16:20くらいに現地着。 熱心な客はステージ正面の優先観覧エリアに集まっており、2階3階は冷やかしの客が中心。
モニタースピーカーはステージのデベソ部分のステージ前縁の延長線上に二つ、両袖に二つ配置。 両袖に向けられた物のはステージ中央付近に向けられていて、舞台を大きく使おうとしているのが見て取れる。
アルバム購入者の優先観覧エリアは左右に椅子席、舞台正面に広く立ち見エリア(ここに問題がある)。
立ち見客が想定より多かったらしく、椅子を片側2個ずつ片付けて両端へ持っていったり。
主催者側から「節度ある応援」についてお願いがあったりしつつ、まずは前座のシブヤDOMINIONから。
シブヤDOMINION
制服と言うか、軍服風衣装。 セーラー服っぽく大きく作られた襟がハート型になっている。
将校・下士官・兵卒と言った感じに白、ピンク、黒と色分けがなされており、白の中の一人にキャプテンマークが付いて小隊長の趣。
肩章も付いていたが階級を分けるものなのかどうか、遠目からは解らなかった。
一曲目が終わって兵卒が二人はけて一人入り、最後にはけた二人も合流。
フォーメーションも何となく軍事教練的なのだけれど、個人の能力はそれなりに高く有りつつ統率は取れていないところがイタリア陸軍っぽい。
翌日のワンマンライブの告知をして退場。
小桃音まい
出囃子を流し、鳴らし終わってから入場。
ゆるゆると歩いて舞台中央で歌いだし。
正面を向いて歌う時間は長く、其処に居並ぶ古参客はしっかり押えつつ、要所々々四階まで目配りするところは流石。 振り向く動きに合わせて噴水広場全体を見渡す。
スーッと動いてピタリと止まる、日本舞踊のような不自然で自然な動きが美しい。
スカートが翻りそうに激しく動く際にはそっと手を添えたり、全てに於いて危うさが無い。
一般的知名度は無いに等しいのであるが、やっている事の説得力で客の足を止めている。
前座から起算しても一時間近く演っていたのだけれど、客は増えこそすれ減ることは無く、二階から見ていた私も後ろから横から押され、足元には子供が潜り込み、大メジャー以外のイベントでは異例の喰い付きのよさだった。
旗を振って左右に移動する曲でシブヤDOMINIONがバックダンサーとして登場(白5人、ピンク3人、黒3人)
この期に及んで未だ「民族大移動」を売りにするらしく、フリの客にも移動とフリコピーを推奨。
上手側の客は自主的に椅子を片付けてしまって動く場所を確保。 下手側も大半の客が立ち上がってしまい、座って観ている客に同調圧力か掛かる惨状。
優先入場エリアに入っても、座ってのんびり観る事は事実上不可能と言う理不尽。
少々頭に来ることが別件であって、そちらはそちらで纏めようとは思っているのだけれど、騒いで沸くだけがライブの楽しみ方ではない訳で、それを送り手側から規制してしまうってのは如何なものかと思う。
そもそも曲のリズムに乗って手拍子も出来ないような手合いが我が物顔ってのもお笑い種。
「最後の曲になります」ではなく「ラストスパートに入ります」と断っての終盤戦。
再びシブヤDOMINION(白4人)がバックダンサーで付いたのだけれど、これが面白いくらい揃っていなくて、解釈もバラバラで立ち位置もずれていて、しかし下手糞ではない。
単に揃える時間が無かっただけだと思うが、そのあたりもイタリア陸軍っぽくあった。
アイドル戦国時代だなんだと騒がれても、それはグループに限っての話で、ピンでアイドルをやりやすい時代では決して無い。
最後の最後で目を潤ませ、声を震わせながら「オリコン39位以内」と言う生々しい目標を掲げていたが、それは古参客にもっと買えと言う事ではなく、足を止めて観ていてくれた振りの客への語り掛けであった。 もし興味があったら、安くは無いけれど手に取ってくださいと。
美しい涙だった。
現地に着いてみると思ったより少な目の集客。 あまりの寒さに近隣店舗で開演までビバークしていたり、物販ブースに居たりしたらしく、開演が迫るにつれ増えては行った。
昨年のアイドルフェス in BOATRACE TAMAGAWA vol.4(2012/5/6)で見た時のような、小田原攻めの遅参の侘びに白装束で出て来るような過剰な気負いは薄れていて(無い訳ではない)、楽しく観る事が出来た。
相変わらずのダンスインフレで、聴かせる曲でも振り付け過剰で視界が煩いのには閉口したが、バレヱの動きを取り入れた振り付けなどの激しいだけでは無い新機軸は面白かった。
ただ全般的に "こともなげ" ではあるのだけれど "さりげなく" は無く、ともすれば "これみよがし" になりがちな息苦しさはダンススクール由来である宿命(素人である親の目にも解る進歩を見せなければならない)から逃れられていない事を示しているように思った。
前述の通り聴かせる曲でも常にバックダンサーが激しく動いていて鬱陶しい。 見せる事にばかり力点が置かれていて、聴かせる事については等閑にされている。
被せオケだが生歌感は有り、激しく動いた割りに息も上がらないし回復も早い。 調子の悪いマイクを曲間に換えに行ったりするくらいで歌うたいとしての矜持もある。 しかしそれを送り手側が活かしきれていない。
「間が取れない」と言うか何と言うか、隙間を作る事を恐れて過剰に詰め込みたがる、緩急強弱をつけられない単調な演出。
終演後に知己とした立ち話の中で出たのは
・「一品料理ばかりでコースを作った感じ」
・「そして一と品多い」
・「でも、だいぶ食べやすくはなった」
・「東京に来ると言う事に漸く慣れてきたのではないか。」
・「山邊未夢を5人集めた感じ」
地方発のアイドルの魁たるSHIPを見てきた者として、東京で評価されている事になっていないと地元では評価され難いのも判るし、それ故に肩に力が入りがち(※SHIPはそうで無かったので念の爲)なのは仕方が無いとも思うのだけれど、送り手が見せ方について考えてやらないと彼女らが積み重ねた努力が無駄なものに成りかねない。
アイスクリームが適度に空気を含ませないと素材そのものの味わいだけでは重ったるくて美味しくならないように、エンターテインメントと言うものにも素材を生かすための緩急強弱は有って然るべき。
楽しさと画竜点睛を欠くもどかしさの綯い交ぜになった複雑な気分で帰宅。
浅草ROXの上にあるコシダカシアターで幾つかユニットの出るイベントがあるというので出かけてみた。
千円で2ドリンクだが木戸銭は掛からないとあって、一杯の入り。
オフィシャルの告知はざっくりしていて、殆どの出演者は and more で済まされており、自己紹介も聞き取りにくいのでグループの名前はわかってもメンバーの名前はほとんど把握できず。
普段はレストランシアター的な形態での営業なので舞台は広いが低い。
舞台の中央に花道が付いている。
テーブルと椅子はすべて片付けられ、オールスタンデイング。
舞台の回りにテーブルを並べるなど、客席と舞台の間に緩衝物を置く工夫はしていたが、舞台を十重二十重に囲んだ客がそれで防ぎ切れる筈もなく、花道に付けられた電飾が壊れたり、スポットライトが明後日の方向を向いてしまったり。
座って観る場所だからこそ舞台と客席の間に柵や仕切りが無い訳で、その場に合わせた観方と言うのがあって然るべきなのだけれど、いつも通りオールスタンディングにしてしまったことで生まれた混沌。
イベントの趣旨と出演者・客の親和性は高いが、このコシダカシアターと言う箱とこのイベントとの親和性が絶望的に低い。
ライブハウスならこれでよいのかもしれないが、ここは劇場である。「舞台」と言う特別な場所と演者への畏敬が丸で無い。
煽った演者に呼応した客が舞台の上に上ってしまうなんてのは以ての外なのだけれど、そのあたりの常識が客の側に無く、主催者側も鈍感。
見に来る・聴きに来る客はごく少数で、盛り上がりに来ている客が大半。
出演者の持ち時間は十分かそこらで、入れ替わり立ち替わり出てきて物販の告知をして客と共に去ってゆく。
主催者や出演者から再三舞台に(テーブルに)さわらぬよう注意がなされたが、並行物販で演者が変わる度に客も入れ替わるので注意事項は浸透せず、演者が入れ替わる度に破壊は繰り返され、自業自得ではあるが主催者は頭を抱えていた。
