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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2011-12-18 克己心と快楽主義 [長年日記]

_ MARIKO magazine

篠田麻里子責任編集のファッション誌の体裁で作られたムック。 ファッションに関しては全くの不調法なので(ファッショは得意科目なのだけれど)、私にとっては興味の無い部分もよく判らない部分もあったが、全体的に面白く拝見。
私の美意識に照らすと「なんだこりゃ」な写真も散見されるが、それを差っ引いても980円払うだけの価値はある一冊。

先ず、表紙をめくると目に飛び込んでくるエッフェル塔を借景にした写真に唸る。 ファッション写真の文法に則って服そのものを見せつつ、「篠田麻里子が着ている」ことも判らせる写真。

ロンドンロケの部分は41~42ページ辺りの不可解なピンボケ写真を除けば概ね面白く、30~31ページの見開き、37ページのガラス越しのカット、41ページのバストアップのカットなどは見応えが有る。

86ページからの、オードリー・ヘプバーン出演作の衣装をアレンジした写真も良い。
映画そのままではなく、篠田が着て映えるようにアレンジを加え、シンプルなグレーバックで撮っているのだけれど、きっちりした仕事。

終盤のインタビューは内容も濃いが写真も良い。 一冊の中から一枚選べと言われたら、137ページの机に凭れたようなカット。 これは私の理想のポートレートに近い。

それで〆ずにカレーレシピとお奨めのお店紹介で4ページ、占いで2ページ。

集英社に近いからか、お奨めのお店は4軒中2軒が神保町なのだけれど、共栄堂でもキッチン南海でも(ましてや「まんてん」でも)なく、ボンディとペルソナであるところに、我々と篠田の間に横たわる暗くて深い川があるのだと思う。
三食カレーでも良いと言う篠田が紹介するカレーのレシピも、食べると健康でいられそうな克己心と快楽主義のバランスの上にあるもので、このあたりに私が篠田を好きだけれど嫌いで、嫌いだけれど好きな理由の一つが有るのではないかと思う。

念の為書いておくが、この本の中で篠田の仕事について貶すところは一つも無い。
本としての出来も非常に良く、似たような体裁でも、大駄作のやっつけ仕事であった「わがままガールフレンド」(汚点と言ってもよいだろう)と較べると、格段に良心的な作り。
末永く書架に置きたい一冊。

_ 第76回 浅草早朝寄席

「山号寺号」錦魚
「藪医者」談奈
「物真似漫談」名和美代児
(略)
「三年目」錦魚

根多出しで「時そば」だった談奈さんは間に合わなかったそうで、「藪医者」。 笑いどころの多い「時そば」よりも、「藪医者」のような笑いどころの少ないどうでも良い下らない噺を淡々と演る談奈さんが私は見たい。
名和美代児先生は素人寄席の思い出から懐かしい師匠連の声色。 「何を喋ってるのか判らない志ん生の真似」は流石であった。

2011-12-17 前ピン祭り [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 02号

AKB48(篠田麻里子、藤江れいな、峯岸みなみ)
7ページ10カット、撮影は門嶋淳矢。
集合で1カット、あとは見開きで一人2ページ3カット。 篠田と峯岸の撮られ方、カメラの前に自分を晒すことの巧さが際立つ。 藤江はそのあたりが未だ拙く、それはブレザーを掴む指の硬さだったり、ぬいぐるみに抱きつく姿のぎこちなさだったり、頑張っているのは判るが見劣りする。
藤江れいなの幸運は、テレビや雑誌に出られることそのものではなく、こうして仕事の出来る先輩と同じ現場で仕事が出来ること、お手本と自分の仕事の差を較べて見られることではないかと思う。

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 03号

岡本玲
7ページ22カット、撮影は宮坂浩見。
フレンチ・キスのグラビアは惨憺たるものであった宮坂浩見だが、今回は幾分マシな出来。 しかしこれはモデルの力量に拠るところ大であり、技術的にはやはり拙い。
癖なのだと思うが、全体的に前ピン。 多少絞って深度でなんとかしているが、小さいものでは誤魔化せても、大伸ばしにすると粗が出る。 写真を撰んで並べる人の苦労たるや如何ばかりか。
モデルが岡本玲だったから成立したグラビアなのだけれど、逆に言うと岡本玲を生かしきれておらず、即物的に撮り過ぎて似たような歯見せ笑顔がズラリ。
宮坂浩見、女の子を撮る仕事は受けない方が良いだろう。

佐藤亜美菜
5ページ8カット、撮影は山口勝巳。
まぁリアリズムとは別のところにある詐術に近い手法で撮られているのだけれど、全くの虚構には見えないのは佐藤亜美菜もそれなりに絞れたと言う事なのだろう。
殊更隠していないのにそれほど太く見せない、無理難題を押し付けられた時の山口勝巳の腕の冴えを堪能。

_ 更新情報

コラム的ななにか

小林香菜の夜景検定合格を言祝ぐ

をアップロード。


2011-12-11 最後の2カット [長年日記]

_ フォトテクニックデジタル 2011 12月号

竹達彩奈
11ページ9カット、見開き2箇所。 撮影は根元好伸。
グラビアそのものの前に、使われた小道具について苦言。
竹達彩奈が主役の声をあてているアニメにちなんでローライ35S(sonnar 40mm/f2.8付)を持たせているのだけれど、小さいながらも500g近くあるカメラに(しかも親の形見)こんな糸みたいなストラップは常識的に考えて使わない。
持ち方・構え方がなっちゃいないとか、そう言うところを突付くのは野暮だが、これはいただけない。
「親の形見とは言え目測式のカメラを初心者が使うか」との疑問を呈する向きもあるようだが、それは筋違い。40mmなら目測でもピントはそう外さないし、とりあへず露出計さえ狂っていなければ写る。
かく言う私も、中学で写真部に入り、最初に自分のものになったカメラはローライ35を参考に開発されたと思われるペトリカラー35(性能はほぼ同じだが格段に使いやすくはある)であった。 ただ、経験則から言って、距離計は欲しくなる。 私も最初に買ったアクセサリーは距離計であった。

閑話休題、グラビアの話。
屋内、昼間の屋外、夜の屋外で衣装も変えて3パターン。 これは良いのだけれど、ロケーションにあわせて表情も3パターン、これはいただけない。 特に昼間の屋外は、ほぼ同じ表情に終始。
そんな訳で前半は典型的な「声優グラビア」。 主たる被写体である竹達彩奈は全く以って詰まらないのだけれど、水平垂直に囚われ過ぎない構図の切り方、(ボケで情報を飛ばし過ぎるきらいはあるが)背景の描く線を画面構成に生かす根元好伸の仕事の部分は面白い。

どうにもこうにも詰まらなかった竹達彩奈の表情が、最後の2カットでガラリと変わる。
日が落ちた海辺の街の、スカートが風で靡いてブレるくらいの吹き降りの中で撮影。 表情は硬いが、これまでとは打って変わって目が生きている。
このあたりはカメラマンたる根元好伸ではなく、編集部の判断なのではないかと思われるが、ニコパチの温いグラビアで終わらせないところに写真技術誌としての矜持を見た。
根元好伸の写真に関しては、これまであまり面白いと思った事はなかったのだけれど、このグラビアで印象を新たに。

有村架純
6ページ6カット、撮影は長野博文。
天気が悪かった訳でも無さそうだが、今回はスタジオ中心に。
3カット目5カット目あたり、自然に見せようとする不自然な作為が強すぎるように感じられて興醒め。
破綻は無く、貶すところも特に無いのだけれど、何等の感興も催さない。

仲川遥香
6ページ6カット、撮影は関純一。
小学生男子のようだった仲川が、まがりなりにも女の子として写っているのが感慨深い。
相変わらず笑うと似た様な表情になってしまうのは疵だが、黙って突っ立っていればそれなりに絵になる。
問題は何か指示を出すと忠実に従おうとした表情になってしまうこと。 

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 01号

YM7(小森美果、指原莉乃、佐藤すみれ、高城亜樹、竹内美宥、宮崎美穂)
7ページ7カット、撮影は桑島智輝。
集合で1カット、個別で1カットずつ(河西智美は病欠)。
当たり外れの大きい高城や小森も大当たりではないがそれなりに。
そんな中目を惹くのが指原莉乃。 ただしゃがんでいるだけで絵になる。

YJ7(市川美織、多田愛佳、北原里英、佐藤亜美菜、峯岸みなみ、山内鈴蘭、横山由依)
集合で1ページ、2人3人2人で1ページずつ。
光は強めなのだけれど、ストロボで撮ったからか眩しげな硬直は無く、表情は生きている。
北原里英が久し振りに良い表情。
撮影手法との相性も有ると思うが、今回の YJ7 では出色。 こう言う北原が見たかった。
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2011-12-04 Sombre Dimanche [長年日記]

_ ぱすぽ☆ アルバム発売イベント@たまプラーザ

家でだらだらしているうちに昼になってしまい、泡喰って家を出たものの、電車が遅れたりなんだりで結局時間ぎりぎりの到着。
イベントスペースの場所が分からないのでどうしようかと思ったところに血相変えて駆けていく『血煙高田の馬場』の中山安兵衛みたいな若者。 もしやと思って後をついて行ったらイベントスペースだった。

ステージ前はCD購入時に配られる優先入場券を持った人々で大恐慌の時の東京渡辺銀行の前みたいな事になっており、二階バルコニーも近いところは既に鈴なり。 一寸遠いが観やすい所を確保して開演待ち。

たまプラーザテラス ゲートプラザ1F の「フェスティバルコート」は、石造りの円形ステージ。 さほど広くも無く高くも無いが、ショッピングモールの中庭みたいな感じ。 東急らしく敷地にゆとりを持たせてあるので、埼玉や千葉のショッピングモールとは違い開放感がある。
ステージ後方は子供を遊ばせるための人工芝の広っぱになっているのだけれど、警備のお兄さんが仁王立ちして立ち見はさせないようにしている。 この辺りがユニバーサルの絶望的に駄目なところで、小さい子供を連れた家族を客予備軍として見ていない上に、排除しようとさえしている。
そりゃまぁホイホイ金落としてくれるような甘い客ではないけれど、敢えて印象を悪くするような邪険な扱いをする意味が分からない。
結局、親子連れは遠巻きに観ていた。

定時を少し過ぎた頃合にバラバラとステージに登場。 何時もは楽屋で済ませてくると思うのだけれど、円陣を組んで気合を入れてから「ウハエ」。

全体的に声は枯れ気味だが、動きの切れは良い。
ショッピングモールでは通常コールは禁止になっている筈なのだけれど、客席を執拗に煽る森詩織。 今回は良いらしい。

自己紹介から Hello → GPP → キス=スキ と三曲続けて。 贅沢とは恐ろしいもので、最早三曲続けたくらいでは驚かなくなってしまった。
一々余計なことを入れ込んでくる玉井杏奈が楽しい。 古い演り慣れた曲ほど自由。
曲間の挨拶での「ありがとうございます」に心が篭っていないと駄目出しを食らう槙田紗子のぐにゃりと言い訳する様が可愛い。
マテリアルGirl で一旦〆。

クルーが控え室に向かうや否やアンコールの声が掛かる。 道端の子供を捕まえてアンコールを強いる赤と緑の魔女。
あっという間に戻ってきつつ、アンコールまで煽る森詩織。
SeeYouAgain → 夏空ダッシュ と二曲終わったところで根岸愛、一転して沈んだ声で「むっしゅ(佐久間夏帆)から大事なお知らせがあります」
終演後のアトラクションの案内かと思いきや、年内にて ぱすぽ☆ を辞めるとの発表。
説明は要領を得ないと言うか奥歯にモノの挟まったと言うか、そんな感じでありつつこちらも冷静に話を聞ける精神状態でもなく、なんだかわからないまま。
帰宅したら本人のブログにて「ご報告」のエントリが上がっていた。

この間、客席後方に目をやるとユニバーサルの福田。 スタッフにはスタッフの職域と職分があり、先ずはそれを全うするべきなのだけれど、この人はどうも客とスタッフの立場を使い分けているようなところがある。 だから無駄に高圧的な割りに客に舐められる訳なのであるがそれはさておき。

ぐだぐだに成り掛けつつも、少女飛行で〆。
らしくない、湿っぽい最期だなぁ・・・と思っていたら、Wアンコールで Let it Go!!。 明るい曲でなんとか持ち直して終演。
何故ショッピングモールのイベントで発表するのか、何故この時期に。 なぜ?の嵐 の中帰宅。
文字通りの「暗い日曜日」となった。

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小川涼
4ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
曇天の新宿西口と、学校と思しき屋内での撮影。11歳とは思えない大人びた表情とスラリとした体形(163cm!!)。 制服っぽい衣装なので少なくとも小学生には見えないのだけれど、ブレサーの弛み方で中身の細さを知る。
この先1~2年の間に大きく変わると思うので、忘れずにチェックして行きたい。

根岸愛(ぱすぽ☆)
6ページ7カット、撮影は藤本和典。
貶すほど悪くは無いが褒めるほど良くも無い出来、モデルがどう撮れば映えるか探る営為が足りない。
根岸愛の顔のパーツの中で色気を担っているのは唇。 上唇の一寸めくれた感じのところが、口を半開きにすると艶かしい。
全体的に清楚な中でのそれが良いアクセントになるのだけれど、口を引き結んだり笑ってしまったりすると上手く引き出せない。
もちろんそれだけで構成してしまうのも良くないのであるが。生かして撮れているのが3ページ目と5ページ目上段のみと言うのは寂しい。
これは撮られる側にもどう撮られると映えるのかについての意識が薄い所為。 どんな表情が武器になるのか判らないまま撮られている。 この辺りの詰めの甘さが「らしく」ある訳でもあるが。
根岸愛は接触系イベントでの白兵戦では無敵に近くて、ツイッターで八千人を相手にしても自在に翻弄できるだけの腕は有るのだけれど、自分の強さについて無自覚と言うか、能力を上手く使えていないのでメディア対応は上手くなかったりもする。 その辺りはまた別項にて。
最後のカットは握手会的アングルから。 こんな感じの角度ではあるが、実際はもっと表情豊か。

小池唯
5ページ8カット、撮影は長野博文。
最新写真集のアザーカットなのだけれど、小池唯はいつもの小池唯で、ただただ可愛らしい。 表情に幅を求めるほうが野暮で、可愛いものをそのままま愛でるべきなのだろう。
今回の見所は、長野が好まない光量過多でどう仕上げているかと言うことに尽きる。
2ページ目上段の夕景の色味が面白い。

鞘師里保
4ページ11カット、撮影は佐藤裕之。
テーマが「東京探索」と言うことで、格子柄の鹿撃ち帽に二重回しに黒の半長靴と言う探偵スタイル、しかしスカートはミニ。 面白い出で立ち。
表情は割りと単調なのだけれど、ディック・ブルーナの描くナインチェ・プラウスのような、岸田劉生の描いた愛娘のような、無表情故に様々な解釈が成り立ち、そして切り取り方次第で如何様にもなる顔立ち。
ダブダブの服も様になっていて、ちょこなんとしゃがんで虫眼鏡を構える図などは何とも言えず良い。
可愛らしくもあり、それでいて芯は強そうでもあり、撮り方一とつで印象の変わる逸材。

