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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2013-11-12 指原莉乃の「小物感」 [長年日記]

_ UTB+ 2013 5月増刊

HKT48(兒玉遥、森保まどか、松岡菜摘、宮脇咲良、指原莉乃)
表紙と巻頭グラビア12ページ11カット、うち見開き1箇所、撮影は門嶋淳矢。
集合で2カット、あとは個別で2ページ2カット(松岡のみ見開きで1カット)ずつ。
指原莉乃はこの面子に混じると流石に浮き気味なのであるが、インチキ臭い作り笑顔の醸し出す「小物感」もまた味わい深い。
全員良く撮れているのだけれど、宮脇咲良のアップが兎に角凄い。

橋本愛
6ページ6カット、撮影は桑島智輝。
射すくめる様な視線と向き合ったり受け流したり。
2ページ目の横目で凝視するようなカットに戦慄。

NMB48(山本彩、渡辺美優紀、横山由衣、山田菜々、矢倉楓子)
カレンダーから水着カットを寄りぬきで。 撮影は桑島智輝と栗山秀作と門嶋淳矢、誰がどれを撮ったのかまでは分からない。
渡辺・山本は通常営業、山田菜々が柔らかい表情。

永尾まりや
水着になると顔の右半分に緊張が走って歪むことがあるのだけれど、これはまぁ仕方の無いことではある。
1カット目2カット目の上に一枚着ている状態のものは表情も柔らかいので、水着になることへの心理的抵抗は大きいのかもしれない。

岡田奈々、小嶋真子、西野未姫
5ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
それ以上でもそれ以下でもない顔見世グラビア。 集合で3カット、個別で1ページ1カットずつ。
青空を模した背景紙が虚しい。 佐藤裕之に撮らせるなら、せめてハウススタジオくらいは使って欲しかった。
より正確に書くと 「ハウススタジオで撮れる位のスケジュールを事務所が捻出」 して欲しかった。

桜井玲香
6ページ8カット、撮影はサトウ ノブタカ。
アップで撮ったカットに関しては些か深度が浅すぎるようにも思われたのだけれど、余計な光を当てずに撮っているのは良い。
ピアノへの映り込みを生かした2カット目が美しい。

なあ坊豆腐@那奈
6ページ8カット、見開き1箇所、撮影は桑島智輝。
好きな人は好きなのではないでしょうかとしか言いようが無い8カット。
写真そのものの出来は悪くない。

優希美青
4ページ6カット、撮影は西田幸樹。
表情にはまだ硬さがあるが、その分表情が緩んだときの落差にやられる。
正面を切れる顔だが、横顔も良い。

青山美郷
4ページ6カット、撮影は長野博文。
初グラビアとのことだが、こういうモデルを硬くさせずに撮るのは矢張り上手い。
3ページ目、屋外で撮った3枚が良い。

梶谷桃子
自分の部屋も含めて、地元である九州で撮った4ページ6カット、撮影は西田幸樹。
地元で撮る気恥ずかしさは初々しさに昇華されており、曇天も幸いして西田幸樹らしい柔らかな写真。

小嶋陽菜
主演したドラマ絡みの写真集的なものからの4ページ6カット。 撮影はTANAKA。
悪くはないが、小嶋陽菜はちゃんと撮ったものを見たい。

中島早貴
5ページ8カット、撮影は岡本武志。
旧来型アイドルグラビアの延長線上にあり、ソツなく撮られていて破綻は無いが面白みも薄い。
ニコパチが欲しいコアなファン向けなら、これで十分なのかもしれないが、そこから先への訴求力は無い。

Juice=Juice
6ページ7カット、撮影は佐藤裕之。
集合で4カット、2人で1カットずつ。
集合でも6人が6人生かされており、2人ずつ撮ってもヤッツケのカットは無い。
宮本を真ん中に据えたそうなのは分かるが、他の連中を踏みつけにするような撮り方をすると宮本のイメージも良くない。 その点このグラビアは、全体に光を当てつつ、宮本も浮かび上がらせている。

真野恵里菜
6ページ6カット、久しぶりに見る熊谷貫のゴリゴリ撮るグラビア。 受けて立てるモデルでないと殺されてしまうが、死んでしまうような相手にこう言う撮り方はしない。
メイクは濃すぎるくらいに濃いが、それでも写真としては見応えのあるものに仕上がっている。

川口春奈
写真集からのアザーカットで7ページ12カット、撮影は長野博文。
高校卒業に絡めて、それ系の衣装の撮り収めと言う趣向。
弓道と思しき稽古着、体操着、スクール水着etc...。 下手打つと罰ゲームになってしまうところ、川口春奈も面白がって撮られているので陰惨さは無い。
さまざまな角度から撮られているが、綺麗に見える角度が非常に広く、どう切り取っても実に絵になる。
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2013-11-04 「自信を持ったほうがかわいくなれる」 [長年日記]

_ UTB+ 2013 12月号

渡辺美優紀・吉田朱里
表紙と巻頭グラビア12ページ12カット、見開き2箇所。 撮影は桑島智輝。
大道具小道具持ち込みつつ、すべてスタジオでの撮影。
衣装は修道女風のもの(中に黒ビキニ)と光沢ビキニの上にフェザーコートを羽織ったのと2パターン。
造形美としては吉田朱里が明らかに勝っているのだけれど、訴求力では伍して来る渡辺美優紀。
意図してやっているのか、そうでないのか判然としない、すべての仕草と表情に隠された意味があるように思えてしまう蠱惑。
12ページ目の手の組み方に見る性格の違い。
吉田朱里は渡辺美優紀に引き出されてか良い表情。

川口春菜
来年のカレンダーからの7ページ9カット、撮影は佐藤裕之。
雑誌展開となるとどうしても水着中心になってしまうのだけれど、四季の移ろいを12カットで表現するのがカレンダーであり、勿論服を着たカットもきちんと撮られている。
13パターンの衣装のうち、浴衣の着付けが美しくないのは瑕だが、生地と柄・小物と髪のあしらいは良い。
7ページ目の、木漏れ日の中で佇む横顔が秀逸。

真野恵里菜
7ページ9カット、こちらも来年のカレンダーから。 撮影は先日出た写真集と同じく長野博文。
真野恵里菜は本人の魅力や仕事振りもさることながら、マネージャーの宰領、匙加減が上手い。 出し惜しみせず、安売りもせず。
植物や白い衣装を見ると長野の色なのだけれど、屋内のカットではあまり気にならない。
お仕事モードの表情ではありつつ、妙なポーズ指定はしていないので紋切り型にはなっておらず、上手く撮って貰えている。

森川葵
6ページ8カット、撮影は桑島智輝。
衣装は3パターンだが髪は明らかにウィッグなので何かと思ったら、主演映画の為に丸めたとのこと。
写真展のギャラリートークで安達祐実が桑島智輝を「何でも撮れちゃう」と評していたが、このグラビアがまさにそれで「こんな感じで」を具現化したような8カット。
3・4ページ目が面白い。 路上であったり屋上であったりスタジオであったり、光の状態が異なるところで撮った4カットの色調を揃えて組んである。 巧いのだけれど技術偏重ではなく、一枚々々が写真として見られるものになっている。

木崎ゆりあ
6ページ8カット、撮影は門嶋淳矢。
木崎と言えば「丸顔」なのであるが、それを殺しすぎずに映える角度を捜して撮った8カット。
安易に髪で隠すのではなく、顔の両脇に垂らすことで印象を操作し、首の傾げ方や撮影する角度で更に修正。
俯き気味に振り向いた最後のカットが良い。

岡田奈々
6ページ9カット、撮影は山口勝巳。
「かくあるべし」強めな頑なさを逆手に取ったようなパッケージ撮り。 人となりは全く感じられないが、造形美は余すところなく。
撮られ慣れていないこともあってか、口の開き方に多少の差異があるくらいで表情の種類は皆無と言ってよいくらいの退屈さなのだけれど、美しくはある。
ブツ撮りとしては満点で、ポートレートとしては落第。 但し、それはモデルの側の引き出しの無さ、頑なさに起因するもの。
カメラと臆せず向き合えているのは良いが、凝り固まりすぎるのは考え物。

西野七瀬
6ページ7カット、撮影はMARCO
私は禁忌としてきつく躾けられた世代なので、屋外撮影分の引きのカットで見られる「串刺し」(※背景の縦の線が被写体の身体を貫くこと。首の辺りを横切るのも「首切り」として避けられてきた)は許容しがたいが、寄ったカットはよく撮れている。
引いたカットは「串刺し」だけでなく、構図の切り方そのものが甘く、被写体を真ん中に寄せすぎていて詰まらない上に、他のカットと組みにくい。
西野七海の「食えない感じ」は、よく出ている。

柏木ひなた
6ページ11カット、撮影は桑島智輝。
文化系・体育会系とりまぜて衣装3パターン、カメラの前に素で立てていて、求められた表情も作れる強さ。

下野由貴
指原莉乃企画のHKT48グラビア連載、6ページ7カット。 うち見開き1箇所で、ここに指原莉乃。 撮影は桑島智輝。
HKT48の恵まれているところは、さまざまなメンバーに光を当てようとしてくれているところ。 それぞれをきちんと見てきている指原の差配なので、安心して見ていられる。
今でこそ売れっ子の指原であるが、初めは猫背で引き攣り笑顔の冴えない研究生だった。 下積みの苦労も、売れたからこその苦労も知っているから出来るアドバイスもある。 「自信を持ったほうがかわいくなれる」はけだし至言。

衣装は古典的メイド服と部屋着の2パターン。 二人で並んだカットは部屋着なので、指原が上手く逃げた格好。
下野は奥二重なので、光の強弱で表情が大きく変わる。 強すぎず弱すぎず、頃合を見計らったライティングで歳相応の可愛らしさを引き出している。

岸野里香
5ページ7カット、撮影はHIROKAZU
体格の良さを美しさに昇華すべく、水着とボディコンシャスなワンピース。 結果は兎も角、狙いは良い。
直接的な見せ方はせず、歳相応の色気と可愛らしさを引き出そうとする営為。
真正面から撮らないと言う事は、まぁそう言う事なのであろう。

鈴木友菜
写真集からのアザーカットで6ページ8カット、見開き1箇所。 撮影は唐木貴央。
流石に撮られなれてはいるが、自分を見せることには慣れておらず、表情も単調で面白みは薄い。
私には欠伸の出る8カットだが、このモデルが好きな層にはこれで良いのだろう。

Juice=Juice
6ページ9カット、撮影は熊谷貫。
事務所側の要求であろう「顔見世グラビア」にも応えつつ、メンバーそれぞれの生きた表情も捉えた意欲的な6ページ。
コンセプトは統一しつつ銘々に合わせた衣装やロケーション、道具立てまで含めて味わいたい佳品。
しっかりお膳立てをした上で動かして撮っているので、どのカットも写真になっている。

矢島舞美
6ページ6カット、撮影は鈴木さゆり。
何と言うか、オーバー目に撮りすぎたコダクロームみたいな色。
グラビアがデジタルに切り替わった頃は色味の美しくないものも当たり前のようにあったが、漸く世の中変わってきた。
アウトフォーカスの演出がわざとらしいのはいただけないが、美しいものを美しく撮ろうとした姿勢は良い。

道重さゆみ
7ページ9カット、撮影は西田幸樹。
芸暦10年にして10冊目の写真集からのアザーカット。 歳相応の美しさ・可愛らしさを引き出すことに注力している。
光の操り方の巧さは流石に西田幸樹で、晴れた日の水辺で撮ったカットでも表情が死んでいない。
横からであったり後ろからであったり、射し込んでくる光で美しく陰翳を描き出した佳品。
9カット目が素晴らしい。 眼福。

総評
佐藤裕之祭りであった前号とは打って変わって多彩な顔触れ(桑島智輝多目ではありつつ)。
好き嫌いで言えば嫌いな写真もあるが、それは良否ではなく好悪の問題であり、写真表現の許容度の広さは貴重。
グラビア誌も増えたが、指名買いをして公開しないのは未だUTBとフォトテクニックデジタルの2誌のみ。

_ UTB 2013 4月号

鈴木愛理
表紙と巻頭グラビア。 高校3年間にしたグラビア仕事の集大成としての写真集からの10ページ12カット、撮影は西田幸樹。
もはやどんな衣装でも(それが面積の小さい水着でも)表情に揺らぎが無いのだけれど、西田幸樹の技術とセンスがそれを最大限生かしている。
光の射し込む位置、影の落ちる場所、陰翳の出方などを見ると、モデルの立ち位置、撮る距離などがcm単位、もしかするとmm単位で修正されている。 1カット目の遠景と近景の対比、背景の縦横の線、文字情報etc...さまざまなものの配置・配光。
「おやっ」と目を凝らすと、ピントの置きどころ、深さ、あらゆるものがさり気なく的確で、一枚の写真からさまざまな発見がある。

指原莉乃
7ページ9カット、撮影はサトウノブタカ。
白のタンクトップに股上の浅いデニムのパンツであったり、ニットのチューブトップであったり、どきどきして然るべき衣装であり、指原にも指原なりの凹凸はあるのだけれど、何故だか扇情的にはならないのが面白い。
顔の真ン中で胡坐をかいた鼻や、とんがらかした口すらも可愛らしく思える愛嬌もありつつ、反面同じそれが小憎らしくもある。 貧相と言えば貧相だが、絶望的な貧相でもなく、多少の肉は付いているのだけれどそれが色気に結びつくかと言えばそうとも言えず、生娘感はこれっぱかりも(これは余計な先入見に支配されてしまっているからでもあるが)無いが、薄汚れてもおらず、蠱惑的でもなく、Femme fatale 的要素も無いのだけれど、妙に気になる。
圧倒的に可愛い訳ではなく、「一寸可愛い」、しかしその「一寸」が圧倒的であるというなんだかよく分からないダークマターのような指原莉乃の魅力がもやもや漂う7ページ。

