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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2017-07-23 FOX [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 32号

武田あやな
表紙と巻頭7ページ14カット、撮影はTakeo Dec.
カメラに対しても布面積の少ない水着に対しても耐性が出来ているので、構えずにカメラと向き合えているのは良い。
ただ一寸笑顔が単調で、表情の諧調に乏しいのが瑕と言えば瑕。
1ページ目や6ページ目の、笑顔ではない写真に、私は惹かれる。
撮る側は撮られる側の引き出しを開けている訳で、それを選ばない者が居ると言う事であろう。
一寸勿体ない。

鈴木陽菜
巻中4ページ13カット、撮影は栗山秀作。
東宝シンデレラオーディションのヤングジャンプ賞。
初々しさと美少女感が良いバランス、この味は今しか出ない。

かつての制服コレクションを思わせるヤングジャンプらしいグラビア。
背景を縦横の線が横切り、微妙に首切り串刺しになってしまっているカットもあるのだけれど、そこはぼかして回避。
危険を冒しつつ敢えて背景に盛り込むことの画面効果の方を採った感じ。
解り難いけれどよくよく見ると凝っている、栗山秀作らしい13カット。
最後の河川敷に立つカットが特に良い。
背景と被写体との距離、カーブする道に対する被写体の配置、撮影者と被写体と背景との距離のバランス、レンズの選択。 全て噛み合っている一枚。
眼福。

ジャスミンゆま
巻末4ページ10カット、撮影は桑島智輝。
髪の量が多いのかあしらいに苦労が見られるように、少ないものを多く見せたり、その逆だったり、さまざまな細かい工夫の積み重ねで組み上げた4ページだが、少々無理があるように思える。
素材としては悪くないが、カメラマンの更に向こう側にあるもの、良く見せようとする意志が見えすぎる。

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 33号

柏木由紀
表紙と巻頭7ページ15ページ、うち見開き1か所。 撮影はTakeo Dec.。
肌や髪には年相応以上の綻びも見られるのだけれど、それを補って余りある撮られ方の巧さ。 今が一番良いのではないか。
全カット殺しに来ていて「素の柏木由紀」なんてものは何処にも無いのだけれど、酸いも甘いも嚙み分けた柏木の手練手管に翻弄されるのも悪くないし、ただの狐ではない柏木をそうと分かった上で撮るTakeo Dec.も上手い。 そしてそうなるように仕組んだ担当編集も人が悪くて良い。

倉持由香
巻中2ページ9カット、撮影はHIROKAZU。
広告としての扱いなので表紙にも目次にも載らないが、グラビア的に見開きでの掲載。 独立独歩でここまでやれている倉持には敬意を表したい。

渡辺梨加
巻末4ページ8カット、撮影は阿部ちづる。
表情はほぼ一種類、ポーズと髪型と服だけが異なる8カット。
顔のパーツが正面を向いているので、美しく見える角度もそう広くはない。
これで押し切る渡辺梨加の素材としての強さも驚きであるが、小道具などを使いつつも全てを当たりカットにした阿部ちづるが上手い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 34号

武田玲奈
頑なにカラーコンタクトの装着を続けてカメラの前に立っていた武田玲奈が、それを外したと言うのが第一の驚きであった。
全カットそうなのかは分からないが、それと分かる1ページ目のカットは訴求力が高い。
その辺りもあってか、人としての感情が宿ったような写り方に変わっていて、私は良い傾向であると感じた。

阿部ちづるは寄りでの画面構成が巧い。
きっちり構図を切りつつ、表情は生きているのが良い。

梅澤美波
巻末5ページ8カット、見開き1か所。 撮影はTakeo Dec.。
表情は諧調に乏しいが、カメラとの向き合い方は自然で、一寸硬いが悪くない。

ハイキーに飛ばし気味の撮り方は好みでは無いが、撮り方としては上手い。
脚の長いのを強調するポージングと構図、それを生かす割り付けも良い。

_ 泉里香ファースト写真集「Rika!」

発売日に書店に行けば買えるだろうと多寡を括っていたらまさかの売り切れ。 区内から秋葉原、神保町まで足を延ばしたが全滅。 一と月待って漸く手に入れた。

撮影は中村和孝。 ページを繰って行くと、写真は悪くない。
同じ服、同じ水着でも、綺麗と艶で撮り分けているから、男性女性どちらが見ても満足できる。 それぞれが見たい泉里香が其処には居る。

ただ、衣装ごとに短い物語が展開され、終わる。 それぞれの物語に繋がりは無く始まりも終わりも唐突。 写真集としての通底した物語は存在しない。
泉里香と中村和孝の仕事を纏めたポートフォリオとしては及第点だが、写真集としては落第。