このライブで参ったのは、顔付けも香盤も雑なこと。 子供が遅い時間に出られないと言うこと、主催の asfi がトリであること以外はまさに玉石混交。
玉石の石の部分が多く、ガイドメロディ付きのカラオケ音源で歌いたい歌を唄って客に宴会的な盛り上げを強要する土人のお祭りみたいなのが間に挟まるのには閉口した。 トリとヒザに観たいのが有ったので我慢したが、それこそ何度帰ろうと思ったかわからない。
これは主催者にイベントに対する定見が無く、出てくれそうな所に片っ端から声を掛けて、出演料は無い代わりにノルマも無し、物販の売り上げは出演者の総取りくらいな条件で出演者を集めて、手前ぇの子飼いがトリで他は出演時間を割り振るくらいの漠然としたタイムテーブルしか切っていないから。
以下、メモから。
「幼女が出てきてギターのおもちゃ抱えて村下孝蔵の「踊り子」を歌うカオス」
「漫研の副部長みたいなのが出てきて水城奈々のカラオケ(ガイドメロディー付きカラオケ音源)で客にケチャを強要」
「客は楽しそうなのでそう言う文化なのだろう、舞台に客が上ったり土人のお祭りみたいになってきた」
「場所柄か魔女軍団ステファニーみたいなのが出てきた(クリックドールズ)」
「ここでカラオケ大会に戻る(イトウミカ)」
「アイカレ練習生、忘我系白痴客押し寄せる」
印象に残ったグループを幾つか。
ステーション♪
沸ければ良い客。
しっかり作りこまれてはいるが、衣装以外に鉄道要素が希薄で、PASPO☆と較べてコンセプトに迷走感。
怪傑!トロピカル丸
手拍子もMIXも曲のスピードに追いついていない練度の低い客。
取材名目で入ったと思しき半ヲタ半陰陽が客になって最前列に紛れ込む二股膏薬。
主催者が再三再四訴えていた注意事項を無視して沸いていたのには呆れた。
クレヨン日記
ももいろクローバーの「行くぜっ!怪盗少女」。 名乗りに自分たちではない個人名が入る曲を客前で演る神経が判らない。
Love La Doll
キャラクター設定が濃すぎて好みではないが、作り込み過多な芸風は面白い。
それまで潜伏していたコアなファンが揃いの法被を着込んで張り切っていたのも微笑ましかった。
BELLRING少女ハート
感想はこちらを参照のこと。
凄かった。 久々に脳髄に鉄槌を喰らった感。 仕掛ける側の「堕落論」を地で行く感じのダメさ加減が素晴らしい。
モッシュが始まったり、近くで観ようとするとそれなりの覚悟が必要になるが、遠巻きに観ている分には楽しい。
asfi
一曲目からいきなり客が沸騰。 待たされ続けた鬱憤を晴らすかのように一気に弾けた。
自己紹介もそこそこにアッパーチューンで飛ばす構成。 この現場に来るだけで或る程度の幸福は得られる、元本保証のあるアイドル。
いろいろ有った長丁場のイベントであったが、最後の二た組で帳尻が合い、差し引きでプラスにはなった。
昼から大宮へ。 西口のソニックシティで万年筆研究会の例会に出て、東口のLOFTで愛乙女☆DOLLのインストアイベントを観てから秋葉原まで戻り、閉まる間際の時間だったが駆け込みで見てきた。
グループ展開催の経緯などはリンク参照のこと。
小川町のオリンパスギャラリーは見る環境としては良いのだけれど、日祝休廊と言うのはいただけない。
(品川と銀座の便所カメラ屋のギャラリーも日曜が休み)
会期中の土曜日は今日だけ。
今回のテーマは"colors"と言う事で門嶋淳矢→緑、吉田裕之→ピンク、小池伸一郎→青、三輪憲亮→赤、松田忠雄→黄色を担当。
色の使い方は各自違っていて、パートカラー的に際立たせたり、担当色のものを背景に配置したり。
三輪憲亮と吉田裕之は絵の具ぶちまけ・絵の具まみれ系の写真も出していた。
吉田のパートカラーっぽく撮る画面構成は悪くなかったし、三輪のそうでは無い写真には面白いものもあったが、一寸安易な印象。 まぁこれは私がマン・レイっぽいものが嫌いである部分に係っている好みの問題では有る。
小池伸一郎は衣装とライトで青を表現。 ぎりぎりまで光を落とした暗闇の中にぼんやり浮かび上がる青であったり、無茶の仕方が大胆で面白い。
松田忠雄はケレン味の無いオーソドックスなポートレート。 色で視点を誘導せず、画面全体が気だるく黄色味掛かっている。
ピントの置き場にも深度にも、きちんと意味がある。 一見外れたように見えるカットも、必然性のあるアウトフォーカス。
ベールの下の唇にピントの来ているものと、画面隅にある指にピントが来ていて全体をぼかしたものが良かった。
門嶋淳矢はテーマに忠実と言うより誠実と言ったほうが良いくらいで、小道具や衣装だけでなくロケーションや画面の中に入ってくるものにまで緑を使っていた。
画面の中に何種類もの緑があり、組み込まれたそれらを探すのも楽しい。
例えば撮影場所が緑の歩道橋、信号待ちで停まるトラックもヤマト運輸だったり。
意図したものでは無いそうだが、背景の緑である原っぱに生えている草が馬鈴薯だったのが妙に可笑しかった。
仕事で撮るグラビアと較べると、モデルも写真を構成するものの一つとして扱ってはいるのだけれど、暗闇で緑の風船を持つ写真なども潰しすぎずに表情が読み取れるくらいで止めていて、モデルを殺しすぎないのも良かった。
耐震性の問題とかで閉店が決まっている大宮LOFTのHMVで行われたインストアライブに行ってみた。
営業不振で仕舞う訳ではないので活況を呈した店内と閉店の告知がどうもしっくり来ないまま6階へ。 受付開始の時間はとうに過ぎていたが店の人の姿は無く、ただ予約受け付け用紙のみが机の上にあり、先に来ていた客と同じように必要事項を記入して出来ていた列に並ぶ。
開場時間になってもリハーサルが続いているのはどうかと思ったが、リハーサルそのものはきっちりやっており、その点には好感が持てた。
リハーサルが終わって即客入れ。 場内はステージ両端の延長線上にある柱の内側が観覧エリアになっている。 椅子が3列並べられており、その後ろは立ち見。
矢張り観に来る・聴きに来るより騒ぎに来る向きが多く、早く入っても立ち見に行く人が居たお陰で観やすい席に座ることが出来た。
開演時間はとうに過ぎており、客が入り終えたらすぐ始まるであろう事は判る筈なのに、最前列に座った初老の客がやおら服を脱ぎ始めて半裸になったのには開いた口が塞がらなかった。
客席にはうら若き女子も居るのだけれど、そんな事は目に入らぬらしい。
下着として来ていた白シャツを脱いで勝負Tシャツに着替えたようなのだけれど、気を配る方向が盛大に間違っている。 アイドルに限らず女流講談などでもそうなのだけれど、団塊ピンチケは常識が欠如していて実にタチが悪い。
実社会を駄目にした次は、趣味社会を崩壊させようとしている。
閑話休題、インストアイベントの話。
Doll☆Elements
結局20分程遅れて開演、先ずは出囃子のあとで姉妹ユニットのDoll☆Elementsが登場。
過不足無く可愛らしく、ちゃんと歌って踊れているが、技量に少々開きがあり、地味な顔立ちの娘の方がより扇情的で、「美なる者は面を以て沽ることを謀る、故に手に疎なり。」と成島柳北先生「柳橋新誌」にあるのを思い出した。
3曲演って、お後と交代。
愛乙女☆DOLL
こちらも出囃子の後に登場。 HMVのポロシャツに色違いのパニエと言う出で立ちだったのだけれど、動画で観たワンピースの衣装では判らなかった粗が出てしまっており、ことこのユニットに関しては腰でスカートの高さが決まってしまうツーピースの衣装は着ないほうが良いように思った。
自己紹介が簡潔で聴き取りやすいのは良い。 AKB48のKチーム(当時)が発端であろうと思われる平安時代の合戦作法さながらの長い名乗りが業界標準となって久しいが、名前を憶えて貰うには簡潔であるに越したことは無い。
Doll☆Elements と較べると矢張り一日の長があり、歌にも振り付けにも緩急強弱を付けられる地力のゆとりが感じられる。 そして高いレベルで平均し、安定もしている上での個性の発露。
愛迫みゆは非常にエモーショナルな動きや表情を見せるのだけれど、遣り過ぎないので観ていて重くない。 これは他のすべてのメンバーについても言える事で、歌って踊っての部分に関しては非常に良く出来ていた。