鞘師里保 vs 工藤遥
2ページ4カット、撮影は佐藤裕之。
新連載の告知方々2ページ。
当世風美少女の工藤遥と並べると、鞘師里保の特異性が際立つ。

関根梓(アップアップガールズ(仮))
5ページ7カット、撮影は長野博文。
長野博文の撮影手法との相性が良かったのか、単調ながら適度に肩の力が抜けた表情。
3ページ目の膝立ちしたカットは人の悪い撮り方なのだけれど、目の付け所は良い。
粗は隠すのではなく、どう見せるか。

矢島舞美
6ページ8カット、見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
最新写真集からのグラビア。 気が付いたら随分と大人びていたのだけれど、その理由がインタビューで語られている。
今回のグラビアで特筆すべきはこのインタビューの内容の深さ。
写真を撮る人撮られる人、とくに撮られる人には一読をお奨めする。

真野恵里菜
6ページ8カット、撮影は栗山周作。
多忙さからか一寸窶れ気味で目の下に隈の棚田が出来ていたりもするのだけれど、良い仕事に恵まれている充実感からか表情は明るい。
例の写真集も増刷が決まったとのこと。 良いものが売れるのは、矢張り嬉しい。

2011-12-03 「コアな客を掴んで放さない強さ」と「S.O.S GIRL」 [長年日記]

_ UTB+ 2012 1月増刊

フレンチ・キス
10ページ14カット、見開き1箇所。 オマケでポスターが付く。 撮影は桑島智輝。
ポスターは両脇の二人が広角レンズの影響で歪曲してしまっているが、表情そのものは良い。
フレンチ・キスでは久々の論評に値するグラビア。 高城の生きた表情を引き出そうとすると、あとの二人の表情も生きてくる。
倉持と高城が柏木を引き立てるのではなく、倉持と高城が映えるようにすると、柏木の輝きが増してくる。

光はまだ強いように思うが、暗くするのではなく色温度を下げる事でもう少し眩しげな表情の硬さを軽減できるのでは無いだろうか。
それが互いを高めるところまでは行っていない恨みはあるが、とりあへずは仲良さげな空気は醸せているので、グラビアとしては成功していると言える。
体形の粗を糊塗せず、「だからこその良さ」を引き出す試みをした事も含めて良かった。
少なくとも高城亜樹に関しては、これまで見た個人のものの中でもグループとして撮られたものの中でも出色。

逢沢りな
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は西田幸樹。
写真集からのグラビアなので比較的ゆったりじっくり撮って貰っており、表情から仕草から役者として積んだ経験が生きて、上手く大人に成れている。
それが「正体を現さない物足りなさ」に繋がらないのは、写真としての質が高い所為。
最後のカットは思い切った構図。
瞳の中に世界が在り、唇が何かを語り掛ける。 眼福。

剛力彩芽
6ページ7カット、撮影は桑島智輝。
ショートカットでボーイッシュに、ロングのウィッグを付けてガーリィに。
ボーイッシュに撮ると、その特徴ある顔立ちが際立ちすぎてしまう(それが受けている訳ではあるが)のだけれど、ガーリィに撮るとそれが適度に薄まる。

渡辺美優紀(NMB48)
7ページ7カット、撮影は熊谷貫。
漸くこの人の本領が出た感じ。 カメラマンの人選が良かった。
これ迄はカメラと向き合い切れていないようなもどかしさが有ったのだけれど、撮るのが熊谷貫となると余程流して仕事をされない限りは向き合わざるを得ず、それが吉と出た。
まぁ色々と有った訳であるが、それが翳として差さずに表情としての深みになっている。
目線を外したカットでカメラに意識を向け過ぎていたり、まだ物足りないところはあるが、後半4ページで渡辺美優紀にドップリ嵌った客の滑稽なくらいの没入ぶりも腑に落ちる訴求力。
大衆への広範な人気では山本彩に遅れを取るかも知れないが、コアな客を掴んで放さない強さでは渡辺に軍配が上がる。
大器の片鱗が初めて写真として残った記念碑的グラビア。

_ 更新情報

コラム置き場にコラム的ななにか

pre-dia 考

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_ UTB+ 2012 1月増刊 続

多田愛佳
6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影はMARCO。
ロケーション、大道具・小道具、衣装からメイクに至るまで、雑誌のグラビア6ページ分だけでは勿体無いくらいに作り込まれており、この手の作り込みを好まない私も感心する出来。
多田愛佳の可憐さと残酷さ、強さと危うさを上手く引き出し、作り込んだ世界に溶け込ませている。

峯岸会談
3ページ2カット、撮影は古賀良郎。
終わってしまったと思っていたらどっこい続いていた峯岸みなみの対談企画。 今回のお相手は指原莉乃。
流石付き合いが深いだけあって、指原莉乃の美点の根幹である「無知の知」について語る峯岸。
峯岸みなみのような訳知りが上げたり下げたりするから指原の右往左往右顧左眄も生きてくる。
この「五公五民」くらいの殺さない匙加減が巧い。
指原の撮られ方が上手くなっていて鼻に付くが、これがあるから群集に埋没しないのだと思う。

島崎遥香
6ページ8カット、撮影は國方大。
衣装やロケーションの70年代的近未来と島崎遥香の生命力の薄さと捉えどころの無い表情が噛み合って、見応えのあるものに仕上がっている。

インタビュー部分の「変わったって言われるけど、変わらないです」。
島崎の語る言葉にも、グラビアで見せる表情と同じく嘘かまことか分からない捉えどころの無さがあり、この「捉えどころが無い」と言う不可視的なものを可視的に示せるところが強みであり魅力なのだと思う。
大島優子は人としては強く、生き物として弱い。
島崎遥香は生き物として弱く、人としても・・・強いのだか弱いのだか良く分からない。
何と言うか、破滅願望を刺激する美形。
夢野久作の「難船小僧」を、美少年に仕立てた島崎遥香で見たい。

FRONT LINE REPORT 1 東京女子流
3ページ2カット、見開き1箇所。 撮影は門嶋淳矢。
歳相応の笑顔で1ページ、見開きで決め顔。
キツ目に写ってしまうことのある庄司芽生が上手く撮って貰っている。
この人たちは歌って踊っているところがまた凄いのだけれど、写真だと伝わりづらい。
PVでのあの表情を切り取ることが出来れば、グラビアでももっと映えると思う。

FRONT LINE REPORT 2 スマイレージ
こちらも3ページ。 見開きで一人ずつ7カット、集合で1ページ。 撮影は門嶋淳矢。
写真の大きさは変わらないが、前田憂佳の影が薄くなり、福田花音の目に力が出て来た。
新規加入メンバーは、まだまだ初年兵の危うさ。
インタビュー部分。 またも変な曲を宛がわれた嘆きを笑いに転化せざるを得ない悲しさ。

2011-12-02 ポツリポツリ [長年日記]

_ 第4回 吉幸・錦魚ふたり会(2011/11/30)

「権助魚」こはる
「家見舞」吉幸
「国訛り」錦魚
<中入り>
「転失気」吉幸
「三年目」錦魚

たのしい会。 観ていて緊張を強いられる大根多より、軽くて楽しい落語を観たいのだと痛感。

こはるさんは男を演じても嘘くささがなく、女を演じてもさらっとしている。 田中真弓が男女どちらでも出来るのと似ている。
野郎にも女子にも人気があるのだけれど、女流なら何でもいい人々以外にもきっちり浸透しているのは強みだと思う。

錦魚さんはなんとなく顔色が悪いような気がしたが、思えば顔色が良いところを見たことが無かった。
昨年は談大さん、今年は家元。 11月は忌月となってしまったが、高座は明るく。
「談志十八番より、「国訛り」でございます。」と胸張って下りちゃう、馬鹿々々しい楽しさ。

ポツリポツリとマクラを振りながら瀬踏みしつつ客席を温め、噺に入ると楽しい空気にして逸らさない。
吉幸さんの落語を観ていると、私がどういう落語を観たい・聴きたいのか、好きなのかがしみじみ解る。

2011-11-30 遣り直せる [長年日記]

_ 美女暦(2011/11/29)

11月29日更新分の美女暦に渡辺茉莉絵。

結果的に一日だけの出演に終わったAKB48の劇場公演を偶々見ていた(2007/11/4)のだけれど、正直申し上げて良い印象は無く、色々あって出演はその日限り。 AKB48も石もて追われるかたちで辞めてしまった。

何度も書いているが、AKB48の連中も「そこに居続ける事」が自己目的化してしまっているような部分は確実にあり、辞めることが芸能活動の終焉であるよあうにすら思える恐怖感も理解は出来るのだけれど、「そこからの人生」の方が確実に長い訳で、もう少し「そこから先」を考えた方が良いのではないかと思う。

その点で、「そこから先」の人生を生きている渡辺茉莉絵がこうして仕事をしている姿を見られるのは嬉しい。
笑顔は作りすぎている感じがしないでもないが、意図的で無い表情は良い。
撮りあぐねてのケレンかもしれないが、8カット目が面白い。
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# ぷりずむ [何かえらく変わりましたね >渡辺茉莉絵。当時はやたら黒かった印象しか無いんですが、今は黒くないんですね。 当時、こ..]


2011-11-28 緩急 [長年日記]

_ 立川談吉 二つ目昇進披露の会(2011/11/27 ムーブ町屋)

会の直前に師匠が亡くなると言う奇禍。 色々あって告知が行き渡らなかったりもしたようだが、八割方埋まった。

「浮世根問」春樹
「宮戸川」談修
「悲しみにてやんでい ~談吉バージョン~」キウイ
「片棒・改の改」談笑
<中入り>
「町内の若い衆」左談次
「鼠穴」談吉

談吉さんのブログにも当日のことなど。

「前売券」「予約」「当日券」と、別に扱わなければならないところ、列は一本。 当日券の列を分けて売ったのは良いが、先に入れようとまでしてしまったので予約の客が激昂。
列を3本作って「前売り」「予約」「当日」の順で入れるのが正解ではあるのだけれど、こうした事に慣れた古参の前座さんが居なかったようではあった。
しかし不手際は不手際だが怒鳴り散らすのはみっともない。 他山の石とする。

揉めたのはコレ位で・・・って、私はとっとと入場してしまったので分からないのだけれど、少なくとも怒号が中まで聞こえるようなことは無かった。
前の方の席、センターブロック、上手・下手、後方と埋まって行き、前述の通り八割からの入り。
友人曰く「日暮里寄席で見掛けるお客さんが多かった」とのこと。

前座ながら手堅い「浮世根問」に始まり、談修、キウイ、談笑とそれぞれがそれぞれの持ち味を出して盛り上げたところでヒザの左談次師がサラリと「町内の若い衆」。 空気を換えたところで本日の主役。

一門の弟子連が密葬が終わるまで知らされなかった中、談吉さんだけは最期の日々に寄り添い、送ったとのことがマクラで語られ、そこから「鼠穴」。
門下から離れてしまった人の高座でよく見るのが「談志の悪いところだけ似ている」という皮肉なのだけれど、似ているところはありつつも全く厭味が無い不思議。
引き込むところは引き込み、すっと引いて笑わせるところは笑わせ、客の感情を操る凄みは既に二つ目のそれではなかった。
終演後もしばらくは立ち上がる気にならず、客が満足そうに出て行くさまを眺めていた。

「最期は家族だけで送りました」ってのが全くの美談にされてしまう事には矢張り未だ抵抗はあるのだけれど、その中に談吉さんが居たというのは救いでもあり、それが談吉さんの芸に生きているのを見られたのは有り難かった。

誘った友人の感想を聞きたくも有りつつ、楽しく話したり飯食ったり出来る精神状態には無く、かと言って素面で帰る気にもなれず、馴染みの悪仲間と安中華屋にしけ込んで語り合って深夜帰宅。

_ 落語 FREEDOM(2011/11/28 お江戸両国亭)

二た月に一度、奇数月の28日に開催される落語芸術協会若手の落語会。 開演が六時半と早いのだけれど、九時頃までみっちり且つゆるゆると。

「なにやら新作」可女次
「持参金」桃之助
「明烏」鯉太
<中入り>
「味噌蔵」笑好
「藪入り」笑松

今回は空前の入りで出演者も受け付けの人も私も驚く。 高座に上がった人が皆嬉しそうに驚いていたのが面白くもあり、微笑ましくもあった。
買って行ったビール飲んだりおいなりさん食ったりしながらのんびり見つつヘラヘラ笑って(時々居眠りして)過ごす至福の二時間半。
わたしはこういうのも良いと思うのである。
来年も奇数月の二十八日に開催とのこと。


2011-11-27 12人組手 [長年日記]

_ pre-dia 3rdシングルリースイベント@HMV大宮

11時頃店に着くと、イベントスペース脇の通路に入場待ちの行列。
泡食ってアトラクション参加要件のCDを買って戻ったら既に入場済。 最後列ながら椅子席に空きがあったので潜り込む。

椅子席3列、その後ろに立ち見で2列くらい。 集客は〆て50凸凹といったところか。
諸方でイベントが分散開催されて、大手でも閑散とした所が有ったようなので、これでも健闘したと言えるのではないかと思う。
ついでに見る向きは渋谷で待ち構えていれば良い訳でもあリ。

自己紹介や新曲の説明、今後の予定などを挟みつつ3曲、文字通りのミニライブではあったが、ダラダラ喋って間繫ぎをするようなことも無く、凝縮されて見応えのあるライブだった。
メンバーの入れ替わりが漸く落ち着いたようで、歌にも振りにもゆとりが出て来ており、客席への目配りもしっかりと。 正面からの目配りが面映くて左に目を逸らすと左から目配り、堪らず右へ逸らすと右からも目配り。 流石は名にし負う「今、狩りに来るアイドル」

マイクはメインボーカル用の2本だけで、サブボーカルがどんな感じになっているのかはわからず仕舞いであった。 環境の良いライブで確認したい。

新曲の紹介をリーダーから振られた馬越幸子。
「この曲は簡単な振り付けになっていて・・・」
間違ってはいないが正し過ぎて身も蓋も無いことをサラリと。
正直すぎてハラハラすることも屡々ではあるが、そこが可愛らしくもある。

終演後のアトラクションは全員ハイタッチ→個別握手の流れ。
ハイタッチとは言え12人組手は辛いので個別握手でお茶を濁そうと思っていたが、そのハイタッチがなまじな個別握手より長い。
これが個別握手になったらどうなるか考えたら恐ろしくなり、終わる間際のハイタッチに駆け込む。 12人組手はなんだか良く分からぬまま終わり、冷や汗掻いたまま退散。

_ sharaku写真展vol.000[Until Nude]

80年代初頭の写真雑誌「写楽」に影響を受けたカメラマン5人による、写真展。
六本木の交差点からミッドタウン方向へ少し行った、ホテルアイビスの向かいにある松屋の角を入ったところにあるビルの四階。
一寸分かり難いところにあるのだけれど、フリの客より目当てで来る客の方が多いと思うので、これはこれで良いのだろう。