中村和孝にその力量が無かったのか、そこまでの仕事は任せなかったのかは分からない。
しかしSDPが出版社として無能であることは明らかである。

写真集全体の物語を紡ぐことの出来なかったのは編集者の力量不足であり、写真集とは写真の繋がりによって物語を作り紡いで出来上がるものであると言うことを知らなかった出版社としての無知に起因する。

芸能事務所が収益率を上げるために多角化し、出版に手を染める事例が散見されるが、大抵プロの仕事と言うものを舐めている。
発売当初の品薄も、需要を読み切れなかった事によるものであり、機会損失は小さくない。
餅は餅屋に任せるか、餅を搗ける体制を整えるか、何れにしても肚を括るべきであろう。


2017-07-22 リック・ランセロッティ [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 28号

澤北るな
表紙と巻頭、撮影はTakeo Dec.
「夏だ海だ水着グラビアだ」と言う感じの、良く言えば古典的、悪く言えば退屈極まる8ページ12カット。
ほぼニコパチの、眩しくて目の開かない歯見せ笑顔。 身体を見せるものと考えればこれで良いのであろう。

仲村美海
巻末6ページ8カット、撮影はTakeo Dec.
こちらも良く言えば初々しく、一寸硬いが、光が柔らかく廻る環境で撮っているので表情は辛うじて生きている。
粗を隠して美点を見せるポージングも相俟って見られる出来。

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 29号

中井りか
表紙と巻頭8ページ14カット、撮影はHIROKAZU。
或る程度自由に振る舞える媒体では水を得た魚の中井りかであるが、静止画との相性がよろしくない。 謎の拘りがあったりして撮る側も大変だとは思うが、宥めたり賺したり試行錯誤を重ねて撮ればそれなりに当たりカットは出来て来る。
これがコンスタントに出て呉れれば楽なのだけれど、当たればデカいがホームランか三振。 打率2割1分8厘でホームラン39本のような感じ。表紙をめくると現れる扉の写真なぞは、まさに先頭打者ホームランの趣だが、打棒爆発とは行っていない。
丸くなったら詰まらなくなってしまうのかもしれないが、撮られる事には慣れて欲しい。

倉野尾成美
巻末6ページ11カット、撮影はHIROKAZU。
トヨタらしいと言えばらしい、アイドル界の都市対抗・・・の、ようなもの、AKB48チーム8熊本県代表の倉野尾成美。
目まぐるしく変わる表情を見せたかと思えば、カメラと素で向き合うことも出来る。
撮る側撮られる側撮らせる側、息の合った佳品。

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 30号

えなこ
表紙と巻頭6ページ13カット、撮影は桑島智輝。
この手の限られた材料で組み上げて行くグラビアは矢張り巧い。
元になる漫画に寄せ過ぎると窮屈で退屈なものになりがちなのだけれど、換骨奪胎して被写体を生かしている。
コスプレ方面のモデルは「見せたい自分」しか見せたがらないのだけれど、八割満足させて二割やりたくない事もやらせるような人の悪い撮り方。

小日向結衣
巻中4ページ12カット、撮影はHIROKAZU。
こちらは「コラボグラビア」を言い訳に、最低限の部分でやるべきことをやったら、あとは野となれ式のもの。
モデルの特質は生かして撮れている。

加藤里保菜
巻末5ページ13カット、撮影は西村康。
眼鏡ありきでの人選だったのか、全篇眼鏡。
同じデザインでレンズ入りのものとレンズ無しのものを使い分けるなど、芸は細かい。
眼鏡が同じだと、視点が引っ張られてしまって表情に変化が付きにくいのだけれど、口の開け閉めを大袈裟にしてアクセントにしている。
この辺り、伊達に長くやっていない。

_ 週刊ヤングジャンプ 2017 31号

竹内愛紗
6ページ18カット、撮影は藤本和典。
「あの事務所が好きそうな顔だ。」と言う友人の評に唸る。 よくもまぁ見つけてくるものである。
表情は単調なのだけれど、動かすことで引き出しを開けている。
顔見世としては充分以上の出来。

松下玲緒菜
巻末6ページ9カット、撮影は細居幸次郎。
屋外撮影分をアクセントに、屋内でじっくり撮る細居幸次郎の横綱相撲。
撮り手が古谷完ではこうは行かない。 引き合いに出して上げたり下げたりするのは好まないが、マネジメントをしたいのか手活けの花にした上で見せびらかしたいのか判然としない遣り口には毎度辟易していたので、腕っこきのカメラマンにきちんと撮らせたグラビアになっていたのは喜ばしい。
ウエストを細く見せようとするあれやこれやにが苦笑を誘うが、写真としての出来は悪くない。