明確な売り上げ目標を掲げる保険の外交並に積極的な営業には少々閉口したが、或る程度の実績を残していかなければ活動も続かないのが資本主義社会の常でもあり、売れている(ことになっている)ものにしか飛びつかない衆愚を相手に商売をしなければならない以上致し方ない事ではある。
しかし、ここの送り手は売り上げ目標をノルマとして課す事があったり、そもそもグループ名の表記からして田舎の暴走族みたいなインパクト勝負の判読不能なものをつけてみたり、(厭な言葉ではあるが)「消費マインド」を冷え込ませることに鈍感なところがあり、それが一寸引いて観ていたくなる要因になっている。
それを差し引いてもこのグループの楽曲には良いものが多く、今般の新曲『ビターチョコ・バレンタイン』の出来も素晴らしい。
ステージ上の練度の高さからもきちんとレッスンをしている事は見て取れるし、AKB48が握手屋に堕してしまった昨今、佐野にしても上遠野(愛迫)にしても良い居場所を見つけたと思う。
売れて欲しい。
ネット配信番組の公開収録。 山田渚は芝居の稽古の為、暫くメグリアイとしての活動を控えるとの事で、岡崎みさと、北山愛織、柳真倫、山中香穂の4人。
前回と較べればまぁ多少下準備はした気配はあったが、途中からはクッダグダ。 CMに入るたびに「バイバーイ!」ってのは流石にどうかと思った。 CMのあとの展開に期待を持たせることで視聴者を繋ぎとめるのが仕事。
製作側の台本・進行表も紙ッペラ一枚なので、それを膨らませるのも大変だとは思うが、番組を持っていると言う自覚に乏しいのはいただけない。
岡崎が例によってザックリと進行。 北山は自由に喋り、山中はニコニコしている。 柳が要所々々で岡崎に助け舟。
前回はライブなのにブーツの踵がもげてしまい、この日も歯医者に駆け込んで治療してから現場入り。 災難続きの柳だが、こうして積んだ善根でいつか報われる日が来るのではないかと思う。
30分で番組本編は終了。 そこからの15分はエクストラタイムと称してミニライブ。
グッダグダの本編とは打って変わってパリッとした動きになるのが面白い。 4人での変則フォーメーションではあったが、大過なく。
山田が休みだと岡崎の華やかで大きな動きが際立つ。 残りの三人も悪くは無いのだけれど、山田の過剰さがバランスを取る為には必要であるようだ。
柳は一寸腰が引けた感じで、あまり上手くは無いのだけれど、全体の調和をとろうと言う意思は見て取れる。
山中はヒールの高い靴で一寸踊りにくそうにしていたのだけれど、これも岡崎との身長差を考えての事だったかもしれない。
柳真倫は自信が無いのか笑顔を作ろうとするとぎこちなく引き攣るのだけれど、自然にこぼれた笑みは柔らかく、落差の所為もあってか数倍可愛らしく見える。
すっかり忘れていたが、駄文置き場に
憂鬱な会話
2012 俺アワード <悪戯部門>
をアップロードしていた。
宿題が溜まりすぎて何から手を付けてよいか分らなくなってしまったり、口に糊するだけで難渋していたり、色々書きにくくなったり、サボりにサボってきたが宿題はさておき直近のものから再開することにした。
サンシャインシティの新星堂店内のイベントスペースで三回廻しのアイドルフェス的なもの。 その一回目と二回目にメグリアイが出演。
いつものインストアイベントよりは多めの集客で、秋葉原で大規模な無料イベントがあった割には健闘していたと思う。
もっとも向こうは満点札止め、入場規制まで行われていたし、そもそも金の掛かり方が違うのであるが。
例によって低くて狭いステージなので演りにくそうでもあり、こちらも見づらいが、近い。
注意事項に
当イベントでのMIXや口上など、大声を出しての応援は禁止させて頂きます。
また、ジャンプ等も禁止させて頂きます。
先日終了した秋葉原でのネット配信番組の代替と言うか何と言うか、類似番組が始まった。
押上の交差点から浅草通りを十間橋方向に少し行ったところのビルがスタジオになっており、3階の受付の券売機で整理券を購入して時間潰し。
秋葉原時代より良くなったのは、とりあへず空調の効いたところで待てること。
質問募集とのことで、紙が置かれていたので「とりあへず一枚」と思ったが、他の客は「なんだまた質問か」くらいの反応で誰も書きゃしないので何枚か書いておいた。
スタジオは照明も直当てではなく、音響もまぁまぁ良い。
ハウリングの収束が遅かったが、ライブをやるスタジオではないので仕方が無いし、許容できるレベルでは有った。
ミニライブだけではなく、通常放送の部分もあり、これまでと違ってCMが挟まる為に進行が複雑なのだけれど、第1回の司会が山田渚と言う暴挙。
そもそも向いていないところに持ってきて、前もって準備をしていないから進行は無茶苦茶で、あまりに破滅的であるが故の面白さはあったが、番組としては破綻していた。
あまりのヒドさにPAの横で見ていたプロデューサー氏が天を仰いだり頭を抱えたりしていたが、それは自明の理であり、やらせるならそれなりの準備をして然るべきだと私は思う。
他のメンバーが助け舟を出して何とか進行していたが、下北FMなども時間に追われる様な進行なので話を膨らませない癖がついてしまっている。
質問を募っても、ささっと答えてしまってどんどん先に進んでしまう。
ライブ部分は一転してピリッとするのがメグリアイらしさか。
放送と言う事もあってか生きているマイクが5本用意されていたので、普段はダニーマイクを持たされる後列担当メンバーの山中と柳だけリハーサルをしていた。
山田渚の声はアイドルにしては低く太いので、普段はかなり絞ってあるのだけれど、今日は生きていたのでよく聞き取れたが、音域のあった曲に関しては割と上手い。
他のメンバーについても言えるのだけれど、宛書きなのだからもう少し本人たちの可動音域に合わせた曲作りをしてやっても良いのではないか。
メグリアイが出ることしか知らないロックバンドとの対バンらしいイベントへ。
屋根裏が引っ越したビルの地下のさらに下と言う立地。狭いハコだが、フロアの隅にベンチがあるのは有り難い。
ライブハウスらしくフロア全面喫煙可なので、服から持ち物から煙草臭くなってしまったのが難と言えば難。
ステージ前にはスクリーンが下げられているが、バンドセットが見える。
重低音がしっかり出る音響で、これが吉と出たり凶と出たりしていた。
Cover's Doll
カバー曲だけを演ることは否定しないが、ガイドメロディー付きのカラオケ音源は興醒め。
JASRAC に絡まれると大変なのでセットリストは書かない。
後半は渋く盛り上がる選曲。
佐藤兄弟
4人編成。
ベース、ギター、ドラム、ボーカルがエレアコとブルースハープも担当。
冗談めかして本当の兄弟だと言っていたが、本当に本当らしく何となく似通った顔立ちをしていた。
最前列は入れ替わって女性客に。 アイドル方面の客と違って見られて恥ずかしくない服装、そして喫煙率が高い。
延々首を横に振り続けるノリ方は初めて見た。
曲は割と好みでそれぞれ巧い。 アイドルと対バンと言う事で最後に「ヴィーナス」。
ギターがキーボードパートまでやる大奮闘の巻。 このあたりも面白かった。
メグリアイ
客筋はガラリ入れ替わってむくつけき男たちがズラリ。
浅原桃子はストレート、岡崎みさとはポニーテール、北山愛織は小さめのお団子二つ、山田渚はロングボブ、山中香穂は巻いたツーテール(これが良かった)。
山田渚は今日も山葵の利いたピリッとした動き。 これが有ると岡崎みさとの優雅な動きがより引き立つ。
前述の通り笑っちゃう位の重低音でモニタースピーカーからの返りが悪いらしく、少々歌い難そうではあったが大過なく。
メグリアイは八人居るメンバーの中から何人かが出てくるのだけれど、このシステムでは練度上がりにくい爲、狭いステージだとぶつかりそうになった際に見切って体をかわせない。
多少ぶつかってしまっても仕方が無いと私は思うのだけれど、躊躇して停まってしまう(そして表情に怯えの色が出たり、素に戻ってしまったりもする)のは少々いただけない。
もう一つ気になるのは、生きているマイクが3本だけなのは仕方ないとしても、それ以外があからさまなダミーマイクであること。