窓のある面を除いた3面に五人分の写真を振り分けて展示してあり、数も頃合。 ただ直当ての照明が強すぎて見づらいものが何点か(それもよりによって微細なトーンを見せる小池伸一郎の写真)あった。
浅草橋にあつたFoilギャラリーとか、酒田の土門拳記念館などのように、間接照明で柔らかく光を廻すと見やすいのだけれど、指向性の強いLEDライトなので額のガラスに反射するとかなり眩しい。 手帳でディフューズしながら見たが。そうすると全体は見られず、なかなかどうして苛々した。

個人的に面白かったのは、門嶋淳矢の写真。
モデルの表情が読み取れるか読み取れないかくらいの明るさと、薄めのピント。
本人曰く「そんなに拘ってはいない」とのことだったが、ピントの置き場と深度も絶妙。
良いものを見た。
28日まで開催。
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2011-11-26 ほったらかしていたら次のが出てしまった。 [長年日記]

_ UTB 2011 12月号 続々

朝日奈央
5ページ7カット、撮影は藤本和典。
ローティーン向けファッション誌で専属モデルをやっているだけあって、カメラの前で臆することも無く、また服を見せる撮影と自分を見せる撮影での振舞い方の違いも理解しており、ツボに嵌まったカットは訴求力がある。
笑顔になると表情に諧調が乏しいのが難だが、カメラとの向き合い方一つで印象も変わってくる。
2カット目の俯き加減の笑顔が良い。

北原沙弥香
4ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
制服っぽい衣装で高架下らしき公園、空色のキャミソールワンピースで野原。 衣装もロケーションも良い。
少々アンダー目だが、不足しすぎていない光が表情と肌の質感を柔らかく引き出している。
フワリと髪の揺れた3ページ目上段の横顔が良い。

嗣永桃子×鈴木愛理×和田彩花
7ページ10カット、撮影は長野博文。
公園らしき屋外と、敷かれた白い布以外調度品の無いスタジオ。
スタジオ撮影分では三人とも髪を下ろしているが、屋外撮影分では鈴木と和田がポニーテール、嗣永は側頭部のツーテールの先に捻りを入れて固めた、所謂「ももち結び」。
嗣永桃子はいつも通り「嗣永桃子」であり、鈴木愛理も高いレベルで安定しているが、今回のグラビアは和田彩花が良い。
いつもと違って先輩二人との撮影、自分が引っ張らなくて良い安心感からかそれとも遠慮があるのか、終始肩の力が適度に抜けた柔らかな表情。
6ページ目の、目だけ微かに笑ったようなカットが秀逸。

道重さゆみ
7ページ10カット、撮影は飯田かずな。
インタビュー部分を読むと、本人もやりたかった「作り込み」らしいが、正直申し上げてクドい。
素材で遊びすぎて弄り壊してしまったような感じ。
道重さゆみを着せ替え人形的に愛玩したい向きにはお奨め。 道重さゆみ本人を好きな人にはまったくお奨めしない。

2011-11-24 毛利元就も吃驚 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 51号

フレンチ・キス
見ただけで風邪を引きそうな最低のグラビア、いやまぁ実に酷い。 呆れ果てた8ページ28カット、撮影は宮坂浩見。

どんなに酷くても表紙くらいは何とかデッチ上げるものなのだけれど、高城と柏木は眩しい中で無理繰り目を見開こうとして下瞼が上がっており、目をクワッと見開いた倉持明日香は凶相と言うほかなく、ドぎつい目元はクレオパトラに扮したエリザベス・テイラーを東洲斎写楽が描いたかのよう。
睨まれて有り難いのは成田屋くらいのもので、女子のグラビアで目をひん剥くなんてのはゾッとしない。 百年の恋も一瞬で醒める、・・・と言うか、これでは恋に落ちない。

1ページ目の柏木。 芯のある被写体ブレは好ましいが、良く言えばハイキー、悪く言えば白っ飛び。 白く飛ばさなければ粗が目立つ歳でもあるまいに。 そして胴長隠しのウエストアップ。

見開きで三人川の字の図。 熊手みたような大仰な付け睫毛は流行りだから仕方が無いにしても、これを付けたまま目を閉じたらどうなるか、想像力が働いていないカメラマンも悪いし、弾かなかった編集も無能。 胡粉を塗りたくったようなレタッチも興醒め。 人相まで変わってしまっている。

高城亜樹は例によって安産型隠し。 強い光で死んだ表情。 褒めるところが無い。

倉持明日香も芯のある被写体ブレで面白いカットに成り得るのだけれど、光が強すぎて表情が死んだ上に白っ飛びで台無し。

更に見開きで動かして撮ったカットを細かくズラリ。 写真の取捨選択と割付けのセンスが欠如しており、散漫で且つ退屈。
動物や子供のように撮って初めて表情が生きる高城亜樹を珍しく上手く撮ったカットも扱いは小さく、無理に流し目をさせた変な顔は大きく使われている。 柏木も大きく使われているのは退屈な決め顔ばかり。

最後のページは3人並べているのだけれど、これも光が強すぎた凶相。
モデルを生かさず服を見せたファッション写真の撮影手法もお門違い。
宮坂浩見が応用の利かない下手糞なのか、編集のセンスが欠如しているのか、事務所の担当者に審美眼がなくて変な駄目出しをしているのか、それらの全てが重なったのかは判然としないが、兎に角見ていて頭の痛くなる低劣なグラビアであった。

フレンチ・キスはシングルを出す度に大量露出。 ソロでも束でもグラビア三昧であるが、正直申し上げて碌なものが無い。
数をこなしてどうして良いか判らずに戸惑ったような表情こそ無くなったが、手馴れた感じの取って付けた様な作り笑顔が増えた。

三本束ねた矢が三本分の強さにならぬ不思議。 毛利元就も吃驚である。

篠田麻里子
例の写真集からの5ページ8カット、撮影はTakeo Dec.
碌でも無いものを見せられた後だけに、モデルもカメラマンも金の取れる仕事をしているこのグラビアは地獄に仏。
流れ作業で大人数を撮らされた時の Takeo Dec. には、目も当てられないようなのもあるが、こうしてじっくり撮らせると矢張り上手い。
こうして背景や衣装を生かしつつ、人が映えるように撮るのがポートレートだと私は思う。
それを閑却したのが巻頭の屑写真群。

2011-11-23 まとめ更新 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 49号

篠田麻里子
巻頭グラビア8ページ、撮影はTakeo Dec.。 オマケピンナップ(両面)付き。
ロンドンで撮影された写真集からのグラビア。 オフショットは小さめにズラリ、他は1ページ1カットでじっくりと。
笑顔になると似たような感じになってしまうのだけれど、それ以外は諧調豊かな表情。
水着でも服を着ても表情に特段変化はなく、素の表情であるようでいてそうでもなさそうでも有り、やはり一枚壁があるというか、正体を見せないようなところがある。
以前はそこが物足りなくもあったのだけれど、ここまでプロとしての仕事を見せられると、そんなのは些細なことであるような気もしてくる。

まゆゆマンガ家計画
いつかこんな日が来るのではないかとは思っていたが、ついに原稿を落として休載。
言い訳インタビューで1ページ。
「宝塚にハマった」ってのが言い訳としてらしいと言うか、らし過ぎると言うか。
次回は新年4・5合併号掲載とのこと。 さて、どうなりますか。

未来穂香
5ページ3カット、撮影は細野晋司。
どこから切り取ってもそれなりに絵になるのだけれど、正面からが一番映える。
撮りやすいが故に撮りにくいモデルだと思うが、それだけに撮り甲斐はあるように思う。

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 50号

グラビア JAPAN 2011巻頭で水着、巻末でセーラー服と部屋着。 撮影はTakeo Dec.
巻頭巻末ブチ抜きとは言え、5人なのでやはり食い足りないが、これままぁ仕方が無い。
伊藤梨沙子は纏まったページ数で見たいが、ヤングジャンプなので細野晋司になってしまうかもしれない。

仲村みう
9ページ13カット、袋とじ部分6ページがヌード。 撮影は井の元浩二。
とりあへず綺麗に撮って貰えていて、うらぶれ感も陰惨さも無いのが救い。
これで引退との事であるが、らしい幕引きではあった。

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 51号

柏木由紀
巻頭グラビア7ページ。 撮影はTakeo Dec.
趣向を凝らして4パターン、新機軸で柏木の魅力を引き出そうとしているものの、空振り。
セットと衣装が変わっても、柏木由紀は常に柏木由紀であり、写真の中での変化はお膳立ての部分のみ。 グラビア仕事の数をこなしてもモデルとしての進歩は無く、何時もながら退屈極まる。
日本全国何処で食っても同じ味の牛丼屋に「安心」を求める向きが多いように、凡庸でもそこそこ可愛いものを求める人も多いのだろう。

広村美つ美
5ページ10カット、撮影は桑島智輝。
カメラの前でどう振舞って良いのか判らず、戸惑ったまま微笑んでみたりなんだりする写真。
それをどう撮るかについての試行錯誤の部分については面白いグラビア。
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2011-11-13 「鏖し」と「ミナゴロシ」 [長年日記]

_ 第75回 浅草早朝寄席

立川流の二つ目、立川談奈・泉水亭錦魚の両名が前座の頃からやっている勉強会。 3席聞けてゲストも呼んで500円と言う破格。 もっとも、良いことばかりではないのであるがそれはさておき。

「平林」談奈
「権助提灯」錦魚
「愉快な漫談」中津川弦
<弁当幕>
「尻餅」談奈

「権助提灯」「尻餅」と冬の噺。 根多卸し・根多浚いの場でもあり、見ていて冷や汗を掻く月もあるが、季節の移り変わりを噺で感じるというのも楽しい。
呼吸で笑わせる中津川弦の漫談は、客に受ける力が無いと暖簾に腕押しになってしまうこともあるが、今日はよく笑うお客さんが触媒になり、完全燃焼。

今日も弁当幕で不快な思いをした。
次回からはロビーに逃げることにする。

_ ぱすぽ☆予約イベント@HMV大宮店 2部

のんびり落語を観てからゆるゆると出掛けたので、HMV大宮店に着いたのは12時半頃。 丁度「キス=スキ」が始まった頃合。
大入り満員でクルーのリボンすら見えそうに無かったので、DVDシングルを購入予約してとりあへず退散。

氷川神社へ参拝して(産土神なのである)から街へ取って返したが、喫茶店が少ない。
やっと見つけた喫茶店は喫煙天国(私には地獄)、知己が居たので寄ったドトールは兎小屋。 これには困った。

集合時間にHMVに戻ると予想以上の人出。 色々被った日ではあったが、県内でも交通の便の良いところなので、所謂"アイドルファン"では無い層の客が試しに来て見たってのが多かったように思う。
アトラクション時にも、CDを買いに来たと思しきフリの客が「おっ! ぱすぽ☆ じゃん!!」と驚いていたが、浸透してきているのだと思う。

舞台は狭くて低い(そもそも天井が低い)ので、後方からは先ず見えない。 正面は棄てて上手の人垣の後ろへ。

出られたり出られなかったりする所為か、槙田紗子がやる気に満ちていて楽しそう。 この人は楽しそうだと首から上がグラグラするので、軸がブレるからかパッキパキに切れて踊っている割に凄みが出ないのであるが、この槙田味、嫌いではない。

増井みおは今日も迸るやる気と燃え上がる情念。 迸りすぎて動きが流れたりもするのだけれど、筆勢の強さが魅力なので矯めないで欲しい。

玉井杏奈は我が目を疑うような扇情的な動きをすることがあるのだけれど、常に涼しい顔でいて一切軸がブレないので、相当「余計なこと」を盛り込んでいる筈なのに厭味が無い。

角は丸めてあるので判り辛いが、「剛」の動きなのが根岸愛。 脹脛の発達振りに目を見張る。

岩村捺未は偶にあやふやな動きをすることがあるのだけれど、もっともらしい顔をしているのでボロを出さないのが面白い。

同じく奥仲麻琴も自信なさげな顔をしなくなったので、華やかさが増したこともあって粗が目に付かない。

暫く観ないうちにガラリ変わっていたのが安斉奈緒美。 勿論、良い方向に。
映画で経験したチアダンスが生きてきたのか、見掛けの華やかさに動きが付いてきていて、集団で踊っていても埋没しなくなった。

佐久間夏帆は歌声と歌うときの表情に深み。
喋っている時は明るいのだけれど、曲に入ると表情から仕草から一変。 曲の世界に生きている。

藤本有紀美は豪快な動きと、客席の隅々まで目配りする繊細さの落差が面白い。
藤本有紀美の目配りは三点バースト。 トリガーハッピーなバラ撒きではなく、一発必中の狙い撃ちでもない。 一寸ずつ止まるので、目が合った気がして鼓動が少し高鳴る。 少し。

森詩織は激しい曲での鬼気迫る動きと、その中でクルーと目配せする悪戯っぽい表情。 くるくる変わる様が楽しい。

舞台の上での自己表現の方法論がクルーごとに似ているようで異なるので、それぞれの頑張りが喧嘩をしない。
同じ「可愛い」でも奥仲の「かわいい」と増井の「カワイイ」は可愛いが違い、同じ「客席皆殺し」でも根岸の「鏖し」と安斉の「ミナゴロシ」では殺し方が違い、同じ nonchalant でも奥仲のノンシャランと岩村ののんしゃらんではのほほんの質が違う。
棲み分けと相互扶助で生態系のバランスが保たれている。

昨日も今日も、碌すっぽ見えなかったり聞こえなかったりする現場なのだけれど、それでも「その場に居る」事が楽しい。
この先売れてしまって(「しまって」と言うのも物言いとしてよろしくないが)ハコが大きくなっても、「その場に居る事」の楽しさを保つ事が出来れば、接触系アトラクションの実施が不可能になっても、現場の魅力を保つことが出来るのではないかと思う。
その先には「現場が楽しくなくなってしまったらどうするか」と言う、AKB48が直面している問題に突き当たると思うのだけれど、今はそこまで考える必要は無かろう。

途中、オケが何度も音跳びして裏方がスッタモンダする場面も見られたのだけれど(スッタモンダしたところで何が出来る訳でもない)、舞台の上の連中は落ち着いたもので、狼狽えることなく跳ぶたびに跳んだ部分を端折って歌い踊っていた。
強くなったものだと思う。


2011-11-12 意外に近かった浦和美園 [長年日記]

_ ぱすぽ☆予約イベント@イオン浦和美園ショッピングセンター 2部

「埼玉高速鉄道=不当に高い」と言う印象から敬遠していたイオン浦和美園。
よくよく調べたら東武伊勢崎線の越谷駅からバスが出ており、これを使えば比較的廉価に(そして意外に早く)辿り着けることが判ったので足を運んでみた。

浅草から越谷までが350円(約30分)、越谷駅西口からイオン浦和美園までは290円(20分くらい)。 バス停がイベントスペースであるセンターコートに近いのも良い。
但し、一時間に一本しか無い時間帯が有ること、道路状況によっては遅れる可能性もあることを見越して利用しないと危ない。