2017-07-18 月曜日のSUNDAY GIRLS [長年日記]

_ SUNDAY GIRLS 5(2017.07.17 神保町試聴室)

振替休日の月曜だが SUNDAY GIRLS 、早くもと言うか漸くと言うか5回目の開催。
「神保町試聴室」だが住所としては西神田3丁目。 神保町駅からも九段下駅からも水道橋駅からも、等しく遠い。
周囲は学校とオフィスビルなので、休日の午後は人影もまばら。

例によって10分ほど遅れて開場。 西日にたっぷり焙られたあとのビールが沁みる。
次のライブがあって出演後に移動するSAKA-SAMAが前物販。 お祭りムード。
前物販が終了し、BGMの音量が上がって下がってフェードアウトして開演。

姫乃たま
訳知りの演者と訳知りの客。 確信犯同士のの腹の探り合い。
良く出来た予定調和の中で進行するライブ。
韜晦なのか前面には出さないが、丁寧に作り込まれた楽曲も良い。

SAKA-SAMA
何とも形容しがたい奇天烈な曲。
仕掛ける大人の趣味嗜好が出た楽曲だが自由に歌い踊っており、実に愉しそう。
やらされてる感が無いのは良い。
戸惑いつつ見始め、あっけにとられているうちに終わった。

宗像明将×関美彦×姫乃たま(鼎談)
宗像明将はリリースイベント週が終わると精神状態が悪くなるとの事で、不機嫌だが饒舌な状態で始まった。
「Stereo Tokyo はっきり解散しないままサイト削除」な話など、昨今の宗像の「不愉快の種」についてひとしきり。
関美彦が制服向上委員会に楽曲提供(初のアイドルへの提供曲が制服と言う修羅の道 )したことを発表するも、宗像が話の腰を折って終了。
(※ちなみに作詞はサンダル高橋。)

宗像明将がサンダル高橋の政治的言動について腐していたが、あんなのは所詮ファッションでやっているにすぎないので、政治でも何でもない。
そもそもサンダル高橋に人の道を説く資格なぞ無い訳で、真に受けてはいけない。
宗像は「知っている事」について語っている時は放言でも聞き流せるが、したり顔で知りもしない昔のことを語り出すのはいただけない。
ボロしか出ないのだから止めた方が良い。

小林清美
様々なアイドルに提供した楽曲をセルフカバー。
アイドル的な振る舞いをしながら歌う事に味を占めたらしく、楽し気に客を煽る。 ひとしきりそんな感じで歌った後、ピアノ弾き語りに移行。

「さよなら惑星」に感服。 Peach sugar snowの儚げな歌声とは打って変わって、力強いピアノと毅然とした歌唱。
別趣の物になっていたが、これがまた良かった。

作文と化してしまった歌詞が蔓延る昨今であるが、小林清美の書くそれは、解釈と想像の余地を残した詞であり、詩である。
歌い手が変わり、解釈が変わるとまた別の意味を持ってくる。

Mi-Ⅱ
「Mi-Ⅱ?」と思ったら曲が始まって石田彰プロデュースの富士山麓アイドルであったことを知る。 歌って踊っての部分がしっかりしていて更に驚く。
間繋ぎのお喋りでは、近況として「自校(※自動車教習所の意)に通っている」てな感じで、じつに牧歌的。
曲が始まると鋭く激しく踊ってしっかり歌う。 もっと緩い感じのものだと思っていたので意外だったが、感心しつつ堪能。

ユメトコスメ
ユメトコスメはサポートバイオリンを加えた3人編成。
こともなげにやっているが恐ろしい技巧。 長谷泰宏のピアノが、いつもながら洒落乙で華やか。
長谷泰宏はピアノを弾く姿も実に絵になるのだけれど、今回は下手に座れなかったので撮れていない。 優しくも強くも弾けるのだけれど、タッチが柔らかいので耳への辺りは穏やか。 そして要所々々でグリッサンド奏法、これが良い。
譜面台を二個並べて長大な楽譜と向き合うユメトコスメサポートバイオリニストの田中氏。
ポロシャツに半ズボンと言う夏休みの少年のような出で立ちでいて腕っこき。

やさしくせつない歌声。 華やかで明るいピアノ。 的確に音を刻み耳をくすぐるバイオリン。
何も考えたくなくなり、何も考えなくて良い。 ユメトコスメの音楽にひたる至福のひととき。