日南響子
6ページ8カット、撮影は長野博文。
なんとも捉えどころのない猫のようなモデルを上手く踊らせて撮る長野らしい6ページ。
まったく噛み合っていないインタビューから読み取れる「『変わっていると言われる』=変わっている私で居たい」は矯めようとするとおかしくなってしまう部分であり、このグラビアに於いては上手く生かしていた。

倉持明日香
6ページ8カット、撮影は門嶋淳矢。
道具立ても撮り方も凝っていて、モデルを生かす工夫は充分感じられるのだけれど、それが上がりに結びつかない難しさ。
これ見よがしなポーズや表情が撮る側の営為を台無しにし、上がりを詰まらなくしている。
前後のページと見比べると、ここだけポッカリと詰まらない。
佐藤夏希の件もそうだが、ナベプロに採られてしまったが故の不幸と言うものを矢張り感じざるを得ない。

山田奈々
6ページ7カット、撮影はHIROKAZU
肉感的なところは生かしつつ、ゆったりした部位は構図でぶった切って上手く隠している。
前半は身体の線の美しさを、後半は表情の深みを追った構成。
水着のカットは敢えて正面からは撮らないことで硬いなりに柔らかい表情を引き出している。
こうした「素材を生かす営為」が重要なのであるが、これを理解していない編集者や事務所関係者があまりにも多い。

太田夢莉
5ページ8カット、撮影はHIROKAZU
笑顔は一種類、立てば棒立ちなのだけれど、華がある。
現状では何が出来る訳でもないのだけれど、ニッコリ笑って突っ立っているだけでも絵になるし、カメラと気負い無く向き合えているのは良い。

森保まどか・指原莉乃
指原莉乃企画のHKT48グラビア連載、6ページ7カット、見開き1箇所(ここに指原)、撮影は桑島智輝。
指原も脚は細くて長くて白い方だと思うが、森保は輪を掛けて白くて長くて細い。 さながら守口大根。
足を前後に重ねて立つ、所謂「モデル立ち」をしても太股の間に隙間が出来る細さ。
5ページ目上段などは其れを生かして撮っている。

伊藤万理華
6ページ7カット、撮影は熊谷貫。
カメラと向き合う強い意志を持ったモデルと、モデルと真正面から向き合って撮る熊谷貫。
笑顔はぎこちなく、ポーズも硬いのだけれど、横からの風に髪を靡かせつカメラと向き合う5ページ目などを見ると、資質の確かさは感じられる。
今、この時期にしか撮れない9カット、眼福。

志田未来
6ベージ8カット、撮影は佐藤裕之。
屋内と屋外で4カットずつ。 屋内での光の廻し方、弱い光の使い方はいつもながら上手い。
役ではない自分でもカメラの前に立てる志田未来。 巧まず衒わず良い表情。

プー・ルイ(BiS)
5ページ4カット、撮影は栗山秀作。
栗山秀作が秘術を尽くして撮った東坡肉のような4カット。 三枚肉を使いつつ脂っ気は抜いてあって(毛糸で縛っているのもそのあたりの暗喩か)、インタビューもピリッとくる癖のある人柄を食べやすく調理。

植村あかり、宮本佳林、室田瑞希
いやまぁ酷いものである。 呆れた6ページ8カット、撮影は本田龍介。
宮本佳林さえ可愛く撮れていれば良いと言うことなのか、植村と室田の蔑ろにされ加減は目に余る、特に室田の扱いが酷い。
宮本を主役にして脇に廻すにしても、ある程度は脇を生かさないと主役も光らない。
5ページ目の芯の無いブレボケも見苦しい。 被写体のブレで動きを出したいのであればシャッタースピードを遅くする工夫をすれば良い。 極端な前ピンにしてボケさせる芸の無さ。
6ページ目も醜悪。 妙にポーズと表情が硬いと思ったら、スカートの裾を押さえさせ、ヒザを重ねてスカートの中が写らないようにしている。 写っちゃ困るならハナッからそうならない構図を切りゃ良いだけの話で、その程度のことも出来ない下衆で野暮で下手糞ってのはどうにも救いようが無い。
この稼業から足を洗った方が良いのではないか。

鞘師里保
6ページ6カット、撮影は栗山秀作。
現状で見掛けだけ大人っぽく撮ろうってのに無理があり、悪くは無いが良くも無い。

真野恵里菜
7ページ9カット、撮影はオノツトム。
ハロープロジェクトからの離脱に際して新機軸を打ち出そうということなのか、これまでとはガラリ変わった写真集を製作、そこからのアザーカットで構成。
イメージを変えたいのは分かるが、一寸無理をしすぎた感。
企画倒れでもやれるだけの事はやっておこうとする真野恵里菜の心意気のようなものが感じられるのが救い。

2013-10-27 まつろわぬものの宴 [長年日記]

_ ミスiD(アイドル)2014 受賞者お披露目イベント

講談社が主催するアイドルオーディション「ミスiD(アイドル)2014」のお披露目イベントがかなりどうかしていそうだったので足を運んでみた。

昨年の受賞者もかなりパンチが(フックも)利いており、それも影響してか今年は輪を掛けてとんでもないことになっている。

お披露目イベントは会場であるジョイポリスの入場料が木戸銭代わり、受賞メンバーそれぞれの写真セットを買うと、握手会に参加できる仕組み。
のんびり構えていたら「写真売り切れ」の情報が入り始めたので、先に行っていた酔狂仲間に押さえて貰ったりしつつ現場へ。

セミファイナルの51人からファイナリスとが35人選ばれ、その35人が本日の参加者。 グランプリ1名、ミスiD 2014として6人、「明日のアイドルの話をしよう賞」として3人、審査員の個人賞が12人、「ミスiDアマテラス特別賞」が3人。 大阪夏の陣と島原の乱と慶安の変を足して3で割らなかったような、一と癖も二た癖もある一騎当千がズラリ並んだ結果、絞るに絞り込めず、ファイナリストの2/3がなんらかの賞を貰った形。

一人ひとりの受賞コメントに時間を割いた結果タイムテーブルがどんどんずれて行き、そのあたりの仕切りは素人臭くあったが、その「素人臭さ」が面白い人選に繋がってもいる訳であるし、客がおとなしかったと言う事もあるが大きなトラブルは起きなかった。

前年グランプリの玉城ティナと共に(・・・と言うか、実質一人で)司会進行を努めた菊池智美(ポテト少年団)は、アイドルに絡んだ仕事を多くこなしてきており、且つこのオーディションでも審査には携わらないまでも審査の現場には立ち合わせてもらっていたようで、各受賞者の人となりを踏まえた上での進行には好感が持てた。

無限の可能性と無限の不可能性を併せ持つ、グランプリの青波純については改めて別項にて。


青波純の肩にさりげなく手を置く寺島由芙


2013-10-23 匙加減 [長年日記]

_ risa-mono-chrome+ 吉木りさ×松田忠雄

渋谷と恵比寿の間の明治通り沿い、どちらの駅から歩いてもほぼ等距離だが、人混みを避けられる分恵比寿からの方が歩きやすいかもしれない。
バス停は都バスの渋谷車庫もしくは東二丁目が最寄になる。

入ってすぐ右側の壁にはインスタックス(所謂「チェキ」)で構成されたインスタレーションを額装したもの、右奥には大キャビネくらいの大きさのプリントを厚手のアクリル板に貼り付けたもの、左と正面の壁に全紙くらいのプリントが11枚、さらに大きなものが2枚。
アパートと思しき室内で撮った物が中心で、ほぼ水着(下着)で一部着衣。
仕事着として割り切れているからか、衣装によっての感情の揺らぎは感じられず、柔らかい表情でカメラと向き合えている。
所謂「グラビアポーズ」ではなく、撮り撮られる中で出来た形になっており、自然ではないが不自然でもない。

大きな写真はプリントも柔らかめで、しっとりした湿度を感じさせるものの、じめじめはしていない匙加減の妙。
薄暗いこともあって絞りは開け気味、深度も浅めなので一寸逃げてしまっているものもあったが、表情を採ってそれを生かしたであろう物以外はかなり厳密。 それでいて凝り固まった感じもしない。
これはモデルの感の良さもあり、撮る側・撮られる側の呼吸が合っているからでもあったと思う。

アクリル板に貼られた小品。 プリントそのものは綺麗なのだけれど、大判のものに比べると明らかに焼きが硬い。
プリントが小さくなると、より硬く見えがちではあり、実際硬く焼けてしまったりもするのだけれど、画竜点睛を欠く感。

今回の写真展は写真集との連動企画ではなく、写真展単体で行われているのだけれど、その分出版には適さない形態でのプリントもあり、その点に於いても面白い。
私のようなルンプロには手の出にくい値付けではあるが、プリントと写真の質から考えると妥当な価格。
写真と言うものは印刷すると情報量がかなり減殺されてしまうので、「プリントで所有する」ことには大きな意味がある。

写真にしても絵にしても、一と目で見渡せる大きさを超えると印象が変わる。 然程多くない出品点数でも物足りなさを感じなかったのは、写真の質もさることながらその辺りも影響していると思われる。
会期中にもう一度見に行きたい。


risa-mono-chrome+ 吉木りさ×松田忠雄
会場:tokyo arts gallery
会期:10月19日(土)- 10月27日(日)

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2013-10-15 [長年日記]

_ 別冊カドカワ DirecT

日本一の商業同人誌 Newtype を手がけるカドカワらしい、TRASH-UP!! インスパイア系商業サブカル誌。 島崎遥香が新津保建秀で巻頭と聞いて買ってみた。

島崎遥香
表紙と巻頭グラビア、24ページ16カット、ブリッジも含めて見開き8カット。 撮影は新津保建秀。
判型は小さく紙の質も良くはないのだけれど、それを見開きの多用と執拗な色校で何とかしている。

握手会対応のそっけなさを何故か売りにされてしまって以降影を潜めていた妖気のようなものが久しぶりに色濃く出たグラビア。
早見あかりにしても橋本愛にしても、これまで新津保建秀が撮ってきたのは「はっきりした自我を持っているモデル」であったように思うが、島崎遥香にはそれが無く、無限の虚無の井戸を覗き込んでしまったかのような怖ろしさと、そうであるが故の美しさ。
鏡花小史の小説世界に描き出される、「草迷宮」や「天守物語」に出てくる人外の存在、「日本橋」や「星女郎」に出てくる人間世界から一歩出てしまったような存在。
そうしたものを想起させる、寒月のような硬質の輝き。

下衆ばった物しか売る術を知らない秋元康には手に余る素材であるが故に安手の包装紙に包まれて十把一絡げに叩き売られる宿命を背負っているようにも思われるが、それが瑕になるような事は無く、AKB48と言う頸木から解き放たれたときにこそ真の輝きを放つのではないかと考えている。
この16カットの為だけにでも千円の代価は払える。

原始、女性は必ずしも太陽ではなかつた。

_ 更新情報

コラムのような何か

浅ましさ

をアップロード。

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2013-10-12 「のんびり聴いて愉快に過ごせる」 [長年日記]

_ 立川らく里の会 ~らく里の道も一歩から~(第十四里)

「弥次郎」笑二
「二階の間男」「強情灸」らく里
「安兵衛道場破り」東家一太郎
<中入り>
「谷風の情け相撲」らく里

開口一番は前座の笑二さん。 前座さんにも時間をとって自由にやらせる会とそうでない会があるか、こちらは前者。 危ないクスグリをポンと投げてから煙に巻くところは師匠譲り。

らく里さんは根多下ろし含めて三席。 「二階の間男」は掘り起こし根多だそうで、埋もれていた割に面白く、汎用性もありそう。
歌舞伎好きと言うこともあってか、噺の中で見得を切るような所作がサマになる。

ゲストは浪曲の東家一太郎さん。

浪曲慣れしていない客を見越して分かりやすいところを持ってきていたが、よく受け、しっかり聴かせていた。
講釈もそうだが、「聞き耳を立てて笑ってすっきりする」のではなく「のんびり聴いて愉快に過ごせる」のが浪曲の良さであるように思った。


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写真は
「弥次郎」笑二
「二階の間男」らく里
「強情灸」らく里
「安兵衛道場破り」東家一太郎
「谷風の情け相撲」らく里
この辺に。

_ 追記

はてなフォトライフと違って部類はしていませんが、一枚の大きさとか見易さはこちらだと思いますので、併せてどうぞ。

http://www.flickr.com/photos/2petri2/

_ 更新情報

コラム的ななにか

化ける女

をアップロード。
大島優子は、そろそろAKB48から解放されるべきだと思う。

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2013-10-06 ピクトリスリスムへの回帰 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 42号

池田ショコラ
ほぼ水着で7ページ8カット、撮影は桑島智輝。
表情も単調、ポーズもぎこちないが、そこから探り出すように映える表情を切り取って行く。
モデルとしての引き出しの少なさがカメラマンの「何とかする力」を引き出している。

岡田紗佳
5ページ5カット、撮影は桑島智輝。
こちらは打って変わって撮られるのに長けたモデルで見せ方も知っているのだけれど、不思議なもので写真としてはあまり面白くない。

