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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


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写真日記二面楚歌 隠居所
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酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2014-06-16 私にしては珍しく、真ん中に目が行く [長年日記]

_ つりビット「つりの恩返しvol.1~まずは表参道を釣り上げます♪~」(2014.6.14 表参道GROUND)(1)

表参道に待機列が出来ており、先ずはそこに並んで入場待ち。 並んでいる間に金属探知機などを使って軽くボディチェックなど。
やる側もやられる側も空しい。 これで何かやらかす奴が捕まるとは誰も思っていないが、世間様に対してのアピールとしてやっておかねばならない。

入場時には荷物チェック。 入場開始は少し遅かったが、スタッフの動きが的確で、開演は遅れなかった。
スポンサーの生コマーシャルなどもあった後、ほぼ定時に開演。

昼夜2回公演の両方を観たのだけれど、一本のライブをこなせる持ち歌が漸く揃い、メンバーの技倆や体力が追いついた頃合を見計らってのワンマンライブであるのが伝わる作り。
楽曲にしても衣装にしても、手持ちのものを丁寧に組み立てて見せる工夫がなされていた。

暴れたい盛りの客は居らず、昨今の風潮で発光持続時間を気にせずに済む書類の光る棒を常に手にしているので、手拍子も静か。
煽るような曲が少ないこともあり、落ち着いて見ていられる。
縦に長い箱なのだけれど、舞台が高いので後ろからでもメンバーの首から上くらいは辛うじて見える。 天井が高いので音の回りがよく、空調もそれなりに効くし、二酸化炭素濃度が上がり過ぎないのもあり難い。
それなりに歴史のあるところなので、照明は LED ではなく、普通のライト。 発熱量は大きいと思うが、明滅が緩やかで目には優しい。

トベタ・バジュンの手がける楽曲は、中田ヤスタカが作るものがカルピスだとすると、コーラスとかミルトンとかそういう物であるような印象を持っていたのだけれど、つりビットの曲はあまり歌声が加工されていないので、危惧していた「まがい物感」は無かった。
但し、曲によってオケの出来不出来の差が激しく、シンセサイザーでは再現しにくい種類の楽器の音を、その楽器を使っているようにして作った楽曲の安っぽさはいただけない。
オケに被せた感じは無く、ほぼ生声だったと思うのだけれど、マイクの持ち方はかなり荒っぽく、口と正対しておらず、口からの距離も変動するのに何故か拾っているのが不思議だった。

_ つりビット「つりの恩返しvol.1~まずは表参道を釣り上げます♪~」(2014.6.14 表参道GROUND)(2)

青ショートボブ、赤ボブ、緑ツーテール、ピンクポニーテール、黄色ゆる巻きロング。 それぞれ顔立ちに合った髪のあしらい。

イメージカラー赤の聞間彩が真ん中に立つ曲が多く、その際は周りが中心を守り立てる様な形になるのだけれど、そうではない曲もあり、そんな時は聞間彩が守り立てる側に廻ることになる。
面白かったのはこの聞間の「曲ごとの振る舞いの違い」。 守り立てるときは大きく、守り立てられるときは控えめに。
真ん中に立ったときは我を張らず、象徴としての振る舞いになる。 機関としてのセンター。

2曲~3曲やって、間繋ぎの喋りで小休止と言う構成は、メンバーの体力を図った上で練られており、喋っている間にも代わる代わる捌けて行って暫く帰って来られなかったりもする状態ながら、歌って踊っての部分では疲れを見せることも無く、金の取れる出し物としての質は最後まで保たれていた。

聞間彩はダンスも歌も飛びぬけて上手くは無いが目立って下手でもなく、それでいて立っているだけでも目を惹く。
自然に目を惹くので殊更張り切って踊る必要も無く、そうすることで守り立てる側の見せ場も作っている。
驚いたのはマイクと口との距離と角度がほぼ一定に保たれていること。 顔を隠さず、きちんと音を拾う位置にマイクがある持ち方が崩れない。
仕込まれてそうなっているのか、個人の資質としてそうしているのかは分からないが、やっていることの質が高い。 質は高いのだけれど、その質の高さが実に分かりにくいところにあり、それが実に面白かった。

次のシングルは山下達郎のカバーで「踊ろよ、フィッシュ」。
山達が許したからシングルとして出せる訳で、許したからには及第点は付けているのだと思うが、さてこの曲がサンデー・ソングブックで掛かるかどうか。
とりあへずリクエスト葉書を書いてみようと思う。


2014-06-15 メタ化した物販 [長年日記]

_ PIP: Platonics Idol Platform お披露目イベント(於:SHIBAURA HOUSE)

※周辺に迷惑がかかりますので、入場開始前に並ばれる場合は14:00頃からでお願いいたします。
・・・と注意書きがあったので 13:50 頃に様子見がてら現地へ出向いたのだけれど、その時点で既に建物の端くらいまで列が出来ており、時間の経過とともに伸びて行く。
ガラス張りの建物なのでその様子は主催者やスタッフからも見えていた筈なのだけれど、結局客入れが終わるまで列が整えらるなどの対策は取られず、混乱に終始した。
ネット経由でのチケット販売は、中間詐取をなるべく排する濱野の方針にも合致していたし、本人確認を特別な機械を用いずに行える点からも良い方法だったと思うが、専用アプリをダウンロードしないと整理番号が出てこない事を知らない客が居たり、使い方を周知する努力には欠けていた。
また、ネット経由でのチケット販売分は整理番号順入場であること、当日券の販売方法など、広報が後手に廻っているところも多く、チケットの種類によって待機列を分けるなど、基本的なイベント運営のノウハウを持ち合わせていない事には呆れるしかない。
並んでいる最中の会話の内容から濱野本人の客が多かった様に思われたが、並んで待つことに慣れておらず、歩道を完全に塞ぐような自己中心的な振る舞いが目に付いた。

会場はライブハウスではなくイベントスペース。 それがライブよりアトラクションに重きを置くお披露目イベントには合目的的であったように思われるし、「ドリンク代」を無くす事による閾値の引き下げにも成功していた点は評価できる。
然しながらステージに高さを点けなかった事や音響設備のお粗末さから「ライブを見せる」と言うアイドルイベントの根幹を為す部分を閑却した感は否めない。

客席は前方が丸椅子、後方が背もたれ付きの椅子。
会場の SHIBAURA HOUSE は妹島和世の設計によるイベントスペースであり、背もたれ付きの椅子も21世紀美術館などでお馴染みの源氏パイ型のものなど。 このあたりの洒落乙さ加減は濱野らしさの良い部分。
長机で仕切って窓際に関係者席、二階バルコニーから父母や家族が見守る格好。 関係者枠で入りつつ、客席にシレッと座っている手合いもおり、身内への甘さは少し気になった。

プロデューサーである濱野智史がこの企画の趣旨説明。
マイクを持ったまま徘徊しつつ熱く且つ暑く語る姿には、学究の徒としての本来が垣間見られた。
語られる内容は細胞分裂の如く増殖を繰り返して規模を拡大して行きつつ、客とアイドルとの距離感を保つ工夫を技術的にもしていくというもの。
アイドルでありつつプロデュースにも携わり、やがてプロデューサーとして分派して増殖と言う考えそのものは面白いが、革命を担った層が官僚化していた事がレーニンの存命中に既に問題として表出しており、人類はそれを克服できないまま21世紀を迎えてしまった訳なのだけれど、その「裏切られた革命」を解決する手段は語られなかった。

いよいよメンバーが呼び込まれてお披露目。 現在3チームに分かれているとの事で、順に出てきて自己紹介の後で一曲。
「Baby!Baby!Baby!(AKB48)」「アーモンドクロワッサン計画(NMB48)」「禁断のカルマ(私立恵比寿中学)」 最初の曲はAKB48最暗黒期のCDとして発売されなかった曲とあってか、客席もほぼ無反応。 そう言う客層なのだろう。

衣装は揃いのポロシャツにリボンやネッカチーフでグループごとの差異を付けていたが、スカートを自由に選ばせる組もあり、意匠と色を統一する組もあり、選曲も含めてチームの色は出ていたと思う。
振り付けは未だ器械体操の域を出ないものであったが、揃えた動きを見せる努力は為されており、見世物として最低限のレベルには達していた。
段取りが上手く行かない間繋ぎで、濱野がなべおさみの「監督コント」みたいなことを始めるなど、イベントとしての組み立ては稚拙だったが、お披露目会の主眼は終演後のアトラクションにあったようだ。

中間搾取を排した持続可能なアイドルとして、どんな収益構造を考えているのかと思ったら、矢張り接客営業による回収であった。
メンバー手書きのメッセージの入ったリボンを手首に巻いてもらえる会と1分間で好きなメンバーに似顔絵を正方形の付箋紙に描いて貰える会がそれぞれ1000円。

濱野が提示した中で、唯一納得が行ったのはこの 「体験を換金するアトラクションによる収益モデル」
音の入った円盤やインスタントカメラで撮影した写真などではなく、手元に残るモノを可能な限り簡略化して「紙切れ・布切れ」に付加価値としての接触を付けて売る事により、取引がよりシンプルになった、「モノに仮託した思い出を売るメタ物販」。 体験を思い出す為のスイッチとしての、最低限のモノとしてのリボンと付箋。
この日、濱野が最も生き々々していたのはこの物販アトラクションの仕切りであったのだけれど、濱野が楽しんでいたのは、物販イベントの進行ではなく、メタ化した物販がうまく回っている現象そのものだったのかもしれない。

二十数人からなるメンバーは普遍的な美形から木喰上人系であったり天平美人であったり古代ケルトの豊穣の女神であったり未来派であったり、非常に幅がある。
客の多くは普遍的な美くしさ・可愛らしさを好むので、そうではない連中は当然お茶を挽く羽目になるのであるが、この「機会は平等にあるが結果の平等は保証されない正当な理不尽」は、理屈で解っても感情の面で受け入れられないことがままある。
そこで生ずる必然性のある淘汰をどう乗り越えるのか、また乗り越えないのか。
濱野は現実と正対することを極力避けているように思われるが、持続可能なアイドルとしての成否はこの辺りにも係ってくるとのではないかと、私は考える。

2014-06-12 [長年日記]

_ 更新情報

濱野智史プロデュースのアイドルグループ「PIP: Platonics Idol Platform」を観察するサイトを作りました。
とりあへずはカキワリ的に玄関のみ。

日本革命的濱野主義者同盟 革命的ハマノ主義者派(革濱同・革ハマ派)

興が乗れば随時更新予定。


2014-06-08 団塊向け政治的自慰雑誌にアイドルが取り上げられる不幸 [長年日記]

_ 週刊金曜日(2014 6/6号)(その1)

特集が「アイドルを守れ!」と言う事で購入。 図書館で済ませようかとも思ったが、買わないで貶すのもセコいなと思った次第。

特集を読む前に記事をざっと斜め読みしたのだけれど、或る程度金も地位もあり、勉強はしなかったがとりあへず大学までは出た、意識の高さについては自負のある中高年向け雑誌であることはわかった。 あらゆる揉め事が「ひとごと」に終始し、当事者意識のカケラも無い。 この雑誌の読者層が我が国を破滅に導いてきたことは明らかであるのだけれど、それについても全く無反省。
この雑誌の立ち位置を象徴しているのが「舞の海氏の「排外発言」記事についての見解」と言う編集長による署名記事。

「最大の差別・排外行為は戦争という殺人行為です。 日清戦争、日露戦争、太平洋戦争などで、多くの日本人や外国人が昭和天皇のために亡くなりました。 それを正当化する集会そのものが排外的な意味を帯びています。」

とある。

"行為"と言う単語を一文の中で重ねた悪文であるところからして物書きの風上にも置けないのであるが、日清・日露まで昭和天皇の責任に帰すると言うのは歴史認識以前の非常識である。
こうした乱暴な物言いをする編集長の雑誌にアイドルを語られる事も不愉快であるが、そこに寄稿してしまう・対談に出てしまう連中の政治性の強い媒体に対する警戒心皆無の無邪気さも気味が悪い。

特集記事の口開けはBiSのインタビュー。
BiSそのものについては語るべき何も持たないのであるが、アイドルに対して暴言を吐く手合いに対しての

「君のそのひと言で、ひとりの女の子の人生を失わせる可能性もあるんだよ?」

と言うのは重く受け止めたい。

「グラドル自撮り部」については、岡島紳士による状況説明と中心人物である倉持由香と吉田早希へのインタビューの2本立て。 岡島紳士の筆による部分は「アップトゥボーイが隔月刊化した」と言う一文以外、目立った事実誤認や歪曲は見られない。 アップトゥボーイは元々が隔月刊だったのだけれど、隔月増刊を発行して実質月刊化している。 然し乍ら所謂「グラビアアイドル」が掲載されることはあまり無いので、掲載機会が減少傾向にあるのは事実である。
倉持の自分が売れることによるシーン全体の底上げをと言う狙いは当たって、大手事務所に所属するアイドルも巻き込むことによってマスメディアにも取り上げられるようになった訳であるが、それ故に客も含めた既得権益受益層からの反発も顕在化した。 それでもこうして畑違いの雑誌にも取り上げられている訳であり、一定の成果は上げているように思われる。

さわやかによる「『接触』による活況が生み出した"触れないアイドル"の可能性」は、接客業に偏したアイドルによって齎されたジャンルとしての活況が、接客業としての側面を切り捨てた形でのアイドルとしての在り方を可能にしていると言う論考。
CD以降の未来も見据えた、読みでのある文章。

_ 週刊金曜日(2014 6/6号)(その2)

濱野智史の「アイドル共産党宣言」。 
「アイドル共産党宣言」と言いつつ共産主義的では全く無く、マルクス以前のフーリエやサン・シモンの性善説に基づく空想社会主義に近いし、引用も比喩も無いことから見て、共産党宣言でマルクスが何を語ったのか、おそらく濱野は知らないし、興味も無いのであろう。
因みにこの号の裏表紙広告は「経済と国家 宇野経済学を通して『資本論』を21世紀にどう生かすか」。
講師は向坂逸郎と宇野弘蔵の弟子である鎌倉孝夫と元外務官僚の佐藤優、講義2時間×3回で金弐万円也。 全ての講義が終了するまでに2年間と言うディアゴスティーニ商法。これに食い付く読者層に向けたアイキャッチとしての「共産党宣言」と考えれば得心が行く。
労農派の末裔が日本資本主義発達史講座みたいな事を始める21世紀に我々は生きている。

運営側による中間搾取をなるべくゼロに近付けた、搾取されないアイドルグループを実現したいとのことであるが、堅気ではない既得権益受益層との利害の対立も想定しているように見えないし、それらと向き合うことなく、摺り合わせる努力も無しに実行に移してしまおうとする厄介さはナロードニキ運動に通ずる。