南波志帆
出囃子代わりに The Cardigans の "Lovefool" を流し、口ずさむような口ずさまないような感じで、何やら良い香りを漂わせつつフワリと登場。
得も言われぬ良い香りを纏い、歌えば場を支配し、語れば相手を手玉に取る。 そして舞台からの「圧」が桁違い。
徳が高い。

後半はユメトコスメの長谷泰宏を呼び込み、ピアノ伴奏で。
モニタースピーカーからの返しが弱くて音がとり辛かったらしく、ミキサーとやり取りをしつつ歌っていたのを見ていての対応だと思うが、いつもより強めの大きな音で弾いており、南波志帆も歌いやすそうだった。

音数が多く、諧調が豊かで、演奏として聴き応えのあるものでありつつ、伴奏としても機能している。
南波志帆は「世界の長谷」と執拗に持ち上げていたが、そう言わせるだけのことは有る至芸。

外はうだるような暑さ、中も冷房は機能していつつも静かな熱気に満ちていた。
SUNDAYGIRLSは関美彦の顔付けが素晴らしい。 目と耳の肥えた音楽家が「見たい」「聴きたい人」を呼ぶシステムだからハズレが無い。
そして呼ばれた人と呼ばれた人が繋がり、其処此処で新たな化学反応。

_ 臆面

Mi-Ⅱの出番が終わり、目当てで来ていた客が物販に行って空いた最前列の席に、南波志帆目当ての客が移動してきたのだけれど、ユメトコスメの出番中にずっと携帯と睨めっこでLINEをやっている。
で、南波志帆の出番後半にゲストピアニストで長谷泰宏(ユメトコスメ)が登場すると、臆面もなく拍手で迎える。

天知る地知るどころではなく、客からも演者からも可視化されている状態でこの振る舞い。
「人と人との繋り」に鈍感な人と言うのがコアな客の中に居たのに驚いた。
どの面提げて物販に行くのだろう。

_ 聴けない客

昨日気になったのは、なんと言うか「聴けない客」。
聴くと言う行為に集中できない客が、隙あらば手拍子を入れてくる。 それも繰り返しの部分が表になったり裏になったり。
長谷泰宏の伴奏を超えた伴奏と、さらに挑発するような南波志帆の歌声。 スリリングな駆け引きが行われているのに、聴けない。
「手拍子=盛り上がっている」と言う短絡的発想。


2017-07-15 「私」と「我々」 [長年日記]

_ 中藤毅彦写真展「Street Rambler-Paris」

日比谷線広尾駅から歩いて数分、外苑西通りから一本裏に入ったところにあるエモンフォトギャラリーが会場。 路地裏で且つ半地下になっているので非常に静か。 落ち着いて写真を見られる環境。
これまでに撮り溜めたパリの写真から新旧大小取り混ぜて展示。 全てモノクローム作品。

対象との距離の取り方、向き合い方は変わらないのだけれど、撮った時期によってカメラや感光材料が異なり、それによってプリントの風合いはざらついたものになったり、しっとりしたり。
写っているものや撮り方が似通っていても、カメラや感光材料のフィルターを通すと違う絵になる。

ざらついたプリントに写るのは光の街としてのパリ。 シャドーが潰れやすく、黒寄りの諧調は乏しいが、ハイライトは割かし頑張ってくれるので明るい絵になる。
しっとりしたプリントに写るのは影と闇の部分が多めのパリ。 黒と「黒と灰色の間の色」の諧調が豊かなので、暗めの絵になる。
私の好みのプリントは最近のしっとりしたものなのだけれど、銀塩時代のものと思われるざらついたでしか見えてこないものもある。

パリの空に十文字に飛行機雲が交わる写真。 よく見ると他にも何本かの飛行機雲の航跡。
逆光で撮ったシャボン玉は光を吸って輝き、街角の店仕舞いした飲食店だろうか、売りに出されたカトラリー、西に傾いた陽の光が長い影を描き出す。
私の好きな光景。

撮られることを気に留めない人は徹底して気に留めない。
勿論撮られることを嫌い拒絶する人もいて、そう言う人は写真として残らない訳だが、それでも気に留めない人の気に留めなさ加減は矢張り徹底していて、意識はこちらに向いていつつも一顧だにしない。
撮影者が被写体を通して写真に残りにくい街なのだと思う。

然し乍ら土着のパリ人と移民と思われるとでは、撮影者に対する無関心の質が異なる。
自分以外に対する無関心と自分たち以外に対する無関心。
「私」と「我々」
古き佳きパリの残滓と生々しいパリは、並行して存在していつつ交わらない。

カメラとプリント、被写体となるものとの向き合い方や距離感etc...、見て感じたことから色々考えつつも、沸々と写真が撮りたい気持ちが満ちてくる、素敵な写真たちだった。