最上もが
巻末グラビア5ページ7カット、撮影は柴田フミコ。
女性スタッフだけで撮ったとのことだが、コントラスト高めでハイキー、私の嫌いな要素は多いものの写真としては美しい。
ピクトリアリスムに回帰したかのような絵画的構図と調色のような濃い色遣いも面白く、7枚が7枚、そのカットだけでも写真として成立する強さがある。
大きなサイズで見たい。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 43号

柏木由紀
巻頭グラビア10ページ14カット、撮影はTakeo Dec.
もっともらしい顔も出来るようになってきた柏木だが、ロケーションで台無しにされてしまった。
眩しがりが無理にでも目を開けていられる様になったのは進歩なのかもしれないが、そうならないような状況下で何故撮ってやれないのか。
Takeo Dec.も光を背負わせたり屋内で撮ったり手は尽くしているが、焼け石に水。
5ページ目6ページ目あたりと巻中グラビアは悲惨の極みだが、2~3ページ目の見開きはよく撮れているし柏木も柔らかな表情。
しかし柏木由紀、髪の状態は良くないし、講談社並の漆喰レタッチと言うことは恐らく肌も荒れているのであろう。
根拠はなく、経験則に基づく邪推と言えば邪推と言えなくもない私見ではあるのだけれど、柏木にしても倉持にしても素材の割にグラビアとなると惨憺たる出来になってしまうのはマネジメントをしている人間が官僚的に規制するだけで素材を生かす工夫をしていないからではなかろうか。
実にもったいない。

瑞木もえ
巻末グラビア5ページ11カット、撮影は関純一。
まだそんなには撮られ慣れていないと思うのだけれど、気負いなくカメラと向き合えていて表情も柔らかい。狙い過ぎない構図も好ましい。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 44号

上西恵
7ページ15カット、撮影は佐藤裕之。
整った顔立ち、諧調の豊かな表情、程良く肉感的な体型。 さりながら上背はあまりなく、ウエストも割かしゆったり。
この美点と粗をうまく生かしたり消したり、切り身でも刺身でもなく、酢や昆布で〆たような撮り方で組み立てたグラビア。
1ページ目や2ページ目下段など、屋内に差し込んでくる光による陰影の描き出し方も巧い。
憂い顔が良いのだけれど、それを生かす為に可愛らしく笑ったカットも挟み込む構成も良い。

山地まり
5ページ6カット、撮影は桑島智輝。
笑顔が一種類、正面から撮ると固まってしまい、ポーズをとらせると肩に力が入りすぎてしまう。
表情とポーズが硬いのの原因はエグ過ぎる水着にもあるのではないかとも思うがそれはさておき、こう言う厄介な素材を与えられて5ページ分埋められるだけの写真は上げてくるのがカメラマンの腕。

_ Dorothy Little Happy「ASIAN STONE」リリース記念イベント(亀戸サンストリート)

職場を早々に退散してサンストリートへ。
六時半前に何とか到着すると既にベンチ席は埋まっており、仕事帰りと思しき背広の人々が二重三重に立ち見で取り巻く。 平日のこの手のイベントとしてはかなりの盛況。

開演前に軽くリハーサル。 曲がなかなか出ないなど、この会場のPAのダメさ加減が出たりしつつも新曲の「ASIAN STONE」のさわりを確認。

アイドル客特有の奇矯な振る舞いは商業スペースと言うことで禁止となっており、手拍子のみでの観覧。
これはこれで良い・・・と言うか、私はこの方が落ち着いて観る(聴ける)ので有り難い。

どこか連れていって
ASIAN STONE
set yourself free
諦めないで
恋をしてるの きっと


白戸は低めに二つ縛り、富永は一つ縛り、あとは皆ストレート。 毛先を透いて軽くした高橋麻里の髪がふわりと躍る様が美しい。
衣装はジャケットでもPVでも使われている濃紺のAラインのワンピース。 横に入ったスリット状の切り込みを白い布で繋いである。
裾は後ろ下がりになっていて、同心円では翻らないのだけれど、ここに工夫があるらしく、緩くターンした止め際に慣性質量でウエストのくびれを美しく描き出す。
激しい曲で縦の動きが入ったりターンが早かったりすると、裾の暴れ方が少々汚くはあるのだけれど、ASIAN STONE には合っている。

口開けに聴かせる曲を持ってくるなど、見せると聴かせるのバランスが考えられていた。
声量や質に合わせて適宜裏打ちのコーラスが入っていて、ソロパートで繋ぐ曲でも極端な凸凹は(少なくとも音源上では)目立たない。
マイク音量とオケの音量のバランスが悪く、各メンバーごとのマイク音量のバランスも取られていなかった為にその凸凹が露わになってしまったのが瑕だが、これはこの会場の慢性的な欠点であるので仕方がない。

ASIAN STONE は、曲名を目にした時には「またアジア戦略か・・・」と思ったが、聴いてみると悪くない。
シンセアレンジが三人Dreamを思い起こさせる如何にもな avex 、懐かしくも味わい深い。

4曲目に入った「あきらめないで」は見せる部分を象徴する曲だと思われる。
私はアイドルに限らず芝居でも演芸でも「盛り込む芸」と言うのがあまり好きではない。 なのでこの曲のような鬼気迫るダンスと言うのも苦手であり、ここを見せ場としゃかりきになられても正直興醒めではあるのだけれど、そうせざるを得ない焦燥と言うもののもあるのだろう。

最後はカップリングの「恋をしてるのきっと」で〆。 こちらも聴かせる佳曲。

閉鎖環境でのライブとなると「見せる」「盛り上がる」に力点が置かれて私が求めるものとは異なってくると思うが、こうした落ち着いて観られる機会には、今後も足を運ぼうと思うし、音源に対価を払おうと思う。

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2013-09-29 「カーツ大佐=指原莉乃」説 [長年日記]

_ UTB+ 2013 11月増刊

川栄李奈
表紙と巻頭グラビア、13ページ12カット、うち見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
顔が大分大人びてすっきりしてきたのと、機嫌の良し悪しが表面に現れにくくなってきたのとで、ハズレの表情が減って打率が向上。
仕草やポーズは単調で、その辺りの面白みは無いが、撮り方次第でさまざまな色に染めやすいと言えないことも無く、光の当て方一つで表情も変わる。
盛大に眩しいと流石に写真にならないが、一寸眩しいくらいだと味のある表情になる。
4ページ目中段などがそうなのだけれど、下瞼が心持ち上がったくらいのカットが良い。
姿勢も悪く、首が据わらないのも相変わらすだが、動物写真の要領で操ると絵になる。

志田未来
来年のカレンダーからの other cut で6ページ8カット、撮影は大江麻貴。
当たり障り無く、上手く撮れた女優グラビア。

真野恵里菜
6ページ8カット、撮影は長野博文。
撮り方も色も長野博文らしい6ページ。
悪くは無いが開けることの出来た引き出しの数が少なく、一寸物足りない。

北原里英
6ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
写真を撮られることに対して構えすぎていたり、逆に思考を停止して呆けてしまったり、カメラと上手く向き合えない時期(それはそれで仕方の無いことではあったが)を漸く脱して、一と皮も二た皮も剥けた感がある。
カメラと正対せずに一寸だけ外す。 レンズを目の端には入れつつ、直接は見ずに意識だけを向ける。 身体から適度に力を抜き、ポーズと仕草に意味を込める。
こうした「文字で書くと簡単そうに見えるが、やるとなると難しいちょっとしたこと」を積み重ねたものが北原里英の魅力となっている。
衣装やメイク、ロケーションを含め、北原を支える部分での「ちょっとしたこと」も含めて良く出来たグラビア。 眼福。

高柳明音
6ページ11カット、撮影は細居幸次郎。
髪型はいつもの「マンガトリオ」的なものだが、固めすぎていないのは良い。
鳥グラビアと銘打ってはいるが、前回のそれほど企画モノっぽくはない。 巻き毛カナリアのような黄色いニットを纏ったカットが良い。
そう言えば高柳、「坑道のカナリア」のようなところもある。 この人が元気に囀っているうちはSKE48も大丈夫。

薮下柊
6ページ10カット、撮影は佐藤裕之。
物怖じしない性格を生かしてカメラと正対させたカットは当たり。
目線を外させるとどこを向いてよいか分からずに意識をカメラに向けすぎるところもあり、すべてが上手く行っている訳ではないが、表情や仕草の柔らかいのは良い。

若月佑美
6ページ7カット、撮影は佐藤裕之。
素でカメラの前に立てる分、撮る側の力量も試されるタイプのモデル。
上手く乗せて撮れている。

星名美津紀
6ページ7カット、見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
「売り」がはっきりしている以上仕方の無いことではあるのだけれど、水着の面積は少なめ。 水着と服を着たものとでの表情の差は小さいので、かなり割り切ってこの仕事をしているのだと思う。
それでも飛び切りの表情は2ページ目中段の服を着たカット。

吉川友
6ページ6カット、撮影は西條彰仁。
カフェオレの広告に合わせてか、白と黒の衣装。
黙っていると綺麗なお姉さんなのであるが、口を開くとかなりのトンチキであるのはオブラートに何重にも包んだような筆致のインタビュー部分からも窺い知れるが、そうしたことで美しさがより際立つように感じられる匙加減の妙。

穴井千尋
指原莉乃企画のHKT48グラビア連載、6ページ8カット。 撮影は長野博文。
例によって指原もオマケで一枚撮って貰っているが、ドス黒い何かを内包しているであろう指原をも白っぽく撮ってしまえる長野魔術。
穴井千尋の「純朴」「生真面目」「押しは弱い」を上手く生かして撮れている。

松岡茉由
4ページ4カット、撮影は佐藤裕之。
何かしらの役を設定したほうがカメラの前に立ちやすい役者属性らしく、カメラと「本人」として向き合うと精彩を欠く感じ。
前半のカメラと向き合わないカットは本領に近いのではないか。

Juice=Juice
6ページ6カット、撮影は本田龍介。
ハロー!プロジェクトらしい、紋切り型顔見世グラビア。
私には退屈でしかないべったべたな写真群であるが、好事家受けしそうな半玉感は出ている。

鈴木愛理
8ページ8カット、撮影は西田幸樹。
鈴木愛理はポーズから仕草から表情から、文句の付けようの無い仕事振り。
西田幸樹も強すぎず弱すぎず、光を上手く廻した手練の技。
欲を言えばもう少し曇っていれば猶良かった。

総評
気が付けば佐藤裕之祭りの様相。
肝心なところでピントを外していた時期、安全策に走りすぎてつまらなくなってしまった時期を経て、非常に良いバランスで撮れているように思う。
忙しすぎて仕事が荒れてしまうことだけが心配である。

_ 週刊プレイボーイ 2013 No.40

川栄李奈
巻頭グラビアの前のオマケ写真集で8ページ18カット、撮影はTakeo Dec.
売りたいイメージに合わせてか馬鹿面中心の構成。 テレビで作られたイメージを敷衍した紙面構成しか出来ないから週刊プレイボーイのグラビアもここまで衰退してしまったと思うのだが、AKB48絡みのものは相変わらずお粗末な出来。
馬鹿で名を成しているうちに「それだけではない部分」を出さないと飽きられるのはあっという間。

吉木りさ
6ページ7カット、見開き1箇所。 撮影は橋本雅司。
屋内で一寸暗めにゴリゴリ撮った、橋本雅司らしいグラビア。 被写体ブレが出たカットもあるが、写真に芯がある。
キャプションの拙さが瑕だが、写真そのものは素晴らしく、雑誌としての地力を感じさせる6ページ。

佐藤すみれ
5ページ4カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
だいぶ以前の話になるが、ヤングマガジンに載った時の水着グラビアが罰ゲームのような陰惨な表情で、この手の仕事はやりたくないのかと思っていたら、さにあらず。 今年に入ってからはブログやツイッターに露出度の高い衣装でも生き生きとした表情の写真を載せるようになってきたので期待して待っていた。
然るに上がってきたグラビアは期待値が大きかったこともあって、一寸残念な出来。
表情も単調で、ポーズや仕草も単調。
ジュニアモデル上がりの苦労人で仕事に対する矜持がある分、撮られることに対する気負いが有り過ぎるのかも知れないし、服ではなく自分を見せるために写真を撮られることへの切り替えが上手く出来ていないようにも思える。
もっと出来る人だとは思うので、次の機会を待ちたい。

2013-09-21 「昼寝をして、起きたら、居た。」 [長年日記]

_ スライド&トークイベント「Making of “私生活”」(tokyoarts gallery)

約2年半に渡った写真集&写真展『私生活』の撮影の裏側、写真の成り立ちを、女優・安達祐実と写真家・桑島智輝、双方の視点より解説します。
芸能生活30周年を迎えるにあたって女優自らが企画した『私生活』。なぜ写真という媒体を選んだのか?どんな気持ちでカメラの前で立っていたのか?見てもらう人たちに何を伝えたいのか?
また、写真家は、彼女の強い思いをどう受け止めて、作品に昇華していったのか?女優と写真家。それぞれの視点から、今回の作品に込めた意図を、写真のスライドショーを元に語って頂きます。

出演者/
安達祐実(女優) 桑島智輝(写真家)
司会:町口景(ブックデザイナー)近田拓郎(週刊プレイボーイ)
写真集の発刊にゴシップを絡められてしまった所為か、マスコミお断りでの開催。 潜り込んでは、いたかも知れない。
限定50名のところ、先週の日曜の夕方に申し込んだ時点で既に40番台だったので、そのあとすぐ定員に達したのだと思う。

