例の手元不如意で購入には至らなかったものを幾つか。
週刊ヤングマガジン 2011 43号 の高城亜樹
栗山秀作の撮影。 前号が酷かったので立ち読みすらしないで流そうかと思っていたのだけれど、偶々手に取る機会が有り散見。 他はともかく高城亜樹のグラビアは良く出来ていた。
頑健な下半身や張った頬骨など、粗になり兼ねない部分も隠さずに且つ綺麗に撮って貰えている。
考えさせると死んでしまう表情も、放牧に出された動物のように生きたものになっている。
カメラマンが自分の流儀に拘泥せず、モデルを生かそうと撮ったグラビア。
懐都合さえ良ければ、これの為だけに買っても良かった。
週刊プレイボーイ 2011 41号 の深田恭子
今村敏彦が生々しく撮っているのだけれど、モデルが強いので破綻しない。
同時期に載ったビッグコミックスピリッツのグラビア(こちらは野村浩二)は、弄り壊してしまったようなところが有ったが、こちらは良かった。
週刊プレイボーイ 2011 41号 の小島慶子
沢渡朔の撮影。 39歳の小島慶子を糊塗せずに、且つ綺麗に撮っている。
若いモデル相手だと人の悪い撮り方もするし、それが良かったりもするのだけれど、頭も勘も良い小島慶子相手だと悪戯せずに撮っているのが微笑ましくあった。
9ページ、撮影は唐木貴央。
最初のページとオマケピンナップの裏面を地続きにして都合3ページ使った集合で始まり、あとは個別で1ページずつ。
何となく引っ掛かるものがあって考えながら見直すと、グラビアの最初のページである部分、つまり左端の部分に高城亜樹、指原莉乃、河西智美で並んでおり、ピンナップの裏に佐藤すみれ、小森美果、宮崎美穂、竹内美宥。 指原、高城、河西の三人と残りの四人とでは、扱いにあからさまな差がある。
ピンナップの裏面まで使ってグラビアを構成する工夫、枠の中で出来ることをしようとする意気込みは感じられるのだけれど、その「枠」が目先の商売に囚われ過ぎていて、新たな需要を掘り起こそうとまではしていない。
個別写真は一人1ページ、河西と高城と宮崎はバストアップなのだけれど、河西はともかく宮崎と高城に関しては粗を隠して撮った消極性が興醒め。 ただ、この3枚に関しては写真そのものは良く撮れており、消極策ではあるが成功はしている。
しかし、佐藤すみれと小森美果に関しては扱いが雑なのが気になる。
小森が撮りにくいのは判るが、佐藤すみれに関しては撮られ慣れ過ぎたのが時として鼻につくことはあっても、もっと撮り様はあったと思う。
もう一つ鼻についたのは水着に入れた餡子の量。 寄せる肉が有る連中は良いとして、元本が無いところに無理に利息をつけようとした指原莉乃あたりは逆にその貧相が強調されてしまっている。
それがまぁ Justine 的な意味合いにおいて訴求力のある写真になっているのだけれど、これは文字通り怪我の功名。
ヤングマガジンのグラビアは一と言で言って「子供騙し」。 情緒より性衝動を刺激することを第一義に考えて構成されている。
巻末の秋月三佳のグラビアを見て驚くのが、その表情の種類の少なさ。 水着は布地面積の少ないものを取っ替え引っ換え6着使っているが、表情が全て同じ歯見せ笑顔。 肌さえ露出していれば良い下衆な写真、実に酷い。
これに較べればAKB48絡みのグラビアはまだ考えて撮って貰えている(これは対戦企画のページを見ても判る)
この雑誌の性衝動第一主義の縛りの中でよく頑張った、と、褒めておく。
月に一遍(ほぼ)東洋館でやっている二人会。 朝っぱらからの会なので寝坊して行かれない月もあるが、憶えていて起きられた月は行くことにしている。
「たらちね」 談奈
噺に入った辺りからあやうさはあったが、つる女が名前の由来を語り始めるところで詰まって端折る荒技。
本人は冷や汗じっとりだと思うが、これを笑いに転化出来るのは流石。
こう言うイレギュラーな部分で起きる笑いも含めたものが生で観る演芸の良さだと私は思う。
「そば清」 錦魚
マクラで先ほどのトチりをちくりと腐したり持ち上げたりしてから噺へ。
考えように(演りように)よっては陰惨な噺なのだけれど、それを重く聴かせないのが良い。
「漫才」 カントリーズ
オーソドックスな東京の漫才。 出だしは重かったが、徐々に笑いも起こるようになり、それで乗ってきたのか尻上がりに面白くなりろ、どっと受けて終わった。
芸歴はまだ浅いそうなのだけれど、先の楽しみなコンビ。
「目黒のさんま」 談奈
こちらもあやうさを孕みながらの一席。
この人は多少危なっかしい時の方が楽しい高座になる。 それが「笑われる芸」ではなく「笑わせる芸」になっているのが面白い。
このあたりが「判っていて且つ温かい客」に愛される所以なのではないかと思う。
朝っぱらからの会にしては中々の入り。 フリの客は前の方に、訳知りは後ろの方に座る傾向があるようで、それは弁当幕に奇禍に遭わぬ為の自衛策なのではないかと思う。
伸び盛りの二つ目二人が合わせて三席演って、おざなりでないゲストも入って500円と言う破格の会。
のんびり行っても入れるのは嬉しいが、もう少し入っても良い。
長く続いて欲しい会の一つである。
