していたのでは何の意味も無い。
「そう思わない客」の方が多そうなので、今後もこの調子で公開放送は続くのであろう。
或る程度覚悟はしていたが、とんだ地雷であった。
錦糸町店のインストアイベントは、南側入り口前のコンコースで行われることが多かったが、周辺店舗とのあれこれで音量規制が厳しかったり、客の振る舞いに規制が多かったのだけれど、最近は店舗内に設けたイベントスペースを使うことが増えた。
今回のイベントも店内のイベントスペースで行われたのだけれど、同店舗で行われた別のイベントでは使われていなかった簡易ステージが設えられていたのには驚いた。 これにプラスしてANNA☆Sの客が自主的にしゃがんで観ていたので、通りすがりの客でも良好な視界で観る事が出来ていた。
客の側の論理として「盛り上がっているところを民間人に見せる」と称してバカ騒ぎをすることがまま有るが、客ではなくステージの上のアイドルを見て貰った方が良いのは自明の理。
これから先、客の分母が増えたときにどう転ぶかは分からないが、送り手とアイドル本人と客の意思の疎通と目的の共有がなされているから、私のようなたまにしか見に行かない者でも疎外感はないし、不快な思いをした事も無い。
今日から新衣装とのことだったが、蛍光色のジャケットは見るからに暑そうで、実際「ものすごく暑い」とのこと。
ANNA☆Sで惜しいのは衣装が垢抜けない事だったのだけれど、これは及第点。
ライブ中は「曲を聴いて欲しい」との事で基本的に撮影禁止。 新曲のみ撮影可(動画は不可)になっていた。
全面撮影可にしてしまうと撮る為だけに来る層が来過ぎるので、良いバランスだと思う。
優奈(ANNA☆S)
その新曲は本人たちの作詞によるもの。 「しがないアイドル」が主人公になっており、言葉の紡ぎ方に拙さはあるが、その分生々しく面白い試み。 それを生かしてしっかり作りこんだ曲になっている。
ANNA☆Sは基礎がしっかりしている上に場数も踏んでいて肚も座っているので安心して観ていられるし、通りすがりの人まで含めて客の総体を巨視的に捉えることが出来ていて、目の前の「目当て」で来ている客だけに向けた近視眼的な振る舞いをしない。
(このあたり、メジャーレーベルやそれに準ずるところからCDを出してもブロック経済による縮小再生産でジリ貧になってしまうことも多い。)
杏奈(ANNA☆S)
首都圏のタワーレコード店舗を巡るツアーは暫く続くようなので、行ける範囲で追いかけてみようと思う。
涼花(ANNA☆S)
その他の写真はこのあたりに。
都内とは言え平日の18:30からと言うのは、宮仕えの身には厳しいのだけれど、近場だったので足を運んでみた。
流石に勤め人の風体は少ないが、それなりの集客。 簡易ステージなどはなく、最前列に陣取る客も立ちっぱなしなので、後ろからは何をやっているか見えない状態。 それでも後述する理由で見えないながらもそれなりに楽しめる。
メンバーは1人休みで1人遅刻。 初見だったこともあるし、視界も悪かったのもあったとは思うが、欠落を感じさせるようなところは無く、なかなか良く仕込まれている。
気になったのは送り手側の大人の数、規模に比して4人は多い。
始まって10分ほど経過した頃、客が一寸ざわつき、なんだろうと思ったら遅れてきた川原結衣が店の奥で衣装のリボンを結んでいる。 なにやらムスッとしているので何かと思ったら、泣いていた。 電車が遅れたり転んだりし道中いろいろあったらしいが、泣いてやがるのには驚いた。 客の中に広がる温かい苦笑。
結局、川原はリーダーをはじめとしたメンバー(中学生を含む)にあやされ、宥められて落ち着いたところで最後の曲のみ参加。
どのあたり演ったかは失念したが、「ネコになったら」と言う曲。歌うメンバー2人を残して他の連中は客の中を経巡って声を掛け、挨拶をし、握手をして回る。 これが曲のさなかに行われることで醸し出される学級崩壊感。
この「客の中を経巡って逆ガッツキ」と言うのが開演前や終演後にもそこかしこで起こっており、BOSO娘の営業活動として一定の意味を持っているようだった。
昭和の営業戦略にあった「ローラー作戦」を思い起こさせる、局地的飛込み営業。 これがあるので、見えなくてもそれなりに楽しめる。
川原結衣は「コミュ障」を自称しているが、それは半分正しくて半分間違っている。
客に声を掛け、握手を求める事が苦になっているようには見えず、むしろ楽しんでやっているように見えるのだけれど、客との(これは客のみならず家族を含めた全ての人類に対してだと思うが)、対象との距離のとり方が下手であるように見受けられた。
そんな川原を見ているだけでも面白いのだけれど、カバー曲を選ぶ謎のセンスであったり、逆ガッツキ営業であったり苦手な部分もあり、今後も継続して見に行くかどうかは思案のしどころであるが、川原が面白かったのは間違いない。
総武線で一本だから・・・と多寡を括って千葉駅へ。 ところがタワーレコードは駅から遠く離れたパルコの中にあり、思いのほか歩く羽目に。
タワーレコード千葉店はイベントスペースとしては手狭で、5人で歌って踊るのは一寸厳しいが、そこはそれなりに。 狭くて客のほうも逃げ場が無い分、例のローラー作戦が効いていた。
ただ「オレ様(あたくし)の事を憶えろ」と理不尽な要求をする莫迦もちらほら居り、接触営業の難しさが垣間見られた。
衣装やら靴やらを忘れたりする失態が裏ではあったようだが、客前での川原は機嫌よく歌い踊っており、まぁナニである。 面白く見られた。
深入りしにくい要因は幾つも有るが、足を運べる際にはまた。
松田忠雄にとってのホームグラウンドとなりつつある Tokyo Arts Gallery で開かれている写真展を見てきた。
コラージュ物が4点ある他は、表題通りモノクローム作品。 巷間溢れる色抜きカラーの擬似モノクロームではなく、白と黒の濃淡で描き出されたもの。
入り口を含めて広くガラス張りになっている東側から入る光が柔らかく回り、概ね見やすいが、天井からのLEDライトが上から当てられているものは一寸見づらかった。
スペースの問題もあり、仕方の無いところではあるが、斜めから当てられれば反射したライトが目に飛び込むこともなくなるのではなかろうか。