結局のところインテリが主導する "上からの革命" であり、そうした地に足の着かない運動が繰り返してきた失敗の歴史からは何も学んでいないように見える。
濱野が痛い目に遭うだけなら未だ自業自得で済むが、巻き込まれた女の子たちの人生への落とし前はどう付ける心算なのであろうか。


2014-05-17 [長年日記]

_ あるある甲子園 東京1次予選-1(モエカワガールズ、PLC、メグリアイ、パステル☆ジョーカー)

開催前から物議を醸したイベントではあったが、実際現場で見ない事には何とも言えないのでとりあへず足を運んでみた。
会場の STAR RISE TOWER はかつての東京タワースタジオであり、ライブ会場としてはあまり使われていないのではないかと思う。
入り口に受付があり、そこで当日券を購入。 開演10分前に到着して整理番号が11と言う惨憺たる集客に驚く。

入場料+ドリンク代とのことであったが、ドリンクは無し。 開場時間になり、整理番号順に整列したのち、階下のスタジオへ移動。

大道具然としたものながらステージが設えられており、その両脇にスピーカーが重ねられて小規模ライブハウス的な空間をセットで再現した感じ。
積み重ねられたスピーカーの上にモニタースピーカーが置かれいてる。

約10分遅延して開演。 収録前提のイベントと言うことなのか、司会で吉本所属と思しき芸人さんが司会で登場。 イベント観覧に於ける諸注意と勝ち抜きのルールなどを説明。 この頃になるとそれなりに増えたのだけれど客の入りは悪く、主催者への不信感もあってか反応も悪い。 どうやっても盛り上がらないので苦労していたが、これは仕方が無い。

モエカワガールズ
原宿と秋葉原のメイドカフェが母体で、普段は「お給仕をしている」とのこと。
浴衣風ワンピースにローファー、帯の色がメンバーカラーになっている。
4人で一曲、もう一人出てきてその人がもう一曲(他のメンバーはマイクも置いてバックダンサーに)。
ここでグループ内ヒエラルキーが厭な形で見えてしまう訳であるが、その「特別なひとり」が衒いなのか照れ隠しなのか、告知をするにしても何にしてもテキトーな事を言っては横に居るメンバーがマイク引っ手繰ってフォローすると言う修羅場。
「かわいい」を鼻に掛けてしまった瞬間に全てが終わってしまうことを知らないで生きて来られたのであろう。

PLC
友人が入れ込んでおり、なるほど可愛らしく、曲もしっかり作りこまれている。
七色パニエを中に着たワンピースで、足元はローファー。 動きやすさと見栄えと価格を天秤に掛けると、落としどころとしてローファーなのだろうか。
6人中5人がセミロングのストレート。 見せ方としては美しい。
ただ、認知度を上げるために出てきた筈の投票系イベントで既存の客との馴れ合い前提の自己紹介を長々やるなど、ブロック経済的小規模収奪の構造に嵌っている悪循環が見られた。

メグリアイ
他が一曲演って自己紹介してもう一曲と言う流れなのに対して、二曲演ってから自己紹介と告知を纏めてやる構成。イベントの趣旨に合わせて練られているのは良い。 告知も直近のものに絞り、「詳しくは片仮名の『メ グ リ ア イ』で検索してください」と簡潔に。
惜しむらくは、このイベントが不特定多数のアイドルを見に来る祝祭空間としては機能しておらず、目当てのアイドルが出るので仕方なく見に来た客だらけであった事。
方向性としては正しい。

パステル☆ジョーカー
太陽系の端っこ系の色味のセーラー服衣装で、足元は矢張りローファー。 付け襟なのか踊っているうちに外れかけたりずれたりしてしまっていたが、目立つ所なので気になった。
歌の上手い下手はさておき、声の量と圧は4組の中で一番であったように思う。

総評
4組終わってほぼ一時間で終演。 一と組あたり二曲と非常に短い。番組で流すために「ライブやってました」と言う絵さえ撮れれば構わないと言う事なのであろう。 持ち時間の終わりに司会者との冗長なやり取りの時間を設けていたのも、その為であったと思われる。

呆れたのは物販。 千円のタオルと二千円のティーシャツが公式グッズとなっており、これの売上高が審査に反映されるとあって、それぞれそのグッズに接触権を付けて販売。 入場券には握手券が一枚付いてきて、それも投票権として扱われるとの事であったが、それ単体で行使できるような状況ではなかった。

小規模ライブハウスで行われているアイドル対バンライブの収益構造を明確化し、約款で呑めるか呑めないかギリギリの線を定める作業に血道を上げた結果、イベントとしての魅力を演出としてすら示せず、アイドルの送り手にも客にもソッポを向かれて鳴いた閑古鳥なのであるが、見捨てられても仕方が無い、淘汰されて然るべきイベントあることは間違いない。

別項にて述べるが、ムービーカメラは常に客席にも向けられており、司会者の客弄りは例によって「ヲタ晒し」。 
まあ、予想通りではあるのだけれど、送り手も客もあるある甲子園は無かったことにした方が良い。 ライブは2曲、空調も音響も悪いスタジオでヲタ晒しに遭うために千円払っても良い鷹揚な人にのみ、お薦めできる。

企画そのものについては別項にて。

_ 更新情報

コラム置き場に

あるある甲子園雑感

をアップロード。
出演者以外の、イベントそのものについての纏め。
うまく行っていない事への危機感を持っているスタッフと持っていないスタッフの温度差もあり、何故上手く行かないかについては結局誰も理解していないような、絶望的なお祭りであった。

_ 戦国アイドル無双 ~巡り会いの乱~

押上ワロップ放送局の「戦国アイドル無双」と言う番組を勝ち抜いたということで、ご褒美の特番。 椎名七海を除く全員が出演。 メグリアイの出演者変動の仕組みが、今もって分からない。

前半はアンケートやお題トークでメグリアイのメンバーの実像に迫る趣向。 進行役としてワタナベエンターテインメントのパイナップリンと言うコンビが入っていたのだけれど、これが良かった。
アイドルイベントの司会などでアイドルに興味も関心も無い芸人が入ると、その場しのぎの進行に終始することが多いのだけれど、事前に取られたアンケートも読み込んでいたし、それぞれが名札を付けていたというのもあるが、ちゃんと名前で呼んでいたり。 何処まで乱暴に扱って良いかと言うところでの戸惑いは多少あったが、媚びもせず粗暴に過ぎることも無く、上手く扱っていたと思う。
加入当初は仕切り癖が強くて如何なものかと思った野月まいだが、押し引きが上手くなっていた。 混ぜっ返しておいて他のメンバーに振ると、そのメンバーも生きるし、野月の印象も悪くは無くなる。
これまで誰もコントロール出来なかった山田渚を或る程度制御できているのも良い。

最後の30分はライブ。 進行表には無かったようだが、パイナップリンの二人はライブの呼び込みまでやってから捌けて行った。
8人中5人でライブに出ることが多いからか、5人以上出演する日でもステージの上には5人と言う事が多い。 今回もそれで、メンバーが入れ替わりつつ30分。
まだポカは多いし、動きにも情緒は無いのだけれど、白鳥愛花の振りが大きく早くなってきたので、大分見栄えは良くなった。 踵重心でドタドタ動いていた頃とは違い、爪先で立って踵を飛ばして動けるようになったのが大きい。 岡崎に次いで足が長く重心が高いので、自信を持って踊れば華がある。

驚いたのは佐々木澪で、暫く見ないうちに長足の進歩。 歌はまだ不安定な所も有るが、振り付けの、こと表現力と情緒については岡崎に次ぐところまで来ている。

メグリアイは新規加入のメンバーが何とかなってきた頃合でまた誰かが辞めて、次に入ったメンバーがどうにもならないうちにまた誰か辞めるという悪循環の中にあり、坂本寿里が辞めた頃が負の連鎖のピークであったように思うが、漸く上向いて来た。


2014-05-07 [長年日記]

_ フォトテクニックデジタル 2014 2月号

仙石みなみ
14ページ17カット、見開き1箇所。 撮影は松田忠雄。
グラビアの仕事も多くこなしている割に仙石みなみの表情が単調。 顔の構造上仕方が無いのかもしれないが、意識しないと口が閉じられない。
13ページから15ページまでの4カットと17ページの後ろ向きになったカット以外、全て口が半開きで、意図してかどうかは判らないが笑顔寄りの表情になってしまっている。
口を閉じきらないまでも開かないように意識したカットでは表情に諧調を出せているので、これまでそうした事が求められて来なかったのだと思われる。
指示されれば出来るけれど、自らはそれが出来ない。 反骨を売りにする割に、考える努力をしない。 これがアップアップガールズ(仮)と言うグループを私が評価しない理由の一つであり。 アップフロント傘下で成り上がることしか考えていないような「内輪受け」感がどうにも鼻につく。

閑話休題、前述の13ページから15ページに掛けての4カットはモデルとしての可能性を感じる佳品。 放っておくと同じ顔になってしまうのだけれど、それを松田忠雄が矯めつ眇めつして撮った過程をなぞりながら見ると面白い。

香音
6ページ8カット、撮影は長野博文。
前半の屋外撮影分は些か塗りが厚く見えてしまっているが、後半のスタジオ撮影分はそれなりに。 背景の緑はまさしく長野のそれなので、地の肌の色が浅黒いと長野マジックが逆効果になってしまうのかもしれない。

カールツァイス・ラヴァーかく語りき(松田忠雄インタビュー)
松田忠雄の語る、コシナが復活させた旧ヤシカ・コンタックスマウントレンズ群についてのあれこれ。

― ところで、お使いのツァイスはマニュアルレンズですけど不便なところはないですか?
松田「個人的には、オートフォーカスの測距点でピントを合わせてから、再フレーミングをするというのが大嫌いで、マニュアルしか使いたくないんだよ。だからそういった面では全然。鏡筒の"鉄"という感じとか、リングの感触もいいしね。
(フォトテクニックデジタル 2014 2月号、54ページ)


私の機材や撮り方では参考にならない上に不愉快になることすらあり、レクチュア系の記事は殆ど読まないのだけれど読み物として面白かったし、このくだりは大いに頷けた。
ファインダーさえ良ければマニュアルフォーカスの方がストレスが少ないこともある。
私は純正ツァイスが写り過ぎるので厭になり、メイヤー系レンズとノフレクサーしか使わなくなってしまったのだけれど、松田忠雄のツァイスレンズ評は概ね正鵠を得ていると思う。

高須力のライブ a GOGO!(LinQ)
相変わらず決定的瞬間狙いで説明的過ぎる写真が多いが、撮影場所を選べて何箇所かで撮ることが出来た所為か、臭いなりに上がりは悪くない。
ただ、ここからLinQのライブの楽しさがどんなものであるかは感じられないので、その点に於いてライブ写真としての大切なものは矢張り欠けているように思う。

_ フォトテクニックデジタル 2014 3月号

小島瑠璃子
14ページ19カット、撮影は上野勇。
体育館、スケートリンク、ゲレンデ。 動かしたり止めたりしてさまざまな表情を引き出している。
スケートリンクで転んだ体でのカットなどは臭すぎるが、表情も多彩。 可愛らしかったりきりっとしていたり、基本的に商売用の小島瑠璃子の顔をしつつ、時折それ以外の顔も出しているのが良い。
事務所の大きさもあると思うが、仕事が引きも切らずあるのは理解できる。

WHY@DOLL
6ページ13カット、撮影は長野博文。
スタジオで4ページ、屋外で2ページ。 肌が白くメイクも薄いことが幸いしてか、スタジオ撮影分は長野博文らしい透明感のある仕上がり。
撮られ慣れてはいない被写体を上手く泳がせて撮った屋外撮影分も良い表情。

高須力のライブ a GOGO!(WHY@DOLL)
引き続きライブの模様を4ページ6カット、撮影は高須力。
狙撃兵が白兵戦に巻き込まれて、まごまごして被写体との距離を測りかねているうちにライブが終わってしまったような虚無感。
そしてスポーツ写真から脱却できずに撮っているのでコントラストとシャープネス(シャッタースピードも)が過剰。 結局のところ、この人は何が撮りたいのであろうか。
長野博文の撮ったものと較べると何が過剰で何が足りないのかが見えてくる。 髪の毛の靡き方、肌の質感、表情の諧調、これらに無頓着。
結局この人は連載の中で読者に何を見せたいのだろうか。

_ UTB 2014 4月号

川栄李奈
表紙と巻頭グラビア12ページ11カット、見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
生き物としての川栄李奈の愛らしさは十二分に引き出されているが、表情が一種類しかない。 それは無理をして作った表情が無いからでもあるのだけれど、作られたキャラクターに縛られ、消費されていく明るくない未来を暗示しているようにも思えた。
パンドラの匣の底に残された希望のような川栄李奈の笑顔が微かな救いにはなっている。

兒玉遥
6ページ9カット、撮影は桑島智輝。
色調からMARCOの撮影によるものかと思いきや桑島智輝。 何でも撮れてしまう事に改めて感心。 引きで撮った構図の厳しさは矢張り桑島智輝。
真ん中に立つこと、グループを背負うことを強いられる痛々しさが先に立っていたのが、全体的に大人びることで緩和されている。
前髪の分け目を少し横にずらすだけで、顔の印象は大きく変わる。 勿論、良い方に。

渋谷凪咲
6ページ9カット、撮影は小池伸一郎。
先ず感じたのは、怪我をし難そうな足であること。 AKB48グループは足腰の怪我で棒に振る連中が多すぎる。
表情が単調で、笑顔も未だ硬いのだけれど、カメラをきちんと見据えられているのは良い。

大和田南那
5ページ8カット、撮影は門嶋淳矢。
未だ撮られ慣れていない初々しさと、悲惨になり過ぎないぎこちなさが程よいバランス。
1ページ目と5ページ目。 小細工せずにカメラと向き合えているのは良い。

足立梨花
可憐と妖艶の狭間にあって、その両方を見せようとする試み。
体形の上でのチャームポイントは抑えつつ、「抑える」程度で済ませておく程の良さ。
役者仕事が増した所為か、表情にも奥行きと幅が出てきた。

斉藤優里
6ページ10カット、撮影は唐木貴央。
光の良く回るスタジオと公園の二本立て。
表情の諧調の乏しさはカラーコンタクトの所為であろうか、アップになると死んだ魚の目の如く。
UTBが手がける乃木坂46のグラビアは、練り上げられた質の高いものが続いてきたが、今回は残念な出来。
ただこれは、斉藤優里の無自覚に依るところ大。