コラム的な提言
握手会に行かないという選択肢
をアップロード。
私は突発的な事態を除いて、AKB48では接客イベントに足を向けないので、長らく見ている割に私の顔を知っているメンバーはまず居ないと言って良い。
それでもそれなりに楽しくAKB48を見て来られた。 そう言う愉しみ方も有る。
秋の交通安全運動のポスターの大島優子がべら棒。
この手のお役所仕事のポスターはだれがやっても仕事の性格上どうにもならないのだけれど、これは凄まじく良い。
大島優子、つくづく厭な女だと思う。 凄過ぎて褒めようが無く、貶しようも無い。
順番は前後するが40号を先に。
有村架純
7ページ10カット、撮影は細野晋司。
如何にも細野晋司らしい10カット。 靡く髪で動きを出しつつ、速いシャッタースピードで被写体のブレは皆無。
良し悪しではなく好みの問題では有るが、動きが有るようでいて止まってしまっている、この「止まり切った」写真と言うのが私は好きではない。
しかし、晴れた日の屋外で撮った割りに表情は柔らかく切り取られており、この辺りは矢張り上手い。 6ページ目が良い。
横山由依
5ページ7カット、撮影は細居幸次郎。
twitter で募った短歌から三首を撰んで添えたグラビア。 これまで見た横山由依のグラビアの中では最良、兎に角引きが強い。
短歌は、このグラビアの為に寄せられたものであり、且つ横山由依に捧げられたものでもある。
認知認知でガツガツする輩ばかり目に付く昨今、こうして無償の行為に頭を捻る連中が多かったことは嬉しかったし、載った短歌は質も高く、AKB48界隈でまだまだ頭を使って遊ぶ余地が有る事が分かったのも収穫であった。
さて、写真そのものの話。
巻頭とは対照的に静的なグラビアなのだけれど、1カットに籠められた時間は量的にも質的にも段違い。 噛めば噛むほどに味わい深い。
撮られ慣れて柔らかい表情が出せるようになって来たとは思っていたが、これ程とは。
未だ一寸抜けたところが有るにはあるが、目線の来ているカットも外したカットも、仮面を被ったような作為的な表情は無く、内側から滲み出るような柔らかさ。
指先にも表情が有るのだけれど、これは大島優子のようなねっとりと絡みつくようなそれではなく、しなやかで強い意志がふとした瞬間に現れたようなもの。
横山由依「らしさ」というものが、撮られた写真にも出せるようになって来た。 眼福。
ツイッターで賛否あったようで、気になったのでとりあへず立ち読み確認したところ、予想以上に素晴らしい出来だったので購入。
広瀬アリス
表紙+巻頭グラビア8ページ7カット、見開き1箇所。 撮影は小林幹幸。
技術誌らしく撮影機材とデータが載っている。 全てペンタックス645Dでの撮影。 屋内は細かい花柄のワンピースを広角寄りのレンズで静的に、屋外はセーラー服を望遠寄りのレンズで動的に。
最後のページの、横を向いた身体からこちらへ振り向いたカットが素晴らしい。
小雨混じりの曇天であったようだが、その中で敢えて光を弱めにして撮ることによって、この夏特有の蒸し暑さ。 温度や湿度によるものだけではない、纏わり付くような重苦しく不快な暑さと、モデルの火照りや湿り気まで漂ってくるような写真。 そしてその中で見せる凛とした表情。
中判のピントの薄さは使い難さにも繋がるのだけれど、なだらかなボケと情報量の多さを生かせれば、それを写真としての魅力に転化出来る。 モデルとの遣り取りまで含めた小林幹幸の撮影技術の結実。
広瀬アリスはモデルとしても役者としても元気が取柄の一本調子な感じが好きではなかったのだけれど、このグラビアで印象が変わった。
笑顔こそ単調だが、それ以外の表情については諧調豊か。
この仕事でまた一と皮剥けたのではないかと思う。
有村架純
6ページ6カット、撮影は関純一。
大谷石の使い方や窓の形状から撮影場所は自由学園の明日館ではないかと思われるが、特徴的な調度品などは殆ど写し込まない、ロケ地に頼り過ぎない写真。 建て物や調度品より、仄暗く光の柔らかく廻る空間と醸し出す雰囲気を生かして撮っている。
アップと引きで半々。 顔と言うものが立体であることを解った上で映える角度を探りつつ撮っているので、アップでも引きでも有村架純の美点が違った切り口で現れている。
2ページ目の横顔が特に良い。
黒崎レイナ
6ページ7カット、撮影は長野博文。
長野らしい7カット。 2ページ目5ページ目の、画面内に何種類もの「緑」を配した色彩構成が上手い。
色彩遠近法を援用して奥行きを出した2ページ目が面白い。
フォトコンテスト雑感
選者の好みなのかもしれないが、余白が多く構図に厳密さが無い写真が多かった。
そうでないと商売として成り立たないのかも知れないが、ポートレート部門は特に月並み写真が多く、興醒め。
グラビアの質がここまで高いのに、投稿の質が低いと言うのがよく判らない。
ぱすぽ☆とももいろクローバーにご案内したところ、何故かももクロにだけ嵌まってしまった立川らく里さんの落語会。
古典1席・新作1席・改作1席の計3席。
改作は、ももいろクローバーに興味ある方はさらに楽しめるかも!?