全て売り物になっているのだけれど、大きさに比例した価格設定。 相対的には安いと思うが、絶対的価格としてはそれなりになってしまうのだけれど、大キャビネくらいの大きさのプリントをアクリル板に貼り付けたものは価格も手ごろで、年末調整やらボーナスやらが懐にあったらコロっと行きたくなるものが何枚も。
Acrylic photos と題されたその小品群は15種類。 サイズは小さいが、その分情報がぎゅっと詰まったような濃密さ。
印刷物になったもの、モニター越しにみるものとは、一枚に込められた情報量が桁違いなので、小さいものでも一枚購って矯めつ眇めつされることをお奨めする。
良い写真には、見るたびに発見がある。
懐都合でプリントは諦めて、部数限定の冊子写真集を購入。
手にしたもので既に51/100. 会期中に無くなるのは目に見えているので、早めの購入をお奨めしておく。
私が良いと思った写真は生憎収録されていなかったが、紙も印刷も良く、プリントそのものと較べれば矢張り落ちるのだけれど払った代価以上の満足は得られた。
杉本有美は撮られ慣れてはいるが狎れたようなような厭味は無く、過不足無く商売用の自分をカメラの前に晒し、カメラマンに委ねている。
正体を表さない食えなさのようなものは有りつつも、隔意がある訳ではなく、只々美しい。
松田忠雄の撮り方も、底の底まで暴くような事はせず、上っ面を撫でてお仕舞いにするような事もしない、程の良い掘り下げ。 生々しく有りつつ、下卑ない。
黒バックにシンプルな照明で撮った "Put on roses" と題された連作の 04 と 06、Acrylic photos の 4 と5 が実に良かった。
墓参を済ませて都内へ戻る車中で時計とスケジュールと見比べて、なんとか間に合いそうな亀戸へ。
日曜の田舎の電車の事ゆえ接続が悪く、サンストリートに辿り着いた頃には一時を回ってしまっていたが、開演が遅れたらしく一曲目の途中に間に合った。
風は冷たいが、南中高度が上がった所為か陽射しは強くなっており、日なたに居る分には暖かい。 晴れた土曜とあって買い物客も多く、目当てで来た客以外にも足を止める人は多く居た。
リーダーの白戸が「今日から10日連続のリリースイベントです。」と話すと、客も演者も苦笑。 リリースイベントもフルアルバムとなると連日それなりの曲数を披露することになり内容も変えなければならない、客の側も枚単価が上がることによる可処分所得への食い込みが厳しくなる。
見終えてから友人とも話したのだけれど、このアルバムの少し前から、音作りが変わってきたような気がする。 音数が減ってシンプルになった分、聴きやすくなった。
振り付けもこれ見よがしに激しく難度の高さを見せ付けるようなくどさは無くなり、高度な表現技術を事も無げにこなしてみせる方向に舵を切られており、スーフィーのスカートのように回転することで美しく広がるスカートを生かした貯めの有るターンも増えた。
これまでの盛り込み・詰め込み過ぎてくどく野暮ったかった部分が整理されて、よりシンプルに。 この方向性は間違っていないと私は思う。
スケジュールの都合とかで早坂がお休み。 全篇被せオケ無しの生歌でやっているので、歌割りに関しては変更があったようだが、フォーメーションに関してはそのまま。 この辺りの判断も良い。
今日は全員ストレート。 髪の長さや髪質、振り付けの解釈が異なるので髪の躍らせ方にも微妙な違いがあって面白い。
高橋麻里は湿度が低いのと激しく踊る曲の後に歌い上げる曲が続くセットリストに手古摺っているところもあったが、今日も安定した歌唱。
秋元瑠海は定型から少しはみ出すくらいの大きな動き。 それを悠々とこなすので見ていて飽きない。
どのメンバーについても言えることなのだけれど、動きの激しさから凶相になることが無くなり、声を張り過ぎなくなった事により悲壮感も消えた。 これは大きな、良い変化だと思う。
メグリアイの坂本寿里が本日限りとの事で、万障繰り合わせてみた。
出演は坂本のほか、山田・山中・佐々木・大塚・野月の6名、受験期間でお休みの岡崎みさとと、体調不良らしい白鳥愛花がお休み。
今回は企画コーナー無しで全篇ライブ。 坂本が考えたセットリストが上手く出来ていて、最近あまりやっていなかった曲も含めて盛り上がれるものを中心にしつつ、聞かせる曲も挟み、最後に代表曲中の代表曲で〆る趣向。
構成の良さもあってライブそのものは楽しかったが、今日で辞めて行く坂本がアイドルとしての振る舞いに飛びぬけて長けており、今後に不安は残った。
坂本はキャリアが長いこともあって持ち歌の全てを自家薬籠中のものとしており、振り付けも動きの持つ意味を解して踊れているし、客の総体を大掴みに捉えていて、その場に居るすべての人を殺しに行っているのだけれど、4期以降になるとこれが出来ていない。
4期5期の連中が、そうした表現技術以前に振り付けやフォーメーションを憶えるのに汲々としているのを見るにつけ、メンバー個人の資質ではなく送り手の矜持に係る部分の欠落が状況を沈滞させているように思う。
<時間切れ、この項続く>
大雪の余波で諸方交通機関が乱れる中、安定して動いている都バスで両国へ。
前夜にテレビで両国の町が取り上げられたらしく、焚き付けられて町をうろつく輩も多かったようだ。
「生兵法」立川寸志
「動物園」立川らく里
「時そば」立川らく里
<中入り>
「血煙高田馬場」「敵違い」「月世界旅行」片岡一郎
「熊野の牛王」立川らく里
開口一番は談四楼門下の寸志さん。
「生兵法」立川寸志
以前見た時に感じた天狗連臭がなくなり、口調のよさだけでは無くなっていた。 間が良い。
片岡一郎さんの活弁は流石に真っ暗な中で撮ったものはどうにもならず、写真は無し。
メリエスの「月世界旅行」は四方田犬彦の著作の中で紹介されていて知ってはいたが、実際に見たのは初めて。 思ったより雑なつくりで、その粗雑な筋立てをあの手この手で補完する弁士の語りが楽しい。
らく里さんは根多おろしも含めて三席。
「熊野の牛王」は「権助魚」の続きと言うかサゲの違うものと言うか。 誰もやらない物と言うのには、大抵合理的な(つまらないとかわかりにくいとか)理由があるものなのだけれど、蛇足と言えば蛇足ではあるのだけれど、これはこれで良いかなと思えるもの。
らく里さんの落語の面白さは、先代可楽にも似た「吐き捨てるような科白」と、謎の信念に凝り固まった困った人の描写にあると思うのだけれど、新作を演る際に色濃く出ていたそれらが、聞き慣れた古典にも出るようになっていて驚きつつ楽しんだ。