15:30過ぎに到着。 整理番号順に並び、入場。 簡易椅子が50脚置かれていて、あとは立ち見。 展示物を幾つか取り除いたスペースにプロジェクターを置き、奥の白壁に投影。
スクリーンノ両脇にモデルとカメラマンヲ配して、週刊プレイボーイの担当編集氏が進行。 撮られた写真について時系列で語って行く。

30周年と言っても、最初は大掛かりに何かをしようとは思っておらず、何人かのカメラマンに撮っておいて貰おうと言う話の中で桑島智輝にオファー。
(安達祐実曰く)「何でも上手く撮れる」桑島智輝には、作り込んだ写真を撮って貰う積もりだった。
依頼通り撮ってはみたものの、「30周年の写真がこれで良いのか?」と疑問を持った桑島は、テリー・リチャードソンがレディー・ガガのワールドツアーに同行して撮った記録写真集を見て現場の裏側を撮ることを思いつき逆提案。
撮影現場から楽屋から、安達祐実の自宅まで。 安達祐実は桑島智輝が居ないものとして過ごし、桑島智輝は気配を消して淡々と撮り続ける。
以下、採ったメモからの書き起こしを箇条書きで。

・撮影初期のもの以外はカラーネガで撮影。
・中盤からカラーネガに切り替え、コニカのビッグミニと35mmの一眼レフを使用。
・終盤は6×4.5を併用し、八丈島撮影分ではモノクロフィルムも使用。
・初めは完全に個人企画で、経費もモデルとカメラマンで折半。
・事務所から話があり、週刊プレイボーイから写真集を出すことが決定してから、八丈島と九十九里で追撮。
・セミヌードは後回しにすると気心が知れて却ってやりにくくなるので、そうなる前に撮影。
・普段の仕事は水着止まりなので、どう撮ったら良いか悩んで色々調べて頭に入れたが、それを一旦棄ててから撮影した。
・白ホリの前で涙を流しているカットは、「泣けますか?」といったらものの数秒で涙が溢れた
・「女優ってスゲー!」と最初に恐れ入った場面であった。
・追撮分は、これまで暖かい感じで撮ってきていたので、真逆なものを撮ろうと思った。
・ラース・フォン・トリアーや五社英雄の作品を見てマイナスの感情を醸成。

やっつけ仕事(AKB48絡みなどで特に酷い)の多い昨今の週刊プレイボーイにしては妙に腰の据わった企画だと思ったら、腰が据わっていたのは安達祐実と桑島智輝であって、持ち込まれた企画を写真集にしたのが週刊プレイボーイだった。
それでも追撮を組んだり、撰びにくいカットを敢えて採用したり、写真展を企画したり、週刊プレイボーイの底力は見られたと思う。
雑誌に載るグラビアや写真集は、モデルとカメラマンだけではなく、事務所の意向や編集者のセンスにも翻弄されることがまま有る。
本人主導の企画と言うこともあるが、採用不採用の基準が写真そのものの良し悪しであるのは極めて珍しい。

「眠るのは好きじゃない。」と語る安達祐実の寝起きを撮ったカットを撮られた側から評して曰く、「昼寝をして、起きたら、居た。」
部屋着のズボンの尻っぺたに無意識に両手を突っ込んだカットなどについて桑島の口から何度か聞かれたのが「これは撮らなきゃ・・・と思った」
クローゼットの前で延々着替えを繰り返してもらったりとか、昼寝をしている横で目覚めるまで待ったりとか、役と本人が渾然となってしまっている一筋縄では行かない被写体をどう撮るか、その試行錯誤と葛藤も桑島智輝の言葉の端々から滲み出る。

こうした無意識下の安達祐実を可視化したのは桑島智輝が初めてなのかもしれない、プリントとして提示された「探さなくてもそこにある『自分』」
30年役者の仕事をしていると、役を演じていることが殆どで、「安達祐実」を演じることすらある。 今回こうして撮って貰うことで、自分の「存在」を確信できたと語っていたが、演じることを生業とし、物心つく前からそれが日常となっている安達祐実にとっては、演じている自分と演じていない自分をひっくるめて「安達祐実」であり、そこに更に「無意識下にある自分」も含めて撮って写真群として見せたことで初めて持てた「自分の存在に対する確信」であったのように思う。
「記録と記憶が一体に」とも感想を述べていた。


右側の壁に飾られていた、モノクロで撮られ、ネガサイズで焼かれた作品が素晴らしかったのだけれど、これらは桑島智輝が写真弘社でプリントまで立ち会ったとのこと。
ここまで突き詰めてプリントしたことはこれまで無かったし、普段はデジタルで撮ったカラーをグレースケール変換することは無いので、今回はモノクロの美しさに驚いたと語っていたが、デジタルでも擬似的には出せるが、この「粒子感」はフィルムならではのもの。
久しぶりに見た「暗室に入りたくなる(焼きたくなる)」素晴らしいプリントだった。

撮り撮られると言う関係性に於いてのみ互いを必要とする、甘美な息苦しさを感じさせる写真展。
明日、23日まで開催。
left

2013-09-16 息苦しくなるくらいの 切なさ [長年日記]

_ 安達祐実写真展『私生活』(tokyoarts gallery)

明治通りの、ちょうど渋谷と恵比寿の中間にある tokyoarts gallery での写真展。 撮影が桑島智輝と言うことで見に行ってきた。

小ぢんまりとしたギャラリーなのだけれど、配置の妙で約30点。 中央に吊り下げられた巨大プリントが目を惹く。
普段の仕事はほぼデジタルだと思うが、カラー・モノクロ取り混ぜてほぼ半数が銀塩。 モノクロの焼きの追い込み方に瞠目。

粗を隠して綺麗に撮ったものと、粗も含めて抉り出すように撮ったものとあるのだけれど、抉り出すように撮りつつも被写体を踏みつけにするような撮り方はしておらず、角栓から皺から下着の痕まで写っていて生々しくは有るのだけれど、野卑ではない。
肌や体形は明らかに成熟した女性のそれであるのだけれど、顔立ちが幼いこともあって撮り方によって如何様にも見え、撮られ慣れすぎていて一筋縄では行かぬ被写体を相手に、あの手この手で実像に迫ろうとする撮影者の執念が感じられる。
モデルを泳がせて撮ったカットとモデルを圧伏せしめて撮ったカットが並存し、どちらも良いのだけれど、普段のグラビア仕事ではまず見られない後者の写真、特に右側の壁に纏めて貼られた6枚に引き込まれる。

写真集の売り上げ次第で或る程度は回収が見込めるにしても、これを撮る労力と時間を想像するだに眩暈がする。
出展作品一覧を見ると、私が惹かれたカットの多くは今年の4月に八丈島で撮られたものが多いようだ。
息苦しくなるくらいの、切なさ。
いやはやなんとも、恐ろしいものを見た。

安達祐実写真展 「私生活」
会期:9月14日(土)- 9月23日(月)11:00 - 20:00(※9/17は休廊)
場所:tokyoarts gallery

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2013-09-14 ちょっとカワイイ!! [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 38号

鞘師里保
巻頭グラビア6ページ17カット。 撮影は細居幸次郎。
大き目の写真の周りに、同じ状況・衣装で撮った小さいカットを並べる構成。 伸び伸び撮られていて、動かしても止めても絵になる。
外で動かして撮った笑顔も良いが、屋内で撮った最初の3ページの素の表情が良い。
露出度低めの衣装だが、それだけに構えたところの無い、柔らかな表情。
2ページ目上段の歯ブラシを咥えた横顔が秀逸。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 39号

指原莉乃
巻頭グラビア7ページ7カット、撮影は桑島智輝。

指原のグラビアでよく目にするのは、無の表情で撮られるに任せているもの。 それでも撮影者や編集者の思惑がよほど上っ滑りしない限りは見られるものになるだけの仕事をやるのが指原。
1stフォトブックで青山裕企に撮らせたものも、下司な企画意図を判った上で負の感情は出さず、撮られるに任せてグラビアを成立させている。
今回はそうした守りの仕事ではなく、生きた指原の表情が見られる。 素材を生かしきった7ページ。

「ああ、くっそ~~相変わらず ちょっとカワイイ!!」

このキャプションが指原莉乃の不思議な魅力を的確に言い表している。 飛び抜けてスタイルが良い訳ではなく、顔立ちも褒めそやすほど整ってもいない、けれど 「ちょっとカワイイ」。 そしてこの「ちょっとカワイイ」ように見える角度が広い。
序盤の白ホリで飛ばし気味に撮ったカットには少々眩しげなものものも有るが、4ページ目以降は柔らかな表情。
諸々の先入観もあり、生娘感には乏しいが擦れつ枯らしの薄汚れた感じもない。 その立たされた位置から不当に低く見られることも多いし、裏方に廻ったほうが良いと言う人も居るが、表舞台でこれだけの仕事を出来ているからこそ、裏方寄りの仕事をしても説得力が出てくる。

指原莉乃は少ないながらも「判ってくれる人」に恵まれている。
6ページ目の、林檎を持ったカットが秀逸。

根岸愛
巻中グラビア5ページ13カット、撮影はTakeo Dec.
体形の美しさは出ているが、フライト(※世間で言うところのライブの意)で見せる凄艶さ、握手会などで見せる引き込まれるような笑顔はこんなものではない。
まだ撮られなれていない硬さは有る。 まぁ、どうしても水着にされてしまうのだけれど、水着以外の衣装もあれば、根岸愛の本領が垣間見られたかも知れない。

竹富聖花
5ページ8カット、撮影は細野晋司。
大人びたところを見せようと言う意図からか、妙にメイクが濃い。
髪のあしらい方なども含めての演出なのだけれど、そうでないカットの方が上がりは良い。
無理な企画が素材を殺した5ページ。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 40号

佐々木希
7ページ16カット、阿部ちづる。
布地面積は少な目の衣装が多いのだけれど、流石に撮り慣れているだけあって構えたところの無い表情。
綺麗に見える角度が広いこともあって、佐々木希の美しさ・可愛らしさは引き出されている。
惜しむらくは構図が凡庸なこと。 色温度や露出に関しても鈍感。
撰ぶ方のセンスの問題もあるが、引いたカットが多い。
服を見せる写真であればこれで良いのだろうけれど、やはりモデルを生かし切れていないもどかしさはある。

二宮芽生
素材が何でもそれなりの質で撮ってしまえる桑島智輝の仕事振りが冴える5ページ5カット。
表情の硬さはあるが、それを生かして撮っている。
「閉鎖空間で打てる手が限られた中で何とかする力」これが何でもソツなくこなしてしまうように見える桑島智輝の「らしさ」なのではないかと思う。

仙石みなみ
巻末グラビア5ページ8カット、撮影は栗山秀作。
眩しがりなのと撮られ慣れていないのとで、出来としては芳しくない。
上唇がめくれ上がるような笑顔も目に付き、及第点は扉ページのみ。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 41号

夏菜
Japan Expo で渡仏した際に撮ったと言う7ページ18カット、撮影は細野晋司。
ここのところ擬似水着グラビア(・・・の、ようなもの)が続いていたが、今回は水着で押す構成。
悪くはないが、さてどこが良いかとなると可もなく不可もなく、一寸困る出来。
表紙は弄り過ぎて薄気味悪い表情。

木元みずき
巻末グラビア5ページ8カット、撮影は桑島智輝。
どう撮っても硬いものをどう撮るか。 その試行錯誤が並ぶ8カット。
5ページ目の横から撮ったものなどは、硬さを初々しさに転化した佳品。
水着にしないと売り上げに結びつきにくいのは判るが、それ故の硬さは出てしまっていて、企画意図が素材を殺してしまっている。

_ 指原莉乃

かなり間が空いてしまったが、グラビアレビュー的なものを再開。
ヤングジャンプ 39号の指原莉乃が非常に良かったので、久しぶりにやる気が出た。
指原さまさまである。

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2013-09-09 [長年日記]

_ 更新情報

コラム置き場にもう1本。

SHIPについて

こちらもミニコミ寄稿分。


2013-09-08 [長年日記]

_ 更新情報

コラム置き場に

成島柳北『柳橋新誌』に学ぶヲタクライフ

をアップロード。
去年の冬コミに出た友人のミニコミに寄稿したものを転載。
「金が無いなりにどう楽しむか」文科系ヲタクの試行錯誤は江戸の昔から。


2013-09-01 夫婦仲よく 三度くふめし [長年日記]

_ 朝錬講談会

室町の日本橋亭で、毎週日曜の朝九時半からやっている講釈の会。
出演者は毎回二人、たっぷり聞けるのが嬉しい。

「蘇生奇談」神田すず
「鈴木久三 鯉の御意見」田辺一乃

春陽さんお休みで代演すずさん。 女流二人になっちゃったんで「うーむ」と思ったのだけれど、女流臭い根多ではなかったので良かった。

ただ、矢張り女流ならではの駄目なところはあって、それは例えば「蘇生奇談」の女房の間男への惚気の中で使う五世団十郎作の狂歌
「たのしみハ 春の桜に 秋の月 夫婦仲よく 三度くふめし」
、これの下の句を「夫婦仲よく 三度食べる御飯とやりやがった、この一とくさりですべては台無し。
「食う」とか「飯」とかを女が言うのはおかしいと思ったら、女性が夫婦の機微を詠んだ何かに差し替えれば良い。

色々と面倒なことも多いので、こと演芸に関しては批判めいたことを大っぴらには書かないようにしていたのだけれど、流石にどうかと思ったので敢えて。


2013-08-25 涜神を目的とした連中には居場所の無い祝祭空間 [長年日記]