中山莉子、小林歌穂、星名美怜(私立恵比寿中学)
6ページ12カット、撮影は桑島智輝。
撮られ慣れていない連中を束にして、ワイワイやらせて硬さを取った12カット。
小林歌穂が笑いすぎて破綻しかけているが、顔見世グラビアとしてはまあまあ良く出来ている。 

荻野可鈴
5ページ7カット、撮影は栗山秀作。
水着でもセーラー服でも表情に曇りやブレが無い強さ。
カメラともカメラマンとも臆することなく向き合えており、カメラマンもよくそれに応えている。
昭和の日本家屋、アパートの一室のような所で撮っても、適度な湿り気は感じさせつつ、じめじめさせないのが栗山秀作。

石田佳蓮
4ページ6カット、撮影は井ノ元浩二。
可も無く不可も無く、特筆すべき所も無く殊更貶す所も無い、それなりに良く撮れたグラビア。

若田部遥・指原莉乃
6ページ8カット、例によって指原莉乃とのページのみ見開き。 撮影は藤本和典。
どうしても父親の顔が先に浮かんでしまうところに持ってきて野球場でユニフォームを着せたりするものだから、何とも言えない出来。
これは藤本和典の仕事に係る部分ではなく、見る側の先入観の問題。
父の顔がチラつかないカットは可愛らしく撮れていると思う。

小桃音まい
2ページ2カット、撮影は桑島智輝。
漸くメジャーデビューと相成った小桃音まい、クシャっと笑った顔も良いのだけれど、今回は澄まし顔で2カット。

松浦雅
4ページ6カット、撮影は長野博文。
いつもの長野味。 動かしたほうが表情が生きてくる。

佐々木莉佳子
5ページ8カット、撮影は熊谷貫。
物怖じしない小学生とゴリゴリ迫るカメラマンが対峙した8カット。 熊谷貫を前に一歩も引かず、動物すら手懐けてしまう佐々木莉佳子の胆力。 後生畏るべし。

田名部奈菜美、羽賀朱音、船木結(ハロプロ研修生)
6ページ8カット、撮影は大江麻貴。
国策ポスターのようなインチキ臭い構図多めながら、撮られ慣れていないモデルをあやして表情は上手く引き出している。

中島早貴
6ページ8カット、撮影は小池伸一郎。
ハロプロ写真集のテンプレート通りの詰まらない作りながら、随所に小池伸一郎らしい背景の縦横線を生かした構図が生きているし、過剰に表情を作らない中島早貴の潔さが美しくもあり、出来としては悪くない。

Juice=Juice
この期に及んで白ホリの顔見世グラビア。
佐藤裕之の上手さが全く生かされておらず、論ずる価値も無い。
これは事務所がオタンコナスである典型例。

2014-05-06 金を取って撮るパンチラカメラマンの存在意義とは [長年日記]

_ フォトテクニックデジタル 2014 5月号

筧美和子
表紙と巻頭グラビア14ページ16カット、見開き1箇所。 撮影は樂滿直城。
撮影技術誌なので使用機材と撮影データが載る。 このページはEOS-5D MarkIIIを使用していて、当然レンズもキャノン。
白く飛んだ部分のスッコ抜け方がキャノンかな、とは思うが、然程気にはならず。 破綻の無い写り。
衣装は3パターン、髪のあしらいにも変化をつけていて(残念ながら表情や仕草の引き出しが少なく、モデルの魅力は感じないが)構図の切り方やポージングの多彩さは面白い。
編集の腕が落ちているのではないかと思わせるのが、写真の取捨選択の悪さと割り付けの凡庸さ。
値下げ前はもう少し攻めた誌面構成であったと思うのだが、ニコパチの詰まらない(これはモデルの所為でもあるが)カットを大きく使い、一寸捻ってモデルの表情を引き出したカットは扱いが小さい。

葵わかな
6ページ16カット、撮影は長野博文。
長野博文でなければ撮り得ない素晴らしいカットが二束三文の扱い。 反面、長野博文でなくても撮れるような凡庸なカットを大きく扱う愚。
大きくしないと良さの伝わりづらい写真を小さく扱い、小さくても見りゃ分かる写真を大きく扱う。 これは写真技術誌としてどうなのだろう?
買って貰えなければ、利益率が一定以上でなければ雑誌としての存続が出来ないのも分かるが、値下げした分誌面の質を落とすのはいただけない。
30~31ページに小さく並べられた写真群の質は良い。
雑誌のグラビアはカメラマンの腕だけでなく、編集者の審美眼や割り付けのセンス、事務所の思惑などにも大いに左右される訳であるが、それが撮影技術誌で起こるという悲劇。

松田るか
6ページ25カット、撮影は小林幹幸。
見開き→コラージュ見開きと言う構成。 少ないページ数でさまざまなカットを見せるにはこうするしか無いのは分かるが、もう少しページ数を割いても良いのではなかろうかと思える、コラージュに散りばめられた写真の質の高さ。
見開きで大きく使われているカットには必然性があり、その点でのバランスの悪さは感じないが、無理矢理詰め込んだ感じは否めない。

高須力のライブ a GOGO!(Cheeky Parade)
1ページ目上段、メンバーがジャンプしているところを下から撮影。 パンツ(とかそれに類するもの)が写っていないから掲載したのだと思われるが、そもそもその角度で撮ることからしておかしい。 矢張りこの高須力と言うカメラマンは駄目なのではないか。
寄ったカットは全てピタリと止めた決め顔。 ライブの写真で顔見世グラビアとは此れ如何に。
動いているものを止めて撮るのが上手いが、その日その時その場所でしか撮れないカットが撮れていない。

ただ、フォトテクニックデジタルの編集部の審美眼と編集能力が落ちている事も考えると、高須力にセンスが無い(アイドルという存在を見下している)だけではない詰まらなさなのかも知れない。

2014-05-04 雑な仕事に対する不快感 [長年日記]

_ フォトテクニックデジタル 2014 4月号

松井玲奈
表紙と巻頭グラビア14ページ17カット、見開き1箇所。 撮影は小林幹幸。
ペンタックス645Dの情報量の多さが、印刷物になっても生きている。 兎に角、写真が綺麗。

面や胴、竹刀などの小道具のサイズがモデルに合っていないのは興醒めだが、そうとは判り辛いように撮れているし、手拭いの被り方は美しい。
実際は化粧をしたままで防具を付けて稽古をすることなどまず無いし、激しく動いても目に入らぬよう髪は被った手拭いの中にきっちり納めるものなのだけれど、そうしたリアリズムは追わずに道具立てを生かしたグラビアに仕立てようとしたのは判るものの、後述するがあまりにも雑な部分も散見される。

欲しい表情によって当てる光の強さや方向を変えており、稽古中を想起させるカットではきりりとした面持ち。 防具を外した後は幾分柔らかく。

雑巾掛けをするカットが「雑巾掛けをする体」に過ぎないのはいただけない。 この季節の板廊下であれば乾拭きでも構わないのだけれど、乾拭きならブリキのバケツは要らないし、バケツがあるなら水が入っていないのも雑巾が濡れていないのもおかしい。

竹刀の持ち方構え方は玄人ならではの厭な感じ。 この人の籠手は、多分辛辣で重く、物凄く痛い。

中盤は紺のブレザー系の制服。 二十歳はとうに超えている訳であるが、制服を着たら着たで化けられるのが松井玲奈。 演技の仕事で髪を染めていた時期の撮影であったと思われるが、染めていない頃であれば更に嵌っていたであろうと思われる。

後半は昭和モダンなワンピースと髪のあしらいでしっとりと。
松井玲奈がアクシデント以外で額を顕わにすることは先ず無いと思われるのだけれど、上手い持って行き方で新たな一面を引き出している。

防具や竹刀のサイズが合っていなかったり、雑巾が雑巾で無かったり、ソファーが新しすぎたり、雑な上にも雑な道具立てで画竜点睛を欠いた恨みはあるが、松井玲奈の凄味でなんとか帳尻が合ってしまっており、写真そのものは見応えのあるものに。

小林涼子
6ページ9カット、撮影は長野博文。
動かして撮ることの多い長野にしてはかっちりした写真。 ピントの位置にも深度にも構図の切り方にも乱れが無い。
上手く纏まりすぎていて曲がないようにも思えるが、巧さが鼻につかないのは良い。

高須力のライブ a GOGO!(SUPER☆GiRLS)
大箱で撮ったライブなので仕方が無い面もあるが、望遠で撮った「間の良い写真」ばかりなのはいただけない。
喜怒哀楽取り混ぜてさまざまな表情を見せている中の、可愛らしく見える歯見せ笑顔だけでライブの何が伝わると言うのか。
薄っぺらで非常に退屈。 アイドルが好きで撮っているのではないにしても、やっつけ仕事に過ぎる。

決定的でない瞬間にこそ、アイドルのライブの妙味はあり、それが判らない人に良いライブ写真は撮れない。
動くものを止めて撮る技術なんざどうにでもなるが、心を動かされる場面を切り取るセンスだけはどうにもならないのであって、そういう「どうにもならない人」にライブ写真のページを任せるのがそもそもの間違いである、と私は考える。

土山茜
6ページ8カット、見開き1箇所。 撮影は根元好伸。
緊張からか目が死んでおり、ポーズもぎこちなく硬い。
死んだ魚を生きているように見せる根元好伸の悪戦苦闘の記録。

_ 今日の一枚

010
010 posted by (C)2petri2
アリス十番(26/5/5 絶あにSONIC)

上記の通り、フォトテクニックデジタルに掲載されている高須力のライブ写真(アイドルの)が余りに碌でもないので非常に腹が立っていたところに撮れる機会があったので、久し振りに働いてみた。 仕事ではなく道楽だけれども。

アイドルのライブに於いて神々は細部に宿るので、決定的瞬間を狙って撮ろうとすると本質を見失うし、蛸壺塹壕に篭って狙撃するような撮り方では一面しか見られない。
スポーツ写真が大変なのは知己の仕事振りを見ていれば判るし、それを腐す気もないのだけれど、スポーツ写真のやり方をそのまま持ち込んだ、対象を見下したようなやっつけ仕事を見せられると、矢張り腹も立つ。

カメラはペンタックスK10D、レンズはノボフレックスのノフレクサー240mm/f4.5
iso=200くらい、絞りは開放、絞り優先AEで撮影。

そのほかの写真はこちらに。

_ 訂正

フォトテクニックデジタル 2014 5月号としておりましたが、正しくは4月号でしたので訂正いたしました。


2014-05-02 パ・リーグ東西対抗戦的豪華メンバー [長年日記]

_ 東京タワー Culb 333 Night View DJ(DJ:宇佐美友紀)

例によって本人からのSNS等での告知は無く、私を含めて目当てで来ているのは片手ほど。 ラジオ経由のお客さんらしく、所謂「宇佐美難民」は私くらいか。
宇佐美は7:3に分けたようなボブ、青系統の色のワンピース。 寒色の服の所為か、痩せた印象。
ラジオの仕事が増えたことで変化があったのか、以前担当したときより声のトーンは抑え目。 イベントよりラジオ寄りの語り口。
普段はラジオのDJとかリポーター、イベントの司会などをやっていますと自己紹介。
「今年で30になります」で、私だけ驚く。

宇佐美セレクトの曲を掛けるコーナーで「アナと雪の女王」のサントラについて妙に掘り下げた話をするのを見て、この人のキャリアの振り出しが千葉テレビでのディズニーレポーターだったのを思い出す。
クリス・ハートや徳永英明を掛けた後、最後に乃木坂46の「気づいたら片想い」。
アイドル好きとして(我々には)知られている宇佐美が現在入れ込んでいるのが乃木坂46だそうで、「正統派の美人が多い」「普通はサビの部分を聞いて良いなと思ったり好きになったりすると思うけれど、この曲はむしろサビの部分以外の歌詞が素晴らしい」などその特質を熱く(また暑く)語り、飽和しているアイドル界ですが、いっぱいアイドルが居てセレクトに困ったら乃木坂46。
「飽和している」と言うのは実に的確で、言って良い事とあまり宜しくない事の境目にある言葉をスパッといってしまうのが宇佐美らしくあった。

不特定多数に向けたラジオ的な語りで進行しつつ、目の前で見ている女子四人組が誕生日を祝うために来ていると知るやそちらに話を振って盛り上げるなど、ラジオの仕事もイベントの司会もこなしているからこその仕事振り。

終了間際、直近のイベントとして翌日のトークショーの話など。
出演者が宇佐美友紀、星野みちる、浦野一美と言うパ・リーグ東西対抗戦みたいな豪華メンバー。 そんな事もあってか「私もAKB48のメンバーだったんですよ」的な根多もブチ込んでいて、客の反応は薄かったが私が驚いた。
(※このトークショー見に行った古い小嶋陽菜ファンの友人曰く「ヒドかった(良い意味で)」とのこと)


2014-04-29 [長年日記]

_ lyrical school 「brand new day」発売記念ミニライブ(マルイシティ渋谷 1F店頭プラザ)

仕事が割と早く片付き、間に合いそうだったので足を運んでみた。 乗り継ぎに手間取り、ぎりぎりにはなってしまったが、とりあへず開演前には到着。

既に前のほうはギッシリ、脇に回って平和そうで且つ近くで見られるところを見繕ってしばし開演待ち。
乳呑み児抱えた若い母親なども居て、おとなしく抱きかかえられつつ、ケチャなどに勤しむ我が母を怪訝そうに見上げる様が微笑ましい。
元気に飛び跳ねる兄ちゃんが横に居てはらはらしたが、最低限の距離はとってぶつからないようにしていた。

例によってああしろこうしろと煩わしく言われることも無く、しつこく煽ったりもしないが、「こうしたら楽しい」のヒントは判りやすく散りばめられていて、その流れに身を委ねていれば楽しめる。
そうしたワイワイ楽しむ方面が、一寸引いてのんびり見ている客をほっといてくれるのが有り難い。

マルイシティは声出し禁止なので「その分手拍子で」と言うのが唯一の指示らしい指示。 リリカルスクールの客の盛り上がり方は巷間よく見られるアイドル客のそれとは違って奇異なものではないので、通りすがりの客に嘲笑されることも眉を顰められることも無く、足を止めて見て行く人・CDを買って行く人も見られた。

客の中にはヲタヲタしい「応援」手法でしか動けないようなのも散見されたが、そうした手合いはリズム感も無いので盛り上がる集団の中でも遊離してしまい、滑稽さに拍車が掛かっていた。
ベースラインがしっかりしているのでリズムは取りやすいと思うのだけれど、何故かずれている悲喜劇。

「マルイシティさんには tengal6 の頃からイベントをやらせていただいていて・・・」と、集客が少なかった頃の話しもしつつ、過去最高の売り上げとのことでマルイシティがクス玉を用意。
これが落ちたり割れなかったりもしたのだけれど、そんなことも含めて微笑ましく、楽しいリリースイベントであった。