「動物園」立川らく里
コラム置き場に
自己実現に失敗した大人達の失われた人生を押っ被せられるアイドルの不幸についての一論考
をアップロード。
書いたり消したり直したりしているうちに年を越し、春になってしまった。
福井の荒ぶるアイドル せのしすたぁ が上京とのことで、見に行ってきた。
数十年に一回の大雪とあって、郊外在住の知己の中には都内へ出てくるのを断念したのも居たくらいで、前評判の高さからすると多くは無い集客。 それでも観覧エリアは埋まっていた。
大体時間通りに開演。 黒いキャミソール的なものの上から白いワイシャツに黒いネクタイを締め、下は黒のパンツと言うかスラックスと言うか。 ジャケットとボルサリーノを脱いで、サングラスを外したブルースブラザースと言った感じのいでたち。 のっけから紙袋を被って登場し、しばらくそのまま歌う。
IRAごっこ由来かと思ったら、そう言う事ではないようだ。
喋りは達者と言うほど達者ではなく、内容も詰めて来てはいないのだけれど、その分 "その日" "その時" の客の状態に合わせて臨機応変に。 横から最低限の指示は出るので、ぐだぐだになり過ぎる事も無く、喋ってダレると見るや次の曲に行く潔さもあるので間延びし過ぎる事も無い。
紙袋をぶん投げたあと、しばらくはステージの上だけでおとなしく(おとなしくも無いが)歌い踊っていたが、エンジンが掛かって来るとかわるがわる客席に下りてきて煽ったり叫んだり、オーイングサークルに参加したり、最前列でガッツいたり。 仕舞いには柵を乗り越えてステージに戻ったり、その柵を客が支えたり。
客席に下りてきても怪我人が出るような騒ぎ方ではなく、割と牧歌的。
客の側の自己顕示の為の悪ふざけも突出した形では現れず、ステージの上から盛り上がることを強要することも無い(なぜなら、そう言うときは下に下りてくるから)
コアな客は所謂「ピンチケ層」と「クラブ系(いろんな意味で)」に分かれているのだけれど、それなりに上手くやっていていがみ合うことも牽制し合うこともない。
客の規模と質のバランスの上に成立した幸せな祝祭空間。
オケのベースラインがしっかりしているからか、アイドル現場にしては珍しく手拍子が走ることも遅れることも無い。 これは曲作り音作りの上手さを象徴しているように思った、
歌詞に感謝するくだりがあるところでは「土下座しまーす」と明るく土下座。 客も一斉に土下座。 まったくどうかしている。
歌声は ゆうほ が主で、まお が従と言った感じ。 声量と声の質で引っ張っている。
振り付けは ゆうほ が担当していて、動きもエモーショナル。
喋ったり煽ったりする部分は まお が、歌って踊る部分は ゆうほ が主導、役割分担をざっくり纏めると別表の通り。
ひとしきり暴れた終演後、店の人に「すいませんでした!」と土下座していたのが面白かった。
参考:せのしすたぁオフィシャルサイト
なんとか今月中に今年に入りたい。
寒風吹きすさぶ東武百貨店池袋店8F屋上「スカイデッキ広場」にて、北九州発のアイドルグループ GALETTe の2ndシングル販促イベントを観覧。
近隣のサンシャインシティ噴水広場や新星堂アルパ店でのイベントから廻して来る客も多かったと見えて、予想以上の集客。 メンバーも驚いていた。
リハーサルをしていなかったと言う事で、開演直前に一曲流しつつ一確認と音響のチェックなど。 なにしろ設備がセコなので、音響担当者もマイクのレベル調整に四苦八苦。 頑張ってはいたが、如何せんスピーカーが悪過ぎた。 終盤になると音が篭ってモワモワと。 ラーメン屋台で聴くAMラジオの如くにくぐもる。
本番は10分遅れでスタート。
特にセンターを固定せず、5人でフォーメーションを切り替えつつ、目まぐるしく激しく歌い踊る。 振り付けを構成する動きには序破急の「急」の部分が多く、中村屋の連獅子を思わせる、髪を振り乱す振りが美しい。
個人差はあるが、目の前の優先エリアだけでなく、とおりすがりの客を含めて会場全体を大掴みに見ているところにも好感が持てた。
歌はほぼ生歌。 上手くはないが下手すぎず、生ならではの良さはある。
自己紹介や最近の個人活動の話の中で「HKT48」と言う単語が出るや否や、曰く因縁の有りすぎる古森結衣が「ンだと?今なんツッタ?コラ!!」くらいの勢いで噛み付くのが楽しい。
話の中で頻繁に出てくる「テッペン取る」に象徴されるギラギラ感。
小倉生まれで 玄海育ち、口も荒いが 気も荒い。
度胸千両で生きるアイドル GALETTe 。
面白いものを見た。
東京タワー開業50周年の年にイメージガールを勤めた折井あゆみが久しぶりの Night View DJ 。
折井の担当した年は、金曜になるとほぼ雨。 雨どころか台風とか吹雪とか、ありとあらゆる荒天に見舞われ、おかげで私も職場に置き傘、鞄に折り畳み傘を忍ばせる習慣が。
そんな訳で「雨女」と揶揄されることも多かったのだけれど、「雨女」では語感が悪い。 そこで考えた客が言い換えて曰く「低気圧ガール」。
「雨女」よりは幾分マシにはなったと感じたのか、折井も折に触れて使っていた。
折井が担当とあって、天気予報で『晴れ』と出ても信用できず、とりあへず雨具は鞄の底に入れて東京タワーへ。
始まる前はスタッフに「緊張するー」などと零していたが、始まってしまえば折井のペースで進み、あの頃より寧ろ上手いくらい。
芝居で鍛えられた滑舌と発声、当意即妙の掛け合いと切り返し、話を膨らませる引き出しの多さ。 DJミズノ氏の選曲に絡めて、その曲が収録されているアルバムの素晴らしさにまで言及しつつ、程の良いところで次に行く潔さ。
演技の仕事をこなしつつ、こなすために積まれた水面下での努力、これが喋る仕事にも生きているように感じられた。
リクエスト以外の部分の選曲はDJミズノ氏によるものなのだけれど、これがまた良い。
お客さんからのリクエストは矢張りベタなものが多いのだけれど、ミズノ氏の選曲は古今の洋楽を中心にした洒落乙なもの。
リクエストで掛かった「勝手にシンドバッド」の曲出しを折井の喋り終わりにきっちり合わせてくるなど、腕も良い。
折井がふと漏らした「天気も良いし」に訳知りの客から笑いが漏れる。