とのこと。
世界初のももクロ落語。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
8月28日(日)
『立川らく里の会 らく里の道も一歩から(第八里)』
【出演】立川らく里・立川春太
【ゲスト】立川幸之進
【開場】18時00分
【開演】18時30分
【会場】お江戸両国亭
【当日料金】1500円
【予約前売】1200円
【予約問合】電話090-4193-0420(事務局)
【メール】raku7579@yahoo.co.jp
【主催】立川らく里
【協力】倉庫の二階
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
あと、興味があるのが廃墟とか工場とか……。 廃墟で写真集とかやれたら最高ですね~☆
隔月刊誌で合併号と言うのも珍しいが、これも震災の余波。
鈴木愛理
9ページ10カット、見開き1箇所。 撮影は西田幸樹。
表紙と見開きは、早咲きの桜の中でのカット。 これがお蔵入りにならずに済んだのは嬉しい。 季節はずれではあるが、これはこれで良い。
寒そうな水着も含めて春先の写真なのだけれど、そう言う前提で見れば良質のグラビア。
例によって服を着たカットの方が表情も良いので、水着は蛇足に思えるのだけれど、これはこれで商売上必要なのだろう。
大島優子
6ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
沖縄で藤代冥砂に撮られたグラビアは(そして、その後暫くのものも)炭酸の抜けたサイダーのようで、私には甘口に過ぎたのだけれど、これは程の良い抜け加減。
以前の大島優子は仕事となると力の抜きどころが無く、見ていて疲れることがまま有ったのだけれど、グラビアでは漸く緩急が付けられるようになってきた。
ハズレ無しの6カット。 眼福。
足立梨花
7ページ9カット、撮影は佐藤裕之。
和装と洋装と水着。 やわらかく光を廻した佐藤裕之の作風との相性も良く、足立梨花の役者としてのスイッチも入って、歯車の噛み合ったグラビア。
特に2ページ目と3ページ目の和装のカットが趣深く、中世風の書体で横文字の入った半襟も面白い。
東京女子流と SUPER☆GIRLS が出演するイベントを見るべく、酷暑の中アリオ西新井へ。
西新井駅西口から尾久橋通りまでの、日清紡跡地を中心としたバス通りに沿った一角が再開発されて出来た巨大ショッピングモール。 建ったものが結果的にマヌケになってしまう足立区と言う場の力に影響されてか(地政学的にも、西新井栄町は"マヌケ力"がより強く働く位置にある)、吹き抜けからイベントスペースが見えないと言う構造的欠陥を抱えた場所でのイベントの為、舞台正面に客が集中。
更には座っていた客を立たせて前方に詰めさせるというスタッフの頓珍漢な対応により、ステージの中途半端な低さとも相俟って、前方でも碌すっぽ見えないと言う悲惨なイベント。 更には詰める際に割り込みが横行、寿司詰めで更に見えないと言う悲喜劇。 演芸方面の知己を誘って見に行ったのだけれど、彼等には悪いことをした。
開演一時間前に現場には着いたのだけれど、このザマ。 なんとか端のほうに潜り込んで開演待ちをしている間に東京女子流と SUPER☆GIRLS の違いについて「どっちもavexなんですか?」と訊かれたので、「おなじ落協だけど一門が違う感じです。」「スパガがこん平一門、女子流が小三治一門」「稽古もロクにしないでメディア露出に執心」「送り手が海老名家(ド馬鹿)」etc...気がついたらスパガ貶し大会になっていた。
そんなこんなでモニターすら殆ど見えない状態で開演。 先ずは東京女子流が30分。
同じ曲でも演る場所の広さや奥行きに合わせて動きを補整しているので、狭くてもぶつからないし広くてもせせこましく見えない。
大きく動こうとしているのが歩幅に出てしまっているところも有るにはあったが、それ以外には貶すところも無く、声もしっかり出ていて音程も安定しているので、こうした「見えない」イベントでも足を運びたくなる。
小西彩乃の作る土台がしっかりしているので、それぞれに任されている難易度の高い部分も集中して臨めるからだと思うが、生声の割りにブレが少ないし、ユニゾン部分も安定。
セットリストには物足りない部分もあったが、これは好みの問題であり、質・量とも十分以上であった。
東京女子流が告知をしてはけてSUPER☆GIRLS が呼び込まれると、客席中央に居た有象無象を中心に胴間声を張り上げて乱痴気騒ぎ。 TPOもへったくれも有ったものではない。
本人達もスタッフも碌に場当たりをしていないのがありありと判る低レベルな見世物。
フォーメーションは崩れっぱなしで、広い舞台なのにぶつかりそうになる事も屡々。
音も酷くて、オケは高音部分が聞えず、ベースラインのみが虚しく響く。 ボーカルに到っては殆ど聞き取れない。 歌はまだしも自己紹介すら何を喋ってやがるんだか判りゃしない。
それでも目当てで来た客は舞台で起こっていることそっちのけで怒鳴るは騒ぐは大変な騒ぎ。