リリカルスクールの何が良いかと言うと「ほっといてくれる」と言う事。
ワイワイやりたければ前のほうに行けば良いし、のんびり見たければ後ろに居ればよい。 盛り上がりを強制されることも無く、ありもしない一体感を演出し確認しあうための奇異な儀式に巻き込まれることも無い。
群衆の中でも孤独を楽しめるのが都会と言うものの妙味だと思うのだけれど、そうも行かない局面があまりにも多い。


2014-04-27 フィル・スペクター風味 [長年日記]

_ lyrical school 「brand new day」発売記念ミニライブ(マルイシティ渋谷 1F店頭プラザ)

18:00少し前に現地着。 例によって前方にCD購入者優先観覧エリア。 買い物客の動線として通路を確保して、後方階段部分も観覧エリアに。

18:00を少し回ったところで開演。 先ずは lyrical school から。
前のほうはヘッズ(リリスクのファン)で埋まっていて、その中で見ようとすればそれなりに揉まれる事になるが、揉みくちゃになったりすることはないし、その外側に居さえいれば、まだまだのんびり観ることは出来る。
客の分母が大きくなったときにどうなるかは判らないが、客席の環境に関しては楽観している。

気合入れのような儀式からわらわらと出てきて一曲目。 リリカルスクールのライブは、曲の繋ぎが実に上手い。 トラックが良くできているのもあるが、特段煽るようなことをせずとも、ゆるやかに盛り上がっていく。

「好きなように楽しんでください。 ただし、周りの迷惑にはならないように。」 マルイシティは声出しNGなので、そのあたりの注意も喚起しつつ、煽ったりはしない。
曲から「こうして欲しい」「こうしたら楽しい」というのが伝わる作りになっているので、客は思い思いにそれに乗ったり乗らなかったり、やはり乗ったり。
観覧マナーに関しては「皆さんホント優秀でした」と及第点。
変な同調圧力が無くて、それぞれが思い思いに楽しんでいつつ、協調したほうが楽しいところでは協調。 それに乗っても良いし、乗らずにのんびり観ていることも許容される。

lyrical school は、昨今のアイドルの現場の中では最も敷居が低く、気負わずに楽しめる現場の一つなのではないかと思う。

_ バニラビーンズ「ワタシ・・・不幸グセ」リリースイベント(マルイシティ渋谷 1F店頭プラザ)

続いてバニラビーンズが例の出囃子に乗って登場。 口開けは(七時にはちと早いが)「東京は夜の七時」
自己紹介がてらひとしきり喋ってから新曲の振り付け講座をマクラに新曲へ。

「ワタシ・・・不幸グセ」と言うタイトルから漂う地雷臭にどうも気が乗らず、仕事が繁忙期だったりもしてリリースイベントも最終日になって漸く足を運んだのだけれど、曲の出来は素晴らしく、ここ数枚のシングルの中でも出色なフィル・スペクター風味の佳曲。
カップリングも良く出来ているのだけれど、譜割りが細かく且つ難解で客がリズムを取るのに四苦八苦、それを傍から見ているのもまた楽しい。

CD即売会もありますよと告知しつつ「お手に取ってみてください。」と婉曲な表現をするところがバニラビーンズらしさ。
どうも歯車が上手く噛み合ってくれない歯痒さはあるが、良い曲に恵まれたのは幸甚。


2014-04-20 ラインダンスの同調圧力と Triumph des Willens [長年日記]

_ Negicco「トリプル! WONDERLAND」発売記念インストアイベント(タワーレコード錦糸町店)

逃げ場の無い狭い店内でラインダンスに巻き込まれることを想像するだに恐ろしく、回避しようかと思いつつも現場に行ってみたら、なんとか巻き込まれずにやり過ごせそうな場所を見つけたので見て行く事にした。
ラインダンス厭さに端で見ようとする客は私だけではないらしく、沸きたい方面からちょっと距離を取って立つ人もちらほら。 その間に容赦なく後から来た客が割り込んで行く。

簡易ステージは階段付き。 ワイヤレス受信機からPA機材からスピーカーまで、結構な量を持ち込んでいたのだけれど、頻繁にハウリングが発生。 収束は割と早かったのだけれど、これはPAの腕よりハウるや否や咄嗟にマイクの向きを変えるメンバーの練度によるものだと思われる。
機材が増えれば関わる人も増える。 関わる人が増えれば Negicco の当人たちが食っていくだけでなく、関わる人々の食い扶持も稼ぎ出さなければならない。

売れなきゃ 続かない
食えなきゃ 続けられない


それは重々承知しているのだけれど、引っ掛かる何か。 「この売れ方で良いのか。」

出囃子は完全に小西風味。 風味と言うかカルピスとコーラスの関係のようなピチカート的な何か。
いろいろ思うところはあったが、メンバーが楽しそうだったのは良かった。
幸いラインダンスに巻き込まれることも無く、然程不快な思いもせずにすんだが、一般客も買い物をしている店内イベントで小規模とは言えサークルモッシュが起こっていたのには呆れた。 そう言う客が増えたという事。
それが厭な客は、静かに去って行った。

_ Rev.fromDVL 「LOVE-arigatou-」通常盤イベント “Do you know Rev.?”

ラクーアでのイベントの二回目を観覧。 開演前に延々流されていたPVの茅野しのぶインスパイア系制服崩し衣装ではなく、独自色のある衣装で登場。

CDの売り方で下手を打って反感を買った所為か、優先観覧スペースには空席もあったが、その周りを家族連れの民間人を含めた人々が何重にも取り囲む。
橋本環奈の知名度もあり「Rev.fromDVL? 何それ、シラネー」的な冷笑は見る限りに於いては無く、「これがアレか!」的に情報としてある程度浸透している感じ。

歌って踊ってに関してはかなりのレベル。 何と言うかテーマパークのアトラクションのような、健全で練り上げられたステージ。 タップダンスやアイリッシュダンスを取り入れたような振りもあり、見せ場も多い。
冗長に過ぎる仕込み過多な自己紹介さえ簡潔に纏められれば、何処へ出しても務まると思う。
橋本環奈を効果的に中央に据えつつ、「が率いる」ではなく「を擁する」に見える演出も良く出来ている。 金のニオイのする現場を取り巻く壮大な悪意が見え隠れするのは舞台の下だけで、歌い踊る様だけを見ている分には素晴らしい。

観覧スペース後方で怒号が飛び交い、何かと思ったら盗撮だか痴漢だか置き引きだか、男が警備スタッフに3人がかりで取り押さえられていた。 取り押さえられた男は執拗に逃走を試みるので警備スタッフは暫くそちらに掛かりきりになり、見張りが居なくなった隙に職業盗撮カメラマンが湧いて出ていやまぁ撮る事撮る事。
1人はカメラに黒いトレーナーか何かを巻き付けて、警備スタッフを気にしながら撮っていたが、もう1人の爺いの方はもう大っぴらにキヤノンの白レンズ持ち出して撮り捲くっていた。 それだけ金になるのであろう。
もしかすると、捕まった男も同じ穴の狢かもしれない。

面白かったのは媒体への出演告知の中に、地方AM局の番組が含まれていたこと。 これまでは合法的手段では聴きにくかった番組も、有料サービスではあるがネット環境さえあれば聴くことが出来るようになったので、告知する事に意味が出てきた。

吉本興業のお家芸であるところの殿様商売が災いしたところは大いにあったが、舞台の上で起こっていることを見ている分には実に楽しい。
広告塔となった(された)メンバーだけでなく、グループとして売れて欲しい。

_ Negicco「トリプル! WONDERLAND」発売記念インストアイベント(MEGA WEB トヨタ)

MEGA WEB はゆりかもめの青海駅に隣接し、都バスのバス停も至近。 実にトヨタらしい無駄の無い立地。
Negicco 目当てで来ている客以外は、車を見に来た家族連れと海外からの旅行者。
例によって撮影・録音は禁止なのだけれど、旅行者向けの掲示などは無く、そちらはほぼ取り放題。
彼らの目には果たしてどう映ったであろうか。

公式グッズとして売られているにしても、明るいところで光モノを振っている連中の精神構造が私には判らないし、その中に混じって観たいとも思わないのだけれど、心に斜眼帯とシャドーロールを付けて視野を狭搾して対象だけを見て・聴いていると、やはりNegicco は楽しい。

本編が終わってアンコールの声が掛かり「圧倒的なスタイル」。
目当てで来ていない一般客がいる場所でそれなりに知られた持ち歌があると言うのは強い。
ここ一週間のキャンペーンでの手応えもあったと思うのだけれど、実に楽しそうに歌い踊りつつ、観覧エリアの外周を廻って客を煽る。
このあたりは Negicco の真骨頂。 ここまでは良かった。

間奏部分で舞台に駆け戻り、例のラインダンス。

私はこれが厭さにいつも遠目から見ているのだけれど、年々ラインダンス参加への同調圧力は強くなっているように感じる。
混み合う前方観覧エリアは仕方ないにしても、比較的空いていた後方観覧エリアでラインダンスから逃れ得たのは最後方で柵ギリギリまで下がって体をかわしたほんの数人だけであった。
前は圧縮、後ろはサークルモッシュ、どこに逃げても巻き込まれるラインダンス地獄。 もはやのんびり楽しめる Negicco は地球上の何処にも存在しない。 「チケットが売れていない」とボヤいていたが、それもむべなる哉。 のんびり楽しみたい客を排除してしまったのだから仕方が無い。

私は全体主義の息苦しさは為政者から齎されるものではなく、大衆が自ら求め、追い立てていくものだと考えているのだけれど、Negicco の目に見える形での盛り上がりを安易に求めすぎた結果のラインダンス同調圧力も、そうしたい客が導いた結果であり、(意図したかどうかはさておき)ラインダンスをやりたくない客を排除して、現在の状況がある。
客に気持ちの悪い儀式(ラインダンス、肩組み、大移動など)への参加を強いるアイドルの現場で「そうしない自由」が "客によって" 否定される気味の悪さ。

来なくなる客は大抵何も言わず語らず去って行く。
Negicco は(客も送り手も)文革期に突入した印象。 何処かで釦を掛け違ってしまったのではないか、そんな気がしている。


2014-04-19 「よっしゃ行かない!」 [長年日記]

_ BOSO娘 タワーレコード柏店・ミニライブ&握手会

常磐線か、遠いなぁ・・・と思っていたが、バスを乗り継げば金町までは出られることを思い出したので足を運んでみた。

更地にはせず、壊せるところを壊して再開発をした柏駅前は面白い感じに入り組んでおり、古い喫茶店が其処此処に残っているのが良い。

タワーレコードの入っているビルは妙な場所にあり、タワーレコードに用事のある人しか来ないような立地。
イベントスペースは猫の額で、例によって仮設ステージなどは無し。 なんで作らないのか訝しく思っていたが、なんとなく腑に落ちてきた。

最年少の星野くるみがお休みで5人体制。 激しいフォーメーションチェンジが無いので、ひとり二人欠員が出ても目立たない。
これは振り付けがしっかり染み付いているからでもあると思う。 それぞれの解釈の違いや動きの癖はありつつ、揃っているべきところは揃っている。 人前で歌って踊ることを生業にする上できちんとしておくべきところで手を抜いていない。

「ネコになったら」は星野パートを千葉が担当。 二宮と二人で歌っている間、他のメンバーは客席を回って百万人握手作戦的接触営業。 これも舞台と客席の境目が曖昧だからこそスーっと客席へ入って戻って来られる訳で、そこまで考えてやっているのかどうかは判然としないが、やり方として面白い。

冷やかし半分で見ていた地元の若者が居たのだけれど、握手をする際にアタリを付けた槻島もも、終演後に出身校から趣味から聞き出して、それこそ「あっと言う間」に落としていた。
冷やかしで見ていた人を「客」にしてしまう保険屋のおばちゃん的豪腕。 これが千葉と言う土地柄にあったやり方なのかもしれない。

最後に新曲を披露したのだけれど、「振り付けを憶えていない」と言うよくわからない理由で川原結衣がほとんど踊らずに賑やかしに回るという展開。
私はMIXなるものを唾棄しているのだけれど、それを賑やかし役の川原がやっていると、これはこれで良いような気がして来る。 実に馬鹿馬鹿しく、楽しい。

帰りがけに寄った四国大名の美味しいような美味しくないようなかき揚げうどんもも含めて、なんとなく充実した一日。


2014-04-13 カタストロフの萌芽のようなもの [長年日記]

_ 「モノStaらいぶ」CHIBAアイドル祭(BOSO娘)

BOSO娘が撮れそうなイベントと言う事で、カメラ担いで千葉駅へ。
千葉都市モノレール千葉駅の2階コンコースが会場。仮設ステージなどは無く、そもそも仕切り線もバミリも無い。 こう言う蜜柑箱に毛を生やして舞台を設えるのが送り手の仕事だと思うのだけれど、非営利の甘えと言うか、手を掛けていない。 金が無いなら無いなりに考えるのが送り手の責務。
客がしゃがんで見ている訳でもないので、遠くからは何をやっているのか分からない状態。
BOSO娘は13:15からの出演と告知されていたが、何故か15分早まって13:00頃に始まってしまった。

とるものもとりあへず撮影の準備をし、人垣の隙間から撮ってはみたが、背後に東向きの窓、高い天井からは水銀灯と言う厭な感じのミックス光源。 AEも安定しないのでざっくり露出を計って1/200sに固定して撮影。
IMGP0149
川原結衣(BOSO娘) posted by (C)2petri2
曲ごとに微妙に並び方が変わるのだけれど、曲中のフォーメーションはあまり変わらないので、位置取りを誤ると撮りたいメンバーがまるで撮れないという事になる(なった)。
その辺りは割り切って、他のメンバーも抑えてみる。
IMGP0094
千葉あずさ(BOSO娘) posted by (C)2petri2
今日はフルメンバーの6人。 振り付けに比してフォーメーションは軽めなので、欠席メンバーがいても然程目立たないが、矢張り全員揃った方が見栄えは良い。

イベントとして辛かったので、BOSO娘のみ見て撤収。

その他の写真はこのへんに。

_ 東京パフォーマンスドール「BRAND NEW STORY」ミニライブ&予約特典会(イオンモール市川妙典)

前日の柏の葉を見に行った友人が面白がっていたので尻馬に乗ってみた。
開演15分前に出てきてリハーサル。 当たり前と言えば当たり前なのだけれど、立ち位置や振り付けの確認をするなど、客寄せではなくリハーサルがリハーサルとして機能していて驚く。