客からのリクエストでも、折井と天候に絡めたものが二通、掛かる曲も「高気圧ガール」であったり「晴れたらいいね」であったり。
カフェ ラ・トゥールに一品頼むコーナーでは、ホットミルクを注文。 その時飲みたい(食べたい)ものではなく、飲んでも喋るのに差し支えないものを頼むのが、相変わらず折井らしくあった。 「ボクも何か頼もうかな」と茶目っ気を出すミズノ氏に目を丸くして驚く折井。
折井の自己紹介は、今やっている仕事を中心に。
今年は出演した映画が3本公開になるそうで、その辺りの話や、出演する舞台についてなど。 昔の話は、その舞台で共演するAKB48の田名部未来に絡めて「私も在籍していたんですけどね」くらいの感じでさらりと触れていた。
「元AKB48」で売っていないから、そう言うところに食いつくようなのはおらず、昔なじみの訳知り中心の多くは無い集客ではあったのだけれど、AKB48が接客業に舵を切る前からの客なので妙にガツガツすることもない。
固有名詞の「件の馬鹿」の一人相撲の狂騒を除けばこれと言った不愉快事も無く、万事和やかに進行。
AKB48在籍時は文字通りの「細腕繁盛記」であったし、気を使ったり自らの感情を押し殺したりすることも多い折井の笑顔が多く見られたのは嬉しかった。
少々時間は掛かったけれども、宇佐美友紀にしても、星野みちるにしてもそうだが、なりたい自分に近づけているのはAKB48が売れる前に抜けたこの世代なのではないか、そんなことを考えた。
毎週買っては居たが積ん読になっていたものから選り抜きで消化。 貶すしかないようなものは割愛。
今年一年の吉凶を占うべく、ヲタ活始めにアーバンドック ららぽーと豊洲へ出かけてみた。
松の内とあって他の現場が少ない所為か、アルパム販促イベントで物販の閾値が高い割に結構な集客。
多少風があるが、日が射している時間帯だったので然程寒くは無い。
客席の割りは例によって雑で、ステージ前の芝生と後方の階段席が有料観覧エリアだったようだが特に規制線もなく、ざっくりとした入れ込み。 いつもの客から収奪するだけのブロック経済では行き詰まるのは目に見えているのに、ステージ周りに告知ポスターは無く、館内放送も流れず、チラシを配るのもいつもの客にだけ。 客の分母を大きくしようとする工夫が送り手の側に全くと言って良いほど見られない。
その場でCDを買ってもらえなくとも、名前だけでも覚えてもらえれば何時か目に耳にした情報と「あの時見たアレ」が結ばれることは有り、それが大衆の認知に繋がるのである。
14:50過ぎから軽くリハーサル。 紺のワンピースはアジアンストーンの衣装と似ているが、襟の形や裾の長さと形状、ボックスプリーツの数と長さ等が異なる。 スカートの翻り方の美しさから見て改良版なのではないかと思われる。
ステージ裏での防寒対策の為か、揃いの紺のコートを着ていた。 あまり暖かくはなさそうだったが、見た目は美しく、このあたりのセンスは良い。
白戸は二つ縛り、秋元はポニーテール、高橋と富永は編み込みストレートで、早坂は素のストレート。 一曲軽く浚ってリハーサルは終了、一旦引っ込んでから五分ほどの遅れでミニライブスタート。
商業施設の真ん中に在り、且つ海沿いの埋立地で地盤があまりよろしくない為、派手なダンスやジャンプは禁止。 何処にでも湧いて出る「高まっちゃったんだから仕方ない」系の愛国無罪バカが跳んだり撥ねたりしていたが、概ね平和裏に。
こうした会場の制約もあってか、「聴かせる曲」を中心に構成。 そう言う曲では振り付けも抑制されたものになるのだけれど、そこに感情を乗せてくる早坂の情念の篭った動きが美しかった。
早坂香美は盛り込む芸としてのダンスに見せ場を作ろうとする傾向があるように思うが、こうした刈り込んだ芸としてのダンスにこそ、そのセンスと技倆がより色濃く出てくるように思う。
もう一つの発見は、白戸佳奈のスカートの裾の翻し方が上手い事。
プリーツは一箇所だが布地はたっぷりしていて、旋回舞踏の衣装のように、回転すると遠心力で綺麗に広がるのだけれど、投網を打つが如く慣性質量を上手く使って拡げたり窄めたり。
振り付けの動きの中に巧みに織り込んだスウィング・バイでスカートをコントロール。 判り辛い部分に於ける工夫の積み重ねが見て取れる。
曲ごとにオケの音量やミックスがまちまちだったり、ワイヤレスマイクの電池残量をチェックしていなかったり、裏方仕事のポカが演者の足を引っ張るようなところはあったが、そこでのメンバーの対応が素晴らしかった。
白戸佳奈のマイクがソロパートで死ぬという惨事があったのだけれど、曲中にスイッチを確認。 曲間にスイッチを入り切りし、ちょっと叩くような仕草をしてスタッフにマイクが死んでいることをさり気なくアピール。 替えのマイクを持ったスタッフが袖に来ると、さっと捌けて交換。 次の曲までには間に合わせていたが、ソロパートでちゃんと声を拾っていることを感じたときに綻んだ表情が可愛らしかった。
7曲演ってお仕舞いかと思いきや、アンコールでもう一度「恋は走り出した」の大盤振る舞い。
揃うべきところはきちんと揃えつつ、五人が五人その人ならではの解釈を加味して踊っている。
良いものを見ることが出来て、私にとっても幸先の良い年の初めとなった。
コラム置き場に
2014 アイドル俺アワード(戦犯大賞・運営部門)
をアップロード。
量的な基準で質を判定するイベントに価値を見いだす神経が、私には分からない。
4周年を記念してドリンク代のみと言う太っ腹企画。
メール予約で400名招待との事だったが、定員には若干満たなかった模様で、当日券も出ていた。
会場のコシダカシアターは大量の客が一時に押し寄せることを前提にはしていない構造で、小型エレベーター1機でのピストン輸送と言う事もあり、開演一時間前からの客入れ。
入場列と物販列の切り分けであったり、声掛けであったり、手の足りないところは客の方で機転を利かして対応。 統制は無いが秩序はやわらかく存在する理想的な空間。 メジャー展開を目指して客の分母が大きくなったときにどうなるかは判らないが、現時点では上手く廻っている。
一定規模以上の現場で入場時に不快なことが何一つ起こらないと言うのは奇跡に等しい。
下手側の一段高いところは女子観覧席、上手側の一段高いところは関係者席。
壁際には荷物置き場も兼ねてか椅子とテーブルが幾つか。 のんびり観たい年寄りはこのへんに。