これを許容してしまうところにSUPER☆GIRLS 運営のあたまの悪さも垣間見られたし、それに比例した客民度の低さも理解できた。(この連中が流れ込んだ今日のイーアスつくばの東京女子流も酷いことに)
SUPER☆GIRLS と共演すると、流れ込んだ客で場が荒れる、下手をすると飛蝗の過ぎた跡の如く、草木の一本も残らないと言う事になり兼ねない。
ブッキング担当者各位にはご注意申し上げたい。
コラム置き場にコラム的なにか
パンドラの匣の底の希望としての佐藤亜美菜の相互扶助
をアップロード。
むかっ腹ついでにコラム的な何か
スコアとそれに対する忠実さと演者としての魅力についての一考察
をアップロード。
リニューアルしたところで、最早買うに値しない代物であることに何ら変わりは無いのだけれど、買わずに貶すのもフェアではないので、とりあへず290円をドブに棄ててみた。
「グループアイドル大特集」との事で買った訳なのだけれど、これがまた実にヒドい。 月刊ゴシップ誌の方が、余程まともな記事を載せている。
年齢非好評の東京女子流の平均年齢が大書されていたり、「男装ではない」のが建前である腐男塾が男装ユニットとして紹介されていたり、取材し掲載するにあたって踏まえておくべき事柄が悉く無視され、踏み躙られている。
ぱすぽ☆の根岸愛にしてもそう。 腹黒を指摘されても頑なに否定し、心まで純白であると強弁するのが根岸愛の根岸愛たる部分なのである。
嗚呼、それなのにそれなのに、「腹黒くってごめんなさい」とキャプションが付いている。 こんな事ぁ口が裂けてもお天道様が西から昇っても言いっこない。
アストロホールの Super☆girls をグチグチ貶しながら観ていたライターが、シレっと礼賛記事を書いているのにも呆れた。
廃刊寸前だったプレイボーイも、AKB48人気に肖ってなまじ生き永らえてしまったが為に社会に害毒を垂れ流す存在になってしまった。
これもAKB48が世に齎した災いの一つであると言えよう。
下書きまでして放置してあったレビュー的ななにかを、纏めてアップロード。
表紙と巻頭グラビアにAKB48、センターグラビアにNMB48。 オマケポスターは表がAKBで裏がNMB。
CDのアザージャケットも付いてくるのだけれど、これは需要が有るのだろうか?。
AKB48(前田敦子、大島優子、小嶋陽菜、板野友美、渡辺麻友)
7ページ10カット、撮影は桑島智輝(ポスターは藤丸修)
シーツの上、水着(ビキニ)でゴロゴロするの図。 「肌の質感重視」となっているが、光を強く当てて陰影を強調する撮影手法。
ストロボの明滅でお仕事モードのスイッチが入る板野友美は良い表情。 商売用の板野の表情、嫌いではない。
反面ぱっとしないのが大島優子。 寝惚けたような、らしからぬ表情。
NMB48(渡辺、山本、山田)
5ページ5カット、撮影は栗山秀作。
集合で2ページ、個別で1ページずつ。 1ページ目の三人並んだカットの山田菜々が訴求力の有る表情。
個別ページには隙間にインタビューが流し込まれているのだけれど、写真の邪魔にならず、且つ読みやすい割付が良い。
水着を出し惜しみせず、各誌のグラビアに捩じ込んで来るNMB運営の強引な手法は鼻に衝くが、実際に劇場公演を見に行った知己の評価は高い。
この辺りの乖離が、不幸を呼ばないと良いのであるが。
ぐるぐる48 vol.19(佐藤亜美菜)
前向きに実効性の有る形で酷い目に遭うと好事家向きの良い表情になる佐藤亜美菜には打って付けのダイエット企画。
ダイエットをさせる側も遣り甲斐が有るのではないかと思う。
小林優美
巻末グラビア5ページ8カット、撮影はTakeo Dec.
水着を変えてもポーズを付けても、表情が殆ど変わらず、口を開いているか閉じているか、阿形と吽形の違いしか無い金剛力士像みたようなグラビア。
実に詰まらない。
未来(a.k.a 石田未来)のインストアライブがあると聞いて銀座。 ガラス張りで且つ各駅停車のエレベーターに戸惑いつつ3階へ。
スクリーンになっている壁と階段状の客席が向かい合うミニシアターのような造りで、客は石田姓当時からの人が多かったのではないかと思う。 5割ほどの入り。
7時を回って店の人の前説から開演。 まずは TAURUS BONEHEAD の二人が出てきて一曲、そして未来を呼び込んで曲の説明などを交えつつ4曲。 正味30分程度のミニライブ。
先日23歳になったと言う未来は23歳なりの容貌と服装で、往時の凄みこそ薄れたが歳相応の可愛らしさはあった。
曲は良く言えば爽やか、正直に書くと耳に引っ掛からない。
後ろの二人が腕っこきなのと、気心が知れていて息が合っているのとで、曲の好みはともかくとしてライブとしての出来は良かった。
アイドルのアイドル後の人生のひとつの答えとして、やりたい事を見つけて、それを出来る範囲で無理せず形にして行く未来の音楽活動は、最適解かどうかはさておき、幸せな答えであることは間違いない。
活動拠点が地元である名古屋と言うことで、なかなか見る機会もなかろうとは思うが、こうした気軽に足を運べるライブがあれば、また行って見ようと思う。
辺鄙な場所にあるショッピングモールのイベントスペースでのミニライブ。 場所が場所なのでアイドルとは無縁の友人に頼み込んで車を出してもらい観覧。