_ ハナエ「恋は神聖ローマ」発売記念ミニライブ&サイン会 (8/24 タワーレコード秋葉原店)

17:00頃に現地着、設営と音響チェックのさなか。
しばし時間を潰してから集合時間の少し前に戻ったらまだリハーサルを。 スピーカー1対、足元にモニタースピーカー1台。 ワイヤードのマイク1本(スタンド付)
マイク音量やモニターからの返りなどを入念にチェック。 モニターからの返りは音量だけでなく、スピーカーを置く位置から角度まで。
どうなっているかの確認だけでなく、どうできるかに関する「譲れない線での攻防」。
タワーレコード秋葉原店のイベントスペースは、そう広くは無い店内に無理をして作っているので音響も貧弱。 蜜柑箱に毛が生えた程度の設備なのだけれど、その中で出来ることを突き詰めていく作業を注視。

17:30に整理入場開始。 ほぼ定刻、18:00頃開演。

今日のいでたちは衿と裾に紺のラインが2本入った、セーラーカラーの白いワンピース。 赤く染めた髪に合わせてか、ストラップ付きのパンプスとマニキュアは赤。
赤く染めたと言う髪は色が抜けたのか足したのか、毛先に向かって段階的に黒から赤へ。 その左側頭部にも革製の赤いリボン。 パンプスの留め具にもリボン。
ワンピースの薄手の白い布地が絹なのか化繊なのか、ストッキングは何デニールなのか、耳元で揺れるのはピアスなのかイヤリングなのか、ブレスレットやリングの材質は何なのか。
疎い私が見ても感心するのだから、目の肥えた人が見るとより多くの発見があるのだと思う。

顔のパーツは前を向いた造りなのだけれど、綺麗に見える角度は思いのほか広い。
横顔の美しさに息を呑む。
これ見よがしの上手さはないので分かり難いのであるが、リハーサルでも本番でもCDで聴いてもほぼ均質。 高いレベルで安定した歌唱。
括りとしては「ウィスパーヴォイス」になるが、あざと過ぎないのも良い。
たまにリズムが蹴躓くこともあるのだけれど、顔には出さないしいつの間にか元に戻している。 しれっと巧い。
会場全体に目配りはしつつ、殺しには行かない。 メモを採っているのも激しく踊っているのも視野には収めつつ、目は留めない。
手拍子を促したり、振り付け講座を織り込んだりしつつ、ラインダンスや肩組みを強要したりはしないので、安心して観ていられるのは嬉しい。

客の女子率は高く、総じて身綺麗。 男性客はヲタヲタしいのと、そうでもないのと混在。
振りコピーも大人しく、悪目立ちしようとするのも、場のヘゲモニーを巡っての生臭い駆け引きも無い。
場を客が支配することは主たる客層から(おそらく本人からも)許容されないであろうし、CDの大量購入の見返りとしての濃厚接触も望めないので、そういった事を目的とした向きは縁無き衆生であると思う。
投資金額に見合った見返りを求める「竹取物語」的な擬似恋愛は成立しないし、涜神を目的とした連中には居場所の無い祝祭空間。
ただ濃厚接触はないにしても、今回のイベントに於ける「サイン会」のような場は設けてあるし、今後もそうであろうと思われる。
見目麗しき乙女が歌い踊るさまを愛でることを好む向きには受けるのではないかと思う。
老境に差し掛からないと解らないかもしれないが、眩しすぎるものは適度な距離をとって眺めたい。
身も心も(そして財布も)疲弊しない楽しみ方はあり、それに適した現場であるようにも思った。

半月前に買ったCDが鞄の中に入っているはずも無く、接触も苦手なので終演後のサイン会は回避。
計4曲のミニライブではあったが、満足度も高く。

_ 「はちきんガールズ サバイバルライブ2013 上野の西郷さん観てますか? アホといわれて燃えちゅうき!」(8/18 上野公園水上音楽堂)

高知のアイドルはちきんガールズの東京での初のワンマンライブ。 企業や自治体とのタイアップが多いからか、なんと観覧無料。
友人がドッ嵌りしていて面白そうなので出かけてみた。

川村あやの(はちきんガールズ)
ペンタックスK-10D+チノン200mm/f3.5 iso=400

無料ということもあってか、満員とは行かぬまでもなかなかの入り。
15時開演と言う事で西日が射し込みつつあり、陽が当たっているところは暑そうだったが、始まる頃には翳るであろうと見込みをつけたあたりに陣取ってみる。
なるほど陽射しはまだ強いが、吹き抜ける風は既に秋のそれで、耐えられなくはない程度の暑さ。

ほぼ定刻に始まり、衣装を頻繁に変えたり小芝居を挟んだりしつつ、たっぷり2時間。
土佐っぽらしい過剰さに多少辟易しつつも楽しく観覧。

友人は「良いと思うんだけど、みんな来ないんだよねぇ・・・。」とボヤいていたが、なぜそうなのか観て分かった。 これは生で観ないと伝わりにくい、「生もの」の魅力。

前述の通りで企業や自治体とのタイアップやらなにやらが多く、コマーシャルソング的なものが持ち歌の大半を占めるのだけれど、それの出来が非常に良い。
益田太郎冠者から三木鶏郎やキダタローに至る流れの末にあるような、明るく楽しい楽曲群。 一度聴くと耳から離れない。

動きは激しく移動も多いので昭和の装備と技術でやっている私などはなかなかどうして辛いのだけれど、それだけに撮り甲斐もある。
兎に角「生もの」なので実物を観ていただくのが一番なのであるが、客が撮った動画が沢山あるので、まずはそちらを検索していただきたい。

私の撮った写真はこのあたりに。

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2013-08-17 重馬場に強い岡崎みさと [長年日記]

_ やっぱりここでも メグリアイ厨!

無料ということもあってか、集客は心持ち多め。 ここのところ確実につばなれするようにはなってきた。
押上という場所柄、他所から廻しにくいのが難と言えば難なのだけれど、視聴環境としては快適で費用対効果の面から考えれば良い現場だと思う。

帰省中の浅原がお休みで、ほぼレギュラーメンバー。

今回は全篇ライブと言う事で、自己紹介を軽くしておいてライブへ。

山中が今日の衣装のブーツを忘れてしまって、一人だけサンダル。 二週連続のオチ要員。
4期が入ってから見違えてよくなっていて、振りも大きくなって表情も良い。

白鳥ぬきの五人で始まり、白鳥in山田outでさらに何曲か。

4期の二人はだいぶ良くなってきていて、移動はまだ覚束ないところもあるが、振りに関しては身体に入ってきている。

白鳥は漸く動ける身体になってきて、踵を飛ばしてステップを踏めるようになってきた。
移動する段になると表情が素に戻ってこれから行く場所を凝視する癖は早めに直したほうが良いが、心が折れたのを表情に出さなくなったのは良い。

佐々木は歌っている最中に客目線になってしまうようなところが無くなり、とりあへずもっともらしい顔で踊れるようになってきた。
舞台に居ることを楽しんでしまう笑顔と、舞台に立てる喜びから出た笑顔は似て異なる。 佐々木は今、過渡期にある。

坂本の表情が途中から曇りだして、涙目になっていたが気になった。
努めて明るく振舞おうとはしていたし、歌って踊っての部分に関しては貶すところも無いのだけれど、隠せるものは隠してもらったほうが楽しく見られる。
ライブのさなかに起こったことであれば仕方が無いし、思ったように出来ないもどかしさから来る懊悩からくる涙であるようにも感じられたのだけれど、もしライブの前に起こった何かが原因なのであれば、ライブの前に切り替えたほうが良い。

ワイヤレスマイクの調子も悪く、スイッチがONになっていても電源が入ったり入らなかったりする場面が多く見られたのだけれど、不測の事態で開いた穴を埋めようとする意識が共有されていて、機材トラブルとしては深刻なレベルではあったものの、ライブとしては大過なく。
そんな状況にあっても岡崎みさとは何事も無かったかのような通常営業。 見掛けによらず重馬場に強い。

頑張りすぎたのか山田渚は過呼吸になってしまったようで、物販はお休み。

後味の悪さはありつつ、見応えはあるライブだった。

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2013-08-16 二回廻し [長年日記]

_ 小桃音まいメジャーデビューシングル発売記念ミニライブ

所謂「ガンダム前

にて、「BANG BANG 鼓笛サンバ」の発売記念ミニライブ。
バスの乗り継ぎに手間取って、付いた頃には始まってしまっていたが、小桃音まいは今日も隙の無い仕事っぷり。
バックにシブヤDOMINIONの連中を従えて歌い踊っても、小桃音まいだけ際立って美しい動き。 上手さでも激しさでもなく、「美しさ」

放熱も通気も悪そうな衣装ながら、表情にはそれを出さない。

短時間ながら唸らされた。

_ 『choice?×モバダビ賞』 ライブステージ

大井競馬場のトゥインクルレースに合わせてRizumuとchoice?のミニライブ。
大井町と大森から無料バスが出ているのは知っていたが、トゥインクルレース期間と年末は錦糸町からハトバスが出ているようだ。

大井競馬は鉄火場の雰囲気は残しつつ、家族で来られる場所としての設備も整えており、目を血走らせた親父客と家族連れが並存。

まだまだ暑く、日差しも強いが、海が近いこともあってか吹き抜ける風はすでに秋のそれで、日陰に居る分には過ごしやすい。
ライブが始まる頃には日も暮れた。

レースとレースの間にやるミニライブなので、Rizumuが1曲choice?が2曲。 終演後にアトラクションをみっちりやって、すぐにまたミニライブという構成。


舞台袖にスピーカー1対、足元にモニタースピーカー1対、出演者はなぜか腰に付けた受信機から伸びるイヤフォンを耳につけていた。

アトラクションは流石に訳知りばかりだったようだが、ライブそのものは一見さんも多く、親がお馬さんの競走に夢中で子供はほったらかされている傾向の家族が多かったこともあってか、子供が多かったのが印象に残った。

フィノリアファクトリーの楽曲は、オケもペラッペラで曲もベタ、歌のほうも上手くはないのだけれど、バランスが非常に良い。 聴いていると妙に耳に残るし、見ていても楽しい。



この他の写真はこのへんに。

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2013-08-10 薄の簪 [長年日記]

_ WALLOP放送局『やっぱりここでも メグリアイ厨!』浴衣SP

浴衣スペシャルということで、浴衣や甚平の客もちらほら。

浴衣でライブとなると、襷十字に綾なして、裾も端折ってねぶた祭りの跳ね人みたいにしてしまうことがままあるが、その轍は踏まず普通に着付け。
浴衣を普通に着付けたままライブをやってしまって色々あった反省は生かしているようだ。
放送部分はミニゲーム大会、エクストラタイムは大人しめな曲を選って3曲。

浴衣でゲーム大会は企画もきちんと練ってあって恙無く進行していたのだけれど、コップに注いだコーラを細長い紐状のストローで早飲みをするところで、貧血でも起こしたのかよろめいてへたり込んだ白鳥がカットアウト気味にフェードアウト。
浅原や坂本が機転を利かせて繋ぎ、コメディリリーフ的な役回りになっていた山中がきっちり演りきったこともあって、白鳥が居なくなってしまっても何とか最後までもたせていた。

その山中、本当に着られる浴衣が無かったのかもしれないが、つんつるてんの子供用浴衣におさげ髪、自分は山中香穂ではなく「座敷童である」と頑なに言い張り、その設定で進行。 これが実に良かった。

浴衣は全般的に着付けがだらしなく、ちょっとよろしくない。
坂本は着付けも美しく、頭のてっぺんからつま先までコーディネートが行き届いていて実に良かった。
胸高に帯を締めた佐々木と、すっきり着付けた岡崎と浅原はまぁ及第点。
ただ帯の下に前板を入れていないので帯が撚れてしまっていた。
山田と白鳥は体形を和服に合わせる為の小道具を端折った為に着崩れてしまっていたのと、帯を結ぶ位置が低いのとで、「温泉宿で火事に遭った避難民」みたいになってしまっていた。
髪型や浴衣と帯の色遣いは良かっただけに画竜点睛を欠いた感。

帯の締め方、衿の合わせ方は年齢や職業によって異なるのだけれど、アイドルという職業にある場合は衿をしっかり合わせて胸高に締めるべき。
このあたりは本人ではなく送り手の責任に係る部分。
着付けの出来る人を一人確保しておいて、時間に余裕を持って控え室で順繰りに着付けると着崩れないし、足りない物があっても調達すれば対処出来る。
最近はめんどくさがりな若者に迎合して前板やアンコを端折るような教え方をする呉服屋すらいるので、知らなくても仕方が無いのだけれど、美しく着るためには面倒なあれこれも必要になる。
特に見られる商売なら猶のこと。

前述の通りで、エクストラタイムのライブは大人しめなところから3曲。
沸ければカラオケでも良いくらいの人々には物足りなく思われる選曲だったかもしれないが、偶にはこう言う「聴かせるライブ」も良い。

佐々木は振りが身体に入ってきたらしく、考えずに踊れていた。 「見る側の人」になって楽しんでしまうようなところも無く、終始自然な笑顔。
これからが楽しみ。

リーダーと言う物が存在しないメグリアイの場合、新しくメンバーが入ってきた際にどこまで自由にさせてどこから縛るか。 慣れてきたところで筋は通す必要性が出てくると思うのだけれど、その嫌われ役を誰が背負うのか、また背負わせるのか。
これも送り手が決めなければならない事のひとつ。 さて、どうなりますか。


2013-08-02 「ほぼ同期の麻里子」 [長年日記]