カラオケボックスとレストランシアターである施設を営業時間外に借りているのでアルコール類あるのだけれど、ソフトドリンクのみの提供。 これはコレで良い。
10分ほど遅れて開演。 衣装のティーシャツに「地下脱出」と大書されているのが頼もしい。
オリジナルの曲が中心で、ところどころに古今東西のカバー。 振り付けは勿論のこと、オケにも一と手間二た手間掛けてあって、持ち歌としてしっかり歌いこなせるように練ってから客前に出している。 当たり前と言えば当たり前の事ながら等閑にされがちな昨今、ここまでちゃんとしていて大丈夫なのかと、逆に心配になる。
歌って踊っての部分は実にしっかりしているのだけれど、喋ると地が出ると言うか、意外に間の抜けたところもあり、年相応の可愛らしさが出てくるのだけれど、ぐだぐだに成りすぎないところも程がよい。
ソロや派生ユニット等も織り交ぜつつ、終盤にボスの西田氏より指令。
2曲分撮影可の時間を設けるので、二曲終わったタイミングでツイッターに画像を上げようと言う悪戯。
杏奈(ANNA☆S)
マニュアルフォーカスで撮っている私にとっては結構な修羅場であったが、5割程度の歩留まりで収まったのは、偏に撮りたくなる被写体であるから。 これに尽きる。
三人三様で適度に撮りにくく、ピントが逃げたりシャッター切った瞬間に動かれたり目を瞑られたり。
その分、決まった齣はきっちり絵になる。
アンコールも含めて20曲以上をみっちりと。
終演後に挨拶に立った西田氏、「楽しかったでしょう。」「絶対の自信を持ってお送りしています。」
その言葉に違わぬ充実の二時間。 ライブの内容から客の入り捌けまでひっくるめて、主催者に起因する不愉快が全く無い稀有なライブであった。
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日本橋高島屋の8階催事場で行われている名取洋之助展に行ってきた。
がらがらではなくごった返してもいない程の良い入り。
程の良い入りなのに傍ニ人無キガ若シな年寄りの観覧マナーの無さ加減でストレスは溜まる。
初期から晩年まで、写真から編集・デザインの仕事までまんべんなく。
爺ぃは良いから若い人に是非見ていただきたい。
国策としての宣伝にも携わり、植民地下にあった地域での仕事も多いので、物議を醸しそう(難癖をつけられそう)な部分は説明をざっくりしたものに留めて現物を見せる趣向。
名取洋之助の言葉が其処此処に引用されていたのだけれど、
「写真は挿し絵じゃない」
「写真に語らしめよ」
ってのが印象に残った。
親交の有った人々が思い出を語るテープが流されていたのだけれど、子供っぽい名取に如何に手を焼いたかを婉曲に話す木村伊兵衛と、如何に理不尽に苛められたかを嬉々として話す亀倉雄策が面白い。
29日まで。
報道写真とデザインの父 名取洋之助展
# Dwightsa [viagra priapism <a href=http://dstvmediasales.com/sitemap..]
12/23にて、高田淳美と浅原桃子がメグリアイでの活動を終了。 浅原桃子を見られる最後の機会になりそうだったので、万障繰り合わせてみた。
本日の出演は山田、坂本、山中、浅原、佐々木、野月、大塚の7名。 受験の岡崎と体調不良の白鳥と遠隔地の高田がお休み。 白鳥が急遽お休みと言う事で、構成が変わる為かリハーサルは長めに。 毎度泥縄式なのはいただけないが、より良いものを提供しようとする営為は買える。
クリスマスシーズンと言う事で、七人七様のサンタ風ドレスの衣装。 揃いではなく、一人ひとり違うのがまた良い。
クリスマスミニライブと言う事で、自己紹介もそこそこにほぼ全篇ライブ。 定期で入っていたこの場所での仕事もこれで最後と言うこともあってか、浅原の目は最初から潤みがち。 それでも最後まで笑顔で通してはいた。
野月まいは喋るのも達者で歌ったり踊ったりする部分も(移動以外は)ソツなくこなしているが、それが「手馴れた感じ」に映りがちなところはある。 押したり引いたりするステージ上での駆け引きが出来るようになれば馴染んで行くと思う。
野月まいの歌のソツの無さは、裏を返せば一本調子と言う事でもあり、山田渚が歌で全体のバランスを取ろうとしているのに驚く。 方法として最適解かどうかはさておき、着眼点と方向性は正しい。
押し出しの強い同期の影に隠れがちな大塚えみかも、覚束ない部分はありつつも舞台上で固まってしまうような事は無く、笑顔を見せる余裕は無いが凶相になることも無い。 足を引っ張らないと言う点に於いては、褒めて良いと思う。
佐々木澪の振りに情緒が出てきたのには驚いた。 多少トチッても冷静に対応できているし、動ける体形にも変わってきているし、すくすく育てば化けそうな気配。
自分が出来るようになった分、周囲の出来ていない部分が目に付き、自らの到らないところも判るようになってきた所為か、少々表情が硬いのが帰になるが、この先佐々木を取り巻く状況が変化してくれば、もう少し柔らかくなるだろう。
3期までのメンバーはさすがにこなれていて、新人が入っても打ち合わせと違うことが起きても動じない。
浅原の居る仕事と言うのは残り少なくなってきており、努めて明るく振舞おうとするのが見て取れたが、かっちり演る部分と砕けた部分が混在していて、これまでで一番楽しく観ることが出来た。
浅原がやめることになってからの山中は、ふわふわした雰囲気は保ちつつ、芯が強くなった印象。
自信の無さから来る悲壮感が消えて、客席を大掴みに見られるようになった。
坂本の客全員を殺しに来る気概に感服。 無闇に愛想の弾幕を張るのではなく、3点バーストで確実に仕留めに来る。 ハーグ陸戦協定すれすれの甘美な殺戮。
明日明後日は見られそうにないので、今日でお別れ。
前に前に出る性格でもなく、常に一歩引いたところにいるような印象があったが、番組の進行などではそれがプラスに働き、ともすれば暴走しがちなメンバーを操っていた。
メグリアイには女性スタッフが帯同していないので、精神面でややこしいことになりがちなメンバーを纏める役割も担っていたのではないかと思う。
この業界の表舞台からは去ってしまうようなのであるが、気持ちに一と区切り付けられる日が来たら、裏方としてでもいつかこの業界に戻ってきて欲しい。
浅原桃子(メグリアイ)