繋がっていないワイヤードマイクは哀しい。
「乙女桜」の岡崎みさとは、今日も金の取れるジャンプ。 実際の滞空時間以上に長く感じられるのは、それだけ目を惹いているからだと思われる。
山田渚は首でリズムを取ることがあるのだけれど、何時か何処かで見たような・・・と思ったものの正体は、川本喜八郎の人形劇『三国志』であった。
トックリポックリ
メグリアイの出番が終わって、殆どの客は物販に行ったまま戻って来なかったのであるが、最後に出たこのバンドが実に面白かった。
こう言う拾い物があるから対バンイベントは面白い訳で、途中から入って来て目当てだけ見て帰ってしまうってのも実に勿体無い。
烏天狗みたいなお面をつけてフード付きのコートを着たベースとバタヤン持ちで白塗りのギターとドラム(これは普通の風体)の掛け合いセッションで始まり、暫くしてフランケンシュタインみたいな大男と民間人風の好青年が登場。 これがツインボーカルなのであるが、歌うより叫んでいる時間の方が長い。 で、叫ぶだけかと思ったら歌も聴かせる。
ギターもベースも打楽器的に激しく弾く事も出来るし、繊細な音も出せる。
こう言う呆れるくらい巧い連中が厭味無くやるバカってのは実に楽しい。
ジャンルとしてどう括られているのかよく分からないが、まぁ兎に角面白いものを見せてもらった。
売れる売れないは度外視して好きな事をやっているようにも見えつつ、主催イベントの告知では女房子供が出来たドラマーを「送る」と言う表現を使っていたり、世知辛さも垣間見せてはいたが、実にどうかしていて楽しい一と時であった
殺伐としたライブでしか見ることの出来にくい種類のバンドを平和裏に見られる幸福。
よく見掛けるアイドル客が最初から最後まで撮っていたが、撮影可かどうか確認してこなかったので、私は会場雑感を押さえるに留めた。
客層がまったくと言って良いほど被らず、相互乗り入れも無さそうだったのは残念だったか、尻上がりに面白い良イベントであった。
昨年は公私共にいろいろ有りすぎて、余計なことをしている気分的(そして金銭的)余裕の無い年だった。
また、ツイッターやフェイスブックのような、時間の経過と共に書いた物が流れ去ってしまう物に書いて、殴り書きを書きっぱなしにして文章として纏めなかった結果、何をし何を考えていたのか、思考と行動を記録出来ていないまま過ぎてしまった一年。
仕事に関しては一と息つけそうな雲行きなので、公私の切り替えをきっちりして、余計なことをする時間的精神的ゆとりを持ちたい。
明治通りと渋谷川の間、渋谷と恵比寿の丁度中間にある Tokyoarts gallery で開かれている写真展。
松田忠雄撮影による杉原杏璃の最新写真集「vole de kyaa」に連動したもので、その中で使われた物やアザーカットで構成されている。(※2/21 訂正、全てアザーカットとのこと)
圧巻は300×147cmの巨大プリント三枚。
400×600cmのものも十分大きいのだけれど、この大判の前には霞んでしまう。
流石にざらついた感じはあるが、合焦位置と深度は適切。 薄目のピントで視点を誘導。
かなり横長のプリントなのだけれど、離れて見てみると視野一杯に収まり、寄って見てみると細部を確認出来る。
展示はこの他に2Lのプリントを壁一面に張り付けたもの。 こちらは残念ながら午後に行われるギャラリートークと撮影会終了後の公開ということでトレーシングペーパーが被っていて全体は見ることが出来なかったが、ちらりと見える部分の何枚かは面白かった。
これを含めて全ての写真は正札付き。 中でも2Lのものは一枚1050円。 昨今のアイドル現場で売られているヤッツケ仕事の生写真なるものが法外な値段で売られている事を考えれば、これは破格。
80年代を引き擦った旧態依然の詰まらない構成の写真集を接触営業で纏め買いさせて捌くような商売が未だに罷り通っているが、それで写真集というジャンルも衰退するばかり。
この写真展は販促イベントとしても面白い物になっていると思う。
追記
気になったのでメグリアイのインストアが終わってから再訪。
(会期中は毎日八時まで開けているとのこと。)
昼間見られなかった入って右側の壁面には2L判のカラープリントが一面に貼られており、気に入った物があったら剥がして購入出来る。(減った分は貼り足して行くとギャラリーの人は言っていた。
午後にギャラリートークと撮影会があったので、既に半分くらい無くなっていたが、それでもかなり見応えはある。
全体的に絞りを開けて撮ったピントの薄いカットが多いのだけれど、タクシーの車内などで寄って撮っている物が特に面白く、私も財政事情が厳しい中一枚購入。
金があったらそれこそ根こそぎ買いたい。
何で撮ったのだろうかと考えながら見ていたが、明るい単焦点の広角レンズであろう事までは分かったものの、カメラに関しては皆目見当がつかない。
ふと撮影者近影のようなものを見るとブラックボディのライカを構えていて漸く腑に落ちる。
職業写真家が2012年にライカを構えていると言うことは、伊達や酔狂で無い限りM9で間違いない。
M9だと悟ってから改めて全体を見ていると、写真そのものよりM9が欲しくなってきてしまい、慌てて邪念を振り払う。
カメラを買ったからと言って写真が上手くなるわけではないが、そんな錯覚すらさせるくらい引き込む力のある写真が揃っていた。
コラム置き場に
はてなブログへの移行を中止するの記
をアップロード。
わりかし評判の良い「はてなブログ」であったが、看過し得ない落とし穴があった。
定期的に検索があるので、これまでの宮坂浩見関連のグラビア評を纏めておく。
週刊ヤングジャンプ 2011 51号(フレンチ・キス)
週刊ヤングジャンプ 2012 03号(岡本玲)
週刊ヤングジャンプ 2012 31号(岡本玲)
週刊ヤングジャンプ 2012 34号(フレンチ・キス)
全て惨憺たる出来。
西麻布の交差点から少し南青山寄りの路地裏にあるギャラリー イー・エムで開かれていた写真展を見てきた。
ヴィム・ヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』(Der Himmel über Berlin)から着想したと言う、モノクロのみの、小品を中心とした展示で、全紙が何点かある他は全てキャビネ。 それを何枚か組み合わせたり、一点で飾ったり。
冬のベルリンの曇天、小さい画面、覗き絵の小宇宙。
兎に角、プリントが美しい。 デジタルからのモノクロームプリントでここまでのものが出来るようになっていたとは。
そしてライティングが良い。 ほの暗い室内に、暖色系の照明を眩しく無い角度で。
黒から灰色にかけての色調が豊富で、長く見ていても飽きない。 見れば見るほど、一枚のプリントの中に発見がある。
単焦点のレンズを開けて撮ったカットが多い。 寄って撮ったものはアウトフォーカスも美しく。
教会の長椅子を撮ったものが心に残った。
キャビネなら額装込みでも頑張れば買える値段がついており、大いに悩む。
売る気満々の画廊などでは興が削がれるが、こうしてさりげなく価格を明示してくれるのは有り難い。
コラム置き場に
批評と審査 (私の規範について)
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アイドル楽曲大賞批判に深入りしすぎたので、自戒の意味も込めて改めて私の規範について記してみた。
コラム置き場に「アイドル楽曲大賞」絡みの雑文
別箇に進んで別箇に撃て ~俺アワードのすゝめ~
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ハロプロ客にこっち方面に食指を伸ばすゆとりがある事に、寺田は危機感を持つべき。
気の進まないNゼロにメグリアイ出演と言う事で、足取り重く池袋へ。
会場の"イーストステージ・いけぶくろ"は、豊島区役所と公会堂の裏手に有る、区民センターの6階にあるホール。開場する頃合を見計らって行ってみると、Nゼロ客とは別にメグリアイの客を誘導、ゲスト枠と言う事なのか先に入れていた。
メグリアイ客の皆さんは前の方に行く中、修羅場を避けて着席。