イオン浦和美園、ショッピングセンターとしては大きいがイベントスペースは狭い。 舞台も狭いが吹き抜け部分の直径が小さいのと、通路幅の確保の為に舞台を上手側に寄せているのと、床の端から柵までの間が無駄に広いのとでケラれが多く、二階三階からだと見え難くい。
柵そのものも高いので音も篭ってしまって聞き取りにくい。 歌はまぁなんとかなるとして、喋り始めると喋っている事は分かるが喋っている内容は判らない。 二階より上から見る場合は雰囲気を味わいに行くと思ったほうが良い。

2部の開演40分前くらいには着いたのだけれど、二階バルコニーは既に有象無象でスズナリ。 DVDシングル購入特典の一つである観覧スペースの抽選も惨敗。 なんとか見られそうなところへ潜り込む。
開演30分前から予約販売開始ってのは一寸遅いのではないかと思ったが、販売から優先スペースへの入場まで、ぎりぎりで間に合わせてはいた。 一般客の動線の確保であったり、目当て客の待機スペースであったり、イベントを廻す以外の部分で苦労も多そうだったが、この辺りはHMVのノウハウの蓄積が生きているのだと思う。

セットリストは竹中先生のツイート参照のこと。
ダレ場無く7曲。 10人揃った ぱすぽ☆ を見るのは数ヶ月振りだが、修羅場だった夏を乗り越えただけの事はあり、安心してみていられるし、安心し切って見ていると裏を掛かれる意外性もある。 目を離しても向こうは大丈夫だけれど、こちらが痛い目に遭う。
近いところで正面から見られればそれはもう楽しいが、上からでも横からでも、何処から見てもそれなりに楽しい。 十人が十人、華が出て来た。

歌は生歌率高めなのだけれど、これには意外な効果がある。
完全に口パクで音源だけが流れていると、遠くでは「何か音楽が流されている」感じがするのだけれど、生歌率が高いと「何かやっている」感じになり、これは通りすがりの人々の足を止める力にもなる。 足を止めた通りすがりの人の反応で面白かったのは、
「ぱすぽ☆ って何だっけ」「あっ!旅行鞄持って踊ってる人たちだ!!」
私の目や耳には侮蔑的な反応は入ってこなかった。

客で私立恵比寿中学の廣田あいか。 私の位置からは見えなかったが、根岸愛との交歓が微笑ましかったらしい。
廣田あいか本人もさることながら、ご母堂が実にどうも(略)

碌すっぽ見えない(聞こえない)割りに、楽しいイベントであった。

_ 更新情報

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犍陀多

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2011-11-11 晴れがましさ [長年日記]

_ 告知など

立川談志門下の談吉さんが晴れて二つ目に昇進。
落語の世界は二つの階層に分かれている。 「プロ」と「アマチュア」。
入門を許されてから数年間(人によっては十数年間)前座として修行するが、前座は見習いであってプロとは見做されない。 二つ目になって初めてプロの員数に入る。

そしてその談吉さんが二つ目昇進披露の会を開く・・・のだけれど、告知に遺漏が有ったらしく情報が広まっていない。

談吉さんの落語は、ひとりごちる面白さ。 登場人物の自問自答に味がある。粗いけれど勢いがある若手二つ目。
ゲストの顔ぶれも狂気と正気の間を往ったり来たりした感じで談吉さんらしい。

立川談吉二つ目昇進披露の会

11月27日(日)

時 間: 開場18:30 開演19:00

木戸銭:前売り2500円 当日3000円

会 場:ムーブ町屋 東京都荒川区荒川7-50-9センターまちや 3・4F

出 演:立川談吉 立川談修 立川談笑 立川キウイ 立川左談次

ご予約お問い合わせは

メール dankitisan@hotmail.co.jp
ツイッター [@dankitisan]
TEL 090-6511-4569

_ 更新情報

コラム置き場に

奥仲麻琴写真集「RUN RUN まこと」を買うの記

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2011-11-07 アイドル界のポルポト派 [長年日記]

_ AeLL. コラボレーションライブ with バニラビーンズ

11/2~11/6 まで、駒沢公園の中央広場(談山神社の十三重塔みたいなのの辺り)で開かれていた「東京ラーメンショー 2011」では、毎日 AeLL. が出るライブが開催されており、日替わりのゲストを招いていた。
「コラボレーションライブ」と銘打たれていたが、直接絡む訳ではなく、前半ゲスト後半 AeLL. と言う構成。
駒沢公園に於けるライブイベントは地政学的に不愉快事が起こりにくく、今回も大当たりであった。

田園都市線は遅れては困る時に遅れる事があり、また急行に乗ったまま二子玉川まで連れて行かれると戻るのに一と苦労なので早めに動いたが、駅から駒沢公園までの道がちんたら歩く民間人で渋滞していた事もあって、予定よりは遅くなってしまったがなんとか4時半過ぎには到着。
丁度ストリートダンスショーが佳境に入ったところ。 暫し眺めてから客の入れ替わりに合わせて着席。
大体に於いてこの種のイベントでは朝から築いた橋頭堡を血眼で死守する帝國陸軍見たようなのが佃煮にするくらいトグロを巻いている事が多いのだけれど、その種の御仁は多くなかったと見えて、思ったより見やすいところに座る事が出来た。
気が付くと上手の立ち見最前列に宇佐美友紀。

怪傑トロピカル丸
16:50頃、前座を務める 怪傑トロピカル丸 が登場。 歌って喋って歌って、約10分のオープニングアクト。
「どんなラーメンが食べたいか」とのお題での話で「チャーハンとか餃子とか、全部入ってるヤツ!」との発言に震撼。
そう言うのは明け方の飲み屋街の電信柱の根元辺りでよく見かけるが、あまり食欲の湧く代物ではない。 ちなみにかつて江古田にそれ専門の路上観察の会が有った。

閑話休題、オタンコナスなグループ名と言い、罰ゲームめいた振り付けと言い、まだ直接関わっていない筈なのに NICE GIRL プロジェクトに通ずる寺田臭。 尻の下がむず痒くなるドサ臭さ。
面相は水準に達しているだけに惜しい。

バニラビーンズ
ほぼ定刻に出囃子に乗ってバニラビーンズが登場。 「ニコラ」「エルスカディ」「ドクター、お願い」とオリジナルを3曲、「ベイビィ・ポータブル・ロック」「東京は夜の七時」とピチカート・ファイヴのカヴァーで2曲。
北欧の風に誘われたのか、四谷シモンの人形のような白人女児が割り箸を舐めながらトコトコと舞台袖へ。 上手袖の階段にちょこなんと腰掛けて、親が呼びに来るまで不思議そうに舞台を眺めていた。

「北欧の風にのってやってきた」とか、「清楚でイノセンスな女の子」とか、そんな文言が空虚に響いていた迷走期があったからこそ、今があるとも言えるのだけれど、最初期に食いついたものの長らくおあづけを食わされた身としては、矢張り長過ぎた回り道であったように思える。

バニラビーンズは、ほぼ完成の域に達した様式美。
歌が然程上手い訳でもなく、ヴォーグダンスを簡略化したような振り付けも暗示的で大人しいのだけれど、充分金の取れる見世物には成っている。

キノコ頭の人も平均以上の身長は有り且つ細いのだけれど、外ハネの人は更にその上を行く割り箸のような細さ。
この浮世離れしたユニットは、出来れば今日のように座って(さらに高望みをすれば一杯引っ掛けながら)眺めたい。

新しい「私服」にはまだラーメンの汁の染みは出来ていなかったが、これは単に出番の前に食べていなかったからで有るようだ。

AeLL.
焼けて褪せた感じの赤いTシャツ的なものにデニムのサロペット、腰にタオルを提げて揃いのスニーカー。
ざっかけない衣装でありつつ、細かく差異のある物なのは好感が持てる。

敢えて野暮ったい出で立ちなのは農作業を意識したからであるとの事で、そのあたり(シャツが赤いのも)はファンを下放して開墾する Khmer Rouge のような活動が入っているからなのだろう。

私は明るい未来全肯定の世界観と、イカ天期に流行ったビートパンクめいた曲調がどうにも堪え難く、このグループに深入りすることは無いであろうと思う。
arbeit と frei は必ずしも gleich で繋がらない(繋がらない事の方が多い)のであり、夢想的な原始共産制が自己矛盾に陥っていずれ崩壊する事は歴史が証明している。

そんな訳でいたたまれない数十分になるかと思っていたのだけれど、思わぬ拾い物があり、それで救われた。
このグループは知名度も人気も図抜けている篠崎愛を One of them として扱っているのだけれど、篠崎が下支えしているのは人気のみならず、寧ろパフォーマンスに於いてであった。
西リーダーはソツの無い動きで及第点は差し上げられるが、残りの二人はまだ覚束無い感じで、動き出しはまだ何とか成っているが、兎に角止められず、流れる。
篠崎愛は一人だけ出来ている事のレベルが違っていて、動きは柔らかで且つ素早く、動くべきところで動いて止めるべきところで止められている。
体形からすると F6F だが、運動性能は P-51D と言ったところ。
足元を見ると一人だけ爪先重心で、足首で細かくリズムを取るところなどは宇佐美友紀を思い起こさせた。

篠崎愛の名を冠して前面に押し出すと、敏いとうの様にオーナーと化してしまったり、内山田洋のように纏め役になってしまったり、麻生真美子のように突出してしまったりするのだけれど、そうしなかったことがプラスに働いて(裏方の動きを見ていると実に脳天気で、深くは考えていないのではないかと思うがそれはさておき)バランスの取れたグループになっているように感じた。

紅衛兵みたような無邪気な連中の馬鹿騒ぎに巻き込まれるのは御免蒙りたいのでワンマンにまでは行きたくないが、こうして傍観者で居られるイベントがあればまた足を運びたい。

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2011-11-03 ぱすぽ☆ は、粒であり、波である。 [長年日記]

_ ぱすぽ☆予約イベント@イオン与野ショッピングセンター 1部

時間を読み損ねて1部が始まった頃に到着。 イベントスペースに辿り着くと一曲目の途中。
一階の観覧スペースはほぼ一杯の入り、二階バルコニーもスズナリ。 なんとか隙間のあった三階バルコニーへ。
三階は転落防止の為か2mからアクリル板が貼られていて、見るには見られるが音が篭って聞えづらい。
また、かなりの角度からの見下ろしになるので、クルーの顔はほぼ見えず、その代わりフォーメーションは綺麗に見える。
今日は学校行事のため槙田紗子がお休み。 一人欠けているのだけれど、知らないで見ていたら気がつかないくらい補整されていた。

ぱすぽ☆初見はちょうど去年の今頃。 ロックと言えばブリティッシュ、アメリカンロックは口に合わないと思い込んでいたので ぱすぽ☆ そのものを見に行ったと言うより、当初の目的は「竹中見物」であった。
当時はジョリーロジャーがアトラクション中に曲をそれなりの音量で掛けっ放しにしていたので、なんとなく聴いているうちに耳に馴染んでしまい「あれ、いいなコレ」となって ぱすぽ☆ そのものにも嵌まり込んで行った

今日の竹中女史はロッテンマイヤーさんのような服。 頭には槙田カラーのリボン、手には槙田カラーのスカーフを持ち、舞台袖から月影先生のように見守り、首から上でリズムを取りつつ時折ニヤニヤ。 不意にしゃがみ込んだと思ったら、なにやら i-phone にフリック入力。

セットリストは一寸短め。 物足りないな・・・と思ったら予定調和的乍らアンコールで3曲。 終わってみれば寧ろテンコ盛りな構成。
夏場は私的ゴタゴタで全く身動きがとれず、久し振りの ぱすぽ☆ だったのだけれど、生歌感は増しつつ、より安定したパフォーマンス。
前述の通り頭しか見えないのだけれど、何だコリャとエモーショナルな動きに目を遣ると、大抵パニエは水色か紫。 ブッコロスオーラのようなものを放っていると、大抵パニエは黄色。

_ ぱすぽ☆予約イベント@イオン与野ショッピングセンター 2部

3月にここで見た時より、確実に「目当ての客」は増えていたので、念の為開演30分前に会場へ戻ったのだけれど、二階バルコニーは既にあらかた埋まっており、何とか隙間を見つけて潜り込む。
1部が12:00から、2部が15:30からと言う間の空いた時程なのだけれど、フライトの後のアトラクション(アイドルの接客業としての部分)に時間のゆとりを持たせているからだと思われる。

文字通りの十人十色で個性もバラバラ、その10人が集まって歌い踊ると、それぞれの個性は生きたまま有機的に繋がって一つの生き物のように動く。
イオン与野のイベントスペースは狭く、舞台用のパネル12枚並べてスピーカー2本立てただけの蜜柑箱に毛が生えたくらいの簡素なものなのだけれど、その狭いところで激しく歌い踊りつつ、ぶつかりそうでぶつからない。
広いところでは綺麗な円や直線を描く隊列が、舞台の形に合わせて修正され、移動を食ったり遅らせたりして行き違いでぶつからないようにしており、それでも追いつかない場合は半身になってかわしている。 それを涼しい顔して事も無げに演るから凄い。
安斉奈緒美あたりはそれに加えて客席を見回しながら魚群探知機を働かせて釣り糸を垂らし、まんまと一本釣りされた客が握手会に並ぶなんて図も見られた。

2部も予定調和でアンコール。 玉井と森の「アンコールが掛かるなんて思って?」「おもわなくってよ、びつくりだわ。」てな感じの白々しい遣り取りも楽しい。

激しいながらも抑え目に動いていた増井みおがアンコール最後の一曲で爆発。 あやうくも美しい。
安斉奈緒美は動きが大きく綺麗になっていた。 細く長い手足の慣性質量と遠心力を利用したスイングバイ航法のような動き。
慣性の法則を無視したような藤本有紀美の動きはさながらレールガン。
のんびり動いているような岩村捺未だが、並べて見ると動きが遅れている訳ではなかった。 空間と時間の間に歪みが生じて遅く見えているようだが、ハイデガーもアインシュタインもさっぱり判らなかった私には、こちらもよく判らない。
「歌」と言う存在意義を見つけたらしい佐久間夏帆はマイクの持ち方が変わっており、自分の歌うパートでは口とマイクとの角度と距離に注意を払っていた。

それぞれがそれぞれにこのグループに於ける自らの存在意義について考え、それを突き詰めていく意志が方向はそれぞれに違っていても、それぞれ同じ山の頂上を目指して進んでいる様が凛々しくも美しいフライトであった。


2011-10-30 射幸心 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 47号

表紙とオマケポスターで佐々木希。 カラーグラビアページは「ギャルコン 2011」。 撮影は石川耕三、橋爪英典、松田嵩範、Takeo Dec.、TANAKA。 全111カット(111人)
一人1カット、しかも小さめなので写真については語りようも無いが、決まった面子しか巻頭グラビアにならない昨今、こうした発掘企画を大々的にやる姿勢は買える。
人数が絞られて纏まったカットを見られるようになったら、改めて触れたい。