# Dwightsa [viagra and premature ejaculation <a href=http://dstvmedia..]
プロカメラマン5人のグループ展も3回目を向かえ、新規メンバー2人ゲスト2人を加えての開催。
増えた分会場も広くなり、A会場に創立メンバー、B会場に新規の2人とゲスト。
会場は新宿西口、長距離バスターミナルのあるビルの地下に出来たヨドバシフォトギャラリー「INSTANCE(インスタンス)」。
広さとしては申し分ないが、如何せん古いオフィスビルなので天井が低い。 圧迫感があり、何より問題なのは照明を上から吊れないこと。 考えて当てられてはいたが、見る方向をどう変えても照明が反射してしまって一枚の写真を見渡せないと言うのは写真を見せるギャラリーとしては致命的。 ディフューズせずに直接当ててしまっていて、ライトの色温度も顧慮されていない。
まぁ私の写真を見せる環境としての基準は土門拳記念館なので、点は辛すぎるかもしれないが、写真を見せるスペースとして何をどう設えるかについてきちんと考えているとは思えない造りであった。
出展者が増えた分、会場は二箇所に別れていて、創立メンバー5人がA会場、今回から加入したメンバーとゲストがB会場。
テーマがヌードと言う事で「誠に勝手ながら18歳未満の方の入場をお断りとさせて頂きます。 」とのこと。
小池伸一郎
モノクロで8点。
砂丘を登って行く後姿を追った連作、最後の一枚は登りきったところを正面から撮ったもの。
背景は砂丘と空と地平線のみと言う潔さ。 登って行くにつれ、地平線の傾きが変わって行くのも面白い。
吉田裕之
「OIRAN」と題して美人画に見立てた見えそうで見えないヌードをカラーで11点。 落款が押してあるのが "らしく” て良い。
着物から装身具から小道具から、兎に角「道具立て」に凝っているのは判る。 お仕事抜きにやりたい事をやりたいようにやった写真。
綺麗事過ぎてあまり好みではないが、いやはや美しい。 すっきりした気持ちの良い写真。
松田忠雄
木漏れ日、巨岩、苔。 しっとりしたヌード。 カラーで大きいのを5点。
ピントは総じて薄めで、一寸外したような、どこに来ているのかわからないようなのもあって訝しく思ったのだけれど、ふと思い立って反対側の壁近くまで離れてから見て驚いた。 ピントが来ていないように見えた、向かって右端の岩に腰掛けた脚のひざから下だけを撮ったその写真が立体的に目に飛び込んでくる。
門嶋淳矢
ほぼ真っ黒なモノクロ5点。
乙な年増を旅館と思しき薄暗い和室で撮っていて、生々しくはありつつ事に及んだような臭気は無く、真面目にふざけたような写真。
潰れるか潰れないかぎりぎりのところを攻めて黒に近い灰色と黒の間の色を出した、自分でプリントすることを考えると頭の痛くなるような難度。
額装するときに付いたのか客が誰かやりやがったのか、何箇所か引っ掻き疵がついてしまっていたが、ガラスを嵌めてしまうと、多分このプリントの微妙なニュアンスは伝わらない。
「黒より黒い黒」などと暗室に篭って呪術めいたことをやつていた頃を甘苦く思い出す。
門嶋淳矢の写真は、このグループ展の「初心」を体現しているように感じられた。
三輪憲亮
2点を一枚に焼いたものを4点。
奥多摩の廃線や廃墟で撮ったモノクローム作品。 上手くて器用、プリントも無難で且つ綺麗に仕上がってはいる、・・・がどうも何かがおかしい。
寄ったり離れたりして見ていたらモデルの背中の線が背景に馴染まず黒く輪郭を描いている。 よくよく見るとモデルと背景の照度差にも辻褄の合わないところがあり、モデルの身体のみがコラージュのように浮き上がってしまっている。
焼き込み・覆い焼きの域を逸脱して修整までしてしまったかのようなレタッチ。 光の足し算引き算に狂奔しているうちに、その日その時にその場所で写し取られたものがどこかにすっ飛んでしまっている。
小手先の技術がセンスで切り取ったものを塗り潰してしまった悪例。
野澤亘伸
ヒシと思しき水生植物が水面を埋め尽くす湖沼に浮かぶ和船、蘆原、水中。 水に所縁のある場所で撮ったカラー5点。
右端に飾られた船の中に横たわるカットで脚に巻いていたリボンの日焼痕が左端の水中で撮ったカットで生々しく浮かび上がったり、配置も面白く。
モデルの面相が判然としない撮り方も良かった。
山岸伸
球体間接のドールとモデルを綯い交ぜにしたようなカラー10点。
境目を曖昧にしているのでどちらがどうなのだか判然としない。 背景や小物との縮尺感で辛うじて見分けられるが、1点だけわからない物があった。
この枯淡が「今の山岸伸」なのだろう。
上野勇
唯一名の通ったモデルを起用した連作。衣装・小道具からロケーションまで凝っているのだけれど、撮りたいイメージが有ってモデルを起用したのか、撮りたいモデルからのイメージなのか判然としないが、一番「お仕事」に近い写真。
モデルは生かしきっていて、写真としての質は非常に高かったのだけれど、お茶漬けを作り較べて楽しむ会でキャビアのっけちゃったような割り切れなさ。
そりゃまぁおいしいのであるが、と言う部分。
渡辺達生
「ホーマンヌード」と題して古代ケルトの豊穣の女神像の(良く言えば)ような被写体を撮った巨大なモノクロ作品2点。
お仕事抜きで撮ったものは矢張り巧くて、光を見極め操る手練は素晴らしい、・・・がそれだけの鬼面人を威す写真。
横綱が立ち合いの変化で勝ってご満悦(勝っているとも思えないが)、弟子のやっている作品撮りの写真展にゲストとして出品する写真ではない。
なんだかんだ言ってもカメラマンの本気が見られる写真展は見応えがあるし楽しい。