開演30分前くらいに現地に着くと、ステージ前にはブルーシートが敷かれており、後方に椅子席。 どちらも既に八割がた埋まっていたが、知己の隣が空いていたので潜り込む。
ブルーシートの桟敷には、大きなお友達と小さなお友達と家族連れ。 椅子席には大きなお友達と年齢層高めの買い物客。 客席の半分以上は地元の買い物客で埋まっていたのではないかと思う。
avex はこう言ったショッピングモールでイベントを打つ意味を正しく理解しているので、買い物客への周知にも余念がなく、また会場でもより多くの人が快適に見られるよう、気を配ってもいた。
椅子に荷物を置いたまま席を離れて戻らない無作法なアイドル客を角が立たない形で牽制し、嗜めつつ、放置された荷物をスタッフが預かるかたちで席を地元の客に回したり、そつの無い運営。
前述の通り、若者や親子連れだけでなく比較的高齢の買い物客も足を止めており、感心しながら観ていたのが印象に残った。
既に八割がた埋まったところで、開演前にリハーサル。 これで更に客を集めて、散らないうちに本番を始める流れも上手かった。
正味30分ほどのミニライブだが、その前にみっちりリハーサルをやることでイベントにも厚みが出ていたし、立ち位置や振り付けの確認を入念にやっている事を目にした地元の人の反応も良好。
「東京女子流」と言うのが今日初めて聞いた名前だったとしても、ここで与えた良い印象が、彼女らをテレビや雑誌で目にして繋がったときにプラスに働くのは間違いない。
私の近くで1部も2部も観ていた老夫婦は、リハーサルを見ては「おぉ、練習しとる」「えらいねぇ」。 激しいダンスを見ては「すんごいねぇ」。 小西彩乃のソロパートを聴いては「んまいねぇ」と一々感心していた。
その場でCDを買ったり迄はしなかったようだけれど、確実に心には響いていたと思う。
「目当て」の客を囲い込んで収奪することに血道を上げがちな昨今のアイドル業界ではあるが、「目当て」では無い層にも響くイベントが増えれば、アイドルというものの裾野も間口も広がるのではないかと思う。
温かい、良いイベントであった。
ぱすぽ☆ワンマンフライトのマチネとソワレの間に無料ミニライブ。
ぱすぽ☆を観に来た客の7~8掛けくらいの入り。
開演前に友人と「pass-diaは可能でも、その逆は未だ無理なのではないか。」「出来たとしても初期の曲。 少女飛行あたりは出来ない。」などと話していたら、口開け一曲目がまさかの ぷれぽ☆ (和泉テルミ、岡村明奈、竹田愛、松本ルナ、村上麻莉奈、水野まい)で Pretty Lie 。 これが思いの外うまく出来ていて驚いた。
本家ほどのキレは無いが、本家には無い妙な色気が有った。
これは動ける順に上から六人引っこ抜いたってのも有るとは思うが、それだけ地力が付いたと言う事でもある。
一曲終わって残りの連中が出て来て、ぷれぽ☆は着替え。 着替え待ち間繋ぎの後は自己紹介もそこそこに持ち歌五曲総棚浚え。
曲毎の立ち位置の確認に時間が掛かる為、多少間延びした感は有ったが、五曲続けて演り切ったってのは大きい。 客席も盛り上がったし、何より舞台の上の面々の充実感と自信に満ちた表情が良かった。
途中で衣装破壊系の奇禍に遭ったメンバーも居たが、とりあへず舞台の上に留まって一と公演勤めおおせたってのは褒めてよい。
肩紐が切れたりする不測の事態とは異なり、防げたトラブルであったようにも思えたが、とまれ大過なく終わって良かった。
初期からpre-diaを観ていた友人曰く、「個々のメンバーのファンは多いが、グループとしてのファンが少ないのが ぱすぽ☆ との違い」
これは ぱすぽ☆ と違い、それぞれがそれぞれに「pre-dia前史」を背負っているからなのではないかと思うが、この辺りを変えよう、グループとしての纏まりや魅力を出していて行こうとする意思が、自己紹介を簡略化して楽曲で押すステージの構成からも感じられる。 そしてそれは今のところ成功しているように思う。
One for all みたいな自己犠牲の精神ではなく、見つけた居場所をより良くしよう、高めようとする意思を象徴しているのが、青山玲子のブログのこのエントリ
青山玲子として行くんじゃなくて、プレディアとして初めてテレビ収録したいんです の一文が胸を打つ。
私のようなルンプロ無産者にとって、pre-diaを実際に見るのに掛かるコストは高が知れているにしても、観る為に付ける踏ん切りと言うか跨ぐ心の敷居は高い。 なんと言うか「過ぎた贅沢」に思えるのだけれど、それを乗り越えさせるだけの力が、今のpre-diaには有る。
定時で逃げ出して東京タワー(こんな事を書くのも、何時以来か)、7時過ぎに大展望台に着くと、かぶりつきに荷物を置いて場所取りしているのがちらほら。 以前は舞台寄りの部分は通路として確保して、観る客は窓際だった訳だが、何時の間にかルールが変わったらしい。 自動販売機が並んでいた所に楽屋が出来たり、リクエストカードを書く机が下手側に移動していたり、他にも色々と変わってはいた。