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 48号

AKB48(板野友美、大島優子、柏木由紀、小嶋陽菜、渡辺麻友)
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
柏木と渡辺、板野と小嶋、大島と渡辺、柏木と板野、小嶋と大島で1ページずつ。 最後に見開きで5人。
水着ではなく、スカートの丈も長いが、身体の線の出る衣装。
柏木の髪型は、かつて米沢瑠美がやっていたような顔の輪郭が米の形になるようなもの。 懐かしい。
他の連中も、分け目を付けたり前髪を割ったりして眉の表情を出している。

照明は強すぎず弱すぎず、暗めの背景に浮かび上がるようにしつつ、生きた表情を切り取っている。
顔ぶれとしての新鮮味は無いが、切り口としては新鮮。 十年一日の如く進歩の無いニコパチ水着の溢れ返る現状において、こうした工夫は嬉しい。

モデルとしての自己表現の技術において一歩遅れを取る柏木由紀は、かつての指原莉乃のように場の空気から遊離した存在に成りかかっているが、いつもの取って付けた表情よりは格段に良い。
この人は動いている時には強く放たれている光が、静止画になった途端に失せてしまうところがある。

見開きの5人並びでは、上背のある柏木が広角レンズの歪曲に掛かってしまっていて、ここでも貧乏籤だが、写真としては良い。
今回のグラビアの鍵となっているのが大島優子。 一緒に居るとどうしても「お手本」になってしまう大島が仕事をし過ぎないことで、モデルとしての自分の出し方が異なる5人が同じ方向を向いて仕事が出来ている。
青年マンガ誌のグラビアでは、久々の大当たり。

_ フォトテクニックデジタル 2011 11月号

河西智美
表紙と巻頭グラビア、9ページ8カット、見開き1箇所。 撮影は河野英喜。
何時撮ったのかかは判らないが、儚な気なのを通り越して病的に生気の無い表情。 まぁ、病気だった訳であるが。
ポーズにも表情にも隙らしい隙は無く、求められる河西智美を出せてはいるのだけれど、それだけでは如何ともし難い体調だったのだと思われる。
一旦そう見えてしまうと、眩しげな表情も苦しげに、物憂げな表情も辛そうに見えてきてしまう。 肌面積の少ない、ゆったりした衣装で撮られていて寒そうで無いのがせめてもの救い。
河西智美がモデルとして水準以下な訳ではなく、河野英喜が下手糞な訳でも勿論ない。 唯々撮られた時期が悪く、糊塗出来ない非情な現実が写り込んでしまったと言うこと。
2011年秋の河西智美の記録としては貴重なグラビアとなった。

伊藤梨沙子
6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は萩原和幸。
制服と私服、目線の来ているカットと来ていないカットで半分ずつ。 子役出身で撮られ慣れている強さはあり、カメラを直視して立つことも出来る。
絞りは開けて撮っていて、ピントもほぼ合っているのだけれど、この"ほぼ"が曲者で、合っていることは合っているのだけれど合い方にAF頼みっぽさがあり厭な感じ。
3カット目を見ると顕著で、若干前寄り。 被写界深度は足りているのだけれど、睫毛に合っていたほうが良いようなところで前髪に引っ張られていたりする。 こうなるとどうなるかと言うと、許容範囲内ではありつつも前寄りにある焦点に視点が引っ張られてしまう。 これはキャノンと言う会社のカメラの作り方にも問題がある部分であり、カメラマンが補整して然るべきなのだけれど、そのまま撮ってしまう人も多い。
閑話休題、写真そのものの話。
伊藤梨沙子は器用なようで居てそうでもなく、歯見せ笑顔などは単調なのだけれど、切り取る角度を変えることで変化をつけている。 また、たじろぐことなくカメラの前に立てるので、1カット目などはきりりとした顔立ちの映える写真になっている。
ピントの件を差っ引いても、全体としての出来は良い。

前田亜美
6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は長野博文。
癖のある顔立ちで、撮りようによって可愛かったり、そうでもなかったり、全く以ってどうにもならなかったりするのだけれど、臆することなく踏み込んで撮るのが長野博文の長野博文たる部分。 その辺りの試行錯誤も面白い。
前田亜美は撮り難いがその分撮って面白い被写体なのだと思う。 射幸心を煽るモデル。
1カット目でほぼ語りつくせているようではあるが、一枚々々で見ても、組写真として見ても面白い5カット。 見開きから寄って撮った写真で押しておいて、最後のカットで動きを出す構成も良い。

_ UTB 2011 12月号

AKB48(大島優子、柏木由紀、小嶋陽菜、篠田麻里子、高橋みなみ、渡辺麻友)
表紙と巻頭グラビア、12ページ12カット、撮影は門嶋淳矢。
集合は表紙のみ、グラビア本編は一人2ページ2カットずつ。
このグラビアで特筆すべきは柏木由紀の1カット目の横顔。 これまで見た中でも一番良い表情。 ただこれは門嶋淳矢の切り取り方の巧さによるところ大。 柏木はどうしてこうなったのか考えて欲しい。

白ホリで光強め、少々眩しげなのだけれど、それがプラスに振れて切なげな表情になっている。

添えられたインタビューでは、篠田麻里子のものが面白い。
冗談めかして語っているが、篠田の職業意識の高さが窺い知れる。

剛力彩芽
7ページ11カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
一度見たら忘れられないが、好みは分かれる顔立ち。 どう撮っても絵になってしまう強さはある(私は苦手なのであるがそれはさておき)。
全編動かして笑顔中心に構成。 割ととっつきやすく撮ってある。

真野恵里菜
7ページ7カット、撮影は栗山秀作。
出来の良かった写真集と同じ組み合わせでのグラビア。
今回は肌色強めで一寸やり過ぎな感じがしないでもないが、水を張った床に白いキャミソールワンピースで横たわる図などは実に良い。
大人になりかけの大人びた部分とまだそうでもない部分を撮り分けた構成も良い。
今年の真野恵里菜は、歌も芝居もグラビアも、こと仕事に関しては恵まれているように思う。

増井みお
6ページ8カット、撮影は桑島智輝。 ・・・と言うか、ヘアメイクから衣装から双木昭夫。 これが効いている。
増井みおのブログによると、メイク全般と水着の選択は双木昭夫、体形の粗よりそれによる可愛らしさが出ている
コスプレっぽい衣装は細君の作成したものであるとのこと。 こちらも良い出来。
増井みおを判っているスタイリストが付くことで、増井みおの「らしさ」が十二分に出ている。
既に知っている層には想定内の出来かもしれないが、これはこれで良いと私は思う。
写真に出ているのは増井みおの可憐な部分だけだが、見た目の可憐さの裏に潜む毒はインタビューの中で仄めかされている。
10人纏めたグラビアでは引き出しきれない部分を上手く引き出して貰えた佳品。
矢張り持つべきは腕っこきの裏方。 この辺りぱすぽ☆は(福田はさておき)恵まれている。

高田里穂
6ページ9カット、撮影は栗山秀作。
役者を撮らせると上がりの良い栗山。 カメラへ意識を持って来させるのが上手い。
正面からのカットも最低限押さえつつ、横や斜めから撮って変化をつけている。
その中で見つけたのであろう顔の左側から撮ったものが良い。
水着は蛇足なのだが、これもまた商売。

指原莉乃
7ページ7カット、撮影は桑島智輝。
最近力まず衒わず抜けすぎず、適度な力加減でカメラの前に立てている指原莉乃。
底意のある撮影でうらぶれた感じがしなくなった事より、こうしてちゃんと撮って貰える現場でより良い表情が出せるようになった事を強調しておきたい。
体形が極端に変化した訳ではないが、堂々と撮られているので、初期の水着グラビアで見られた借金のカタに大分から叩き売られてきたような貧相で陰惨な感じもしなくなった。
この変化が何時頃から兆し始めたのか考えてみたが、SWITCH で梅佳代に撮られたのが切っ掛けになったのではないかと思う。
踏み付けにされ、足蹴にされることも多い指原だか、このグラビアも含めて肝心なところでの仕事には恵まれている。
SWITCH も指原の連載以外に読むところが無く、指原が何者かになりつつあるのも見届けられたので連載途中で買うのを止めてしまったのだけれど、こうして更にこの道で生きていけそうな嫋やかな逞しさを見ると感慨も一と入。
おっかなびっくり目玉焼きを焼いたり、旨そうに食ったりする他愛も無いと言えば他愛も無い写真なのだけれど、兎に角見ていて楽しい。
楽しいのだけれど、何故か甘苦いグラビア。 後味は悪くない。

トレーディングカード、プレゼントチェキ一覧
今回のトレーディングカードは総じて出来が良く、この手の「一枚で語り切る写真」では一頭地を抜く嗣永プロを向こうに廻して引けをとらぬものがゴロゴロ。

プレゼントチェキでは時の流れを感じた。
かつてはこう言った物への書き込みの激しさでは図抜けていたAKB連中も、ガチャガチャの廃止以来縁遠くなった所為か、実に淡白で塗り絵の如きものは皆無。
こうなると嗣永プロの独壇場。

_ UTB 2011 12月号 続

秦佐和子
6ページ6カット、撮影は桑島智輝。
昼の設定で3カット、夜の設定で3カット。 キャラクターを設定して貰って自分ならざる自分でカメラの前に立てている所為か、何時に無く堂々としてグラビア映えもしているのだけれど、逆に言うと何処にも秦佐和子の真実は無い感じ。
これで良い人も居るであろうし、これはこれとして質の高い仕事ではあるのだけれど、私には一寸物足りない。
極度な含羞屋の秦に「演じるテーマ」を与えるというのは方法論としては面白いし写真としての上がりも良いだろう。 しかしモデルは素の自分でカメラの前に立ててナンボだと私は思うのである。

山田菜々
5ページ7カット、撮影は佐藤裕之。
屋外と屋内、水着と着衣で撮っているのだけれど、屋内で水着のカットが多めに使われている。
畳の上で水着と言う四畳半グラビアで且つ肉々しく撮ったカットは少々あざとさが鼻につくが、それ以外のカットは良いし、四畳半グラビアの部分も四畳半グラビアとしての質は高い。
3カット目(の首から上)、4ページ目上段、7カット目などは実に良く撮れている。
所属が利に敏い吉本なので、売れる肉は売るべく薄着のグラビアの仕事は減らないと思うが、服を着ているからこそ醸せる色気、漂わせることの出来る色香もあることは踏まえて仕事をさせて欲しい。
・・・にしても佐藤裕之、巧い。

川栄李奈×高橋朱里(AKB48研究生)
5ページ13カット、撮影は國方大。
仲の良い同士で組ませることにより硬さを取ろうとする試みは、或る程度成功しており、撮られる仕事がまだ少ない割りに柔らかな表情。
國方大は島崎遥香を撮った時も良かったのだけれど、細居幸次郎や桑島智輝が売れてきているので、この先のこの雑誌を担うカメラマンの一人になっていくのではないかと思う。
顔面のパーツ構成が分散に振れた川栄と集中に振れた高橋の対比も面白いが、それ以上にバスの中でくっついたりくっついたり、さらにくっついたりするカットのこそばゆさと甘酸っぱさに酔う。

竹富聖花
4ページ4カット、撮影は熊谷貫。
大きく強く叩けば、その分響きも大きいモデルを撮った時の熊谷貫は矢張り良い仕事。
メイク濃い目、露出アンダー目の2カット目3カット目が秀逸。

初音
3ページ3カット、撮影は根本好伸。
歌をうたう事を生業にした人のグラビアなのだけれど、部屋着的な衣装での屋内撮影と言うこともあってか、柔らかな表情。
良く撮れている

2011-10-23 「よかったさがし」 [長年日記]

_ 月刊ヤングチャンピオン烈 2011 No.11

ぱすぽ☆
表紙と巻頭グラビア7ページ33カット、撮影は細居幸次郎。 クリアファイルがオマケで付く。
集合で始まり、個別3カットずつを並べて集合で〆る流れ。
秋田書店の雑誌に載るグラビアは、総じて色がおかしい。 友人曰く「エアブラシで描いたリアル風なイラストっぽい」こってりした肌の色。
秋田書店は無理にグラビアを載せないほうが良いのではないか。 大川定男が撮っていた頃からこんな感じは有って、それは大川定男の撮り方の問題だと思っていたのだけれど、問題の根はもっと深いところにありそうだ。 出版社としての美意識が歪んでいる。

載せた事で雑誌が売れ、載った事で名が売れる互恵の関係が理想なのだけれど、これだけ不細工に撮られてしまうと載った側の利益は限りなく少なく、寧ろダメージキャンペーンに近い。( パリまで行くのを厭わなかった友人も、これを買うのは躊躇したらしい。)
担当色の水着とパーカーを揃いでと言うのも短絡的で芸が無い。 パーカーはともかく、体形もバラバラな10人に同じ水着と言うのも無理が有るし、ぱすぽ☆の売りである十人十色の個性も生きてこない。
予算の制約はあると思うが、通底しつつも個性に合わせた差異のある衣装を用意して然るべき。 予算もノウハウも少ないのかもしれないが、そもそも工夫が足りない。
こうして見るといつも貶してばかりいるような気がする米村弘光であるが、こと「個性に合わせた差異」に関した工夫に関しては格が違う。 爪の垢を煎じて飲んで頂きたい。

辛うじて「らしさ」の出た写真は増井みおの個別3カットと玉井杏奈の個別中央くらい。
逆光で撮ったり木陰に入れたり、細居幸次郎も出来る工夫はしているが、ド真昼間の浜辺と言うロケーションは如何ともし難く、表情は眩しげな凶相であり、水に入ったんだか潮風の所為なのか汗だくなんだか、髪はベッタベタのボッサボサ、のっけから落ち武者の集合写真のようなのが載っていて驚き、呆れ、泣いた。
カメラマンの仕事以外の部分が酷過ぎてどうにもならない。

こんな事なら竹中とクルーで相談して衣装とロケ地を探させてやった方が良かった。

頑張って「よかったさがし」をしてみたが、無駄骨であった。 敢えて褒めるとなると、パーカーでの集合のカットが人気順の並びではなく、色相にあわせたものであった事くらい。 今年見た中でも最低のグラビア。

_ 更新情報

コラム置き場にコラム未満の戯れ文

AKB48 旧チームAで綴る昭和史

をアップロード。

_ インフィニティ2写真展

広尾の駅から少し歩いたところにあるギャラリーで開かれた写真展。企画意図などは こちら で見て頂くとして。
作品の販売を伴う写真展でありつつ、ギャラリーの人がにじり寄って来て営業を掛けられたりすることも無く、落ち着いて観る事が出来る。
作家によって陳列の仕方はさまざまで、ぎっちり並べられてしまうと光の加減で見づらいことも有ったが、私の見たかった写真家の作品はゆとりを持って並べられていたのでじっくり見ることが出来た。
ぎっちり並んでも概ね見やすいのは、展示する側が写真の見方・見え方を知っているからだと思う。 以前、世田谷美術館で見たフェリックス・ティオリエ展がそうだったのだけれど、絵画を専門にするところだと、乳剤面のてかりを勘案せずに光を直に当ててしまうことがあって、こうなると実に見づらい。