_ Club333 Night View DJ(担当:宇佐美友紀)

宇佐美にしては告知が早かったので、万障繰り合わせて東京タワーへ。


19:30ころ、アシスタントのミズノ氏とともに登場。 入りが遅いので多少不安はあったが、始まるまで進行表を読み込んだり、要所々々になにやら書き込んだりして過ごし、始まってしまえば流石の仕事ぶり。

自己紹介では、今やっている声の仕事についてさらりと。
「司会とパーソナリティーのお仕事」
・・・のような言い回し。

張らなくても通る声、リクエストカードに書き込まれた一寸したエピソードから話を拡げる機転と技術。 紆余曲折あったが、喋る仕事で食えているのにも納得。

bayfm でやっている昼の番組のリスナーらしき人からのリクエストがAKB48の曲で、宇佐美にしては珍しくAKB48に居た頃の話など。
当時からの古い客がちらほら居たからかもしれないが、宇佐美難民仲間の友人も初耳であるような話をしていた。

ミズノ氏が最初から居た子達も少なくなっちゃいましたね・・・と振って篠田の話になったのだけれど、「ほぼ同期の麻里子が」と言っていたのが妙に可笑しかった。

場所柄、常識のない野暮なのが通りかかって騒ぐこともあるのだけれど、声を張ったり厭な顔をしたりせず、終始淡々と。
小さなネタからも話を膨らませることが出来るのだけれど、隙間を無理に埋めようとする焦燥感は無く、ゆったりしたペースで進行。
以前は機転こそ利くものの言葉の選び方が些か雑だったりもしたが、声のトーンも抑えて適度なしとやかさ。

リクエストカードを書いたり読まれたりするのには慣れていたはずなのだけれど、こと宇佐美に読まれるとなると妙なこそぱゆさがあり、我ながら驚いた。


2013-07-28 再開 [長年日記]

_ UTB 2013 2月号(1/27の続き)

寝かせすぎたものを掻い摘んでの更新。

梶谷桃子
4ページ4カット、撮影は西田幸樹。
衣装に合わせて黒バック、グレーバック、白バックで1カットずつ。
屋外でもう1カット。
曇天の西田幸樹に矢張りハズレは無く、柔らかく廻った光を生かして風に靡く髪も美しく。
惜しむらくはバックのボケが美しくないことであるが、これはまぁ仕方が無い。

福田花音
6ページ8カット、撮影はHIROKAZU。
ピーカンの浜辺で撮ったものなどは、矢張り眩しさで固まってしまったようなところもあるが、波打ち際で撮ったものは、眩しげでありつつ表情も生きており、波も躍って面白く。

鞘師里保
6ページ16カット、撮影は西田幸樹。
スタジオの中で踊らせたものの中から、一枚で目を惹くものを見開きに、並べることで連続性の伝わるものを大小とりまぜて、こちらも見開きで見せる。
静止画像でも伝わる躍動感。
最後に屋外で1カット。
西田幸樹の頭上には、常に柔らかく光を回す雲があってほしい。

真野恵里菜・矢島舞美
7ページ13カット、撮影は佐藤裕之。
ハロープロジェクトを離れる真野恵里菜、その記念企画の3回目。
正しく相乗効果、一人だと出さない種類の表情を二人とも出している。
佐藤裕之は、一時期易きに流れたようなヤッツケ仕事が目に付いたが、ここのところ再び高いレベルで安定。
窓から入る光を生かした屋内のカットは矢張り上手い。

_ UTB+ 2013 3月増刊

松井玲奈
表紙と巻頭グラビア、10ページ11カット(うち見開き1箇所)、おまけピンナップがついて来る。
一見儚げでありつつ芯は強く、静かな侠気と狂気を内に湛えている松井玲奈の、主に商売用の「食べやすい部分」を切り取ったグラビア。
ところどころにうっすらと「本当はおそろしい」部分が見え隠れ。

橋本愛
7ページ6カット、うち見開き1箇所。 撮影はサトウ ノブタカ。
射すくめるような眼差しとどう向き合うか、正面から受けるか、かわすか、受けつつ流すか。 実験めいた6カット。
サトウ ノブタカがどんな答えを導き出したのかはわからないが、カメラを見るような見ないような、それでいて意識はしているようなカットが良く撮れている。
体形には色気が無いので、薄着をすればする程色気は無くなり、厚着をすればする程艶が増す不思議。

峯岸みなみ
7ページ7カット、撮影は山口勝巳。
思えばこれがロバート・キャパの撮った「ナチ協力者の女性」みたような陰惨な姿を晒す前の最後のグラビアと言う事になる。
山口勝巳らしい「人間のブツ撮り」で見られるものにはなっているが、峯岸みなみの病的なまでのカラーコンタクト依存が、表情を薄気味悪いものにしている。
「求められる峯岸みなみ」を演じ続けた結果がこれなのかも知れないが、こんな死んだ目をした峯岸には、なんの魅力も感じない。

河西智美
6ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
撮影した日の前後の出来事を知っているが故の先入観かもしれないが、どことなく抜けたような惚けたような表情。
河西のグラビアは、こうした素材そのものを生かす構成のものがあまり無く、どうしても奇を衒ったようなものになりがちで、それは全部秋元康が悪いのだけれど、AKB48の頸木から逃れられれば、またこうしたものが見られるかもしれない。
2カット目の横顔が良い。 遅きに失したが、こう言う河西智美が見たかった。
そして最後のカット、何気なく絡めた指と指から立ち上る色気。 こう言うものは企画先行で型に填めたなグラビアでは出ない。

田島芽瑠
6ページ5カット、撮影は栗山秀作。
指原莉乃プロデュースのHKT48連載グラビア。
例によって指原と1カット、あとは田島だけで4カット。
指原莉乃の良いところは、型に填めすぎないところ。
残っている客気質、まぁこれは一生涯消えないと思うのであるが、それが生かされている。
田島の良さの「わかりやすい部分」を引き出して入り口を作るのが指原の仕事であり、それを理解してやっているから厭味が無い。

谷川愛梨
6ページ6カット、撮影は桑島智輝。
この人らしい卒の無い的確な仕事。

古畑奈和
5ページ5カット、撮影は熊谷貫。
握手会対応であったり、アイドルの接客業としての部分が持ち上げられる方面には興味が持てないのでその良さが分からなかったが、熊谷貫と真正面から向き合ってたじろがずに居られた事は評価できる。

刈谷友衣子
5ページ5カット、撮影は丸谷嘉長。
メイク薄めで本質を抉るようでいて、綺麗事の枠からは出ない丸谷嘉長らしい仕事。

工藤綾乃
白ホリで5ページ5カット、撮影は栗山秀作。
地元に住み続けつつ、東京で仕事をする工藤綾乃と、栗山の肌色表現の相性の良さ。

杉咲花
4ページ7カット、撮影は長野博文。
幼女から少女へ移ろいゆく季節の記録。
フォトテクニックデジタルに於ける長野の連載とは違う色味だが、私はこちらの方が好み。
1カット目が秀逸。
スティーグリッツの初期の手持ちポートレートに、こんな感じのものがあったような気がする。

宮元佳林・浜浦綾乃
5ページ7カット、撮影は佐藤裕之。
3ページ目左下などが秀逸。 一寸暗めの場所でも光の捉まえ方・廻し方の上手さ。

石田亜佑美
5ページ7カット、撮影は長野博文。
杉咲花のものと較べると、より客先(アップフロント)の要望に沿ったような色味になっているが、それでも構図や光の廻し方は長野風味になっており、一定以上の水準にはなっているのが凄い。
7カット目、坂の上で振り向いたカットなどは、実に上手い。

福田花音・和田彩花
5ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
1カット目。 窓から差し込む光をバックに置いて向き合わせたカットが良い。
昼間の屋外で撮ったものも良いのだけれど、矢張り夜であったり暗めの屋内であったり、光源が限られた状況下の方が佐藤裕之らしさは出るように思う。

真野恵里菜
7ページ9カット、見開き1箇所。 撮影は西田幸樹。
屋内撮影分も勿論良いのだけれど、2ページ目と3ページ目の晴れた日の街の中で撮ったものに唸る。 強い日差しの中で、その強い日差しは生かしつつ、ここまで柔らかく切り取れるとは。
撮る方もモデルも大変だったと思うが、印刷屋も泣いたであろうし、編集も胃が痛くなったのではないかと推察される。
そしてそこまでしたくなる真野恵里菜と言う素材。

道重さゆみ
最新写真集からの7ページ7カット、撮影は西田幸樹。
こちらもよくよく見るとナンダコリャな光の廻し方をしているカットがあり、見れば見るほど頭が痛くなる。
ハロープロジェクト方面の仕事に関しては如何なものかと思う事もあるが、真野恵里菜にしても道重さゆみにしても、こうして「きちんと手間を掛けて撮って貰える機会」があると言うのは、実に幸せな事だと思う。
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2013-07-24 夏バテ貧乏 [長年日記]

_ 更新情報

あれこれ滞る中、コラム的ななにかを二本更新。

アイドルイベントに行けない事を嘆く余り世間を呪詛する下らない人生への処方箋

阿鼻叫喚愛国無罪系視野狭窄馬鹿乱痴気地獄

 メグリアイも客民度としてはマシな部類だと思うし、あまり不快な出来事も無いのだけれど、度し難いバカの馬鹿さ加減は底無し。


2013-07-17 阿鼻叫喚愛国無罪系視野狭窄馬鹿乱痴気地獄 [長年日記]

_ 山田渚生誕記念メグリアイ ミニライブ@WALLOP放送局

少し早めに押上へ。 今日は表題の通りの特別編成で木戸銭なしの無料開放。
そんなこともあってか、札止めとまでは行かぬまでも結構な入り。
高校生組も試験期間終了、東京近郊在住のメンバー総出演。 3期までのメンバーはピンク迷彩のスカートにメグイアイTシャツ、足元は黒のブーツ。 4期生はチュチュみたいなスカートにメグリアイTシャツ、足元は編上靴。 山田渚はシャツイン、岡崎みさとはキュッと結んだり、Tシャツの裾はそれぞれが趣向を凝らしてアレンジ。

ダンスレッスンをしてからのライブと言う事で、三期までの「いつもの五人」はいつも以上に揃っていたし、四期の二人も目に見えて動きが良くなっていた。
まだまだ上手いと迄は言えないが、大分カタチにはなってきたし動きにもキレが出てきた。 何より表情が良い、生きている。

本日の主役であるところの山田くんは衣装替え以外は出ずっぱりで、三期と四期が出たり入ったりする構成。
裏でやるレッスンはレッスンで大切なのだけれど、客前で演るのが一番の稽古になる。 対バンのライブだとまだ戦力にはなりにくい状況にある四期のメンバーもここでなら出る機会は有る訳で、舞台に立つ機会を大切にして欲しい。

山田くんの二十歳の抱負は「宿題をやる」であったり「平仮名を書けるようになろう」であったり、「苦手な平仮名は"ね"と"れ"と"ぬ"」であったり、与太郎感たっぷりではあったが、物心ついてから台湾海峡を渡ってこちらに来て苦労してきた訳で、それを考えるとなんともいじらしい。

ソロ曲の「迷宮Fantasia」。 客前で演る機会も少ないと思うが、以前見た時より歌いこなせていたし、間奏部分で裏に駆け込んで戻ってきて客席にメッセージカードを(文字通り)ぶちまけたり、山田くんらしさのでた微笑ましい光景。

例によって愛国無罪系視野狭窄馬鹿の乱痴気(これは別項にて)もあり、愉快な事ばかりではなかったが、全体としては楽しく和やかに推移。
次回は8/10とのこと。

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2013-07-08 明るい退廃 [長年日記]

_ ハナエ ミニLIVE -たなばたえでぃしょん!-

今度出るシングルのタイトルに惹かれてサンシャインシティ噴水広場へ。
コニカミノルタが協賛している七夕飾りが広場を彩る。

調べても研音検閲済の情報しか出てこないので些か隔靴掻痒の感はあるが、モデルで歌手。 出自としては歌手寄りと言う事になろうか。

モデルとしてのファンか、それともタイアップで付いたアニメ方面か、それとも可愛ければ何にでも食いつくアイドル客か。 客席を見渡しても主たる客層が読めないのだけれど、女子率は高い。
椅子席の二列目三列目に「憧れ凝視系中高生女子」、最前列には座らない(座れない)奥床しさ。
アイドルの現場で見かけるような客もチラホラ。 大人しく観ている女性客が多い中、郷に入って郷に従える客と、それが出来ないで光り物振り回すしか能が無いのと対照的。 沸きゃ良いって物でも無いのだけれど、それを理解する力が無い。

大手らしく、浴衣のお姉さんの司会付き。 諸注意のあと、本日の主役を呼び込む。
これまでに出したシングルから先ず2曲、最新シングルのタイトルチューンである「恋は神聖ローマ」のあと、最後にカップリングの「変幻ジーザス」。

「変幻ジーザス」は手持ちマイクで歌う振り付きの曲。 マイクスタンドを端に寄せてから振り付け講座。
それまで固まって観ていた客が見る間にほぐれ出す。
件の中高生女子たちも、始めはぎこちなく小さく、そして次第に大きく動き出す。

歌は程よく上手く、あざと過ぎないウィスパーヴォイス。 振りも歌を阻害する激しさは無く、挙措も綺麗。 盛り上がることを強要しないが、押すべき所は押してなだらかに盛り上がって行く。
「馬鹿騒ぎ≒盛り上がり」としか捉えられない短絡的馬鹿が送り手にも客にも余りに多いが、静かに観て・聴いていても満足出来るものも在る。