雨という事もあってか、来塔者も少なめで、2007年3月以来このイベントに来続けているが、エレベーターに一人で乗ったのは初めて。 「目当て」で来ていると思しき客も、思ったより少ない。 ここではまだ「会いに行けるアイドル」
19:30を過ぎた頃、スタート。 久し振りに見る小林は肩までのロングボブ。 ワンポイントで豹柄の入ったTシャツにカーディガンを羽織っていた。 豹よりも豹柄の似合う女。
長い文章を読むと切りどころが曖昧だったり、句点と読点の区別がついていなかったり、改善すべき点はまだまだ有るが、下読みはして来ているようで、思ったよりしっかり「読めて」はいた。
その日その場で初めて目にするリクエストカードも、曲が掛かっている間に何度も読み返したり、分からないところはアシスタントのミズノ氏に訊いたり、技術はともかくとしてDJとしての料簡に関しては、既に合格点。 マイクの角度を小まめに調整していたのも良い。
梅田彩佳や折井あゆみは、好きな曲が掛かると身体でリズムを取っていたりしたが、小林はそう言うこともなく、何か揺れていると思ったら貧乏ゆすりだったり、奇想天外なところの面白さも出ている。
ミズノ氏が話を振っても、次に読むべき原稿が気になってそわそわしたり、顔がこわばったりもしていたが、これは慣れて行く中で変わるだろう。 小林は不器用で要領も悪いが、兎に角粘り強い。 「愚公山を移す」を地で行く反復の積み重ねで、これまでも不可能を可能たらしめて来た。
小林らしいな・・・と思ったのは、リクエストで気になったものが有ると「居ますか?」と客に問いかける事。
梅田でもここまであからさまにはやっていなかったと思う(折井の場合は仮にやろうとしていたとしても、状況が許さなかった)が、小林はサラリとやってのける。
展望台内限定のDJなので、これはこれでアリだと思う。
この双方向性と共にイベントの楽しさを醸しているのが、目当てで来ている客のマナーの良さ。
梅田の時なんざ、奴さんが喋っているド真ん前で背を向けて声高に世間話なんて愁嘆場を目にすることも屡々。 折井の年も似た様な事はままあったのだけれど、とりあへず喋っている小林香菜を観て愛でている客が大半で、優しい空気に包まれた一時間半であった。
仕事帰りに東京タワー。 晴れていたのと天の川イルミネーションが始まったのとで、先週より来塔者は多目。 それでも震災以前の賑わいにはまだまだ。
大展望台に上がり、ステージの前に着くと「DJ:金子桃」の看板。
去年までの梅田や折井なら、手持ちのメディアで休演の告知をしたものだが、これが出来ないのが小林香菜の「小林香菜らしさ」の悪い部分。 ブログもモバメもツイッターもやっていて、どれにも書かない。
今後は事前に東京タワーサイトのnight view DJのページのスケジュールを確認しておいたほうが良さそうだ。
金子桃さんは、声の仕事のプロ。 AKB48から誰か引っ張って来たのとでは仕事の質が違う。
流石にこれで飯を食っているだけのことはあり、流れるように澱みなく。 リクエストに読みにくい漢字や言い回しが使われていても、語るが如くすらすらと。
告知一つとっても、内容に一と味付けて来るので、ミズノ氏との話も弾む。
小林はまだまだこれには程遠いし、梅田も2年やって此処までは辿り着けなかった。 そう考えると、これに近い事が出来ていた折井あゆみと言う人は凄かったと思う。
あの年の折井も、初めの頃は原稿と睨めっくらで周りを見るゆとりも何も無かったのだけれど、半年足らずの間に見違えるように上手くなり、任期の終わり頃にはミズノ氏を手玉に取るくらいの臨機応変ぶりだった。
さて、金子桃さんの話。
ラジオの仕事が多い所為か、目の前に客が居ても居なくても喋りがブレない。 これは常に一定数の客を前にしてしか公開の仕事をして来なかった人間には難しいのではないかと思う。
すらすら読むだけでなく、伝えたい部分で溜めを作ったり、緩急を付けたり、聴く者の耳に引っ掛かるような話術。
これからの小林の仕事振りを見る上でも、基準となる良い仕事を見せていただいた。
天の川イルミネーションは7/9まで。
これ目当てにテートで来ている客が多いので独り身には些かツライが、それ目的で来るには大いにお奨め出来る。
>テッドさん
商売のために、わざわざタチの悪い客のところに行かないところも、楽しくやれる理由なのではないでしょうか。
芸で身を立てて何者かになるためのステップとして捉えなければ、楽しい青春の一ページになるのではないかと思います。
AKB48のように、戦場の地獄の中にも青春はある訳ですが、良い戦争も無ければ腐った平和も有りはしませんから、やはり平和なほうが良いと思います。
アップトゥボーイの7月号増刊と言う体裁。 震災の影響で本誌の4月号が飛んでしまったので、2号続けて増刊が出る椿事。
表紙と巻頭はまたぞろAKB48。
AKB48(前田敦子、大島優子、高橋みなみ、板野友美、小嶋陽菜、渡辺麻友)
表紙と巻頭グラビアにオマケポスター。 12ページ12カットで、撮影は桑島智輝。
ポスターにのみ集合。 グラビアページそのものは集合無しの一人2ページ2カット。 デニムの藍色で揃えつつ、それぞれの個性に合わせた衣装。