「見たい奴は前、騒ぎたい奴は両脇か後ろ」と言うのがルールとして明文化されているのは良い。
鞄の中からマ・クベ専用モビルスーツの武器みたいな長尺ものの光り物とか、カリオストロ伯爵の部下のジョドーの鈎爪みたいな光り物を出して動作確認する客に先ず驚く。 この人は装備が大袈裟な割に回りに気を配る最低限の常識を身につけていて、それにも驚いた。
この日最大にして最悪の迷惑野郎は 朝日新聞 の記者章を付けた若造。
曲がりなりにも有料入場のライブの最中にストロボ焚きまくって写真を撮り続けるってのも非常識であるし、明らかに「奇態な振る舞いをする客」を選って撮っている。(ストロボを焚いて客の後ろからステージを撮ると言う事は、客を含めて撮っていると言う事である。) 写真の上がりを見なくても、撮り方から特定の客を戯画化して貶めて晒し者にしようとしているのはありありと判る。
どんなデッチアゲ記事を書くんだか知らないが、最後の一人までが全体ではあるが、一人を論って全体であるかのように見せるのは報道機関として如何なものかと思う。
そしてこの 朝日新聞 の記者章を付けた馬鹿、チョコマカとよく動く。 ロビーに出たり、また入ってきたり、前に行ったり後ろに戻ったり、実に忙しなく私の視界を遮ったり横切ったり。
報道して頂く立場からか、無作法客の移動には釘を挿すスタッフも、この無作法記者には何も言わない。
"朝日らしい" と言えばまぁその通りなのであるが、実に不愉快であった。
次に不愉快だったのがスタッフの技量不足。
何度も使っている筈の会場なのに場当たりも出来ていない、音響も雑、照明は下っ手糞。
舞台上で前に出過ぎると当然照明は当たらない訳であるが、どの辺りまで使えるのか調べていないし、当然バミってもいないから歌ってる最中に当たり前のように前に出てくる。 歌っているのが一人ならスポットで追うって手も無い事ぁ無いが、何人も纏めて前に出てきたら何も当たらない状態になる。 当然真ッ暗。
まぁ、金の取れる仕事ではない。
音響はハウリングこそしないものの、オケとマイクの音量のバランスがスコブル悪い。
メグリアイの一曲目なんざほぼ口パク状態。 徐々に補正はしていたが、リハーサルで確認くらいしないのだろうか。
三つ目の不愉快は学級崩壊みたような客の振る舞い。 前の方に居っぱなしの客も、最後列で騒ぎっぱなしの客も、無作法は無作法としても舞台の上で行われていることを蔑ろにはしていない。
ところがそれ以外の第三勢力が居て、この手合いは前に行ったり後ろに行ったり、ロビーに出たり入ったり、目当てのNゼロが舞台の上に居ても、見るでもなく踊るでもなく、舞台に背を向けて車座になって雑談。
今日のNゼロでも痛感したのは、学級崩壊系の客の振る舞いの元凶は「ゆとり教育」などではなく、家庭での躾けにあると言う事。やって良いことと悪いことの区別が付かず、人さまに迷惑を掛けてはいけない事を知らない、自己客観視が出来ない。全ては親の親くらいからの躾けに起因した、数十年スパンでの歪み。
割った話が、馬鹿なのではなくて「常識が無い」。 人様に迷惑を掛けてはいけないという基本的なことを知らない。 判らないんじゃなくて「知らない」
あんまり酷いのにはスタッフが釘を挿していたが、釘を挿された当人は当惑の体。 何が悪いのかまるで判っていないようであった。
イベントそのものは先ずNゼロのライブを30分程、ゲストのメグリアイを呼び込んで"試練の十番勝負"なるものをやり、物販と交流会(接客営業)と言う流れ。
Nゼロのライブは前述の通り照明も音響も素人から毛を抜いたような惨状だったが、歌ったり踊ったりは及第点。 「運営の是非はともかく楽曲は良い」と聞いていたが、オケが薄っぺらで曲そのものも耳に引っ掛からなかった。
琴線には触れないものの不愉快なほど低劣でもなく、振り付けと歌はしっかりしていたので、ライブそのものは楽しく観覧。
"試練の十番勝負"は6対6の尻相撲と4曲ずつの歌対決。 尻相撲は骨格的に重心の低いメンバーの多いNゼロが圧勝。 歌対決は客の投票で決まるのだけれど、総入場者に占めるメグリアイ客の割合が低いので、出来の如何に関わらず負けは見えていて(こういう場合、客観的な判断で投票する客は先ずいないと考えて良い)、結果を見ずに会場を後にしたのでどうなったかは判らない。
メグリアイをちゃんとした舞台で見るのは実のところ初めて。
これまで見てきた蜜柑箱とは比べ物にならぬ広さの舞台の上で伸び伸びと歌い踊るメグリアイは実に見応えがあった。
今日の出演は岡崎みさと、山田渚、坂本樹莉、柳真倫、山中香穂、浅原桃子の6人。 歌対決では前半に浅原、後半に山中が出演。
華やかな岡崎とキレのある山田の間で坂本が可愛らしく歌い踊る。 前に見た時より格段の進歩を見せており、振り付けの解釈に擦り合わせが行われてより揃ったものになっていた。
客が前の方に固まっていたので仕方の無い事ではあるが、目配りが客席前方に集中していたのは宜しくない。 入りがどうでも大きなハコでは大きなハコなりの振る舞いをする癖を付けた方が良い。 気になったのはそれくらいで、予想以上に良い出来だった。
最後に安原サニー芽生と山田渚で「禁じられた二人」。
山田が大島パートで、安原が河西パート。
無加工のカラオケ音源だったのは残念だったが、山田渚が大島優子の狂気の幾許かは体現できていたのを見る事が出来たのは収穫だった。
イベント総体では不愉快事も多かったが、ことメグリアイのライブに関しては満足出来た。
それ以上の不愉快を避ける為、物販の喧騒を横目に退出。
今は亡き立川談大さんを偲ぶ落語会。 早いものでもう三回忌。
開場時間に広小路亭に着くと、既に何人か。
開演する頃には椅子席はほぼ一杯の入りに。
「子ほめ」寸志
「平林」志獅丸
「ろくろっ首」吉幸
「だくだく」龍志
<中入り>
「うなぎ屋」錦魚
「らくだ」キウイ
それぞれが談大さんのよく演っていた根多、一緒に稽古に行った根多、教えた根多、etc... 由縁のある噺を。
2年前からすると、皆変わった。 巧くなったり、面白くなったり、味わい深くなったり。
「生きていたらどうだっただろう?」と考えてみるも、最後の一年となってしまった年の頭から自分の会を始めて、物凄い勢いで変わりつつある中での死だったので想像もつかない。
志獅丸さんは安定して面白く、吉幸さんは明るく楽しく賑やかに。 ワッと沸いた「ろくろっ首」のサゲのあとに淡々と始めて何時の間にか自分の空気にしてしまう龍志師匠。 錦魚さんが軽く演った後にキウイさんが文字通りの長講一席。
この日のキウイさんのみっちり加減は尋常ではなく、家元を絡めた入れ事も、いつもの大脱線も、自虐根多も無しにして屑屋と半次の遣り取り(・・・と言うか一と騒動終えてからの屑屋の独白)に力点を置いて噺を膨らませていた。
それはキウイさんの持ち味である「楽しさ」を殺すことにもなっていたし、退屈なところもあったのだけれど、マクラで「三度破門になって三度戻ったのは僕と談大だけ」と語っていたような、家元と談大さんの繋がりであったり、キウイさんと談大さんの繋がりであったり、傍からは窺い知れぬ愛憎入り混じった複雑且つ濃密な関係性のキウイさんなりの解釈が籠められていたように思った。
面白いとか詰まらないとか、そういうのを超えたところの聴き応え。
顔付けとか、この会の意義とか、掛けられた根多とか、疑義を呈する向きも有り、それはそれで正しくはあるのだけれど、そのチグハグは「談志直弟子の会」の頃から続く伝統的チグハグであり、このチグハグ加減も懐かしかった。
故人と遺された者の関係は、年を経るごとにそれぞれの中で独自の熟成を遂げてしまい、共有しえない物になって行く。 それを大掴みに纏めて一つの落語会にしてくれたお陰で、食い違う部分は多々ありつつ、それぞれがそれぞれに偲ぶ会となった。
そもそも談大さんは存在そのものが一つの謎であったので、その解釈には幅があり、偲び方にも正解は無い・・・と、私は思う。
談大さんにとっての私は、嫌な客であったようでもあり、そうでなかったようでもあり、良い客だったのかどうかは今でも分からないし、この先も当然分からない。