私の好みの写真も、そうでない写真も取り混ぜてあったのだけれど、こうして買おうと思えば買う事も出来て、それでいて押し付けがましくないと言うのは珍しく、有り難い。
写真には(きちんとプリントされた写真には)印刷では伝わらない微細な情報が詰まっている。 写真展で良く出来た図録を買う事が出来ても、どうしてもオリジナルプリントには劣る。
付いた値段は決して安くは無いが不当に高くもなく、その写真が好きで堪らなければ私のようなルンプロでも手の出せる価格。
こうして写真を買う事によって、部屋を片付ける動機付けになるのではないか、そんな気もした。
ハービー山口の家族らしき人々を逆光で撮った写真、小林幹幸のボートを漕ぐ少女の写真、この二枚が悩ましかった。

2時過ぎから「ファインアート及び現代アートとしての写真 または作品紹介」と言うお題でギャラリートーク。 小林 幹幸、北島 明、ハービー・山口、福川芳郎(ブリッツギャラリー)、鶴田 直樹(途中から)、豪華な面子。
福川氏による現代アート業界のはじまりと発展、現代アートの表現手段としての写真の導入などのレクチュアから始まり、それにまつわる話やそうでもない話が文字通り談論風発。
2時間余に渡って続いた中で印象に残ったのは
「一番大事なのは胸にギュッときたもの」
「コンセプト勝負だと、頭でっかちなディベート写真になりがち」
「コンセプトを隠れ蓑にして自分を見せない人が居る」
「目と心と頭のバランスが大切」「心で感じたものをどう伝えるか(頭で)考える」
結論としてこうなった訳ではなく、私の心に響いたのがこうした言葉たちであったということ。

写真を生業として選んだ先輩たちが仕事としての写真に飲み込まれて作品を撮らなく(撮れなく)なって行ったさまを目の当たりにしたり、そしてそこまでのめり込めなかったり、技術も無かったり、様々な要因で道楽として写真を続けることを私は選んだのだけれど、やりようによってはこうして「工芸」ではなく「美術」としての作品を作ることが出来ると言う事を見せてもらえたのが一番の収穫だったかもしれない。


2011-10-16 厚着希望 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 46号

大島優子
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
意外なことに、ヤングジャンプでは初めての巻頭グラビア。 "初"と言うこともあってか、色々盛り込んだ内容。 些か盛り込み過ぎの気味はあるが、衣装だけでなく、撮られ方に於いても様々な大島優子が見られるのは良い。

AKB48には関心の薄かった友人、最近大島優子が気になるとのこと。 曰く「(大量露出で)洗脳されてるんでしょうか。」
洗脳されているから良く見える訳ではなく、ここ半年くらいの大島は見違えて良くなっている。
特に秋の交通安全運動の啓蒙ポスター(町内会の掲示板などに貼ってあるのでご覧いただきたい)などは、この手のお役所仕事にしては例外的に出来が良く、秋らしい柔らかな表情が味わい深い。
このグラビアでも1ページ目6ページ目あたりはフワリと力の抜けた、それでいて気が抜けている訳でも手を抜いている訳でもない絶妙な表情。

持っているものを生かそうとするのは当然のことであって、矢張り胸を強調した肉々しいカットが多いのだけれど、6ページ目のような邪念を払って見たい写真の場合はその「肉々しさ」が邪魔になる。
大島は割りとサバサバと言うかアッサリと言うか、肌を露出する仕事でも表情に不の感情が出ることは先ず無いし、露出度を上げることにも下げることにも拘りは無いのかもしれないが、ここまで売れたら露出度は下げてしまって良いのではないかと私は思う。
良いのではないかと私は思う・・・と言うか、頼むから、もう良いから服を着てくれ。
青年マンガ誌の巻頭グラビアとなると、それ相応の薄着をしなければならないと思うが、秋は秋らしく冬は冬らしく、厚着のカットも有って然るべき。

大島優子の芝居が時としてドキュメンタリーのような現実感を醸すのは、役に成り切ることも出来るし、役ではない自分自身でカメラの前に立つことも出来るからではないか。 このグラビアを見ながら、そんな事を考えた。

NMB48(小笠原茉由、上西恵、福本愛菜、山田菜々、山本彩)
6ページ11カット、撮影はTakeo Dec.
集合で1ページ、あとは一人1ページずつ(大きく)水着と(小さく)表紙の衣装。
山本彩が見る度に洗練の度を増しており、それに引っ張られるように他の連中ものびのび撮られている。
小笠原と福本はスイートスポットが狭いので当たり外れがあるが、山田と上西はどう撮ってもそれなり以上にはなっている。
渡辺美優紀が奇禍に遭い、一人で引っ張る形になってからの山本彩からは凄味すら感じる。
主役は主役として扱われることで、初めて主役として育つ。
脇に廻された渡辺の巻き返しも注視して行きたい。
しかしこの水着で押す売り方、中長期的に見て矢張りよろしくないように思う。
奇禍や不祥事も、原因の幾許かはこれに有る。

2011-10-13 枯れ木も山 [長年日記]

_ UTB+ 2011 11月増刊号 続々々

小桃音まい
4ページ6カット、撮影は桑島智輝。
夏の野音で実際に歌っているのを見るまでは私も見くびっていたのだけれど、兎に角ちゃんとしている。
まぁ、ライブに於ける「民族大移動」なるものは迷惑以外の何物でもなく、それがこの人の出るライブに足を運びにくい要因の一つになっているのだけれど(一番の要因は金欠)、本人に悪い印象は無い。
場数を踏んだ強さはグラビアにも出ていて、(それは撮影会モデルなどの仕事をして来ていない・せずに済んだと言う事もあろうがそれはさておき)媚びることなくカメラの前に立てているし、表情の種類は少ないもののカメラを見ないカットも写真になっている。

杉咲花
4ページ7カット、撮影は長野博文。
長野スタジオと思われる屋内で制服。 長野博文はこうして柔らかく光が廻る条件下で撮らせた方が良い仕事をする。
しかし杉咲花、寄りで撮られてこれだけ表情に幅と奥行きを出せるとは。 末恐ろしい中学生。

スマイレージ(和田彩花 + 新メンバー)
5ページ5カット、撮影は飯田かずな。
集合で2カット、和田のみで1カット、あとは2人ずつ3人ずつで1カット。
新メンバーはまだ野暮ったく、枯れ木も山の賑わいと言う感じなのであるが、これがこの先急に垢抜けて可愛らしくなってしまう事もあるし、そうでない事もある。
写真の方はと言えば、さながら記念写真。 こう言う写真が欲しいなら態々スタジオを押さえてセットを組む程の事は無く、気の利いた営業写真館に行った方が早いし、上がりも良い。

真野恵里菜×矢島舞美
7ページ7カット、撮影は佐藤裕之。
この7カットだけで1200円の半分くらいの価値は有る。 ページを来るごとに妖しさの増す構成なのだけれど、6カット目が実に良い。 程の良い妖しさ。
グラビアでは基本的に一人である真野恵里菜と、ソロでもグループでも撮られる仕事をして来た矢島舞美を組ませる事で、真野のモデルとしての仕事にも幅が出るし、一人で仕事をすることであったり、役者としての経験をモデルとしての仕事に生かすやり方であったり、矢島の方にも得る所が多かったのではないかと思う。

高橋愛
最新のモーニング娘。として最後の写真集から7ページ9カット、撮影は西田幸樹。
水着と屋内過多な構成はいただけないが、水着以外のカットは表情も良い。 表情を作るために力まずに済む、西田幸樹の光の使い方が効いている。
最後くらい商売抜きで・・・とは行かないまでも、もう少し商売っ気の薄い、高橋愛の良さを引き出すようなものを作って欲しかった。
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2011-10-12 審美眼 [長年日記]

_ 立ち読みグラビア日誌

週刊ビッグコミックスピリッツ 2011 45号の大島優子
渡辺達生の撮影による、渡辺達生らしいグラビア。 光が強すぎて流石に大島優子でも表情が死んだカットが有り、見るに堪えないので購入には至らず。
光がさほど強くない最後のカットは良かったが、これだけで買う訳にも行かない。

週刊フライデー 2011 10/21号の渡辺麻友
定番のハーフツイン無しでのグラビア。
いつもの決め顔だけではない、渡辺麻友の多面的な魅力が切り取られた佳品。
パーツの見せ方も扇情的で有りつつ下卑たところはなく、爽やか。 表情にも幅が出て来た。

_ UTB+ 2011 11月増刊号 続々

森迫永依
2ページ2カット、撮影は藤本和典。
達者な子役も14歳、元々が funny 寄りの顔なので、笑顔になるとクシャッとしてしまっているが、可愛く無い訳ではなく、見せ方の問題。
役者にありがちな、役ではない自分に慣れていないことからくるぎこちなさか。

小池唯
5ページ7カット、撮影は長野博文。
昼間の浜辺で撮った水着グラビアなのでどうやっても眩しいのだけれど、眩しく無さそうになるように秘術を尽くす長野博文。 眩しそうでありつつ、何とか見られるものにはしている。
しかし一本調子な歯見せ笑顔の小池唯。
これで良いと言うか、これが良いのだろう。

上白石萌歌
4ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
柔らかい光の中でしっとりと。 薄暗い林の中で絞りを開けてスローシャッターで撮っているので、ボケたりブレたりしている訳なのだけれど、ピントは合わせるべきところに合っているし、手ブレも無い。
4ページ目のワンピースの裾を持って廻っているカット、ボケているようにも見えるが足元の下草を見るとピントは来ているのが分かる。 ピントが合っている部分、ブレていない部分が芯として画面内にあると、それを基準にして写真を見る事が出来る。 これはこれで良い写真。
この写真が載るのも、使い難い写真を敢えて使った編集者の審美眼あってこそ。
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2011-10-11 Knock, and it shall be opened unto you. [長年日記]

_ UTB+ 2011 11月増刊号 続

山本彩(NMB48)
6ページ11カット、撮影は門嶋淳矢。
バンド経験も有る山本、本当に弾ける人に持たせているのでギターもさまになっている。 そしてその「弾けます」が厭味になっていない。
これまで棒組でNMBを引っ張ってきた渡辺美優紀が謎の降格、一人でのグラビアとなった訳だが、立場が人を作る好例、プラスに振れてより良くなっている。 水着のカットと着衣のカットで表情に差が無くなって来ており、それでいて取り繕ったようなところも無い。
NMBの看板を背負わされた苦労が身になって来つつある。

横山由依
7ページ16カット、撮影は桑島智輝。
見る度に良くなる横山、このグラビアも良い出来。 屋内での水着と屋外での白ワンピースなのだけれど、屋外撮影分が表情からポーズから仕草まで全て良い。 そして量的にも多く使われていてる。
目線の来ているカットとそうでないカットが有るが、意識だけがカメラに向けられた横顔が良い。 撮られる仕事を量的にこなして慣れたと言うのも勿論あると思うが、大島やら指原やら良いお手本に囲まれて仕事が出来る環境と、そこから何かを掴もうとする横山の姿勢がプラスに働いているのだと思う。
大島優子の手の表情の良さが曖昧さの妙だとすると、横山由依のそれはきっぱりとした強い意志の表れが無意識に出た面白さにある。 柔らかい顔の表情と相反するものが手に表れていたりするのも横山ならでは。

渡り廊下走り隊 7
10月半ばに出ると言うフォトブック的なものから5ページ8カット、撮影は桑島智輝。
まゆゆ先生のみ1ページ、あとは二人で1ページずつ。 最後に告知がてら集合で1ページ。
こうして並べると際立つのが小森の撮り難さ。 現物の造形美が写真となると何割引きかになってしまう。 今回は引き攣り笑いになっていないだけまだ良い。
平嶋夏海は落ち着いてきたのだけれど、菊地あやかが安定しない。 計画性の無い奴の取ってきたサラダバーの皿みたいに、色々と盛りすぎている。 もっとあっさり見せた方が映えると思うのだけれど、どうもこの事務所は弄りたがるのでいけない。
さて、岩佐美咲。 この路線にどこまで付き合うのだろうか。

NMB48 2期研究生
5ページ5カット、撮影は門嶋淳矢。
研究生として入っていきなり一人1ページ。 これが良いことなのか悪いことなのか、私は後者だと思うのだけれど、AKB48が肥大化して収拾がつかなくなった結果なのでこれも仕方が無い。
研究生各位も、難しいとは思うが浮き足立たず、地に足をつけて頑張っていただきたい。
しかしNMB48は癖球を採らない。 変化球でもせいぜい Moving Fast Ball 程度のストライクゾーンに収まるものばかり。
これも吉本の打算なのだろうか。
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2011-10-02 構成力不足 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 43号

ももいろクローバー
7ページ31カット、撮影は細居幸次郎。
これまで見たヤングジャンプのグラビアの中でも最低に近い出来。 細居幸次郎に撮らせた意味は無い。
ももいろクローバーは水着グラビアをやらない訳で、それをどう料理してグラビア一本仕立てるかが編集者の腕なのだけれど、まるでなってない。
見るべきものは6ページ目の個別写真のみ。 これすらもヘアメイクがおかしなことをして有安は台無し。

スタイリストとして米村弘光を多用するようになって、ヤングジャンプのグラビアもおかしな事になってきた。
仕事は細かいし悪くは無いのだけれど、どのグラビア見ても似た様な絵柄ってのはいただけない。

まゆゆマンガ家計画 第11回
まゆゆ先生のヲタヲタしい日常が語られるインタビューと美麗な1カットグラビアで1ページずつ、更にマンガ本編2ページ。 今回もどうかしていて面白い。

童話をモチーフにしたマンガもそろそろ根多切れ。 そもそも副業のアイドルが忙しすぎて本業のマンガに集中する時間が足りない。
モノクロページのインタビュー時の写真が、最近のまゆゆ先生の写真の中では一番生き生きしている。
まゆゆ先生の慰藉の為にも、世界平和の為にも、続いて欲しい企画。

藤原令子
5ページ9カット、撮影は細野晋司。
他誌で見る藤原令子は、表情に幅のある良いモデルになっていたのだけれど、このグラビアに限っては単調な歯見せ笑顔に終始。
これはモデル本人の責任ではなく、編集者の構成力不足によるものだと思われる。
以前プレゼントページにモデルとして使われたときは良かっただけに惜しい。

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 44号

AKB48 チーム亀有(梅田彩佳、菊地あやか、倉持明日香、増田有華、宮澤佐江、渡辺麻友)
経緯は分からないが秋本治が撰んだと言う6人。 9ページ14カット、うち見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
旧チームKから四人、旧チームBから二人と言うのも面白い。 こうした「チーム何々」には珍しく、浮世のしがらみの感じられない構成。