リリース日の7月24日には、渋谷の2.5Dでリリースイベントとのこと。
現場に行っても勿論楽しめるが、2.5Dの配信は兎に角質が高いので、どちらも見ておいて損は無い。

参考:ハナエ オフィシャルサイト

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2013-07-06 客の民度 [長年日記]

_ WALLOP放送局『やっぱりここでも メグリアイ厨!』

坂本樹莉の誕生日当日で、事前にその旨告知があった爲か、いつもより早め・多めの集客。
リハーサルは坂本のみで念入りに。

遠隔地の高田と試験期間中であろうと思われる佐々木がお休み、それ以外の6人が出演。

今回は制服ライブと言う事で、それぞれが持ち寄ったホンモノであったりインチキであったりする制服を着用。

岡崎と山中がセーラー服だったのだけれど、都会的に洗練された岡崎のものに対し、山中のものは極めてオーソドックスなセーラー服で、且つ丈を短く見せる為にウエストのところを折り込んであり、妙にツボに嵌まった。
客席からは見えてしまっていたのだけれど、ライブが一通り終わるまで気付かなかったようで、それだけ集中していたと言う事でもあり、私が見始めた頃の「不安そうな表情」が無くなったのは良い。

本人は気付いていないが当然周囲は気付いていて、笑いを堪える浅原が大変そうだった。
長袖のブラウスを三分ほど捲っていて、細かくお洒落。
浅原は進行についてもしっかりしていて、一寸時間が空いてしまったところで間繋ぎの助け舟をだしたり。 居るだけで安心感がある。

そんなこんなで鼻の下伸ばして観ていたら、蹴り上げる振り付けで勢い余って脱げた山田渚のローファーが飛んで来て向う脛に当たる奇禍に見舞われたり。
山田渚は伸び伸び踊っているので、脱げた靴にも勢いがあった。
(靴の甲に、なにやら溢した赤ペンキらしきものが付いているのが「らしく」あった。)

白鳥愛花はこの世の終わりみたいな表情をしていてどうなるかと思ったが、動きに切れが出てきた。
午前中に初の対バンライブ出演だったようで、そこでの出来を引き摺っていたのかもしれないが、着実に良くなってはいる。
今のところ上手くは無いし、トチリが目に付いたりもするのだけれど、それは「目を惹く」と言う事であって、華があるからこそなのである。
ステップも爪先で刻めるようになってきたので、上手く動けるようになればそこから先は早いと思う。

岡崎は試験期間中のストレスを晴らすような動き。 脚が長く、重心も高いのに安定している。
居るだけで有り難い、眼福。

坂本は気合の入り方が違っていて、ライブ本編も良かったし、最後の3曲をスペシャルライブとして一人で演り切ったのは大きかった。
緊張を隠すためか何時に無く饒舌だったり、進行表を手に持ちっぱなしだったり、ぎこちなさが出ている部分もあったが、歌も安定していたし、この道でやって行く覚悟を示した15分であったように思う。

ライブ本編は全5曲。 山中と浅原と白鳥が出たり入ったりする構成。
AKB48の「代わりはいくらでもいるんだ」式の研究生磨り潰して残ったのだけ使うような育成法ではなく、もう少し地道に育てて頂きたいと、切に思う。

ライブそのものは良く練られていて見応えもあったが、坂本生誕で舞い上がった一部の客が立ち上がって騒ぎ出したのは頂けなかった。
ライブに収録が入るのではなく、収録の際にライブをやっているのであって、カメラの前に立ち塞がるなど常識があればやれないのだけれど、それが無いから困る。

ステージ右端にモニターが置いてあって、どんな構図切ってどう流しているか判るのだけれど、馬鹿が立ち上がっちゃって以降は中央のカメラが使えず、左右から坂本のアップを交互に撮るような感じで、苦労してやっているのが見て取れた。
岡崎生誕の時にはこうはならなかった訳で、付いた客の民度で足を引っ張られるというのも、坂本にとって惨い話ではある。


2013-06-25 [長年日記]

_ BABYMETAL 「メギツネ」リリースイベント(追記)

ステージの設置箇所が観覧エリアに対して極端に上手寄りだったのだけれど、@JAMや以前行われたasfi主催のものもそうだったので、会場都合によるものなのかもしれない。
変わっていた点としては、ステージの床。 @JAMではカーペット状のものが敷かれていたが、BABYMETALではアルミの床が剥き出しになっていた。
カーペットが有った方が滑りにくいが、靴底が引っ掛かって踊りにくく、足首にも負担が掛かるので、剥がして正解。
舞台前縁に置かれたお立ち台はテープで固定していて少々危なっかしかったが、上がる人の体重が軽いのでそれでも良いと判断したのであろう。

あらかた準備が整ったところで、舞台にはブルーシートが掛けられた。 とりあへず雨の降る気配は無かったが、予報は不安定であり、都心部ではゲリラ豪雨が発生していたので予防措置としては的確。
開演時間が迫り、ブルーシートを剥がした後はタオルで床を拭いていた。 こういう心遣いが有って然るべきなのだけれど、出来ない業者の方が多い。

舞台側面や後方の階段など、観覧できない場所を早めに明確化し、小まめに目配り声掛けをして人を滞留させないようにしていたので、そちらの仕事は一人で足りており、舞台周りに人員を集中出来ていたから、比較的少人数でも対処できたのだと思う。

柵押さえ要員は、一枚につき一人で始まり、状況に応じて増員。
ただ押さえるだけではなく、暴れる客にもこまめに声を掛けて熱くなり過ぎぬように制御。
最悪の事態を想定しつつ、そうならない様に講じた対策が意図通りに効いていた。

声を荒げず、客前でバタバタせず、手持ち無沙汰にうろうろしているようなのが居ないから、馴れ合いで甘い汁を吸おうとする客にも付け入る隙は無いし、舐められることも無い。
以前、噴水広場で岩佐美咲のイベントを見た時もそうだったのだけれど、ちゃんとした事務所のイベントでは、全員が全員何かしら仕事をしていて、客とスタッフの二股膏薬でヘラヘラしているようなのはいない。

コールも振り真似もヲタヲタしくないオーソドックスなもので、揃ってもいるのだけれど、コールはCDに収録されている合いの手をなぞっただけの教科書通りのもので、このあたり我が国の支配されるのが上手い(そしてそれを好む)国民性をよく理解して作っている。
興奮し、陶酔した群集が統率されつつ熱狂する様は、レニ・リーフェンシュタールの「意志の勝利」に通ずるものがあり、背後に聳え立つガンダムは、さながらシュペーアの「光の塔」(あれは別の映画であるが)。

舞台上には左右1対しかお立ち台は無かったのだけれど、佳境に入ったところでスタッフが入り捌けに使う階段を運び込んで、中元すず香を手招き。 登らせて煽る演出。
柵押さえにあらかたスタッフを投入しつくした状態で更に煽らせる人の悪さ。
大丈夫だと踏んでのことだと思うが、きっちり状況判断が出来た上なので博打にはなっていない。
全曲終わって捌けようとする三人を呼び戻してもう一度お立ち台に登らせ、最後に一と煽りくれる演出も上手く嵌まっていた。

客と送り手は共犯関係にはなく、客が一方的に踊らされる様は、当事者としてではなく、観察者として見ている分には非常に面白い見世物であった。

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2013-06-23 21世紀の国策産業ロックアイドル [長年日記]

_ BABYMETAL 「メギツネ」リリースイベント(ダイバーシティ東京 プラザ フェスティバル広場)

新曲のPVが良く出来ており、生で見たくなったのでバスに揺られて連日のお台場。
大手の仕掛けるメジャーレーベルのアイドルと言う事で早めには行ったのだけれど、無茶な混み様。
圧縮とモッシュで阿鼻叫喚の巷と化すことが目に見えている優先観覧エリアを避けると、上手・下手の後方から見るほか無いのだけれど、既に鈴なり。 なんとか端のほうに潜り込む。

ステージの基本構成は@JAMと変わらないのだけれど、設営し直したのか表面はアルミ板むき出しのもの。 舞台前縁の上手と下手にお立ち台、スピーカーは2対、モニタースピーカー1対、LEDスポットライト4対。
イベントで使えるスペースを大きく囲い、舞台側面部分と後方の階段部分を殺して、観覧スペースを舞台正面に集約。
最前列にはプラスチック柵を紐で縛って繋げたものを並べ、一枚に一人押さえ要員を投入。 暴れそうな客を分散しないのが上手い。
開演前にスタッフが出てきて諸注意など。 「いつもと(ライブハウスと)違って柵が華奢なので前に押さないでね」「柵が壊れたらイベント中止だから程ほどにね」的な釘挿し。
これも「言ったから押さない」とは全く考えておらず、イベントが中止になった場合の責任の所在を明らかにしておくための伏線。

18:30を少し過ぎて開演。 タイトルチューンを含めて3曲と、文字通りのミニライブではあったのだけれど、この曲数と接客業としての側面を削り落とした販売戦略でも、広めに取った観覧エリアを埋められるのは流石。

然しながら何もかも作り込まれた上での、管理された盛り上がりから来る厭な感じからか、没入して見ることは無かった。

側面と階段部分に客を入れないから警備人員をステージ正面に集中できるから客が多少暴れても制圧できるし、暴れているように見える客もCDに予め吹き込まれている合いの手しか入れないから何か起こっても対処しやすい。
全てはアミューズと言うお釈迦様の掌の上での出来事。

教科書に書いてあることをなぞっていれば自動的に盛り上がれるし。その予定調和にさえ逆らわなければリスクを負わずに派手に騒いだような満足感が得られる。
突撃隊しかり紅衛兵しかり、こういう手合いは制御しきれなくなったら容赦なく切られるのが常なのであるが、群衆の中に身を置いているうちはそれにも気づかずに済む。

言うまでもなく歌もダンスもしっかり仕込まれており、金の取れる見世物にはなっているのだけれど、下から大人が出した指示に従って煽ったりするのを見てしまうと、「これは私の欲するものでは無いな」・・・と痛感。

今日のベビーメタルを分からない人には分からないように説明すると、「ニュルンベルク党大会を賑やかしにきた興亜三人娘」と言った感じ。産業アイドルと言うより国策アイドルの臭い。レニ・リーフェンシュタールにPVを撮らせたい。

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2013-06-22 漫研で生徒会だったおりこう馬鹿のヒステリーにゲンナリする土曜 [長年日記]

_ @JAM 2013 Next Stage LIVE(BELLRING少女ハート)

朝から夕方まで種々雑多なアイドルが入れ替わり立ち代わり出てくる野外ライブなのだけれど、アイドルと声優をごった煮にしたイベントでアタリを引いたことが無いので、目当てのもの一つに絞って観覧。 これが功を奏してさほど不愉快にならずに済んだ。
不愉快にならずには済んだが、短時間でも送り手のバカさ加減は充分判るオタンコナス振り。 その辺りは追々。

バスの乗り継ぎでしくじって17時少し前に現地着。 丁度とちおとめ25の出番が佳境に入った頃合。
アルミ製の簡易ステージが、左右にステップを踏むたびに危うく歪む。 昨年のTIFで崩壊した件のアレも、東京タワーでやったラジオ日本のイベントのカラオケトラックもそうだったが、イベントを打つ側が「そこで何をやるのか」をまったく考えずに舞台設営をしているからこう言う雑な仕事になる。
強度と剛性は別なのだけれど、その辺りが全く判っていない。
(そもそもどんなグループなのかも碌に調べずに顔付けしていやがる。)

タイムテーブルには「ガンダム SHOW TIME」とあり、5分空けてある(そもそもガンダム待ちと言うのが判らない)のだけれど、天候の所為なのかブライトさんの逆鱗に触れたアムロが営倉にぶち込まれていたのかガンダムは微動だにせず、空しく何も無い時間が経過。
タイムテーブルにゆとりを持たせるのは悪いことではないが、一回々々の転換に時間を掛けすぎて冗長。 イベントを通しての流れも考えていない。
5分経ったところで雇われ司会のコスプレの人が登壇。
だらだらと間繋ぎにもならぬ与太話をして盛り下げたところで、BELLRING少女ハート。

真ん中の人がビザ問題で帰郷したまま戻って来られない状況下にあるのだけれど、現状で出てこられる四人でのステージ。
気負ってカバーしようとする重さもなく、ごくごく自然に居場所を空けてある。
コシダカシアターでの初見では、送り手の大人の悪ふざけに対して受動的であるように感じられたのだけれど、何度か見るうちにそれがなくなってきた。
私の受け取り方が変わった(慣れた)のかもしれないし、彼女らがより自由になったのかもしれない。
二曲演って曲の演出上倒れこみ、倒れたまま自己紹介。 なんだか判らない。

その間にも海外プレスなのか何なのか、BELLRING少女ハートのTシャツを着た白人の巨漢二人組が大興奮で撮影している。

ビーチボールを投げ込んだり、シャボン玉を吹き上げたり、例によって客は遣りたい放題なのだれけれど、反面自律的でもあって、最前列に柵が無い事も理解した上で柔らかめの圧縮。 サークルモッシュも心持ち後ろめで。
暴れているようでいて、超えてはいけない一線も心得ている。

BELLRING少女ハートの出番になるや、風が吹き始め、吹いた風が雲を呼び、雨まで降ってくる始末。 そして、出番が終わるや已むと言う奇蹟。
天候まで含めての演出であるかのような、不可思議な一と時であった。