しかし私にとっての談大さんは、巧いと言う意味に於いても、面白いと言う意味に於いても、最良の落語家の一人であった。
川崎駅前のショッピングモール、ラゾーナ川崎の5階にある「プラザソル」にて、ヒロセプロジェクト・第13回目公演『キミと星空に未来を描いた日』を観覧。 客席も舞台も、奥行きはあまり無いが幅は有る、思ったよりしっかりした劇場。
全席自由だったが、私が好んで座る舞台も客席も見渡せる席は例によって不人気で、あらかた埋まった中でもぽっかり空いていた。
裏にいる裏方はどうだか判らないが、場内整理や物販などに携わる、表に出る裏方は総じて若い。 場内を廻る物販や膝送りのお願いなどで押しが弱いところはあったが、仕事そのものはきちんとしていて悪く手馴れたところが無く、好感が持てた。
客層はキャストの父母や家族、この送り手の固定客と思しき筋、そして客演のジュニアアイドルやプレアイドルの客など種々雑多。 センターブロックの最前列と二列目は子供用になっていたが、その後ろにズラリ雁首を並べるアイドル方面と思われる出席確認強要系田舎大尽客。
この手合いが早くから並んで最前列に陣取る為に、後ろに座った子供が見えないと言う御意見が寄せられ、対策として子供席が作られた由。 良い対応だと思う。
山田渚の初舞台と言う事で観に行った訳だが、そのあたりを抜きにしても芝居として面白かった。
キャストはアイドルからミュージカル系子役から叩き上げの役者まで多岐に渡り、ダンスや演技のレベルもバラバラ。 出来る人は出来る人なりに、出来ない人は出来ない人なりに、それぞれの懊悩や苛立ちを抱えて稽古を続けて来たのではないかと終演後の挨拶からも窺い知れたが、それを上手く纏めて客前に出して来ている。
張られた伏線も丁寧に回収され、多少強引なところはあるが無理の無い展開と結末。
以前上演した芝居の世界を敷衍しつつ、身分で雁字搦めになった社会の改革を試みる下層階級出身者が絶望からクーデターを企図していくさまとそれを鎮める為に異世界から召喚された主人公の活躍を縦糸に、孤児院の子供たちを中心としたその世界の人々の人間模様を横糸に物語は進み、クーデターの芽は未然に摘み取られて一滴の血も流れず、誰も死なない(捕まらない)玉虫色の結末にはなっているが、社会の変革ではなく個々人の意識を強く高く持つことで未来を切り開こうと言うメッセージは、こんな世の中だからこそ胸を打つ。
劇中で使われる曲も凝っていて、孤児院の子供たちが歌い踊る曲はアコーディオン、祭りのクライマックスの群舞の曲はパイプオルガン、奏でる楽器で身分と階級を暗示。
山田渚は宮廷女官三姉妹の一人で、台詞もそれなりにある役。 上手いとまでは言えないが役には成れていたと言うか、役の人生を生きていた。
芝居が詰まらなかったら山田渚だけ見ていようと思ったのだけれど、思いの外芝居そのものが面白く、珍しく没入して観てしまったので山田渚に限って書くことはあまり無い。
それは芝居の中の役としてきちんと機能していたと言う事でも有り、実に上手く廻した芝居だった。
脚本、配役まで含めた演出、音楽、照明や音響。 裏方の仕事もしっかりしていて不快なところは一つも無い。
終演後に劇中曲で構成したライブ。
樂日と言う事でAチームBチーム取り混ぜて全員出演。 Aチームの岡崎みさとも見る事が出来た。
山田渚は上手側に行きっぱなしだったので碌すっぽ見えなかったが、下手側に来た岡崎みさとが凄かった。
バケツやモップ、雑巾などを持って歌い踊る曲があるのだけれど、岡崎みさとが振り回すとボロ雑巾もレースのハンケチの如くふわりひらりと翻る。
人を押しのけて前に出るような振る舞いはしないのだけれど、飲まれた人波の中でも目を惹く。
山田渚も同じように人波に飲まれがちなのであるが、こちらはくっきりした動きでそれと判る。
この二人の群衆の中での突出の仕方も面白かった。
乗換えと乗り継ぎで盛大に読み違えて12時丁度に現地着。 都電がのんびり走るものであることをすっかり忘れていた。 例によって10分遅れの開演とのことで一息つく。
坂本樹莉と山中香穂が店のまわりでチラシ配り。
デザインは良いが紙が厚すぎるのではないかと思っていたが、受け取った一般客がチラシがちゃんとしている事に驚き、ライブも見て行ったのでメジャー感を醸す手段として、これはこれで良いのかもしれない。
芝居の本番が迫っているからか、岡崎みさとはお休み。
荒天だった先週と較べて集客は少なめだったが、これは岡崎が休みであることに加えて、出演するイベントやライブが一日に4本あり、客の側も選択を迫られていることも影響しているのではないかと思う。
大衆の嗜好は、良くも悪くも「巨人・大鵬・玉子焼き」なので、柏戸が一人横綱の場所は興行として一寸厳しくはある。
岡崎パートとイベントの進行は柳真倫が担当。
柳真倫は、頑張っているのも緊張と重圧を笑顔の下に隠しているのも見て取れたが、声量と音程に難があり、矢張り岡崎不在の駒落ち感は否めず。 事故には到らなかったが衣装に乱れが合ったり、靴が違っていたりするのも痛々しくあった。 転がり込んだチャンスをものに出来れば色々変わってくるのであるが。
音域の合わない曲もある山田渚のマイク音量が大きめになっていて孤軍奮闘の趣。
メグリアイは物販や付随するアトラクションについては時間的にも質的にも良心的だと思うのだけれど、それはメンバーに魅力があってこそ集客に結びつくわけで、注力すべきところがずれているような歯痒さを感じたイベントであった。
岡崎みさとが横に居ると目立たないのであるが、居ないと山田渚の動きの質が明らかに周りより高い事に気付かされる。
止め撥ね払いがしっかりしていて流れない。
バニラビーンズとしては初めての噴水広場でのイベントと言う事で、早めに現場へ行ってリハーサルから観覧。
用意されたスタンドマイクの置かれた間隔が些か狭く、事務所スタッフが修正。 14:40頃に到着してリハーサル。 音の出や返りを確認した後、3階から観ているお客さんに「ここじゃツムジしか見えないですよね?」と確認しつつマイクを立てる位置を後ろにずらしていた。
定刻に開演し、高々と吹き上がる噴水とともに出囃子に乗って入場。 この場所でイベントが出来る喜びからか、終始絶やさぬ笑顔。
四階まで鈴なり・・・とまでは行かなかったが、足を止める人は多く、「知らないものを見てもしょうがない」と抜かして通り過ぎる生意気な餓鬼が居た(こういう自分の目と耳で判断しない奴は、経験則から言って将来碌なモノにならない)くらいで、反応も良く。
最後の曲が始まる頃には次のイベント目当ての民度の低いのが増え始めたので、終演後は早々に退散
何を勘違いしたのかマルイの入り口でやるものだとばかり思っていて、現場に着いて子供対象のイベントをやっているのに出くわしてから慌てて調べ直してパルコpart1へ。
ステージ前の観覧スペースは既にほぼ一杯、最後列に潜り込んで開演待ち。
舞台袖にはシンセドラムやらDJ卓やらが置いてあり、この規模の舞台だと袖にヤッツケで設えられるのが常のPAは奥のほうにしっかりと。
会場スタッフがしっかり目配りをしていて、客が増えると仕切りの柵を徐々にずらして観覧スペースを広げたり、膝送りをお願いしたり、交通整理をしたり。
1. ベイビィ・ポータブル・ロック
2. チョコミントフレーバータイム
3. ニコラ
4. 東京は夜の七時
5. キラーキュイーン
間にお喋りを挟みつつ5曲30分。 渋谷らしくピチカートカヴァーも織り込みつつ、自前の洒落オツ系の曲を要所々々で演る構成。
舞台横まで客が入っていて、キノコの人はその辺りを含めた全方向に目配り気配り。
外ハネの人ははじめのうち一寸表情が硬いところもあったが、大入りの客を前にして解れたのか、途中からは明るく楽しげに。
マネジメントの体制が変わって、本人に係る気苦労も増えたように見受けられるが、それを何とかする力は既に備わっていると思う。
比較的ヲタヲタしい客が少ないのと、奇態な合いの手を入れて馬鹿騒ぎの出来る曲が無いのと、何より楽曲が洒落オツなので一般客の食いつきは良く、終演後の物販列にも並ぶ姿が見られた。
呼ばれたイベントで何が求められているのか、そこで何が出来るのか、それによって何が得られるのか、しっかり考えて見極めた上で出演しているので、主催者も演者も客もそれぞれがそれぞれに幸せを分け合える。
hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)にしてもでんぱ組inc. にしても、異業種系対バンイベントで重用されるグループはその辺りがしっかりしているように思う。
所用を片付けてから新星堂 サンシャインシティ アルパ店へ。
岡崎みさとと山田渚が店の前の通路でチラシと新曲に因んだ飴を配っていた。 チラシはデザインも印刷もちゃんとしているのは評価できるが、紙が厚すぎる。 配る・持ち運ぶことを考えるともう少し薄くて良い。
目当ての客どころか人影すらまばらでどうなる事かと思ったが、蓋を開けてみれば20人凸凹の集客。
店内では新曲の音源とライブ映像が流されており、衣装や振り付けも含めてきちんとした作り。 もう少し売れてもおかしくはないのではないかと考えたりしつつ開演待ち。
店内奥に幅一間奥行き半間くらいのステージ。 近隣店舗との兼ね合いでジャンプや所謂「MIX」は無しで、と店からのお願い。
曲折あって12時からの回は岡崎、山田、坂本、山中、柳の5人。 上手袖にある簡易PAでぶっつけ調整なので始めは音も安定しなかったが大過なく。
5本中2本がコードレスのワイヤードマイク、岡崎、山田、坂本のマイクは生きており、この三人のパート割りで繋いでいる。
Candy*Girl は初見より練れてきており、少なくとも前の二人にはあやふやなところはなく、全体的に揃ってきた。
ストイックな岡崎と山田と較べると些か Epicureanism の徒みたいなところのある坂本は、自分のパート以外では自由な目配り。
CD一枚購入で全員と握手できるアトラクションが付いてくる。 複数枚購入では、更に色々と。 私は懐都合も有り、一枚のみ。
パパッと終わらせてササッと帰りたかったのだけれどそうは問屋が卸さず、比較的長めにみっちりと握る羽目に。
こうなると際立つのが岡崎みさとの真人間っぷりで、やる気が空回りするような局面もありつつ、至極丁寧な受け答え。
山田渚は奇矯な振る舞いがある訳ではないのだけれど、誠実な中に潜むどうかしている感。
坂本樹莉は握手をしている間ずっと何かしら喋っていて、その中で探りを入れてくるような、相手が何者か掴もうとするようなところがあった。
喩えると稲尾と榎本と野村。 パ・リーグ野武士オールスター。
前回の一部出演者とその客が最低に碌でもなかったのでどうなるかと思ったが、無事6回目を迎えた。
そんな事もあってなんとなくやる気が起きず、起きられはしたもののぐずぐずしているうちに家を出るのが遅れてしまい、競艇場に着いたのは10時半を廻った頃。 道すがら知己から「今回は大丈夫そう」との伝書鳩で一と安心。
今日の多摩川競艇は競艇もアイドルもイケる知己がぞろぞろ来たので、そっち方面と観覧。 細切れのステージを見ながら、合間合間にパァパァ言う軽口が楽しい。 楽しいが楽しいことほどこういうトコには書けない。
荷物に関しての注意が念入りになされたり、物販の時間と仕切りが考えられたものになっていたり、締め切り3分前には終わるようにセットリストが緻密に組まれていたり、前回の反省すべき点はほぼ改善されていた。
客の方も前回のような思慮分別の欠如した山出しのバカみたいなのはおらず、お茶目にはしゃいでも羽目を外しすぎるようなのは居なかった。
イベントの目的である「ボートレースの広報」の部分にも力点が置かれていて、出走表が配られいたが、その効果も上がっているようで、舟券売り場とステージ前を行ったり来たりするアイドル方面の客も多く、鉄火場の親爺連もベンチに腰掛けて楽しげに観ていた。
前述の通り「競艇もアイドルも好き」な知己が複数人来訪、どちらも十分以上に楽しんでいた。
師ボヤいて曰く「真面目に予想しちゃうとアイドル観てるヒマがない」
LinQ
自己紹介やお喋りは控え目にして、切り詰めた時間を曲に割く趣向。
一曲が長いので3曲もやると制限時間一杯なのだけれど、流石に場数を踏んできただけの事はあり、なんとか収めていた。
影アナで高揚させておいてから、腹の底から声の出た煽りで点火。短い時間ながら上手く盛り上げていた。
影アナの科白は定型的なものらしく、客との掛け合いが醸す全体主義的な高揚感。 煽られ、統制されることによってのみ得られるカタルシス。
歌で背骨を作るメンバー、煽るメンバー、役割分担がしっかり出来ており、全体への目配り気配りで鉄火場の客を含めた全体を掴みに行く意気。 全員連れてきた訳でも精鋭のみの選抜でもなく、バランスを取った分遣隊であると聞いて更に驚く。
衣装を換えたり、密度の高い構成にしたりしつつ、過剰に肩に力の入ったところはなく、観ていて重くない。
一ノ瀬みくから漂う「西野バレエ団」感。
hy4_4yh
今の hy4_4yh は、なまじ「それ以前」を知っていると想像を超えたところにあるようで(私もそうだったが)、知己が「こんなでしったっけ?」と何度も訊いてくるのが可笑しかった。
場内警備の老嬢(「シニアビーンズ」と命名)にマイクを向けたり、楽屋にいる LinQ を煽ったり、やりたい放題なようでいて枠組みは壊さない試合巧者っぷりも素晴らしい。
上手後方で楽しそうに観ている江崎マサル(何時の間にか容貌と体形がリック・フレアー化)。 場内全ての人の中で一番楽しそう。
ツナギに白ヘルの老人が見に来ていて「病膏肓の熱心な人か?」と思ったら工事の業者だった。
バニラビーンズ
外ハネの人が一寸調子悪そうに見えたのだけれど、ライブだけでなく、出演者紹介やレース広報、抽選会やら表彰式やら仕事目白押しな中、ソツ無くきっちりこなしていた。
新曲の「キラーキュイーン」はPVがチカチカして見づらいのが難だが、曲そのものは聴きやすく耳にも残る佳品。 いろいろ有るが曲には恵まれている。
一時はどうなる事かと思ったアイドルフェス・イン・ボートレース多摩川であるが、無事次回開催も12/2に決まったとのこと。 余程の事が無ければ楽しく一日を過ごせる稀有なイベントなので、12月と言わずこの先も続いてくれると嬉しい。
寝惚け眼で秋葉原へ。 ASOBITCITYにて表題のイベントを観覧。
電車が遅れて開演後に入場。 パイプ椅子が3列(30脚くらい)並べられ、後方に広く立ち見エリア。
わいわい賑やかに観たい向きが多いようで、空きが有った椅子席へ。
思い入れの殆ど無いアイドルが入れ代わり立ち代り出てくるこの種のイベントを観るってのも久し振りだったのだけれど、演者にも客にもスタッフにも殆ど知った顔の無い気楽さ。
スピーカー2対、モニタースピーカーが1対。 照明は螢光燈とスポットを併用しているが、切り替え等は無しで照らしっ放し。
ROCO GIRLS
一と組目が始まっていたのだけれど、口跡が悪く自己紹介が聞き取れず。 帰宅してから調べてユニット名を知る。
ネイル屋のやっている"オシャレユニット"との事であったが、衣装だけはオシャレであった。
幅はともかく奥行きの無い舞台なので仕方ないっちゃ仕方ないのであるが、歌の最中にぶつかったり、見知った客の奇態でも目に入ったのか笑ってしまったりしたのは興醒め。
シンセのみで作ったオケは安っぽい上にも安っぽいのだけれど、曲がりなりにもオリジナル曲があり、振りも付いているってのは幸せな事だ。
mocomoco
だぶだぶのサロペットで出てきた二人組。
MIXが入り始めるが、国家社会主義的な統率の取れたものではなく、散発的且つ間歇的な、別箇に進んで別箇に打つ人民戦線的MIX。
メグリアイ
3組目に目当てのメグリアイ。 内容については後述。
Saki(2&)
この御時勢にピンでアイドルか・・・と色めきたってみたが、普段は 2& と言う二人組で今日は相方がお休みとのこと。
上手くは無いが生歌で押し切る気概は買える。 要所々々で「イェイッ!」と自ら合いの手を入れ、「ハイタッチしまーす!!」と最前列に下りて行く自己完結ぶりも楽しい。
制服っぽい衣装は茅野しのぶインスパイア系と言うか、国民的アイドルモチーフAVみたいな感じ。 くっつき過ぎるとどうしても贋物感が出てしまうので離れたほうが良いと思うのだが。
B-Limit.