門嶋淳矢の薄暗がりの中にモデルを立たせたもの、松田忠雄の岩に腰掛けた脚のひざから下だけを撮ったもの。 この二点が特に印象に残った。
松田忠雄は個展を重ねるごとに研ぎ澄まされてきているように思う。 良いレンズを使うとレンズに撮らされてしまうことがまま有るが、撮らされるでもなくねじ伏せるでもなく、レンズに機嫌良く仕事をさせているような印象で、被写体に対しても当たりが柔らかく、圧伏せしめるような撮り方をしていない。
腕の良い掏摸、もしくは結婚詐欺師
例のスマートフォン向け配信番組でのミニライブ。 今回は5期生もお披露目と言うことで足を運んでみた。
今回は岡崎と坂本がお休みで、山田、浅原、山中、佐々木、白鳥の5人。 山中と浅原が仕切って廻す段取り。 お互いを上げたり下げたりしつつ楽しく進行。
始まって早々5期生が呼び込まれてお披露目。
野月まい(22)
大塚えみか(16)
野月まいは既に何人か「めあて」で身に来ている客がいたので、前職が梅川忠兵衛を題材にした浄瑠璃の題みたいな「そういった系統」(※佐川急便ではない)だったのではないかと思われる。
歌って踊る部分については手馴れた感じでありつつ、大人数で立ち位置を変えながらと言うのは不慣れなようで、間違えて「よっこらしょ」と動かされたりする場面も。
喋る段になると所謂「タメ口」と言う奴で切り込んでくる。 このあたりは慣れより狎れと書いた方がしっくりくる押しの強さで、なんと言うか「島津久光」感。
大塚えみかは幸薄そうな色白の美少女。 押しは弱いが歌って踊っての部分はまぁまぁ出来ている。 同期が強烈だったで印象としては希薄だが、ダメダこりゃってのは少なくとも無かった。 曲がらずに育って欲しい。
前半は5期生の居るライブ、後半は4期生までの連中でのライブ。
山田渚は本調子ではないらしく、顔色もよろしくないし情緒も安定しているとは言えないように見受けられたが、ライブの最中はいつもの山田渚だった。
5期生が入ると矢張り粗が目立つのだけれど、山田渚が居るだけでとりあへずなんとかなる。 兎に角、座持ちが良い。
不慣れな人が入ると、焦りであったり驚きであったり不快感であったり「負の感情」が表に出てしまいがちであり、それは致し方ないことではあるのだけれど、山田渚は歌って踊ることを生業にする人としての表情を保ち続ける。
岡崎みさとの「華」と坂本寿里の「可憐さ」が欠けて飛車角落ちに成りかねない危惧はあったのだけれど、山田渚の矜持であったり、3期4期の自覚であったり、別のものできっちり埋めて金の取れる見世物としての価値は保っていた。
浅原は12月一杯で辞めることで気負いが取れたのか、進行にしてもライブにしても機転が利いており、山中は同期が辞めることで何かが変わったのか自信をもってライブに臨めている。
4期の二人は体形からして変って「動ける身体」になってきており、基礎代謝が上がった所為か、面差しもすっきりした。 佐々木はライブ中に素に戻って客になってしまう事が無くなり、白鳥も電池が切れなくなり目も死ななくなった。
去る人がいて、入ってくる人も居る。 残る人は肚を括っている。
メグリアイも新しい季節に入った。
多分、撮影機材の選択に於いて現時点で私の嗜好に一番近いのではないかと思われる渡邊安治の作品が見られると言う事で足を運んでみた。
三省堂本店の南側の前の路地を南へ。 再開発地区へ突き当たる手前左側にある神保町画廊が会場。
鰻の寝床のような、間口は狭く奥行きはある画廊に小品をズラリ。 写真が額装されて飾られているだけで特に説明は無いが、作風が分かりやすいのでどちらが撮ったものかは見れば判る。
武井裕之はフィルムの粒子が淡く描き出すロウキーなモノクローム、渡邊安治はリバーサル特有のこってりした色乗りのカラー。 G.ズイコー 55mm/F1.2 で撮ったと言うカットが湿度高めで、網膜にねっとりと粘りつくよう。 大口径単焦点レンズならではの薄い上にも薄いピントと、とろけるようなボケに唸る。
生々しくしっとりした渡邊と、さらり乾いた武井、対照的な美しさ。 額のガラスがプリントの細部を見るには一寸邪魔だったのだけれど、売り物でもあるのでこれは致し方ない。
私は時代が出てしまうので色が邪魔だと思ってしまうタチなのだけれど、渡邊安治の写真は色をこってりと乗せることで時代が曖昧になる。 モノクロの作品も一点あったが、こちらは逆に色彩情報がごっそりなくなることで湿度も消えている。
武井裕之の写真は、多分印画紙やフィルムの所為だと思うのだけれど、黒と灰色、白と灰色の間の諧調が豊かで、白飛びせず黒潰れしない。 そこに現代が出ている。 プリントの調子は現代なのだけれど、写っているものは今ではないいつか。 そこも面白い。
11月27日~12月14日 武井裕之 渡邊安治 ふたり展
two and one half 二番目の次の恋
開廊時間:12時~18時(金曜日は19時まで)休廊日:月曜日・火曜日
神保町画廊:http://jinbochogarou.com/
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先週のタワーレコード錦糸町店でのインストアライブが非常に良かったので、一寸遠いが足を運んでみた。 今回は写真多目でお届け。
横須賀線の東戸塚駅東口は駅前が谷のようになっており、西武東戸塚店に掛かる橋は思いのほか高い。
これを渡り切って階段を下りた一階入り口前が会場。 「正面入口 特設会場」となっているが、とりあへず入り口の前を仕切ってある。
設えとしては簡素だが見るほうは階段に腰掛けられるので見やすい。 特定の客からの収奪ではなく「多くの人に見てもらうこと」を目指してイベントを打っているのが分かる。