ショッピングモールの渡り廊下の一角を潰して作った会場はズラリ椅子が並べられ、「座って観て欲しい」と言う送り手の意思が明確に。
椅子席は「目当て」で来た層でほぼ埋まっていたが、閉じた生態系にしたい訳ではなく、通路として確保していた椅子席脇のスペースを買い物に来た家族連れに開放するなど、目当てで来た客が一定数居る事による「人気」を演出の一部として買い物客にも売り込もうとしていた。

目当てで来ている客は、一般客に対する「これだけ人気があるんですよ」と言うのを見せるための仕掛けの一部であり、且つ運転資金を提供する燃料であると言うことは踏まえておくべきだと思う。 買い物客には、チラシも配っていた。

スタッフの前説の後、ほぼ定時に開演。 出囃子程度で音を鳴らして出てくるかと思いきや、曲に合わせたソロダンスを見せながら一人ずつ入ってくる。 六代目圓生が正札附をたっぷり聞かせてから出てくるような、長い導入部。 これをぶっ壊す頭の悪い客の胴間声。
演者に対する大向うからの掛け声と言うものは、短くやって然るべき物で(これは古典芸能のみならず、寺山のアングラ劇に於ける「名乗り」でもそうだ。)あるのだけれど、八文字だかなんだか知らないが冗長で五月蝿い。 そこには wit も esprit も無い。

騒ぐやつは後ろと言う原則が生きているのが救いではあった。

ダンスや歌に関しては、平均点以上ではありつつ飛び抜けたものは無く、未だ凄みとか情念の炎とかそう言ったものは感じられず、良く訓練はされているが、驚きは無い。

然しながら送り手の演出によって、それ程でもないものが何か凄いもののように見えるようになって行く。 被せがきついように感じられたオケも、ここぞと言う聞かせどころでは生歌で押して来るし、ずらり並ぶと揃っていない振りも、ソロダンスなら上手いように見える。 兎に角、見世物として良く考えられているし、練られてもいる。

ただこれは「凄いものを涼しい顔してさり気なく見せる」本来のTPDのやり方からは乖離しているように思われた。
私の嫌いだったTPDは、実力を(演者ではなく送り手や客が)鼻に掛けつつ、文句を言わせないだけの説得力はあったが、現状での新生TDPは書割りと言うか虚仮脅しと言うか、実力以上に見せようとする演出が鼻につく。

過去の音源資産の活用は上手く行っているように感じられたが、新曲の出来は宜しくない。
キメラ的と言うか鵺的と言うか、80年代90年代のヒット曲を切り貼りして作ったような、インチキ臭さ。
守りに入ってしまったらTPDはTPDでは無いのではなかろうか。

WEEKEND PARADISE で見られた客に対する煽りと誘導から見て、送り手の希求する「客の盛り上がり」は通行人・買い物客から見て奇異に映らない形のものであるように思われたし、第1期TPDの客もそうであったと思うのだけれど、他のアイドルから流入した人々は旧来型の奇矯な振る舞いを墨守しており、そのあたりの乖離と言うか断絶と言うか、カタストロフの萌芽のようなものが外野としては興味深かった。 これを乗り越えるのか、送り手が長いものに巻かれるのか、フーリガン層が斬られるのか。

私は好んで見に行こうと思わない類のものだが、見世物としての作り込みはしっかりしており、やり方として首を傾げざるを得ない部分もあるが、アイドルと言うものの多様性を保つためにも、成功して欲しいプロジェクトではある。


2014-04-12 地雷を踏んだのでサヨウナラ [長年日記]

_ レインボータウンFM「加藤一華のときめきMixJuice」公開放送

都バスで行ける現場の中から選択。 講談社ミスiD2014 アマテラス特別賞の余禄として始まったコミュニティFMでの公開放送の一回目。

木場にある商業施設「深川ギャザリア」の一角にあるレインボータウンFM 木場スタジオは、スタジオの正面、天ぷら屋とカフェの間のスペースが観覧エリアとなっており、いくつかあるテーブルと椅子以外は立ち見となる。
テーブルは早々に埋まってしまっていたので仕方が無いと言えば仕方が無いのだけれど、立ち見の客の民度が低いのには閉口した。 酒盛りを始めたり、カフェの禁煙席の横でタバコを吹かしたり。 接触前提のアイドル全盛でいろいろと麻痺しているのは分かるが、対象への認知欲求が高まり過ぎて座って見ている女子の前に立ち塞がったり、見苦しい振る舞いも散見。

コミュニティFMは時間の縛りが緩いらしく、二時を少し回ってから番組スタート。
良く聞き取れなかったし、レインボータウンFMサイトにも言及が無いので正確なところは分からないが、ミスiD2014がらみとあって「講談社の新書やコミック、映画などの情報をお届けしていく」とのこと。

自己紹介や番組の紹介などを済ませた後、ゲストの寺嶋由芙を呼び込み。 寺嶋の1stシングルが掛かると、スタジオを飛び出したご本人様が曲に合わせて舞い踊るという趣向。 盛り上がったところで巨大クラッカーの祝砲2発。 横で賑やかす加藤一華の振りコピーが完璧だったのが可笑しかった。

続いて昨晩から始まったアニメの紹介に絡めて、細川唯を迎えての朗読劇。
緊張していたであろうし、効果音も何も無く3人の語りだけで間を持たせるのも大変であったろうとは思うが、台詞が走ってしまっていて出来としては芳しくない。
加藤と新垣は仕方が無いとして、細川までつられて走ってしまっていたのが残念だった。 噛んでも言い淀んでも何とかならないことは無いが、台詞が走ってしまってはどうにもならない。 読み込みと読み合わせが足りない印象。

新垣こづ枝は上手くないなりにも破綻なく喋れていたが、加藤一華は些かやる気が空回りした印象。 意余って言葉足らず。
自分の言葉を紡ぎ出さねばならない部分以外の定型文は伝えることに重きを置いて読むべきなのであるが、感情を込めようとする分空回り。

月に二回、コミュニティFMとは言え、メインパーソナリティーの仕事を持ってきたミスiD事務局のお膳立ては良いと思うのだけれど、このオーディションの功罪の罪の部分である「内輪受け」が随所に見られたのはいただけなかった。
ミスiD2014 と言うオーディションの世間的認知度は薄いと言わざるを得ず、公共の放送としての体裁を取っている以上はそれを踏まえて語るべきなのであるが、身内で固めたゲストを「知ってて当たり前」な体で語られて何が伝わると言うのか。

伏龍鳳雛から鶏鳴狗盗の類まで個性豊かな女子が集まってわいわいやっている楽しさは前述の通り「内輪受け」と言う陥穽を内包しているのであるが、送り手の側にその危機感が無い。 チラシ配り要員も居たようだが、「いつもの客」にばかり渡していたのでは何の意味も無い。
「そう思わない客」の方が多そうなので、今後もこの調子で公開放送は続くのであろう。
或る程度覚悟はしていたが、とんだ地雷であった。


2014-04-06 ローラー作戦 [長年日記]

_ ANNA☆S タワレコ首都圏ツアー(タワーレコード錦糸町店イベントスペース)

錦糸町店のインストアイベントは、南側入り口前のコンコースで行われることが多かったが、周辺店舗とのあれこれで音量規制が厳しかったり、客の振る舞いに規制が多かったのだけれど、最近は店舗内に設けたイベントスペースを使うことが増えた。
今回のイベントも店内のイベントスペースで行われたのだけれど、同店舗で行われた別のイベントでは使われていなかった簡易ステージが設えられていたのには驚いた。 これにプラスしてANNA☆Sの客が自主的にしゃがんで観ていたので、通りすがりの客でも良好な視界で観る事が出来ていた。
客の側の論理として「盛り上がっているところを民間人に見せる」と称してバカ騒ぎをすることがまま有るが、客ではなくステージの上のアイドルを見て貰った方が良いのは自明の理。
これから先、客の分母が増えたときにどう転ぶかは分からないが、送り手とアイドル本人と客の意思の疎通と目的の共有がなされているから、私のようなたまにしか見に行かない者でも疎外感はないし、不快な思いをした事も無い。

今日から新衣装とのことだったが、蛍光色のジャケットは見るからに暑そうで、実際「ものすごく暑い」とのこと。



ANNA☆Sで惜しいのは衣装が垢抜けない事だったのだけれど、これは及第点。

ライブ中は「曲を聴いて欲しい」との事で基本的に撮影禁止。 新曲のみ撮影可(動画は不可)になっていた。
全面撮影可にしてしまうと撮る為だけに来る層が来過ぎるので、良いバランスだと思う。


優奈(ANNA☆S)

その新曲は本人たちの作詞によるもの。 「しがないアイドル」が主人公になっており、言葉の紡ぎ方に拙さはあるが、その分生々しく面白い試み。 それを生かしてしっかり作りこんだ曲になっている。

ANNA☆Sは基礎がしっかりしている上に場数も踏んでいて肚も座っているので安心して観ていられるし、通りすがりの人まで含めて客の総体を巨視的に捉えることが出来ていて、目の前の「目当て」で来ている客だけに向けた近視眼的な振る舞いをしない。
(このあたり、メジャーレーベルやそれに準ずるところからCDを出してもブロック経済による縮小再生産でジリ貧になってしまうことも多い。)


杏奈(ANNA☆S)

首都圏のタワーレコード店舗を巡るツアーは暫く続くようなので、行ける範囲で追いかけてみようと思う。


涼花(ANNA☆S)

その他の写真はこのあたりに。

_ BOSO娘 ミニライブ&特典会(4/4 タワーレコード錦糸町店イベントスペース)

都内とは言え平日の18:30からと言うのは、宮仕えの身には厳しいのだけれど、近場だったので足を運んでみた。
流石に勤め人の風体は少ないが、それなりの集客。 簡易ステージなどはなく、最前列に陣取る客も立ちっぱなしなので、後ろからは何をやっているか見えない状態。 それでも後述する理由で見えないながらもそれなりに楽しめる。

メンバーは1人休みで1人遅刻。 初見だったこともあるし、視界も悪かったのもあったとは思うが、欠落を感じさせるようなところは無く、なかなか良く仕込まれている。
気になったのは送り手側の大人の数、規模に比して4人は多い。

始まって10分ほど経過した頃、客が一寸ざわつき、なんだろうと思ったら遅れてきた川原結衣が店の奥で衣装のリボンを結んでいる。 なにやらムスッとしているので何かと思ったら、泣いていた。 電車が遅れたり転んだりし道中いろいろあったらしいが、泣いてやがるのには驚いた。 客の中に広がる温かい苦笑。

結局、川原はリーダーをはじめとしたメンバー(中学生を含む)にあやされ、宥められて落ち着いたところで最後の曲のみ参加。

どのあたり演ったかは失念したが、「ネコになったら」と言う曲。歌うメンバー2人を残して他の連中は客の中を経巡って声を掛け、挨拶をし、握手をして回る。 これが曲のさなかに行われることで醸し出される学級崩壊感。
この「客の中を経巡って逆ガッツキ」と言うのが開演前や終演後にもそこかしこで起こっており、BOSO娘の営業活動として一定の意味を持っているようだった。
昭和の営業戦略にあった「ローラー作戦」を思い起こさせる、局地的飛込み営業。 これがあるので、見えなくてもそれなりに楽しめる。

川原結衣は「コミュ障」を自称しているが、それは半分正しくて半分間違っている。
客に声を掛け、握手を求める事が苦になっているようには見えず、むしろ楽しんでやっているように見えるのだけれど、客との(これは客のみならず家族を含めた全ての人類に対してだと思うが)、対象との距離のとり方が下手であるように見受けられた。

そんな川原を見ているだけでも面白いのだけれど、カバー曲を選ぶ謎のセンスであったり、逆ガッツキ営業であったり苦手な部分もあり、今後も継続して見に行くかどうかは思案のしどころであるが、川原が面白かったのは間違いない。

_ BOSO娘 ミニライブ&特典会(4/5 タワーレコード千葉店イベントスペース)

総武線で一本だから・・・と多寡を括って千葉駅へ。 ところがタワーレコードは駅から遠く離れたパルコの中にあり、思いのほか歩く羽目に。

タワーレコード千葉店はイベントスペースとしては手狭で、5人で歌って踊るのは一寸厳しいが、そこはそれなりに。 狭くて客のほうも逃げ場が無い分、例のローラー作戦が効いていた。
ただ「オレ様(あたくし)の事を憶えろ」と理不尽な要求をする莫迦もちらほら居り、接触営業の難しさが垣間見られた。

衣装やら靴やらを忘れたりする失態が裏ではあったようだが、客前での川原は機嫌よく歌い踊っており、まぁナニである。 面白く見られた。

深入りしにくい要因は幾つも有るが、足を運べる際にはまた。


2014-03-29 Put on roses [長年日記]

_ 松田忠雄 × 杉本有美 yumi-mono-chrome

松田忠雄にとってのホームグラウンドとなりつつある Tokyo Arts Gallery で開かれている写真展を見てきた。
コラージュ物が4点ある他は、表題通りモノクローム作品。 巷間溢れる色抜きカラーの擬似モノクロームではなく、白と黒の濃淡で描き出されたもの。

入り口を含めて広くガラス張りになっている東側から入る光が柔らかく回り、概ね見やすいが、天井からのLEDライトが上から当てられているものは一寸見づらかった。
スペースの問題もあり、仕方の無いところではあるが、斜めから当てられれば反射したライトが目に飛び込むこともなくなるのではなかろうか。

全て売り物になっているのだけれど、大きさに比例した価格設定。 相対的には安いと思うが、絶対的価格としてはそれなりになってしまうのだけれど、大キャビネくらいの大きさのプリントをアクリル板に貼り付けたものは価格も手ごろで、年末調整やらボーナスやらが懐にあったらコロっと行きたくなるものが何枚も。

Acrylic photos と題されたその小品群は15種類。 サイズは小さいが、その分情報がぎゅっと詰まったような濃密さ。
印刷物になったもの、モニター越しにみるものとは、一枚に込められた情報量が桁違いなので、小さいものでも一枚購って矯めつ眇めつされることをお奨めする。
良い写真には、見るたびに発見がある。

懐都合でプリントは諦めて、部数限定の冊子写真集を購入。
手にしたもので既に51/100. 会期中に無くなるのは目に見えているので、早めの購入をお奨めしておく。
私が良いと思った写真は生憎収録されていなかったが、紙も印刷も良く、プリントそのものと較べれば矢張り落ちるのだけれど払った代価以上の満足は得られた。

杉本有美は撮られ慣れてはいるが狎れたようなような厭味は無く、過不足無く商売用の自分をカメラの前に晒し、カメラマンに委ねている。
正体を表さない食えなさのようなものは有りつつも、隔意がある訳ではなく、只々美しい。
松田忠雄の撮り方も、底の底まで暴くような事はせず、上っ面を撫でてお仕舞いにするような事もしない、程の良い掘り下げ。 生々しく有りつつ、下卑ない。