白ホリの前で動かして撮っているのだけれど、大島優子に珍しく覇気が無い。 寧ろ前田敦子の方がギラギラした表情。
滅多に見ない面白い表情ではあるが、大島優子は仕事をしてナンボなので、一寸食い足りない。
高橋みなみは、既に出来上がっていた顔に実年齢が追いついて来た。 付け睫毛が大仰に過ぎる恨みはあるが、表情そのものは味わい深い。
渡辺麻友は定番の表情ながら、先日出た写真集の炭酸の抜けすぎたようなのを見た後だと、これはこれで良いように思える。
小嶋陽菜の唇の端に青海苔のようなホクロがあった事など、もはや憶えている人のほうが少ないであろう。 勿体無い。
鈴木愛理
写真集の宣伝方々7ページ9カット、見開き1箇所。 撮影は西田幸樹。
屋外で撮ったカットが実に良い。 曇天の西田幸樹にハズレ無し。
小池里奈
7ページ7カット。 撮影は佐藤裕之。
光と影のバランスが良い。 このカメラマンの欠点であるね肝心なところでピントが甘くなるカットも有るが、全体としては良い出来。
5ページ目の、斜め下から見上げた横顔に唸る。
橋本愛
5ページ6カット。 撮影は熊谷貫。
高村光太郎をして「人や物の底まであばく」と言わしめた土門拳のように、何時もは相手に迫り、相手の懐に踏み込んで撮る熊谷貫が撮った「らしくない」写真。
橋本愛の「勁さ」は出ていないが、その代わり「侵すべからざる何か」は写し取れている、甘く切ない6カット。
これも対象の本質をしっかり捉えているからこそ、撮れた写真。 眼福。
峯岸みなみ
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
遅きに失したグラビア、少なくとも3年は遅い(遅いと言っても、未だ々々賞味期限の内側にはあるが)。 これは峯岸みなみ本人の所為では全く無く、事務所の驕りと怠慢。 小嶋陽菜にしてもそうだが、グラビア展開すべき時期を完全に見誤っている。
念の為書いておくが、これは「水着になるのが遅い」と言う意味ではない。
峯岸みなみの色気は、本人の意図しないところから漂うものに訴求力がある。 意図して出したものは、一寸臭い。
身に着けたものの布地面積と醸し出す色香の量と質は反比例の関係には無く、寧ろ水着ではなく服を着た写真に良いものが多い。
極論すれば水着は蛇足で、それ以外は総て良い。
水着無しでグラビアの仕事が取れる程には未だ売れていないので、水着があるのは仕方ないとして、水着でグラビア仕事を取ってきてそれ以外の写真を見せる売り方も有る。
その辺りをコントロールするのも、マネジメントと言うものだと思うのだが如何だろう。
大場美奈
5ページ8カット。 撮影は山口勝巳。
山口勝巳らしい、腰の引けた生々しさ。 人口黒目が生々しいのはいただけないが、1ページ目のしゃがんだカットのスカートの奥の闇の見えそうで見えないところなど、実に「らしい」写真。
これが水着になって「ハイ、どうぞ」となると途端に凡百のグラビアになってしまう。
このカメラマンはやってはいけない縛りで雁字搦めにして知恵を絞らせた方が、良い仕事をするように思う。
高柳明音
5ページ5カット。 撮影は國方大。
グラビアでは中々その良さが出なかった高柳明音。 持て余していたように思える黒髪のあしらい方が上手くなり、表情も良くなったように思う。
この人も立場が人を作る好例で、所属チームが秋元からほったらかしにされた逆境の中で輝きを増しているように思う。
ぱすぽ☆のご新規さま向けフライトの合間に行われた無料ワンマンライブ。 持ち歌がまだ5曲なので、単独で長いライブは未だ出来ない。
開場が遅れて灼熱の階段で長らく待たされたが、16:30頃開演。
客の総数が増えたからか、今回から2階席も開放。 立って観る客は一階、座ってみる客は二階と、棲み分けも出来ていた。
若干一名、二階最前列で踊り狂う馬鹿が居たが、程なくして事務所の人がやってきて座って見るよう「お願い」をしていた。
前述の通り持ち歌はまだ少ないのだけれど、無駄な喋りで尺を伸ばすような事はせず、自己紹介もそこそこに歌で押す構成が潔い。
舞台に立つ人数は12人と決まっている訳だが、能力と練度とやる気にはどうしてもばらつきが出る。 それをフォーメーションの妙で目立たぬようにする竹中マジック。
暫く見ぬ間に大分揃って来ていて、魔法の力を借りずとも金の取れる見世物にはなっていた。
村上・湊の有無を言わさぬ歌唱力と、和泉・青山の華やかさ。 それに加えて3列目4列目のメンバーにも「魅せる力」が付いて来たのが大きい。
私は松本ルナを基準に定点観測をしているのだけれど、これまでは間違ってはいないのに何故か面白い動きになってしまっていた部分が、どう変わったのかは判らないが艶っぽくなっていてドキリとさせられた。
他の連中も含めて全体のレベルが上がったので、未だ器械体操の域を出ないぎこちない動きのメンバーが居ても余程動きがずれない限りは埋没して目立たなくなっている。
初期の衣装では、ハイヒールっぽいデザインだが、踵は低い靴だったのが、しっかり高いピンヒールに変わっており、それで平然と且つこれまで以上にしっかり踊れていたのにも驚いた。
今日も16時から渋谷DUOでフリーライブ。 今見ておいたほうが良いグループの一つ。