客の大半は階段に腰掛けているので人垣の後ろからも見ることが出来るし、ヲタヲタしくはありつつも真っ当な社会生活を営んでいそうな風体の客が多いこともハードルを下げている所為か、通行人の立ち止まり率も高かったように思う。
衣装は揃いのティーシャツに色違いのオーバーオール、足元はバスケットシューズにヒールが付いたような物。 立ち姿を美しくしつつ、動ける靴と言うことか。
ライブはみっちり30分。 前説で「どのくらいやらかしてよいか」についてのニュアンスが伝えられ、客のほうでも匙加減を考えて盛り上げる(盛り上がる)。
アイドルの現場に日ごろの憂さを晴らしに来る手合いが多い昨今、客も送り手も含めて不愉快なことが何一つ起こらない現場と言うのも珍しい。
日の射すところと日陰では照度差が激しく、自動露出にしておくと写真にならないので日陰の分は勘露出で決めたシャッタースピードで押してみた。 デジタルなのにピントも絞りもシャッタースピードもマニュアル。
残りの写真は このあたり に。
テナントの入れ替わり期に廃墟化するのではないかとすら思われたオリナスモールも、なんとか持ち直したようで結構な人出。
最上階の外れと言うあまり良くないロケーションながらエスカレーターの前とあってか通りすがる人は多い。
今回はエントランスホールの特設ステージではなく、インストアなインストアイベント。 周辺店舗からの干渉が激しいエントランスホールより、むしろ演りやすいかも知れない。
メンバーによる商品お渡し会が少し長引き、20分近く遅れての開演。
一部の客が通路を塞いで立ち話をしたり、荷物の山を作ったり、店側と送り手側の手配り目配りが足りていない部分も散見されたが、アイドルに限らず人の集まるイベントとしては真っ当な部類に入る。
開演前の注意事項も、やって良いこととマズいことの線引きがニュアンスとして伝えられて、それを汲み取って盛り上がりつつ踏み外さない阿吽の呼吸。
きっちり歌えて踊れていて、曲もオケも丁寧な造り。 一聴して耳と意識が持って行かれるようなフックは無いが、店内で流れ続ける曲を聴いているとじわじわ沁みて来る。 そしてその曲を生で歌うことによる説得力と言うか、訴求力と言うか、そう言ったものが感じ取れる素晴らしいライブだった。
途中、ギター一本をバックにマイク無しの生声で何曲か。
これがまた良かった。
歌い込んではいるが、手馴れては居ない。 ライブと言うものがその日その時のその場所でしかその様には成立し得ないことを知っている当意即妙な歌唱とコーラス。 伴奏者との駆け引き。
粗製乱造なアイドルグループも多い昨今、ここまでちゃんとしていて大丈夫なのかと心配になる。
まぁ送り手も只の鼠ではなく、酸いも甘いも嚙み分けた上での正攻法だと思われる。
ANNA☆S は客も演者も送り手も、すべてが幸せな円環の中に在る。 また気になるグループが増えてしまった。
この他の写真も纏めてこのへんに。
コラム的な何か
2013 俺アワード(楽曲部門)
をアップロード。
矢張り多数派工作がまかり通る多数派のお祭りは性に合わない。
糞食らえ。
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バスの乗り継ぎにしくじって開演少し前に漸く現地へ。
既に一階二階の外周は鈴なり、死角はあるが死角以外はよく見える位置に潜り込む。
開演直前に愛乙女★DOLLが出てきて軽くリハーサル。 会場や音響の状況確認と言う意味合いのほかに、通行人や買い物客に「もうすぐ此処で何かが始まる」ことを知らせる効果もあり、被せではなく生声であることも「ただならぬ雰囲気」を醸成。
このあたり、送り手がよく分かっている。
17:33頃開演
愛乙女★DOLL
出囃子が流れる中、陰アナで煽りに煽ってから登場。 正札附で引っ張りに引っ張ってから出てくる六代目圓生の趣。
ビターチョコ・バレンタイン
おんなじキモチ(東京女子流)
キラーチューンを一発目に持ってきておいて、人口に膾炙した東京女子流の曲を持ってくる趣向。
「おんなじキモチ」は振り付けも含めて本家に忠実、感想での見せ場のダンスもきっちりと。
小西彩乃パートは愛迫みゆが担当。 キーの高い部分は裏声で上手く逃げつつもきっちり歌い上げるところは流石。
曲の後半で東京女子流の面々も合流。 客も踊る連中はほぼ踊れており、ステージも含めて妙な一体感の祝祭空間。
人仕切りのやり取りの後、女子流が引っ込んで再びライブ。
GO!! MY WISH!!
蒼い空を望むなら
流れ星
後半は持ち歌で3曲。 速くて鋭いが重厚な動き。 暑苦しいのは苦手なのだけれど、愛乙女★DOLLに関しては何故か楽しく見ていられる。
長い科白パートを貰ったこともあってか、やる気の漲る都築かなが楽しい。
東京女子流
Don't Be Cruel
きっと忘れない
ちいさな奇跡
Mine
おんなじキモチ
小西彩乃は現状でコントロールしやすい音域の歌唱は安定しつつも、高音になるとやはり裏返りやすい傾向が有った。 上手い下手ではなく、体調に絡むことだと思われるので、本復を待ちたい。
骨の存在を感じさせない柔らかな動きの庄司であったり、並外れて手足の長い山邉であったりと並ぶと、中江の普通を突き詰めた可愛らしさに安心する。
どこをとってもケチのつけようがない新井ひとみ。
客が騒ぎやすい曲が支持される傾向はあるが、東京女子流に関してはそれを避けるでもなく狙うでもなく、別の次元での曲作りをしているように感じられる。
そこが好ましくあり、また売れきれないところでもあるように思われた。
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