黒バックにシンプルな照明で撮った "Put on roses" と題された連作の 04 と 06、Acrylic photos の 4 と5 が実に良かった。


2014-02-24 悲喜こもごもな土曜 [長年日記]

_ ドロシーリトルハッピー「STARTING OVER」リリースイベント(亀戸サンストリート)

墓参を済ませて都内へ戻る車中で時計とスケジュールと見比べて、なんとか間に合いそうな亀戸へ。
日曜の田舎の電車の事ゆえ接続が悪く、サンストリートに辿り着いた頃には一時を回ってしまっていたが、開演が遅れたらしく一曲目の途中に間に合った。

風は冷たいが、南中高度が上がった所為か陽射しは強くなっており、日なたに居る分には暖かい。 晴れた土曜とあって買い物客も多く、目当てで来た客以外にも足を止める人は多く居た。

リーダーの白戸が「今日から10日連続のリリースイベントです。」と話すと、客も演者も苦笑。 リリースイベントもフルアルバムとなると連日それなりの曲数を披露することになり内容も変えなければならない、客の側も枚単価が上がることによる可処分所得への食い込みが厳しくなる。

見終えてから友人とも話したのだけれど、このアルバムの少し前から、音作りが変わってきたような気がする。 音数が減ってシンプルになった分、聴きやすくなった。
振り付けもこれ見よがしに激しく難度の高さを見せ付けるようなくどさは無くなり、高度な表現技術を事も無げにこなしてみせる方向に舵を切られており、スーフィーのスカートのように回転することで美しく広がるスカートを生かした貯めの有るターンも増えた。
これまでの盛り込み・詰め込み過ぎてくどく野暮ったかった部分が整理されて、よりシンプルに。 この方向性は間違っていないと私は思う。

スケジュールの都合とかで早坂がお休み。 全篇被せオケ無しの生歌でやっているので、歌割りに関しては変更があったようだが、フォーメーションに関してはそのまま。 この辺りの判断も良い。

今日は全員ストレート。 髪の長さや髪質、振り付けの解釈が異なるので髪の躍らせ方にも微妙な違いがあって面白い。

高橋麻里は湿度が低いのと激しく踊る曲の後に歌い上げる曲が続くセットリストに手古摺っているところもあったが、今日も安定した歌唱。

秋元瑠海は定型から少しはみ出すくらいの大きな動き。 それを悠々とこなすので見ていて飽きない。

どのメンバーについても言えることなのだけれど、動きの激しさから凶相になることが無くなり、声を張り過ぎなくなった事により悲壮感も消えた。 これは大きな、良い変化だと思う。 

_ WALLOP放送局『坂本寿里 卒業ミニライブ』

メグリアイの坂本寿里が本日限りとの事で、万障繰り合わせてみた。
出演は坂本のほか、山田・山中・佐々木・大塚・野月の6名、受験期間でお休みの岡崎みさとと、体調不良らしい白鳥愛花がお休み。

今回は企画コーナー無しで全篇ライブ。 坂本が考えたセットリストが上手く出来ていて、最近あまりやっていなかった曲も含めて盛り上がれるものを中心にしつつ、聞かせる曲も挟み、最後に代表曲中の代表曲で〆る趣向。

構成の良さもあってライブそのものは楽しかったが、今日で辞めて行く坂本がアイドルとしての振る舞いに飛びぬけて長けており、今後に不安は残った。

坂本はキャリアが長いこともあって持ち歌の全てを自家薬籠中のものとしており、振り付けも動きの持つ意味を解して踊れているし、客の総体を大掴みに捉えていて、その場に居るすべての人を殺しに行っているのだけれど、4期以降になるとこれが出来ていない。

4期5期の連中が、そうした表現技術以前に振り付けやフォーメーションを憶えるのに汲々としているのを見るにつけ、メンバー個人の資質ではなく送り手の矜持に係る部分の欠落が状況を沈滞させているように思う。

<時間切れ、この項続く>


2014-02-17 らく里の道も一歩から [長年日記]

_ 立川らく里の会 ~らく里の道も一歩から~

大雪の余波で諸方交通機関が乱れる中、安定して動いている都バスで両国へ。
前夜にテレビで両国の町が取り上げられたらしく、焚き付けられて町をうろつく輩も多かったようだ。

「生兵法」立川寸志
「動物園」立川らく里
「時そば」立川らく里
<中入り>
「血煙高田馬場」「敵違い」「月世界旅行」片岡一郎
「熊野の牛王」立川らく里

開口一番は談四楼門下の寸志さん。


「生兵法」立川寸志

以前見た時に感じた天狗連臭がなくなり、口調のよさだけでは無くなっていた。 間が良い。

片岡一郎さんの活弁は流石に真っ暗な中で撮ったものはどうにもならず、写真は無し。
メリエスの「月世界旅行」は四方田犬彦の著作の中で紹介されていて知ってはいたが、実際に見たのは初めて。 思ったより雑なつくりで、その粗雑な筋立てをあの手この手で補完する弁士の語りが楽しい。

らく里さんは根多おろしも含めて三席。
「熊野の牛王」は「権助魚」の続きと言うかサゲの違うものと言うか。 誰もやらない物と言うのには、大抵合理的な(つまらないとかわかりにくいとか)理由があるものなのだけれど、蛇足と言えば蛇足ではあるのだけれど、これはこれで良いかなと思えるもの。
らく里さんの落語の面白さは、先代可楽にも似た「吐き捨てるような科白」と、謎の信念に凝り固まった困った人の描写にあると思うのだけれど、新作を演る際に色濃く出ていたそれらが、聞き慣れた古典にも出るようになっていて驚きつつ楽しんだ。

「動物園」立川らく里

_ その他の写真は

こちらに

立川寸志
立川らく里


2014-02-16 I wish time could stop for us. [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2014 11号

大島優子
表紙と巻頭グラビア8ページ7カット、うち見開き1箇所、撮影は西田幸樹。
大島優子のグラビア見るのは何時以来だろうか。 職場への行き帰りにコンビニエンスストアや書店が無いのと、所得に限りが有るのとで、限られた指名買い出来る媒体しかチェックできていないので、私の見ていないところでは掲載されていたのかもしれないが、久し振りに見た大島は瘧が落ちたと言うか、実に良い顔をしていた。

衣装は丈長で透かしの入ったコットンのキャミソールワンピースとミニ丈のタートルネック・ニットワンピースの2パターン。 部屋の外で撮ったカットでは、キャミソールワンピースの上にニットコートを羽織っており、この辺りの季節感の出し方がヤングジャンプらしい細やかさ。
薄着だが水着ではなく、季節感も出しつつ薄着である不自然さを軽くする道具立て。
時間の無さは感じられるが、限られた時間の中でどれだけの事が出来るか、しっかり練られた上で撮影されているのが救い。
西田幸樹は何時もながら光の足し算引き算が巧み。 今回は引いて撮れない状況だったこともあってか、寄って撮った締まった構図。

AKB48の頸木から解き放たれれば、大島優子は役者へと舵を切ってしまうだろうし、アイドルの顔をして見せることも無くなってしまうだろう。 それはそれで喜ばしいのだけれど、アイドルとしての大島優子を静止画として記録する時間と労力を充分に掛けられないまま今日に到ってしまったことが、私は残念でならない。

写真だけで語り尽くし得る8ページなのだけれど、各ページにキャプションが入っている。
表紙を繰って1ページ目、後ろ手でドアノブに手を掛ける大島の立ち姿の横に「時 間 よ 、と ま れ」と縦書きに。 これで先ず涙腺が緩む。
用意された衣装をどう着れば、着た上でどう振舞えば映えるかを分かった上で扇情的なポーズをとってみせる過剰なまでの仕事師ぶりは相変わらずで、鼻白むところ無きにしも非ずなのだけれど、それを上回る表情と仕草の訴求力。 こう言う大島優子が見たかった。
更にページを繰ると見開きでソファーに凭れるカットが現れる。 口を真一文字に引き結び、眩しい訳ではない光線状態なのに下瞼が緊張した、何か涙を堪えるかのような表情。
全てのカットに、濃淡はあれど微妙に翳が有り、青少年のリビドーを刺激する種類の万人受けするようなグラビアにはなっていないが、大島優子に幾許かでも好意を持つ者が見れば、まさに今しか撮れない写真が、一齣に永遠を閉じ込めるような良質のグラビアが、この世に遺された事を感じ取れるのではないだろうか。

最後のカットはドアを開けて、去り際に振り返るような一枚。
ドアに掛けた左手に、扉の向こうへ去ることを逡巡するかのような揺れ動く心が表れている。

忘れられないものになるであろう、良質な8ページ。

_ 更新情報

コラム置き場に

自己実現に失敗した大人達の失われた人生を押っ被せられるアイドルの不幸についての一論考

をアップロード。
書いたり消したり直したりしているうちに年を越し、春になってしまった。


2014-02-08 吹雪を呼ぶアイドル [長年日記]

_ せのしすたぁ1stアルバム「I'm sick !!!」発売記念インストアライブ(タワーレコード新宿店)

福井の荒ぶるアイドル せのしすたぁ が上京とのことで、見に行ってきた。

数十年に一回の大雪とあって、郊外在住の知己の中には都内へ出てくるのを断念したのも居たくらいで、前評判の高さからすると多くは無い集客。 それでも観覧エリアは埋まっていた。

大体時間通りに開演。 黒いキャミソール的なものの上から白いワイシャツに黒いネクタイを締め、下は黒のパンツと言うかスラックスと言うか。 ジャケットとボルサリーノを脱いで、サングラスを外したブルースブラザースと言った感じのいでたち。 のっけから紙袋を被って登場し、しばらくそのまま歌う。
left
IRAごっこ由来かと思ったら、そう言う事ではないようだ。

喋りは達者と言うほど達者ではなく、内容も詰めて来てはいないのだけれど、その分 "その日" "その時" の客の状態に合わせて臨機応変に。 横から最低限の指示は出るので、ぐだぐだになり過ぎる事も無く、喋ってダレると見るや次の曲に行く潔さもあるので間延びし過ぎる事も無い。

紙袋をぶん投げたあと、しばらくはステージの上だけでおとなしく(おとなしくも無いが)歌い踊っていたが、エンジンが掛かって来るとかわるがわる客席に下りてきて煽ったり叫んだり、オーイングサークルに参加したり、最前列でガッツいたり。 仕舞いには柵を乗り越えてステージに戻ったり、その柵を客が支えたり。
客席に下りてきても怪我人が出るような騒ぎ方ではなく、割と牧歌的。

客の側の自己顕示の為の悪ふざけも突出した形では現れず、ステージの上から盛り上がることを強要することも無い(なぜなら、そう言うときは下に下りてくるから)

コアな客は所謂「ピンチケ層」と「クラブ系(いろんな意味で)」に分かれているのだけれど、それなりに上手くやっていていがみ合うことも牽制し合うこともない。
客の規模と質のバランスの上に成立した幸せな祝祭空間。
オケのベースラインがしっかりしているからか、アイドル現場にしては珍しく手拍子が走ることも遅れることも無い。 これは曲作り音作りの上手さを象徴しているように思った、

歌詞に感謝するくだりがあるところでは「土下座しまーす」と明るく土下座。 客も一斉に土下座。 まったくどうかしている。

歌声は ゆうほ が主で、まお が従と言った感じ。 声量と声の質で引っ張っている。
振り付けは ゆうほ が担当していて、動きもエモーショナル。
喋ったり煽ったりする部分は まお が、歌って踊る部分は ゆうほ が主導、役割分担をざっくり纏めると別表の通り。

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ひとしきり暴れた終演後、店の人に「すいませんでした!」と土下座していたのが面白かった。

参考:せのしすたぁオフィシャルサイト


2014-02-03 見るも無残 [長年日記]

_ UTB+ 2014 3月増刊

横山由衣
表紙と巻頭グラビア11ページ12カット、うち見開き一箇所。 撮影は小池伸一郎。
一寸これは無い。 UTBだけは中身を確認せずに指名買いしてきたが、此れまでで最低にして最悪のグラビア。 
どんなスケジュール調整でこうなったのか知る由も無いが、この状態の横山に11ページってのが私には判らない。 但し、カメラマンに罪はない。 エル・アラメインのイタリア軍みたいな絶望的な状態で、よく撮ったと思う。

今のAKB48のスケジュールで摂生をしろと言うのが先ず無理な話なのではあるが、塗り絵レベルのレタッチをしなければどう撮っても公に出来る写真にならないような体形になっている横山に水着の仕事を取ってくる了見がそもそも間違っている。
服を着た状態では誤魔化せても、水着になると構図を切る際に先ずウエストを中心とした「そのまま写ってしまっては困る部分」をどう誤魔化すか考えながら撮らなければならない。 そんな状況下に置かれては、どんなカメラマンでも良い上りなど期待するほうが無理である。

小池伸一郎の画面構成の上手さと構図の厳しさは出ているが、それが横山由衣を生かしているかと言うとそうでもない。 なぜなら、横山由衣が死んでいるから。
とれるポーズは限られており、自分の体形がどう言う状態にあるか判っているから表情も冴えない。 そもそも肌の状態がよろしくない。
どうにもならない手詰まりの状態で、見栄えはしないが使えない事も無いものをなんとか12カット撮り、選び出したカメラマンと編集者の苦労は見ておいて損は無いが、被写体としての横山には魅力の欠片も無い。

摂生しようの無い状況に置かれてそれに疑念を持てないと言うことが自分より我慢強くない同輩や後輩にどれだけの災厄を齎しているか、横山由衣は知るべき。
AKB48と言う組織の中の中間管理職としての評価が幾ら高かろうと、写真を撮られる職業の人としては落第。

_ UTB+ 2014 3月増刊(続)

矢倉楓子
6ページ11カット、撮影はMARCO。
ピントが甘いのは相変わらずだが、その場の雰囲気を汲み取るのは上手い。 余白が多く、引いて撮ると冗長なのも相変わらずだが、割り付けに助けられている。
セルフポートレートを恒常的に撮ることの弊害として「決め顔の画一化」があるのだけれど、矢倉もその陥穽に陥っており、カメラと素で向き合えていない。
撮る側が間合いを外したカットでは生きた表情も見られるので、素材としての良さは垣間見られるが、一寸物足りない。

宮脇咲良
6ページ9カット、撮影は桑島智輝。
こちらも決め顔の呪縛に囚われすぎている。 一寸困ったような顔をしてみせると映えるのは判るが、その顔しかしないと言うのはどう言う事なのか。
自己演出についての指原莉乃のアドヴァイスは正鵠を得ていると思うが、それを金科玉条としてしまっては指原の意図に反するのではないか。