整理番号が割りとトンでもない事になっていたので、どうなるかと思ったが、二階席が開放されていた事もあり、深刻な寿司詰めにはならず。 最前列付近の圧縮振りは、玉井杏奈が心配するくらいの酷さで、殴り殴られの大変な事になっていたようだが、後ろのほうは割と平和だった。
リフトをしたり、客が何かやらかす度に、すかさずスタッフが飛んできて釘を挿して行く。 細かいところで一つ々々抑えていくので、現場が荒れ難い。
ただこの、「釘を挿す」のが大抵社長たる林さんなのが恐ろしい。 目配りの行き届き方が尋常ではなく、対応が素早く、そして物腰は柔らかいが態度は毅然としている。 若い衆は舐めて掛からぬが吉。
Break out!! で始まり、個人コーナーを小分けにして組み込み、冗長になりがちな間繋ぎの喋りを短くしてダレないように練られた構成。 難しいことを考えずに素直に楽しめた。
GPPで緑色のサイリウムで埋まった客席を見て驚愕と感動に涙する佐久間夏帆。 しかし自分の誕生日が祝われている事には知らされるまで気が付かないスットコドッコイぶりがまた「らしく」あった。
個人コーナーでは、今月もpass-dia。 そんなに練習をする時間が有ったとも思えないのだけれど、下地が出来ているので止め撥ね払いがしっかりしていて、本家より上手く見える。
裏声で歌い上げる部分は、森が照れ笑いで誤魔化さずにやり切っていた。 余興とは言え、金取って演る以上はきっちりやって然るべきだと、私は思う。
玉井杏奈の髪の躍らせ方が、激しくも美しかった。
槙田紗子と較べると髪質が重いので、フワリとはなり難いのだけれど、連獅子の如く振り乱す様は圧巻。
立ちっ放しで見るのは年寄りには辛いのだけれど、不快な事の殆ど無い、多幸感に満ちたひとときであった。
給料日前で逆さに振っても屁も出ないところ、友人からチケットをいただいて夜の部のみ観覧。
待ち合わせの為、早めに現地へ行ったのだけれど、マチネが押しに押していたため、なんだかんだで殆どの出演者の歌は聞こえた。
マチネのみの出演だった中では、トーキョーチアチアパーティが好印象。 Aellの「エコロジーモンキーズ」の気持ち悪いミニマル加減に怖気が走る。 現代の踊り念仏。
終演も押しに押したので、二部の開場も30分遅れ。 一緒に開場を待っていた友人がポツリ。
「久し振りに『歌姫時間』と言う言葉を思い出しました。」
時間通り始まる訳ゃ無いと私は思っていたし、そう思っていた人も多かったようで、時間通りにオープニングアクトのアイドルカレッジが出てきたときには実にどうも驚いた。
物販列に居た連中をはじめとして、会場に居た客の多くが対応できずにいるうちに、一曲演って「灰さやうなら」で引っ込んでしまった。
小桃音まい
好き嫌いはあると思うが、芸としてちゃんとしている。 伊達や酔狂で年に300本からライブをやってない。
ダンスではなく、振り付けの動きなのだけれど、隙が無い。 客の民族大移動は固定座席のハコでは些か迷惑なのだけれど、まぁご愛嬌。
CDの予約販売の告知をする際、「買ってください」ではなく、「物販コーナーに"遊びに来て"ください」という婉曲な表現だったのにも好感が持てた。
制服向上委員会
整列して行進しながら歌う古典芸能。 落語に譬えると、落語協会ではなく落語芸術協会の薫り。 「てれすこ」のクスグリで、未だに森永砒素ミルク事件の根多が出て来る笑三師匠の高座を思い出した。 一種に見ていた友人曰く「時代というより世紀が違いますね」。
「テレビにさようなら」と「清く正しく美しく」が並んでも、どっちが昔の曲なのか知らない人にはわからないだろうと思う。
「テレビにさようなら」はオケのバランスが悪く、肝心の歌詞が聞き取れず。 政治的な内容を論われる事も多いが、内容としてはごくごく当たり前の事しか言っていない。 その「当たり前」が当たり前として通らない世の中のほうがおかしい。
ski:「今回の地震で判った事は、政府の対応は遅いと言う事です。」
客:「そのとーり」「よーし」
ski「脱原発!脱原発!!脱原発!!!、脱AKB!!」
客:「異議ナシ!!!!」
実に楽しい。
バニラビーンズ
多重録音で作った凝った出囃子に乗り、こどものバックダンサー「こどもビーンズ」をキノコ外ハネ各二人ずつ連れて登場。 こどもに沸く会場。
「ニコラ」一曲でこどもは引っ込んでしまい、客は騒然。 そこここで「こども行かないで〜」。 まったく、腐っている(良い意味で)。
持ち歌のほかに、ピチカートファイブのカバーを昼夜で一曲ずつ。 マチネは「baby portable rock」だったのだけれど、ソワレはほぼ七時に「東京は夜の七時」を演ると言う、粋な演出。 野宮真貴のねっとりしたのと違って、サラリとした歌い方。
オケはオリジナルだと思うのだけれど、よく通る音。 中音域がスッコ抜ける野音の音響特性に合わせたのではないかと、友人は話していた。
選曲も演出も練りに練って攻めた構成。 送り手の本気を見た。
<つづく>
# Dwightsa [viagra heart failure <a href=http://dstvmediasales.com/si..]