菊地あやかは週刊プレイボーイでやらされた裏本紛いの罰ゲームグラビアと較べれば格段に良いが、色々と作り込み過ぎていて素材の味がしないのはいただけない。
梅田彩佳は綺麗に撮って貰えている。 添え物扱いにされがちなこの辺りの面子がしっかり撮って貰えているのも嬉しい。
宮澤佐江は例によって男装の麗人の趣ながら、何時に無く妖しく艶っぽく。 私はこちらが宮澤の本領だと思っている。
倉持明日香は「まぁ、こんなもんかな」位の、良く言えば安定した、悪く言えばおざなりの写真。 歯見せ笑顔ばかりでは詰まらない。 Not yet とフレンチ・キスの違いは、メンバー同士の感化力に有るのではないかと思う。 組ませたことによる相互扶助による向上の点で Not yet と較べると見劣りする。
増田有華も良く言えば安定、悪く言えば何時も通り。 この人は一定以上の質の仕事をしていても手馴れた感じに見えてしまうのが損なのだけれど、それは見る側の期待値が高いからでもある。
渡辺麻友は個別の写真も集合も「求められるまゆゆ像」をきっちりこなしている。 偶にはそれ以外の部分も見たくは有るが、下手を打つと例の写真集のように本人の魅力の半分以下しか引き出せないなんて事にもなり兼ねないのが難しいところ。

しかし軍隊と警察、アメリカとドイツがごちゃ混ぜになった米村による衣装が酷い。 まぁ考証もヘッタクレも無いゴッタ煮見たようなのがこの人の味な訳で、これが良いと思う人が多いから仕事が引きも切らないのであろう。 世も末である。

和田絵莉
巻末グラビア4ページ8カット、撮影は中山雅文。
目にする度にボロッカスに書いているような気がする中山雅文のグラビアであるが、今回は非常に良かった。
相変わらず動きの無い、スティーグリッツ以前のポートレートのような静物画が8枚並んでいるのだけれど、モデルとの相性が良いのか表情も生きており、じっくり撮った事が吉と出て見応えのあるグラビアに仕上がっている。
雑誌のグラビアはカメラマン本人の作品撮りではないので、モデル側(事務所側)の意向や編集者の構成プランなど、カメラマン以外の意志も入って来る。 それが吉と出る場合もあれば、凶と出る場合もある。
中山雅文の場合、後者が多かったのではなかろうか。
じっくりと描くように撮られたポートレート。 これは拾い物だった。

_ 立ち読みで済ませたもの(短評)

例の手元不如意で購入には至らなかったものを幾つか。

週刊ヤングマガジン 2011 43号 の高城亜樹
栗山秀作の撮影。 前号が酷かったので立ち読みすらしないで流そうかと思っていたのだけれど、偶々手に取る機会が有り散見。 他はともかく高城亜樹のグラビアは良く出来ていた。
頑健な下半身や張った頬骨など、粗になり兼ねない部分も隠さずに且つ綺麗に撮って貰えている。
考えさせると死んでしまう表情も、放牧に出された動物のように生きたものになっている。
カメラマンが自分の流儀に拘泥せず、モデルを生かそうと撮ったグラビア。
懐都合さえ良ければ、これの為だけに買っても良かった。

週刊プレイボーイ 2011 41号 の深田恭子
今村敏彦が生々しく撮っているのだけれど、モデルが強いので破綻しない。
同時期に載ったビッグコミックスピリッツのグラビア(こちらは野村浩二)は、弄り壊してしまったようなところが有ったが、こちらは良かった。

週刊プレイボーイ 2011 41号 の小島慶子
沢渡朔の撮影。 39歳の小島慶子を糊塗せずに、且つ綺麗に撮っている。
若いモデル相手だと人の悪い撮り方もするし、それが良かったりもするのだけれど、頭も勘も良い小島慶子相手だと悪戯せずに撮っているのが微笑ましくあった。

_ フォトテクニックデジタル 2011 10月号

竹富聖花
9ページ7カット、見開き2箇所。 撮影は西條彰仁。
見開きに目次を絡めたり、変則的な割付けだが、判型の大きさを生かしてゆったり見せる構成。
世間はもうすっかり秋だが、夏の名残のグラビア。 目に力のあるモデルだからか、かなりのアップで撮ったカットも有り、肌の質感も割りと生々しく描写されているのだけれど、これで破綻しないのが竹富聖花の若さ。
演技の仕事を重ねてモデルとしても幅が出ており、目線を外したカットに味がある。
写真技術誌のグラビアなので、青年マンガ誌やアイドル専門誌と違って糊塗しなければならない浮世のしがらみも少ないのだとは思うが、肌の質感が厭味にならない程度に再現されているのは矢張り良い。

藤江れいな
セーラー服で6ページ5カット、撮影は萩原和幸。
Eos-1DsMarkIII とペンタ645Dでの撮影なのだけれど、ペンタ645Dで撮ったカットが素晴らしい。 一枚毎のデータ量が大きくなってしまうので使い勝手は必ずしも良くないらしいが、描写力と情報量、前後のボケ味が段違い。

藤江はメディアに登場する頻度こそ少ないが、少々釣り目気味なのが疵ではあるが顔の造作に関しては申し分無く、脚もコンパスのように細くて長い。
梅田彩佳の Night view DJ にゲストで出た時、間近で見た若者が帰りのエレベーターの中で「近くで見ると超絶カワイイんだぜ!!」と鼻息荒く語っていたのを見た事があるが、知られていないだけで素材としては素晴らしい。
今回のグラビアでは「美形感」に関しては引き出してもらっているものの、脚の長さ(スタイルの良さ)に関しては試みては貰っている(4カット目を見ると、ウエストの位置が高いのに気付く)ものの今ひとつ。 撮り方次第でもっと良くなると思う。
このグラビアの次のページには、撮ったカメラマンによる「ポートレート レタッチの教科書」なる教本の宣伝が載っているが、こう言う細かい仕事でも「撮って貰う機会」を貰ってきたイトーカンパニーの担当者は目の付け所が良い。
あまり売れていないAKB48メンバーを抱えている事務所の担当者は売り込む・育てる努力をしているだろうか。 AKB48本体の仕事を優先させられたりするリスクや制約は付きまとうと思うが、AKB48の看板で取れる仕事もある訳で、劇場公演も碌すっぽ無い上に、テレビの冠番組にもお呼びが掛からない、掛かっても並び大名扱いである状況のままお茶を挽かせておいても旬の時期を逃すばかりで良いことは一つも無い。(これはAKB48に限った話ではなく、ZONEあたりが酷かったが)飼い殺しにされたまま歳を重ねてしまう娘を何人も見て来たが、 ユニットを組ませて歌わせている事務所が増えたのは、飼い殺しにしない為にとりあへずやらせているのではないかと私は考えている。
閑話休題、「撮られる機会」の話。 以前も何度か書いたが、生写真撮影が「撮られる機会」の全てだと、いざグラビアだ演技だとなった時にまるで使い物にならない。 これは撮影会モデル慣れ(狎れ)しすぎたモデルにも言えるのだけれど、素でカメラの前に立てなくなる。
雑誌のグラビアとなると難しかろうが、こうした技術教本のモデルなら未だ押し込む余地は有る筈なので、どんな仕事でも良い訳ではないが、撮られる機会をより多く与えてやっていただきたい。

藤麻理亜
6ページ6カット、撮影は長野博文。
屋外で2カット、屋内で4カット。 屋外撮影分は珍しく夕景。
4カット目の構図のぶった切り方が面白い。 組写真なら、全体を収めずに部分だけで構成したカットが有っても良い。

6カット目はガラス越しに撮っているのだけれど、額の辺りに手をやってガラスに凭れてこちらを凝視する藤麻理亜の目から鼻にかけてピントを合わせている。
長野博文の場合、多少捻って撮ったカットでもそのまま誌面に載るとは思うが、ここまで思い切った構図のものは流石にこの雑誌でないと載らないのではないか。

_ UTB+ 2011 11月増刊号

鈴木愛理、前田憂佳、鞘師里保
UTB 出ずっぱりの鞘師里保と先輩二人を絡ませたグラビア。 10ページ21カット、見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
鈴木愛理と前田憂佳は似通った系統の顔立ちだけれど、鞘師里保は一寸違った古風な顔立ち。 朴訥にして清楚。

4ページ目、前田憂佳のバストアップのポートレートが絶品。 これ以上のものは中々無い。
ピントの置き所、深さ、露出、構図 etc...、全てが噛み合っており、憂いを含んだ前田憂佳の表情も良い。

鞘師里保に早くも変化の兆し。 撮られ慣れたのが悪い方に振れて、一寸媚びた様な表情が目に付く。
これを進歩と取るか退行と取るかは評価の分かれるところだとは思うが、持ち味が減殺されたと言う点に於いては矢張り退行と見るべきであろう。
朴訥さと言うものが見る者の幻想であったとしても、幻想を売るのがアイドルの仕事の一つではある。

鈴木愛理は撮られることに於いて一日の長があり、全てのカットでブレが無く「求められる鈴木愛理」であり続けており、それでいて巧んだところが無いのも良い。

前田憂佳は未だ少し「撮って貰っている」感じはあるが、それによって引き出された表情が良いので救われている。 受動的だからこそ醸し出される味わい。
憂いを含んだ表情が多いのは気になるが、それによって笑顔がより引き立っているのも確かであり、一概に悪いとも言えない。

とまれ、巻頭を飾るに相応しい見応えのあるグラビア。
かつては肝心なところでピントが甘くなる事がままあった佐藤裕之だが、最近はそんな事も無くなった。
マニュアルフォーカスのライカ M9 でこの打率は凄い。

逢沢りな
7ページ8カット、撮影は西田幸樹。
曇天の屋外と光の廻った屋内なので、どちらも柔らかな表情。
3ページ目のアップのカットは少々ピントが浅いが、表情そのものは良いので然程気にならない。
青少年の Libido を刺激しつつ、それだけでは終わらない7ページ。

橋本愛
6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は例によって熊谷貫。
時として踏み込みの浅い、切っ先の鈍った写真を撮ることもある熊谷貫だが、こと橋本愛に限ってはハズレが無い。
また撮り手によってはキツ過ぎたり甘過ぎたり振れ幅の大きい橋本愛も、熊谷貫だとブレが無い。

今回はボーイッシュな出で立ちでの撮影なのだけれど、それでいて表情は嫋やか。 撮る側も撮られる側もやる気漲る5カット。 漲るやる気と打率の高さが切ない。
これが職人としての矜持に起因したものなのか、熊谷貫個人の感情から来るものなのかは定かでないが、いずれにしても甘く切ない秋らしいグラビア。 眼福。

高柳明音
6ページ9カット、撮影は桑島智輝。
鳥好き女子の、鳥好き女子による、鳥好き女子の為のグラビア。 高柳明音へのご褒美の意味合いもあると思われる6ページ。
前半は鳥毛立女屏風のような白い羽根の衣装。 後半のインタビューの中で触れられているが、3ページ目で加えたオリーブの枝はノアの箱舟に新天地への到着を知らせる鳩が齎したもの。 遂に自分たちの演目を手に入れたチームKIIを寿ぐ暗喩。
後半はコンゴウインコのような極彩色の羽根ドレス。 こうして考えに考えたグラビアを組んで貰えるのも、高柳明音の人徳のなせる業であろう。
例によって額に斜めに海苔を貼ったような、前髪安定の髪形。 ペタリとした前髪を自我同一性の象徴とする芸風は漫画トリオに通ずるものが・・・と茶化して書こうかとも思ったが、正直申し上げて野暮ったい。 それでもこれが本人にとっては「高柳明音」の形なのだろう。
鳥グラビアとしては最高に近い出来映え。 これ以上のものを・・・となると、山階鳥類研究所に乗り込むしかあるまい。 同業他誌の蛮勇に期待したい。
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2011-09-25 idiot [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 42号

YJ7(市川美織、多田愛佳、北原里英、佐藤亜美菜、峯岸みなみ、山内鈴蘭、横山由依)
巻頭グラビア8ページ8カット、撮影は桑島智輝。
集合で始まり、あとは個別で1ページずつ。
左腕を枕にして横たわり、手前側に長い髪をうねらせているのだけれど、何時に無く大人びた表情の市川。
北原は白いファーの上にぺたりと座り、小首傾げて微笑むカット。 上手いこと白く撮ってある。 北原は idiot な感じの表情の方が映えるように思う。
多田は髪をアップにして反り気味に腰掛け、身体の線を綺麗に見せて「大人になりかけのあやうさ」を引き出して貰っている。
山内はウエストアップの立ちポーズ。 腕を背中に廻したのと、小首傾げたのがアクセントとして利いている。
佐藤亜美菜は光を強めに当てて魔法を掛けて貰っていたり、ポーズの妙で肉感的な部分を強調しつつ太く見えないようにしたり、三日目のおでんのちくわぶ見たような感じに写りかねないところを頃合に煮えたはんぺんの如く撮ってある。
横山は柔らかい笑顔の立ちポーズ。 安定して良い。
峯岸は流石の一枚。 横向きの所謂「体育座り」なのだけれど、膝を抱えて前傾した肩口から覗き込むようにこちらを向いており、これがまた良い。

佐藤亜美菜にしても北原里英にしても体形の粗はあるのだけれど、それを隠すのではなくそれを生かすべく工夫して撮って貰えている。
性衝動ではなく、情緒を刺激するグラビア。

YJ7(市川美織、多田愛佳、北原里英、佐藤亜美菜、峯岸みなみ、山内鈴蘭、横山由依)
巻中グラビア3ページ27カット、撮影は古賀良郎と藤丸修。
花やしきにて撮影。 3ページなのだけれど、手抜きは無く(寧ろ過剰)、揃いのようで揃いで無い白いワンピースと麦藁帽子。 園内で戯れる七人、小雨そぼ降る花やしきの甘苦い思い出を共有できるのは峯岸だけか。
固まった表情とポーズで畏まって写っていないので、佐藤亜美菜が特殊効果で痩せて見えるように撮った訳ではない事も判るし、他の連中も良い表情。
この「良い」は単に可愛らしく撮れていると言う事ではなく、一見可愛らしくない表情まで含めて味わい深く撮れていると言う事。

市川・峯岸対談
9期ともなると、既にAKB48が恒常的にテレビに出るようになってからの世代であるので、AKB48本体ではなくノースリーブスから入ったと語る市川に驚きつつ納得。
峯岸みなみも顔が大きい訳ではないのだけれど、市川と並ぶと矢張り一と回り大きく見えてしまう。

この対談は判っているライターの手による記事なので、牧歌的な市川の口調が文章で再現されており、峯岸と較べて平仮名率が上げてある。
峯岸の与えられた(求められる)役割をこなしすぎるのは気になるが、読み出のある記事。

_ 週刊ヤングマガジン 2011 42号

9ページ、撮影は唐木貴央。
最初のページとオマケピンナップの裏面を地続きにして都合3ページ使った集合で始まり、あとは個別で1ページずつ。
何となく引っ掛かるものがあって考えながら見直すと、グラビアの最初のページである部分、つまり左端の部分に高城亜樹、指原莉乃、河西智美で並んでおり、ピンナップの裏に佐藤すみれ、小森美果、宮崎美穂、竹内美宥。 指原、高城、河西の三人と残りの四人とでは、扱いにあからさまな差がある。
ピンナップの裏面まで使ってグラビアを構成する工夫、枠の中で出来ることをしようとする意気込みは感じられるのだけれど、その「枠」が目先の商売に囚われ過ぎていて、新たな需要を掘り起こそうとまではしていない。
個別写真は一人1ページ、河西と高城と宮崎はバストアップなのだけれど、河西はともかく宮崎と高城に関しては粗を隠して撮った消極性が興醒め。 ただ、この3枚に関しては写真そのものは良く撮れており、消極策ではあるが成功はしている。