松村沙友理
6ページ7カット、撮影は資人導。
UTBに於ける乃木坂46のグラビアは何時も乍ら練られていて見応えがある。
メイクや衣装だけでなく、ライティングも変えて、通奏低音を響かせつつ、ページを繰るごとに印象の変わるブーレ。
紋切り型のポートレートではあるが、6ページ目が秀逸。
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2014-01-29 川栄李奈の"Sein und Zeit" [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ宿題消化月間 その2

なんとか今月中に今年に入りたい。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 32号

入山杏奈
7ページ7カット、撮影は蜷川美花。
私の好みでは全く無いが、何の意味も価値も無い接客営業に忙殺されて、グラビアの仕事が回ってきてもヤッツケの撮影しかしてもらえないメンバーの方が多い中、こうして試行錯誤して美点を引き出そうとしてもらえるというのは、実に有り難い事ではある。

優希美青
4ページ10カット、撮影は長野博文。
表情に未だ硬さはあるが、そこを柔らかく撮る長野博文らしいグラビア。
紫陽花で取り巻いた2ページ目右下のちいさな写真が秀逸。

古畑奈和
5ページ10カット、撮影はTANAKA。
表情が画一的で硬さもあるのだけれど、どうにかしようとしているのは伝わって来る。 伝わっては来るが、どうにもなっていないのが痛々しい。
撮られ慣れた先輩と組になるとまた違う表情や仕草も見られるのだけれど、一人になるとまだ覚束ないところが目立つ。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 33号

鈴木愛理
7ページ16カット、撮影は熊谷貫。
薄着だが水着ではない、夏らしい服装。 表紙ではトリミングの妙で鎖骨とサロペットの肩紐だけを見せて想像力を喚起せしめる詐欺写真。 上手く隠して上手く見せている。
かんかん照りの日なたで撮ればまぁ目は開かない訳なのだけれど、眩しげでありつつ映える表情を探って撮っており、目を伏せたカットにも意味を持たせている。
屋内や木陰で撮ったカットで柔らかい表情を切り取ってバランス良く。
撮り甲斐の有るモデルになると、熊谷貫の腕も冴える。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 34号

有村架純
7ページ13カット、撮影は細野晋司。
表紙は扇情的にしつつ、ページを繰るとそうでもないと言う、ヤングジャンプらしい構成。
正面からの方が撮りやすく絵にしやすいモデルを、敢えてさまざまな角度から切り取る試みが成功している。
曇天が幸いし、長いレンズを使うことで背景を飛ばすことによって構造物で曖昧に描き出された線がやさしくモデルを引き立てている。
細野晋司の仕事としては2013年最上のものであったと思う。

島崎遥香
4ページ9カット、撮影は中山雅文。
中山雅文の四畳半グラビアでも陰惨にならず、品下がっても見えないところは島崎遥香らしいとも言えるが、島崎の狂気と凄艶は欠片も引き出されていない。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 35号

岩崎名美
7ページ9カット、撮影はTakeo Dec.
夏らしいと言えば夏らしくあるのだけれど、凡百な水着グラビア。
太陽を背負わせて何とか写真になる表情を押さえようとするTakeo Dec.の苦心惨憺が涙を誘う。

内田理央
5ページ6カット、撮影は大江麻貴。
「こう言う風に撮ると、男性の目からは淫靡に見える」と女性目線で撮った写真のあざとさとおぞましさ。
シャツを脱ぎながら見えそうで見えない線を狙って撮った3カットは、モデルの人品まで貶めている。
変に狙わないで撮ればここまで酷いことにはならない。 カメラマンの腕だけの問題ではなく、編集者の人選ミスであり、ディレクションミスでもある。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 45号

新川優愛
巻頭7ページ15カット、巻中3ページ4カット。 撮影は桑島智輝。
カメラマンの試行錯誤は見て取れるが、見事に同じ顔しかしない。
桑島智輝をして、どうにもならない事もあると言う事態に驚く。
売り出したいのは判るが、ここまでどうにもならないものに10ページ使うってのは理解出来ない。

志田友美
5ページ8カット、撮影は細居幸次郎。
洋館のハウススタジオと言う事もあるが、細居幸次郎が撮ると屋内でも四畳半グラビアのじめじめした陰鬱さは漂わず、ビーダーマイヤー的な柔らかさとあたたかさに満たされる。
扉の1カットだけ屋外なのだけれど、これもこれで良い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 46号

古畑奈和
7ページ13カット、撮影は佐藤裕之。
剣道着、制服、水着。 低めのポニーテールにした剣道着のカットが良い。
32号の巻末では冴えなかった古畑奈和が見違える出来。 表情も柔らかく且つ多彩で、ポーズや仕草の引き出しも増えた。
何より、カメラと素で向き合えているのが良い。 まだまだ伸び代はありそう。

入山杏奈
5ページ8カット、撮影は川島小鳥。
隙の無い美形だけに型に嵌める様な撮られ方をされることが多いのであるが、私はこう言う入山が見たかった。 戸惑いと微苦笑、そして含羞。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 47号

川栄李奈
6ページ9カット、撮影は桑島智輝。
限られた空間と時間のなかで、その場にあるもので組み上げたグラビア。
底の無い存在である川栄李奈を、限られた時間の中で写真として固定する営為。 機嫌・不機嫌の波と、飽きから来る虚無、それらを可愛らしさの糖衣で包んで甘く切なく。

朝長美桜
5ページ8カット、撮影は細居幸次郎。
笑顔のこわばりやポーズのぎこちなさも含めて、朝長美桜の初々しさを切り取った佳品。
5ページ目に引き込まれる。

2014-01-26 小倉生まれで 玄海育ち [長年日記]

_ GALETTe 2nd SINGLE発売記念予約イベント

寒風吹きすさぶ東武百貨店池袋店8F屋上「スカイデッキ広場」にて、北九州発のアイドルグループ GALETTe の2ndシングル販促イベントを観覧。

近隣のサンシャインシティ噴水広場や新星堂アルパ店でのイベントから廻して来る客も多かったと見えて、予想以上の集客。 メンバーも驚いていた。

リハーサルをしていなかったと言う事で、開演直前に一曲流しつつ一確認と音響のチェックなど。 なにしろ設備がセコなので、音響担当者もマイクのレベル調整に四苦八苦。 頑張ってはいたが、如何せんスピーカーが悪過ぎた。 終盤になると音が篭ってモワモワと。 ラーメン屋台で聴くAMラジオの如くにくぐもる。

本番は10分遅れでスタート。
特にセンターを固定せず、5人でフォーメーションを切り替えつつ、目まぐるしく激しく歌い踊る。 振り付けを構成する動きには序破急の「急」の部分が多く、中村屋の連獅子を思わせる、髪を振り乱す振りが美しい。
個人差はあるが、目の前の優先エリアだけでなく、とおりすがりの客を含めて会場全体を大掴みに見ているところにも好感が持てた。

歌はほぼ生歌。 上手くはないが下手すぎず、生ならではの良さはある。

自己紹介や最近の個人活動の話の中で「HKT48」と言う単語が出るや否や、曰く因縁の有りすぎる古森結衣が「ンだと?今なんツッタ?コラ!!」くらいの勢いで噛み付くのが楽しい。
話の中で頻繁に出てくる「テッペン取る」に象徴されるギラギラ感。

小倉生まれで 玄海育ち、口も荒いが 気も荒い。
度胸千両で生きるアイドル GALETTe 。
面白いものを見た。


2014-01-24 高気圧 冬晴れ なりたい自分 [長年日記]

_ 東京タワー Club333 Night View DJ(DJ:折井あゆみ)

東京タワー開業50周年の年にイメージガールを勤めた折井あゆみが久しぶりの Night View DJ 。

折井の担当した年は、金曜になるとほぼ雨。 雨どころか台風とか吹雪とか、ありとあらゆる荒天に見舞われ、おかげで私も職場に置き傘、鞄に折り畳み傘を忍ばせる習慣が。

そんな訳で「雨女」と揶揄されることも多かったのだけれど、「雨女」では語感が悪い。 そこで考えた客が言い換えて曰く「低気圧ガール」。
「雨女」よりは幾分マシにはなったと感じたのか、折井も折に触れて使っていた。

折井が担当とあって、天気予報で『晴れ』と出ても信用できず、とりあへず雨具は鞄の底に入れて東京タワーへ。

始まる前はスタッフに「緊張するー」などと零していたが、始まってしまえば折井のペースで進み、あの頃より寧ろ上手いくらい。
芝居で鍛えられた滑舌と発声、当意即妙の掛け合いと切り返し、話を膨らませる引き出しの多さ。 DJミズノ氏の選曲に絡めて、その曲が収録されているアルバムの素晴らしさにまで言及しつつ、程の良いところで次に行く潔さ。
演技の仕事をこなしつつ、こなすために積まれた水面下での努力、これが喋る仕事にも生きているように感じられた。

リクエスト以外の部分の選曲はDJミズノ氏によるものなのだけれど、これがまた良い。
お客さんからのリクエストは矢張りベタなものが多いのだけれど、ミズノ氏の選曲は古今の洋楽を中心にした洒落乙なもの。
リクエストで掛かった「勝手にシンドバッド」の曲出しを折井の喋り終わりにきっちり合わせてくるなど、腕も良い。

折井がふと漏らした「天気も良いし」に訳知りの客から笑いが漏れる。
客からのリクエストでも、折井と天候に絡めたものが二通、掛かる曲も「高気圧ガール」であったり「晴れたらいいね」であったり。

カフェ ラ・トゥールに一品頼むコーナーでは、ホットミルクを注文。 その時飲みたい(食べたい)ものではなく、飲んでも喋るのに差し支えないものを頼むのが、相変わらず折井らしくあった。 「ボクも何か頼もうかな」と茶目っ気を出すミズノ氏に目を丸くして驚く折井。

折井の自己紹介は、今やっている仕事を中心に。
今年は出演した映画が3本公開になるそうで、その辺りの話や、出演する舞台についてなど。 昔の話は、その舞台で共演するAKB48の田名部未来に絡めて「私も在籍していたんですけどね」くらいの感じでさらりと触れていた。

「元AKB48」で売っていないから、そう言うところに食いつくようなのはおらず、昔なじみの訳知り中心の多くは無い集客ではあったのだけれど、AKB48が接客業に舵を切る前からの客なので妙にガツガツすることもない。
固有名詞の「件の馬鹿」の一人相撲の狂騒を除けばこれと言った不愉快事も無く、万事和やかに進行。
AKB48在籍時は文字通りの「細腕繁盛記」であったし、気を使ったり自らの感情を押し殺したりすることも多い折井の笑顔が多く見られたのは嬉しかった。

少々時間は掛かったけれども、宇佐美友紀にしても、星野みちるにしてもそうだが、なりたい自分に近づけているのはAKB48が売れる前に抜けたこの世代なのではないか、そんなことを考えた。


2014-01-12 積ん読宿題分消化月間 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ宿題消化月間

毎週買っては居たが積ん読になっていたものから選り抜きで消化。 貶すしかないようなものは割愛。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 5・6合併号

柏木由紀
表紙と巻頭グラビア7ページ7カット、撮影は細居幸次郎。
外で撮るとやはり写真にならないのだけれど、屋内で撮った分に関しては珍しく写真になっている。 ニコパチのカットは何時も通りの冗長な作り笑顔なので、写真になっているカットもポージングと意識付けでなんとかしたカメラマン側の仕事。
3~5ページ目の表情が常に出せれば良いのだけれど、事務所なのか本人なのか固定観念に縛られすぎていて、柏木本来の良さが写真に現れないことが多い。

星名美津紀
巻末グラビア5ページ7カット、撮影は細居幸次郎。
腹を括って仕事をしている所為か水着でも表情が硬くなりにくいところはあるのだけれど、光の当て方の違いは有りつつもセーラー服のカットの方が、より深みのある表情。
売り方の制約もあるとは思うが、厚着をした写真をもっと見たい。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 7号

日南響子
表紙と巻頭グラビア7ページ9カット、撮影は桑島智輝。
カメラに対して臆するところが無く、どんな状況・衣装でもカメラと向き合えていて揺らぎが無い。
また映える角度が広いので何処から切り取っても絵になるし、身体が柔らかく重心のバランスも良い為、ポーズであったり仕草であったりも含めて、一枚の写真で説得力が有り、それを汲み上げる事によって物語が生まれる。

相楽樹
巻末グラビア4ページ11カット、撮影は細居幸次郎。
1ページ目と4ページ目で1カットずつ、見開きの中央に横顔を大きく配し、その周りに小さめの写真を散りばめる構成。構図、表情、ピントの置きどころと深度、4ページ目が良い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 8号

島崎遥香
表紙と巻頭グラビア7ページ7カット、撮影は桑島智輝。
表紙はアイキャッチで水着に(そうしないと売れないので仕方が無い)なっているが、それ以外の写真が凄い。
此処ではない何処かを見ているかのような、こちらの心の底の底まで見すかしているかのような4ページ目が神々しくも畏ろしい。
島崎遥香の真骨頂はこうした表情にあり、それだけでは出版物として売りにくくなってしまう(大衆はわかりやすいものを求める)のだけれど、わかりやすさだけを島崎遥香に求めたグラビアは悉く失敗している。

佐々木優佳里・小嶋菜月
巻末グラビア6ページ16カット、撮影は佐藤裕之。
水着メインで無いと売りにくいのは判るが、小さく使われたカット、例えばおはじきを積み上げるカットであったり、紙風船と戯れるカットであったり、撮られ慣れてはいない二人の意識を軽くする工夫がなされたものの出来が良く、一寸勿体無い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 25号

大島優子、島崎遥香、松井珠理奈、渡辺麻友
表紙と巻頭グラビア7ページ7カット、撮影は佐藤裕之。
忙しい連中を4人集めて撮るとなるとスタジオで短時間と言う事になり、その場の仕事より衣装であったり道具立てであったり、事前準備で上がりが左右されてしまいがちではあるが、凝り過ぎないが手抜きでもない程の良さ。
それぞれの個別カットも考えられてはいるが、大島の窶れであったり、アイメイクに変化をつけすぎた島崎遥香の凶相であったり、どうにもならなかった部分は出てしまっている。

入山杏奈
巻中グラビア5ページ8カット、撮影はレスリー・キー。
レスリー・キーの作り込んだ写真は苦手なのだけれど、入山杏奈には上手く嵌っている。
色々と試行錯誤して貰える環境の有り難さ。
2ページ目が良い。