こちらも三人のうち一人欠席。
「次の曲はorzから始まるので(略)みなさんお願いします。
「正座して聴け」を超える立ち見客と最前列の総ダイイング状態は壮観だった。
さっちゃん
名前が名前なので検索しても情報が出てこないのだけれど、結構な飛び道具。 蜜蜂風の衣装で登場、Melodybeeを思い出したり(あれはこう言う衣装ではなかったと思うが)。
ステージを降りてエニウェアフォール・マッチをおっぱじめたので驚いた。
Mary Angel
大阪から遠征。 踵落としのような動きを多用するくらい動きは良く、歌も安定しているし、歌っている時の表情も良い。
スクール系が強い所為か、大阪発のアイドルはなんと言うか押しが強いのが多いのだけれど、Mary Angelも客を上げたり下げたり自在に操る感じ。
寄席の初席のような、細切れの持ち時間でパッパッと廻していくライブ。 生理的に受け付けない芸風もありつつ、切り替えが早いので助かった。
終演後に物販があったのだけれど、ほぼ同じ面子でライブ三回廻しとあってか、客の動きは鈍かった。
メンバー8人中何人かが出る体制になっているようだが、このライブの出演は岡崎みさと、坂本樹莉、山田渚、山中香穂の四名。
先に出た二た組とは明らかにオケの出来から違う。
どこも大体シンセのみで作っていて、その中で音の広がりとか厚みとかで力の入り具合と送り手の技量が推し量れるのだけれど、メグリアイは楽器の音もするオケ。 帰ってから聴き込んでみたらミックスもしっかりしていたので驚いた。
4人並べて見るとそれなりに揃った動きをしているのだれけれど、振り付けの解釈に幅が有るので全く別のことをやっているようにも見える。
岡崎みさとの振る舞いがアイドルとしての最適解に近いように思うのだけれど、テーゼに対するアンチテーゼと言うか、他のメンバーも異なる発想でアイドルと言うものを体現しているのが面白い。
岡崎みさとが客席の隅から隅まで3点バーストで殺して行くのに対し、山田渚は全体に弾幕を張るような目配り。
弾幕と言っても機関砲や高角砲なんてチンケなものではなく、三式弾を46サンチ砲で盛大にブッ放す感じ。 これはハコが大きくなり、客の分母が大きくなると生きてくるのではないかと思う。
客の求めるものを提供しようとする岡崎みさとと、客により良いものを提供しようとする山田渚の対比。 どちらも間違いではないのだけれど、もう少し全体の調和を考えられるようになると、グループとしても舞台映えしてくる。
一緒に観ていた友人曰く「(山田渚は)結果オーライの4打数4安打では納得しないが、4打数1安打でも会心の当たりなら納得するタイプではないか?」。
やる気と努力が結果に繋がっても周りとも自分自身とも折り合いの付け難い榎本喜八タイプで、私としては非常に面白いのだけれど、当世の主流を占めるアイドルファンにどこまで受けるかについては、不安が無きにしも非ず。
メグリアイそのものも大毎ミサイル打線のようなところがあり、繋がりと機動力はさておき、長打率は高い。
今後も可処分所得の許す範囲内で見て行こうと思う。
巻頭に鈴木愛理、巻中にモーニング娘。、巻末にスマイレージ。 一号丸ごとハロープロジェクトで固めた布陣。
オマケピンナップは、表が鈴木愛理で裏がモーニング娘。 名実ともに ℃-ute が看板を背負う時代。
鈴木愛理
巻頭グラビア7ページ13カット、撮影は細居幸次郎。
プール、学校、夏祭り、海の見える散歩道の4場面で構成。
プールで真昼間に撮ったカットは流石に眩しそうなのだけれど、眩しさを逆手に取った上手い撮り方。
夏祭りは夜の縁日。 ストロボをバッチリ当てたカットは興醒めだが、その場に在る光も生かして撮ったカットは味わい深い。
光が柔らかく廻った、夕闇迫る海辺の散歩道。 愁いを帯びた表情で〆る構成の妙。
しかし鈴木愛理、随分大人びてきた。 ピンナップの白いセーラー服も、良く撮れている。
モーニング娘。(石田亜佑美、工藤遥、鞘師里保、道重さゆみ)
巻中グラビア6ページ12カット、撮影は飯塚昌太。
全員で1ページ、個別で1ページ1カット、最後に集合で1ページ1カット。
飯塚昌太にしては珍しく敢えて貶すほどでもない写真。 可も無く不可も無く。 道重さゆみの一本調子な表情がカメラマンの腕を象徴。
最初のページの四隅のコマにそれぞれを配置した割付けは上手かった。
スマイレージ
巻末グラビア5ページ12カット、撮影は長野博文。
自覚的過ぎて切迫したところもあり、一寸息苦しくもあるが、色々有ったことが表情に深みを加えていることは間違いない。
4ページ目5ページ目が良い。
コラム置き場に思考の断片
メグリアイ 山田渚をさまざまなものに喩えると
をアップロード。
例によって絵解きは無し。
秋葉原の@TV東京本社にて、ネット配信番組「ふたたび、アキバ De メグリアイ厨なのよ!」を観覧。
事の発端は吉田豪がリツイートした山田渚の Eccentric な呟き。 フォローしてみた山田渚の発言の熱量に惹かれたので、直近にあったイベントに足を運んだ次第。
11:30から整理券配布との事であったが、ハナッから必死ってのもどうかと思ったので12時過ぎに現地へ。 それでも整理番号はまだ一桁。 やる気のあり過ぎる番号に頭を抱えつつ夕方まで時間を潰す。
「(番組開始の)15分前に来てください」との事だったので頃合を見計らって現場に戻るも、待てど暮らせど入場は始まらない。 結局入場が始まったのは16:59。 急いで階段を下りて椅子に座ると「30秒前です」の声。 メンバーが駆け込んで放送開始。
A3くらいのペラ紙が進行表らしく、ほぼそれを読みながらの進行。 語るが如く読めるメンバーと読み上げる事すら覚束無いメンバーの差が激しい。 きっちり四つ折りにしていたり、斜めに折られていたり、進行表の扱い一つからも職業意識の高低が見て取れた。
2曲ほど演って間繋ぎのお喋りで息を整え、また2曲ほど演る構成なのだけれど、進行表が出来るのが遅いのか渡されるのが遅いのか、下読みを殆どしていないし、お題がある場合でも話す内容を各自が事前に考えていないので話がまったく膨らまない。
製作する側も番組の質については考えておらず、撮って流すだけ。 「ライブ」とは銘打っているものの殆ど歌声は聞こえず(死んでいるマイクすら有る体たらく)音響的には蜜柑箱ステージ以下、放送終了後にあるアイドルの接客業としての側面である部分に重きが置かれているようにすら思える好い加減さ。 近くで見られることが唯一のメリットと言って良い。
歌声は聞こえず、振り付けもバラバラ以前、喋りも拙いどころの騒ぎではなく、頭の痛くなるようなあれこれはズラリと並ぶが、面白くなかったかと言えばさに非ず。 負の側面を相殺して有り余る山田渚の面白さ。
今日の出演は岡崎みさと、山田渚、坂本樹莉、高田淳美、山中香穂、浅原桃子の6名。 岡崎みさとと山田渚が真ん中に居る事が多く、喋る部分はほほ岡崎みさとの仕切り。
振り付けもしっかりしているのはこの二人なのだけれけど、岡崎みさとが感情を乗せることにより喰ったり遅れたりするのに対して、山田渚は動きに感情を乗せつつも抑制的で正確なリズムを刻む。 この辺りの対比も面白い。
山田渚は前に出ようとする意識は薄いのだけれど、舞台に立つ人として「歌う」「踊る」「喋る」を丁寧にきっちりこなしているので自然と目が行く。
そして視点の移動から、客席を大きく見ている事に気付く。 実際に客が座っているところだけでなく、客席の隅そしてカメラの向こうまで。
気になったのは、途中から真顔でいる時間が長くなっていったこと。 不機嫌なのではなく、きちんとやろうとする使命感の発露だったのだと思う。
恐らく彼女には他のメンバーとは違った景色が見えているのだろう。
入場料1000円で45分ほどのライブ。 思い立ってふらっと行って、手銭で見られるのは嬉しい。
山田渚については、また項を改めて。
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送り手の楽しみや遣り甲斐は客としてのそれとは別のところに有る筈なのであるが、客になって楽しんでしまっていて且つその自覚の無いオタンコナスが多すぎる。
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