しかし、佐藤すみれと小森美果に関しては扱いが雑なのが気になる。
小森が撮りにくいのは判るが、佐藤すみれに関しては撮られ慣れ過ぎたのが時として鼻につくことはあっても、もっと撮り様はあったと思う。

もう一つ鼻についたのは水着に入れた餡子の量。 寄せる肉が有る連中は良いとして、元本が無いところに無理に利息をつけようとした指原莉乃あたりは逆にその貧相が強調されてしまっている。
それがまぁ Justine 的な意味合いにおいて訴求力のある写真になっているのだけれど、これは文字通り怪我の功名。

ヤングマガジンのグラビアは一と言で言って「子供騙し」。 情緒より性衝動を刺激することを第一義に考えて構成されている。
巻末の秋月三佳のグラビアを見て驚くのが、その表情の種類の少なさ。 水着は布地面積の少ないものを取っ替え引っ換え6着使っているが、表情が全て同じ歯見せ笑顔。 肌さえ露出していれば良い下衆な写真、実に酷い。
これに較べればAKB48絡みのグラビアはまだ考えて撮って貰えている(これは対戦企画のページを見ても判る)
この雑誌の性衝動第一主義の縛りの中でよく頑張った、と、褒めておく。

_ 第73回浅草早朝寄席 〜錦魚・談奈二人会〜 (2011年09月18日 浅草東洋館)

月に一遍(ほぼ)東洋館でやっている二人会。 朝っぱらからの会なので寝坊して行かれない月もあるが、憶えていて起きられた月は行くことにしている。

「たらちね」 談奈
噺に入った辺りからあやうさはあったが、つる女が名前の由来を語り始めるところで詰まって端折る荒技。
本人は冷や汗じっとりだと思うが、これを笑いに転化出来るのは流石。
こう言うイレギュラーな部分で起きる笑いも含めたものが生で観る演芸の良さだと私は思う。

「そば清」 錦魚
マクラで先ほどのトチりをちくりと腐したり持ち上げたりしてから噺へ。
考えように(演りように)よっては陰惨な噺なのだけれど、それを重く聴かせないのが良い。

「漫才」 カントリーズ
オーソドックスな東京の漫才。 出だしは重かったが、徐々に笑いも起こるようになり、それで乗ってきたのか尻上がりに面白くなりろ、どっと受けて終わった。
芸歴はまだ浅いそうなのだけれど、先の楽しみなコンビ。

「目黒のさんま」 談奈
こちらもあやうさを孕みながらの一席。
この人は多少危なっかしい時の方が楽しい高座になる。 それが「笑われる芸」ではなく「笑わせる芸」になっているのが面白い。
このあたりが「判っていて且つ温かい客」に愛される所以なのではないかと思う。

朝っぱらからの会にしては中々の入り。 フリの客は前の方に、訳知りは後ろの方に座る傾向があるようで、それは弁当幕に奇禍に遭わぬ為の自衛策なのではないかと思う。
伸び盛りの二つ目二人が合わせて三席演って、おざなりでないゲストも入って500円と言う破格の会。
のんびり行っても入れるのは嬉しいが、もう少し入っても良い。
長く続いて欲しい会の一つである。

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2011-09-19 雑味が無い [長年日記]

_ Fairies デビューカウントダウンミニライブ@ラクーア ガーデンステージ

ヴィジョン・ファクトリー(ライジング・プロ)の送り出す7人組ユニットの前煽りイベントの2部を観覧。
1部と2部の間の中途半端な時間に着いてしまったので、暫し客席とスタッフの動きを観察。
1部が14時から、2部が16時半からと言う間延びしたタイムスケジュールだったのは、音楽に合わせて噴き出す噴水の放出が16時からであり、その時間は噴水の音響が優先されるからであるようだ。

噴水の音楽が終わる頃合で前説のスタッフが舞台に上がり、司会を勤めるアンバランスの二人を呼び込む。 伊達や酔狂で長いことやってないのは分かる司会振り。 客や同業者(アイドル)を評した危うい発言は幾つか有ったが、アイドルと言うもの(そして客)を見下げたようなところはなく、ソツの無い仕事。

スタッフはポスターを貼り付けたスチロール板を掲げたり、通行人にチラシを配ったり、それなりに仕事をしており、SUPER☆GIRLSなどでよく見られるような「くっ喋って油売ってるバカ」が居なかったのには感心した。 同じ金が掛かったモノでも、「アイドル屋ごっこ」と「アイドルビジネス」の違いがある。

ミニライブはダンスのみで1曲、歌ありで2曲。 カッコイイに振った More Kiss とカワイイに振った Song for You 。
そんなに高度な事はやっていないのだけれど、構成の妙で「凄そう」に見える。 この辺りはK-POPに通ずる「カキワリ感」。
リズムがはっきりしていて、それに合わせた振り付けなので動きが合わせ易く、合わせ易いから揃って見える、揃って見えるから凄そうに見える。
ダンスに注力した分、歌はおざなり。 力点がはっきりしている・・・と、好意的に解釈。

撮影可なので、前二列はデジカメの砲列。 こんな光景も久し振りに見た。
私も散歩用に持ち歩いていたデジタル一眼を出して撮ってみたが、コレがまた思いの外詰まらない。
前述の通りリズムのはっきりした曲とそれに合わせた振り付けなので、リズムに合わせてシャッターさえ切っていれば、どんな馬鹿が撮っても決めポーズは押さえられる。 なので一定の質の写真にはなるが、そこから先の +α が乗せにくい。
撮っていて詰まらないもう一つの理由は、歌っていないから。 歌っていないと言うか、歌に力点が置かれていないから、動きの正確さにはプラスに働いても動きに情念が乗らない。 何と言うか、釣堀での釣りのような感じ。
私にしか撮れない写真にならなければ、私がシャッターを切る必要は無い。

危なげ無い衣装なので謎が写る気遣いも無いし、誰が撮っても一定の質の送り手の意図に沿った大量の写真が拡散する訳で、広報の一助にはなるのだろう。

演る曲が少ないのと、喋りが拙いのとで、アンバランス主導で握手会までの間繋ぎをひとしきり。 大阪出身のメンバーの居住地域を掘り下げようとするアンバランス山本。「ほら、キタとかミナミとか。」
東西南北の北と南と言う意味合いで言ったのだと思うが、二重の意味で危なかった。

撮る客が多いので客席は比較的大人しく、民間人が指差して嗤うような奇怪な挙動の客が少なかった事もあってか、嘲笑的な通行人には遭遇せず。

よく訓練されていて、可愛く無い娘も居ない、上手く作ったユニットではあると思うが、雑味の無さ加減が私には物足りない。
物足りなくはあるが不快ではなく、雑味が無い方が美味しいと感じる層には受けると思う。

2011-09-13 愉しみ方は人夫々 [長年日記]

_ 週刊ヤングマガジン 2011 41号

指原莉乃
7ページ11カット、撮影は中山雅文。
指原が巻頭グラビアと言う事で期待して買ったのだけれど、よりにもよって中山雅文。
例によってダケレオタイプ時代の肖像写真の如く、固まったポーズの静物画のような撮り方。 背景も含めて固まった「死んだ時間」の中で指原莉乃だけが生きており、怪我の功名で見応えの有るグラビアに仕上がっている。
これは悲惨な現場で経験を積んだ指原の現場対応力が、中山雅文の意図を超えて写真を生かしたからだと思う。
歯見せ笑顔が単調なのが瑕だが、他は押し並べて良い表情。

_ 更新情報

コラム的な提言

握手会に行かないという選択肢

をアップロード。

私は突発的な事態を除いて、AKB48では接客イベントに足を向けないので、長らく見ている割に私の顔を知っているメンバーはまず居ないと言って良い。
それでもそれなりに楽しくAKB48を見て来られた。 そう言う愉しみ方も有る。

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2011-09-12 塗り絵 [長年日記]

_ 週刊ヤングマガジン 2011 40号

奥仲麻琴
7ページ19カット、撮影は小塚毅之。
この雑誌の塗り絵のようなグラビアには些か辟易していて、余程の事が無い限りは買わなくなってしまったのだけれど、今回はその「余程の事」だったので買ってみた。

ヤングマガジンらしい、青少年のリビドーを刺激することに重きを置いた構成。
ここ半年くらいの間に随分大人びてきた奥仲麻琴と、ヤングマガジン側が描いた絵図との間に齟齬をきたしており、奥仲麻琴の「今」とはかけ離れたグラビア。
先入観抜きにして撮れば、もっと違ったものになっていたのではないか。

以前から漆喰で塗り固めたような肌の描写であったり、おかしな色見であったり、写真と言うより塗り絵に近いグラビアは受け入れ難かったのだけれど、それがカメラマンではなくアートディレクションに係る問題なのではないかと指摘を受けて腑に落ちた。 確かに、誰がどうと撮ってもこうなる。
化学調味料を大量にブチ込んで元の味が分からない感じ。

最初から状況設定の枠に嵌められた中で、奥仲麻琴は与えられた役割も演じつつ、2ページ目の小さな扱いの写真の中では「奥仲麻琴」としての顔も出している。 この辺りは褒めて良い。
然し乍ら、狙いのあからさまな、一と昔前の心交社のようなセンスで組み立てられたグラビアは、講談社として如何なものか。
そして、結果的に良く撮れた写真より、元の構成案上で必要な写真を大きく使うような硬直したセンス。
久しぶりに買ったヤングマガジンは思っていた以上に旧態依然としたものになっていた。

小森美果
4ページ6カット、撮影は飯塚昌太。
こちらも塗り絵グラビア。 生命の息吹が感じられない。
グラビアとなると固まってしまってその不可思議な部分が出て来ず、怪しさだけが出てしまうきらいのある小森だが、今回はそれに塗り絵が拍車を掛けて「白塗りオバケ」みたようなのになってしまったカットすら有る。
そんな中でも1ページ目とか2ページ目上段左などは珍しく柔らかい表情。
このあたりは小森の撮影に臨む際の心の持ちようと、そんな小森を分かった上でどう撮るか、主に後者に係る問題。

手島優
4ページ6カット、撮影は井ノ元浩二。
当節はこうした゜あからさまなモノが流行るのだとは思うが、ヒネリの無さには眩暈がする。
下品な格好をすれば色気が出るとでも思っているのだろうか。 手島優は撮り方次第で随分変わるし、下品さを感じさせずに扇情的な表情を出す事もできる。
素材を矯めて殺した勿体無いグラビア。 これもカメラマンの所為だけとは言い難い。

YM7のやっぱり負けたくない 第19回
高城亜樹に自慢できる趣味を身につけて貰おうと言う企画の前編。 今回はセグウェイとリカンベントタイプの自転車に挑戦。
昨年の週刊プレイボーイは、柏木由紀の人気におんぶにダッコで他の連中は並び大名扱いだったが、今年のヤングマガジンは個々のメンバーと向き合い、それぞれのキャラクターに合わせて企画を組んでくれている。

頭は弱いが運動神経だけは秀でている高城亜樹にセグウェイとリカンベントを宛がうってのも的を射ている。
セグウェイはともかく、多分キュロットなのだとは思うが、リカンベントに股おっぴろげてスカートで乗ると言う恐ろしい図。
これが構図の妙で危なげない写真になっているのは流石。 私が書いている字面ほどの危うさは無さそうに写っている。
そして楽しいことをしている高城亜樹の表情の良さ。 それが印刷の悪いモノクロページの小さな写真で伝わりにくくあるのが瑕だが、良く出来た3ページ。

グラビアの出来はいただけないが、AKB48絡みの企画を読むためなら十分買う価値は有る。

_ 更新情報

コラム的な殴り書き

断末魔

を更新。
照れる平嶋夏海が愛らしかった。

_ 短評

秋の交通安全運動のポスターの大島優子がべら棒。
この手のお役所仕事のポスターはだれがやっても仕事の性格上どうにもならないのだけれど、これは凄まじく良い。
大島優子、つくづく厭な女だと思う。 凄過ぎて褒めようが無く、貶しようも無い。

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2011-09-07 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2011 40号

順番は前後するが40号を先に。

有村架純
7ページ10カット、撮影は細野晋司。
如何にも細野晋司らしい10カット。 靡く髪で動きを出しつつ、速いシャッタースピードで被写体のブレは皆無。
良し悪しではなく好みの問題では有るが、動きが有るようでいて止まってしまっている、この「止まり切った」写真と言うのが私は好きではない。
しかし、晴れた日の屋外で撮った割りに表情は柔らかく切り取られており、この辺りは矢張り上手い。 6ページ目が良い。

横山由依
5ページ7カット、撮影は細居幸次郎。
twitter で募った短歌から三首を撰んで添えたグラビア。 これまで見た横山由依のグラビアの中では最良、兎に角引きが強い。

短歌は、このグラビアの為に寄せられたものであり、且つ横山由依に捧げられたものでもある。
認知認知でガツガツする輩ばかり目に付く昨今、こうして無償の行為に頭を捻る連中が多かったことは嬉しかったし、載った短歌は質も高く、AKB48界隈でまだまだ頭を使って遊ぶ余地が有る事が分かったのも収穫であった。

さて、写真そのものの話。
巻頭とは対照的に静的なグラビアなのだけれど、1カットに籠められた時間は量的にも質的にも段違い。 噛めば噛むほどに味わい深い。
撮られ慣れて柔らかい表情が出せるようになって来たとは思っていたが、これ程とは。
未だ一寸抜けたところが有るにはあるが、目線の来ているカットも外したカットも、仮面を被ったような作為的な表情は無く、内側から滲み出るような柔らかさ。
指先にも表情が有るのだけれど、これは大島優子のようなねっとりと絡みつくようなそれではなく、しなやかで強い意志がふとした瞬間に現れたようなもの。
横山由依「らしさ」というものが、撮られた写真にも出せるようになって来た。 眼福。


2011-09-05 [長年日記]

_ 「4つの駒 THE FOUR PIECES」

折井あゆみ、ひさびさの舞台出演。
客が折井を裏切ることはままあっても、折井が客を裏切るような仕事をしたことはついぞ無い。
今回も良い役を貰えているようで嬉しい。

「4つの駒 THE FOUR PIECES」

●キャスト

海老澤健次
平田裕香
折井あゆみ
浅倉一男
松下萌子

永沢たかし(磁石)Aキャスト
佐々木優介(磁石)Aキャスト
土谷隼人(ななめ45°)Bキャスト
黒田俊幸(ダブルブッキング)Bキャスト

堀川りょう



9月8日まで、青山円形劇場。
公演の詳細は、折井のブログのこのエントリでどうぞ。

_ 更新情報

コラム的な殴り書き

大姦は忠に似たり

をアップロード。
乱文にて失礼。

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「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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