渡辺麻友
巻末グラビア3ページ8カット、撮影は熊谷貫。
「MädchenとはFrauになろうとしているものである」とかなんとかショーペンハウエルが書いていたような記憶があるが、そうした成長の過程で見せ方を変えようとする過程にある渡辺麻友の現在を捉えようとした写真集からの8カット。熊谷貫らしさは薄く、下手ではないが凄みは感じない。 ヤッツケ仕事とまでは言えないが、事務所の縛りの強さを感じざるを得ない詰まらない写真。

_ 週刊ヤングジャンプ 2013 26号

鬼頭桃菜
表紙と巻頭グラビア7ページ11カット、撮影は佐藤裕之。
表情は単調なのであるが、ポージングで変化をつけている。
身体の線の捉え方で美しく見せるグラビア。

倉持明日香
巻中グラビア5ページ8カット、撮影は栗山秀作。
ポーズのとらせ方、ロケーション、ライティング、衣装を含む道具立て、お膳立ては完璧に近いのだけれど、倉持明日香の表情が詰まらない。 そして衣装や道具立てをゴテゴテのネイルが台無しにしている。
倉持に限ったことではないが、仕事に支障を来たすお洒落ってのは如何なものかと思う。
身体の線は美しく描き出されているので、カメラマンはするべき仕事をしていると言える。
悪いのはやはり事務所だろうか。

深谷理沙
巻中グラビア後半4ページ6カット、撮影は飯塚昌太。
映える表情を探りながら撮った形跡があまり見られない。
使えないカットのボタ山から石炭屑と木片を拾い集めたような6カット。

藤原令子
巻末グラビア4ページ9カット、撮影は細野晋司。
カメラ慣れして硬さは無くなった分、表情は単調になった印象。
ニコパチで押し切った撮影手法も影響して、藤原令子にしては食い足りないグラビア。

2014-01-03 刈り込む芸 [長年日記]

_ Dorothy Little Happy「STARTING OVER」リリースイベント ミニライブ

今年一年の吉凶を占うべく、ヲタ活始めにアーバンドック ららぽーと豊洲へ出かけてみた。
松の内とあって他の現場が少ない所為か、アルパム販促イベントで物販の閾値が高い割に結構な集客。

多少風があるが、日が射している時間帯だったので然程寒くは無い。
客席の割りは例によって雑で、ステージ前の芝生と後方の階段席が有料観覧エリアだったようだが特に規制線もなく、ざっくりとした入れ込み。 いつもの客から収奪するだけのブロック経済では行き詰まるのは目に見えているのに、ステージ周りに告知ポスターは無く、館内放送も流れず、チラシを配るのもいつもの客にだけ。 客の分母を大きくしようとする工夫が送り手の側に全くと言って良いほど見られない。
その場でCDを買ってもらえなくとも、名前だけでも覚えてもらえれば何時か目に耳にした情報と「あの時見たアレ」が結ばれることは有り、それが大衆の認知に繋がるのである。

14:50過ぎから軽くリハーサル。 紺のワンピースはアジアンストーンの衣装と似ているが、襟の形や裾の長さと形状、ボックスプリーツの数と長さ等が異なる。 スカートの翻り方の美しさから見て改良版なのではないかと思われる。
ステージ裏での防寒対策の為か、揃いの紺のコートを着ていた。 あまり暖かくはなさそうだったが、見た目は美しく、このあたりのセンスは良い。
白戸は二つ縛り、秋元はポニーテール、高橋と富永は編み込みストレートで、早坂は素のストレート。 一曲軽く浚ってリハーサルは終了、一旦引っ込んでから五分ほどの遅れでミニライブスタート。

商業施設の真ん中に在り、且つ海沿いの埋立地で地盤があまりよろしくない為、派手なダンスやジャンプは禁止。 何処にでも湧いて出る「高まっちゃったんだから仕方ない」系の愛国無罪バカが跳んだり撥ねたりしていたが、概ね平和裏に。
こうした会場の制約もあってか、「聴かせる曲」を中心に構成。 そう言う曲では振り付けも抑制されたものになるのだけれど、そこに感情を乗せてくる早坂の情念の篭った動きが美しかった。

早坂香美は盛り込む芸としてのダンスに見せ場を作ろうとする傾向があるように思うが、こうした刈り込んだ芸としてのダンスにこそ、そのセンスと技倆がより色濃く出てくるように思う。

もう一つの発見は、白戸佳奈のスカートの裾の翻し方が上手い事。
プリーツは一箇所だが布地はたっぷりしていて、旋回舞踏の衣装のように、回転すると遠心力で綺麗に広がるのだけれど、投網を打つが如く慣性質量を上手く使って拡げたり窄めたり。
振り付けの動きの中に巧みに織り込んだスウィング・バイでスカートをコントロール。 判り辛い部分に於ける工夫の積み重ねが見て取れる。

曲ごとにオケの音量やミックスがまちまちだったり、ワイヤレスマイクの電池残量をチェックしていなかったり、裏方仕事のポカが演者の足を引っ張るようなところはあったが、そこでのメンバーの対応が素晴らしかった。
白戸佳奈のマイクがソロパートで死ぬという惨事があったのだけれど、曲中にスイッチを確認。 曲間にスイッチを入り切りし、ちょっと叩くような仕草をしてスタッフにマイクが死んでいることをさり気なくアピール。 替えのマイクを持ったスタッフが袖に来ると、さっと捌けて交換。 次の曲までには間に合わせていたが、ソロパートでちゃんと声を拾っていることを感じたときに綻んだ表情が可愛らしかった。

7曲演ってお仕舞いかと思いきや、アンコールでもう一度「恋は走り出した」の大盤振る舞い。

揃うべきところはきちんと揃えつつ、五人が五人その人ならではの解釈を加味して踊っている。
良いものを見ることが出来て、私にとっても幸先の良い年の初めとなった。

_ 更新情報

コラム置き場に

2014 アイドル俺アワード(戦犯大賞・運営部門)

をアップロード。

量的な基準で質を判定するイベントに価値を見いだす神経が、私には分からない。 


2013-12-23 太っ腹 [長年日記]

_ 第27回ANNA☆Sワンマンライブ~4周年記念~

4周年を記念してドリンク代のみと言う太っ腹企画。
メール予約で400名招待との事だったが、定員には若干満たなかった模様で、当日券も出ていた。

会場のコシダカシアターは大量の客が一時に押し寄せることを前提にはしていない構造で、小型エレベーター1機でのピストン輸送と言う事もあり、開演一時間前からの客入れ。
入場列と物販列の切り分けであったり、声掛けであったり、手の足りないところは客の方で機転を利かして対応。 統制は無いが秩序はやわらかく存在する理想的な空間。 メジャー展開を目指して客の分母が大きくなったときにどうなるかは判らないが、現時点では上手く廻っている。
一定規模以上の現場で入場時に不快なことが何一つ起こらないと言うのは奇跡に等しい。

下手側の一段高いところは女子観覧席、上手側の一段高いところは関係者席。
壁際には荷物置き場も兼ねてか椅子とテーブルが幾つか。 のんびり観たい年寄りはこのへんに。

カラオケボックスとレストランシアターである施設を営業時間外に借りているのでアルコール類あるのだけれど、ソフトドリンクのみの提供。 これはコレで良い。

10分ほど遅れて開演。 衣装のティーシャツに「地下脱出」と大書されているのが頼もしい。

オリジナルの曲が中心で、ところどころに古今東西のカバー。 振り付けは勿論のこと、オケにも一と手間二た手間掛けてあって、持ち歌としてしっかり歌いこなせるように練ってから客前に出している。 当たり前と言えば当たり前の事ながら等閑にされがちな昨今、ここまでちゃんとしていて大丈夫なのかと、逆に心配になる。

歌って踊っての部分は実にしっかりしているのだけれど、喋ると地が出ると言うか、意外に間の抜けたところもあり、年相応の可愛らしさが出てくるのだけれど、ぐだぐだに成りすぎないところも程がよい。

ソロや派生ユニット等も織り交ぜつつ、終盤にボスの西田氏より指令。
2曲分撮影可の時間を設けるので、二曲終わったタイミングでツイッターに画像を上げようと言う悪戯。


杏奈(ANNA☆S)

マニュアルフォーカスで撮っている私にとっては結構な修羅場であったが、5割程度の歩留まりで収まったのは、偏に撮りたくなる被写体であるから。 これに尽きる。
三人三様で適度に撮りにくく、ピントが逃げたりシャッター切った瞬間に動かれたり目を瞑られたり。
その分、決まった齣はきっちり絵になる。

アンコールも含めて20曲以上をみっちりと。

終演後に挨拶に立った西田氏、「楽しかったでしょう。」「絶対の自信を持ってお送りしています。」
その言葉に違わぬ充実の二時間。 ライブの内容から客の入り捌けまでひっくるめて、主催者に起因する不愉快が全く無い稀有なライブであった。

_ 今日のもう一枚


杏奈・優奈(ANNA☆S)
ペンタックスK-10D、オートチノン200mm/f3.5。
iso=1600相当で絞りはほぼ解放、ピントはマニュアル。 露出も固定したいところだが、照明が目まぐるしく変わるので、中央重点平均測光のオート。
距離があっても開放だとピントは薄くなり、一寸した事で外れる。 これも少々アウトフォーカス気味なのだけれど、雰囲気は撮れているのでまぁ許容範囲内と言う事にした。

_ 今日の更にもう一枚


杏奈・涼夏(ANNA☆S)
人垣越しの撮影で明暗も目まぐるしく。マニュアルフォーカスで撮るには辛い状況だったのだけれど、撮り甲斐のある被写体。
優奈は呼吸が読めない。 シャッターを切った瞬間、ファインダーがブラックアウトしているあいだに動かれたり、瞬きをしたり。 先方にはまったく否は無いが、歩留まりが悪い。
涼夏も似たところがあって、可愛い瞬間は確実にあるのに、それを捉えられない。
杏奈は動きは激しいものの先を読みやすく、先回りして置いたピントであったり、待ち構えた構図にピタリ嵌ってくれる。
そんな訳で杏奈多めな仕上がり。
撮って苦痛なメンバーは居ない。

そのほかの写真はこのへんに。
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2013-12-22 写真に語らしめよ [長年日記]

_ 報道写真とデザインの父 名取洋之助展

日本橋高島屋の8階催事場で行われている名取洋之助展に行ってきた。
がらがらではなくごった返してもいない程の良い入り。
程の良い入りなのに傍ニ人無キガ若シな年寄りの観覧マナーの無さ加減でストレスは溜まる。

初期から晩年まで、写真から編集・デザインの仕事までまんべんなく。
爺ぃは良いから若い人に是非見ていただきたい。

国策としての宣伝にも携わり、植民地下にあった地域での仕事も多いので、物議を醸しそう(難癖をつけられそう)な部分は説明をざっくりしたものに留めて現物を見せる趣向。

名取洋之助の言葉が其処此処に引用されていたのだけれど、

「写真は挿し絵じゃない」
「写真に語らしめよ」


ってのが印象に残った。

親交の有った人々が思い出を語るテープが流されていたのだけれど、子供っぽい名取に如何に手を焼いたかを婉曲に話す木村伊兵衛と、如何に理不尽に苛められたかを嬉々として話す亀倉雄策が面白い。

29日まで。

報道写真とデザインの父 名取洋之助展

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2013-12-21 こんなに良いお天気の日に  お別れしてゆくのかと思ふとほんとに辛い [長年日記]

_ 『やっぱりここでも メグリアイ厨!』クリスマスミニライブ

12/23にて、高田淳美と浅原桃子がメグリアイでの活動を終了。 浅原桃子を見られる最後の機会になりそうだったので、万障繰り合わせてみた。

本日の出演は山田、坂本、山中、浅原、佐々木、野月、大塚の7名。 受験の岡崎と体調不良の白鳥と遠隔地の高田がお休み。 白鳥が急遽お休みと言う事で、構成が変わる為かリハーサルは長めに。 毎度泥縄式なのはいただけないが、より良いものを提供しようとする営為は買える。

クリスマスシーズンと言う事で、七人七様のサンタ風ドレスの衣装。 揃いではなく、一人ひとり違うのがまた良い。

クリスマスミニライブと言う事で、自己紹介もそこそこにほぼ全篇ライブ。 定期で入っていたこの場所での仕事もこれで最後と言うこともあってか、浅原の目は最初から潤みがち。 それでも最後まで笑顔で通してはいた。

野月まいは喋るのも達者で歌ったり踊ったりする部分も(移動以外は)ソツなくこなしているが、それが「手馴れた感じ」に映りがちなところはある。 押したり引いたりするステージ上での駆け引きが出来るようになれば馴染んで行くと思う。
野月まいの歌のソツの無さは、裏を返せば一本調子と言う事でもあり、山田渚が歌で全体のバランスを取ろうとしているのに驚く。 方法として最適解かどうかはさておき、着眼点と方向性は正しい。
押し出しの強い同期の影に隠れがちな大塚えみかも、覚束ない部分はありつつも舞台上で固まってしまうような事は無く、笑顔を見せる余裕は無いが凶相になることも無い。 足を引っ張らないと言う点に於いては、褒めて良いと思う。

佐々木澪の振りに情緒が出てきたのには驚いた。 多少トチッても冷静に対応できているし、動ける体形にも変わってきているし、すくすく育てば化けそうな気配。
自分が出来るようになった分、周囲の出来ていない部分が目に付き、自らの到らないところも判るようになってきた所為か、少々表情が硬いのが帰になるが、この先佐々木を取り巻く状況が変化してくれば、もう少し柔らかくなるだろう。

3期までのメンバーはさすがにこなれていて、新人が入っても打ち合わせと違うことが起きても動じない。
浅原の居る仕事と言うのは残り少なくなってきており、努めて明るく振舞おうとするのが見て取れたが、かっちり演る部分と砕けた部分が混在していて、これまでで一番楽しく観ることが出来た。

浅原がやめることになってからの山中は、ふわふわした雰囲気は保ちつつ、芯が強くなった印象。
自信の無さから来る悲壮感が消えて、客席を大掴みに見られるようになった。

坂本の客全員を殺しに来る気概に感服。 無闇に愛想の弾幕を張るのではなく、3点バーストで確実に仕留めに来る。 ハーグ陸戦協定すれすれの甘美な殺戮。

_ 浅原桃子を送る

明日明後日は見られそうにないので、今日でお別れ。
前に前に出る性格でもなく、常に一歩引いたところにいるような印象があったが、番組の進行などではそれがプラスに働き、ともすれば暴走しがちなメンバーを操っていた。
メグリアイには女性スタッフが帯同していないので、精神面でややこしいことになりがちなメンバーを纏める役割も担っていたのではないかと思う。
この業界の表舞台からは去ってしまうようなのであるが、気持ちに一と区切り付けられる日が来たら、裏方としてでもいつかこの業界に戻ってきて欲しい。

浅原桃子(メグリアイ)

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「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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