帰り際、「観覧エリア内での傘は禁止です」と送り手の金切り声。
漫研で生徒会だったおりこう馬鹿を絵に描いたような慇懃無礼。

_ やっぱりここでも メグリアイ厨!(6/22)

お台場から都バスの乗り継ぎにしくじり、七時を廻った頃合に到着。
門仲に出ずに豊洲乗換えにすべきであった。

閑話休題、メグリアイの話。
今週は高田以外全員集合、岡崎が1期、あとは2期から4期まで二人ずつと言う事で、岡崎司会で期別対抗のゲーム大会。
ここ何回かでこの番組に取り組む姿勢そのものから変わって来ていて、見るたびに面白くなっている。
「叩いて被ってジャンケンポン」ジャンケンに勝った山田渚が何故か叩かずに突きを入れて失格。
アイドル界のタイガー・ジェット・シン。

CMに入るタイミングを見計らった進行も(少なくとも岡崎と浅原は)出来るようになってきたし、告知内容も分担して覚えて来てそらで言えるようになっていて、漸く配信する番組として機能し始めた。

本編終了後に恒例オマケライブ。
今回は大博打の新機軸。 3曲とも重要な位置に配されて4期生出ずっぱりの巻。
対バンのライブだと失敗できない分遣りにくいと思うが、ホームグラウンドであるここでやるのは(出来はさておき)良い選択だと思う。

佐々木澪はかなり上達してきていて、周りを見るゆとりが出てきているのが見て取れるが、白鳥愛花はまだまだ危うさたっぷりで見ていて冷や汗が出る。
それでも何故か「ダメダコリャ」的な否定的な感情は湧かず、私のような擦れっ枯らしでも柄にも無く応援してしまいたくなるのが不思議。
白鳥が危なっかしい分、山中と浅原と坂本が鬼気迫る切れっキレの動きと表情。
山中が自信なさげな表情を見せなくなったのは良い。 動きも大きくなった。

白鳥に関して思うのは、折れないで欲しい、諦めないで欲しいと言う事。
歌は歌えて来つつあるので、後は振り付けと立ち位置さえもう少し何とか慣れば持ち回りでの出番も増えると思うし、場慣れすればパニックに陥るような事も無くなる。
白鳥が戦力として計算できるようになれば、メグリアイそのものの好事家以外への訴求力も大きく上がるのではないかと思う。

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2013-06-16 掉尾 [長年日記]

_ Dorothy Little Happy「colorful life」リリース記念イベント(イオンレイクタウンKAZE)

南越谷から乗った武蔵野線で越谷レイクタウンへ。 私と同じく一と駅で降りる客がぞろぞろ。 車輌はあらかた空になり、降りた客の大半がレイクタウンに吸い込まれて行く。

馬鹿々々しいまでの広さのショッピングモールを不安になるくらい歩いたところにある「翼の広場」がイベント会場。
ショッピングモールの規模に比例してか、吹き抜けになっているイベントスペースも広めで、折りたたみ式の簡易ステージを6台使ってある。 幅はあるが奥行きは無い。

椅子席が4列、その左右と後方が観覧エリア。勿論、2階3階からも見下ろすことは可能。
この椅子がカフェで使われるような肘掛け付きのもので(最初期のAKB48もこんな感じだった)、無駄に豪華なのが可笑しい。
舞台の上手下手の最前列はスピーカーで死角が出来てしまうこともあってか、立ち見ではなく「座り見」。 さながら「相撲溜会」

例によって開演前に終演後の特典会の説明と観覧に当たっての注意事項など。

15:00の回は二階から。 音の抜けが悪くて聞き取りにくくはあるが、複雑な移動を上から見てみたかった。
富永美杜がバルコニーの上の方まで目配りの三式彈、弾幕が厚い。
途中ささっと捌けた高橋麻里がテントからミネラルウォーターのボトルを持ってきて喉を潤し、「どこか連れていって」。 重要なソロパートがある「colorful life」の前には富永と秋元も同じボトルで代わるがわる口を湿していたのが微笑ましかった。

上から見下ろすと、振り付けの中に過剰とも思えるほど織り込まれたターンでスカートの裾が靡くさまが美しい。 スーフィーの旋回舞踏には広がったまま廻り続ける裾の靡く様の美しさがあるが、「colorful life」の衣装のスカートは何層にも重ねられた布が素早い回転にあわせて開いたり閉じたりする、水たまりに落ちた雨粒が描き出す波紋のような美しさ。

17:00の回は溜会の後ろから観覧。 スピーカーは邪魔だが音はよく聞こえる。
「どこか連れていって」では肩の力の抜けた歌唱が素晴らしい高橋麻里だが、「set yourself free」など、曲によっては未だ張りすぎるところがあり過渡期にあるようだ。
「colorful life」のコーラスで囁くように歌っている部分も良いのだけれど、本人の志向なのか上からの指示なのか、必要以上に強めに歌う傾向がある。
これは高橋に限った話ではなく、歌にしても振り付けにしても Dorothy Little Happy 全体について言える事であり、盛り込む事に一生懸命でバランスを欠いてしまっている。 日露戦争での戦訓を妄信して兵卒を鍛えさえすれば戦争に勝てると思い込んで破綻した第二師団の愚は仙台の地に未だ根を張っているのだろうか。
リリースイベントの掉尾とあって、「set yourself free」を歌い終えて挨拶をして捌けたあとにアンコール。 改めて「colorful life」を歌って〆。
溢れ出る感情が乗って、最上の「colorful life」になったように思う。

_ 「colorful life」PV雑感

ムービーカメラではなく、デジタル一眼レフの動画機能での撮影だと思うのだけれど、絞り開け過ぎAFに頼り過ぎ。 不意に泳ぐように焦点が移動するから集中して見ると酔う。
白ホリのスタジオで歌い踊る様だけをシンプルに見せようとする意図自体は悪くないのだけれど、それを形にするセンスと技術が無い。 日の丸構図のPVなんざ生きているうちに目にするとは思わなかったし、出来ればお目に掛かりたくなかった。
真ん中に立つメンバーの顔が画面の中心に置かれていて、頭の上に余白が有り過ぎる。 腕を振り上げたときに指先までフレーム内に収めようとしての事でぱあるようだが、足首から下はハナッから切れている。 寄って絵を作る事も引いて絵を作ることも出来ないからこうなる。
ズームレンズしか使っていないから焦点距離ごとのレンズの特性も分かっていない。 どの距離から、どんな角度から撮れば映えるかを試した形跡も無い。
いやはやヒドい出来であった。

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2013-06-15 梅雨の晴れ間に [長年日記]

_ Dorothy Little Happy「colorful life」リリース記念イベント(東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ)

12:00と15:00の二回廻しのイベントの二回目を観覧。 降る予報だったが、晴れた。 晴れたのは良いが兎に角暑い。 時折涼風が吹くのが救い。
開演までは「colorful life」のPVを繰り返し流していた。 これについては後述。
開演に先立って終演後の特典会の流れについて説明。 ライブは全8曲約45分と言われて驚く。

5分ほど遅れて開演。 口開けは「デモサヨナラ」。 キラーチューンを頭に持ってくることからも、今回のシングルのカップリングまで含めた3曲に並々ならぬ自信が有る事が窺い知れる。

2曲終わって自己紹介、そして軽く Dorothy Little Happy について説明。
自己紹介を無闇に長くして合戦の作法を平安時代に戻してしまったのがAKB48(チームK)の功罪の『罪』の部分の最たるものであるが、そんな悪弊には染まらず簡潔に。

だらだら喋らずに次の曲に行くのも良い。 ここで「どこか連れていって」。
今回のシングルで私が一番良いと思うのがこの曲。 私の感じたこの曲の良さは、坂本サトルのブログの「本日発売!」と言うエントリにあらかた書かれているので、こちらを参照のこと。

歌うことに専念(間奏ではそれなりに激しく踊るが)出来ているからか、高橋麻里の歌唱はいつに無く伸びやか。
これまでの Dorothy Little Happy は歌を軽視して激しく踊る事にばかり力点を置いており、激しく踊りながら歌わざるを得ないが故に金切り声に近いような耳に優しくない歌い方になってしまう、見せ方・聞かせ方の下手さ加減がどうにも遣り切れなかったのであるが、坂本サトルは最初期から関わっているだけあって手綱捌きが上手く、出せる上限と下限の頑張りすぎないで出せる音域で書いているから、高橋麻里の歌の上手さと声のかわいらしさがきっちり引き出されている。
間奏以外の振り付けが軽くなっているから気負わずに歌えていて、上手いだけではない、上手さの先にある「何か訴えかけてくるもの」があった。

タイトルチューンの「colorful life」はメンバー持ち回りで歌う曲だが、こちらでは高橋麻里は黒子に廻って盛り立てる役。 富永美杜→早坂香美→秋元瑠海の順で歌い継いで行く構成なのは、(私の好みではないが)「今、どう売るか」について考えて出した答えとしては最適解に近いのではないかと思う。
こちらも歌と振りの切り分けがしっかり出来ていて、安定した歌唱。
振り付けも激しすぎないので高速ターンの手前で凶相になることもなく、止め撥ね払いはしっかり揃えた上でそれぞれの解釈を適度に加えた動きも美しいし、何より表情が明るい。
曲紹介の際にリーダーの白戸佳奈が「今回は沢山タイアップが付いて・・・」と話していたが、紆余曲折はありつつも漸くチャンスの尻尾を捕まえかけているようであり、安心した。

参考:Dorothy Little Happy 「colorful life」PV(途中まで)

私が見て(聴いて)頂きたいのは「どこか連れていって」の方だが、こちらはオフィシャルのものが無いので

「どこか連れていって Dorothy Little Happy」

で検索して何とかして頂きたい。

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2013-06-12 ことほぐ [長年日記]

_ 言祝ぐ

非国民の義務らしいので深夜に二行更新

今出舞さん、お誕生日おめでとうございます。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 28号

岡本玲
表紙と巻頭グラビア7ページ7カット+写真集宣伝で1ページ。 撮影は例によって宮坂浩見。

いやはや、予想通りの惨状。 光を当てすぎて目が開いていない、開いていても下瞼が上がってしまっている凶相の写真だけがズラリと並ぶ。
他のカメラマンにも撮らせてみて、より良い写真だったから宮坂浩見に拘るならまだしも、宮坂浩見にばかり撮らせた挙句ゴミクズみたいなものしか上がって来ない状況下で更に撮らせると言う意図が判らない。

ヤングジャンプに載ったものも2010 02号で細野晋司が撮ったグラビアは非常に良かったのだけれど、それ以降は宮坂浩見による惨憺たる出来のものが続き、その集大成が今度出た写真集と言う事になる。
メキシコとフィンランドで撮ったのが売りらしいが、その日その時にその場所で撮る必然性があると思わせる写真が無い。 フィンランドの寒さで固まり、メキシコの強すぎる光で強張る表情。 背景を生かせない構図。
ピントは合わない、光も操れない、構図を切るセンスも無い、モデルを殺しロケーションも生かせない。 こんな下手糞に仕事を出す方も出す方だが、恥ずかしげも無くこんな写真を出してくる宮坂も宮坂であって、岡本玲もこう言う手合いに食い潰される前に、身の振り方を考えた方が良い。

永尾まりや
巻中グラビア6ページ9カット、撮影は飯塚昌太。
巻頭が酷いから落差で良く見えるのかもしれない・・・と何度も見返したが、飯塚昌太にしては珍しくよく撮れた6ページ。
酷い出来のものは週刊プレイボーイで目にすることが多い事から考えて、飯塚昌太本人の腕は、私が考えている程悪くないのかもしれない。

永尾まりやは取り立ててスタイルが良い訳でもなく、表情も単調なのだけれど、斜めからの光で身体の線を美しく描き出し、背負わせた光が表情を柔らかくしている。
2ページ目と5ページ目が特に良い。

THE HOUSE OF CUTIES
ファッション誌の専属モデル6人を今城純と長弘進で7ページ12カット。
専属モデルと銘打ってはいるが、久住小春と松井愛莉が入っていて、その辺りに大人の事情の臭いがしないでもないが、写真そのものの出来は申し分ない。
モデルとしての好みとカラーコンタクトの是非はさておき、5ページ目の森川葵と6ページ目の久住小春は良く撮れている。

_ Dorothy Little Happy「colorful life」リリース記念イベント(亀戸サンストリート)

仕事は抜けられたもののバスは来ねぇ(そもそも開演時間を七時からだと思い込んでいたのが間違いなのであるが)、45分頃に着いたら何曲か終わって一と息ついたところ。
リリース日とあってか、平日の宵の口にしては結構な集客。
梅雨の只中で時折パラッと来つつも天気もなんとかもった。

後半に固めて並べてくれたお陰で、タイトルチューンとカップリング2曲は聴くことが出来た。

「colorful life」はメンバー持ち回りで歌う従前通りの曲だが、「どこか連れていって」は高橋麻里のメインボーカルを四人が脇に廻って盛り立てる曲。
歌とダンスの切り分けが上手く出来ていて、激しいところは激しいが歌うのに差し支えるような事も無く、観て・聴いて楽しい佳曲。
素材は良いのに兎に角「見せ方」が下手で、迷走と言ってしまって良いような一年だったが、漸く光が見えた。

振り付けにしても歌にしても、盛り込むばかりで刈り込むことを知らなかった為にあった妙な切迫感が無くなり、高橋麻里も歌うことに集中できる分声を張り過ぎなくなったし、歌と踊りの切り分けは脇に廻った方も生きていて、動きも軽やかで表情も明るい。

そうそう、こんな Dorothy little Happy が見たかったのである。

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「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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