_ 杉原杏璃 写真展「Last Kiss」photographer 上野勇

会場は渋谷と恵比寿の間にある tokyoarts gallery。
杉原杏璃の最後のDVDを記念した写真展であり、上野勇にとっては初の個展でもある写真展。
そんなこんなで何時にも増してスタンド花が多い。

カラー14点、モノクロ4点。 ポストカードサイズのものが廉価で頒布されていた。
目を惹いたのは天井から床まで届くような縦位置の巨大プリント。 タペストリー的な雑なものでは無く、しっかりプリントしてあるのが凄い。
こちらは値付け無しの入札式になっており、最終日に開けてみて最も高い値を付けた人のところへ行くらしい。

レタッチは勿論してあるのだけれど、生々しさを残してあって程が良い。
構図もかっちりしていて、全て一枚で語り切れる強い写真。
寄りも有れば引きもあり、必要な絵は全部揃っている。
仕事師としての上野勇に唸らされた。

_ かめこ展 vol.10

アンデパンダンのポートレート展
デザインフェスタギャラリーに東館が有る事を知らず、右往左往したが何とか辿り着けた。

テーマは「日本」と言う事になっていたが、縛りは極めて緩く、それぞれがそれぞれの日本を撮影。
其処此処で来客と撮影者の写真談義。 自作について語れる何かを持っている人が集まったことによる熱気と祝祭感。

作風や目指すところはバラバラであるように見えて、祝祭空間を共有し支えるという点では一致している。
この緩やかな繋がりがコミュニティを支えているのだと思う。

私の見たい写真の割合は少なめなのだけれど、その「見たい写真」のレベルは高く、ふと目に飛び込んで来た写真に感心させられたりもするので、行けば確実に視野は拡がる。


2017-07-09 グレシャムの法則 [長年日記]

_ CURATIONS1周年記念イベント

勝手がわからないので早めに会場へ。 チケット引き換え時間に窓口に行くと私が口開けの客だった。
訳知りの客は三々五々集まり、開場までにはそれなりの数に。 現状では未だ、頑張らなくても見やすい状態で確実に見られると言う事らしい。

定期公演的なもので「ノルマ会」と言うのが有り、これまでお誘いなど受けたりしつつも「ノルマ」と言うのが引っ掛かってしまって未見だったのだけれど、先日のわろっぷ最強夏祭りで行われたライブ「notall × CURATIONS × きゃわふるTORNADO」が思ったより良かったので足を運んだ次第。

一周年と「ノルマ達成」のご褒美でCDが作って貰えたと言う二つの慶事が重なったライブ。
歌って踊っての部分はしっかりしていて、喋る方も抜けるところは抜けつつも締めるべきところは締める。
客もワイワイやりつつ羽目を外し過ぎない。
色々な意味で「程が良い」。

屋外の大規模ライブなど競合するイベントやライブが重なった日曜とは言え、周年イベントの集客としては厳しさを感じざるを得ないところは有り、メンバーも所感を述べる際に涙ぐみつつ言及していたが、CURATIONSのライブやイベントの「居心地の良さ」に関しては同業他社に対するアドバンテージに成り得ると、私は思う。

身の回りの客と話しても、イベントでの動員は大手以外厳しいようで、明るい話はついぞ聞かない。
「景気が良いとアイドルには金が落ちない。」(※もっと即物的な娯楽に落ちる)などとも聞くし、アイドルと言う市場そのものが収縮しつつあり、且つ大衆が「知っているもの」にしか興味を示さないという傾向も縮小再生産に拍車をかけているとも考えられる。
然し乍らグレシャムの法則が、送り手側ではなく客の側に働いていると仮定すると、良質な現場であると言う情報が共有されることで市場が拡がる可能性が無いとは言えない。

「集客を増やす」と言うのは、何が正解か分からない中での試行錯誤を強いられる目標であり、重ねた苦労の割に得られるものが少ないこともあるが、実った果実は労苦を癒してくれると思う。

人生の苦みを感じさせるところは有ったが、それすらも後味としては良かったと思える、楽しいライブだった。
こう言うものが、私は見たい。

特典会は無料の全員握手会の後はワンショットチェキなどの「訳知り向け」のものから。
CDを買った人向けの当日限りの特典券が配布されており、一見の客や関係者(親御さんや親類縁者と思しき人々)はそちらを持っていたのだけれど、説明が無かったこともあって待ちぼうけ。
新規の客を獲得しようとするなら、一見の薄い客を如何に取り込むか考えた方が良いように思った。
対応そのものは丁寧で悪くないし、メンバーも考えて能動的に動いていた。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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