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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より

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2012-05-13 [長年日記]

_ UTB 2012 6月号 続

鞘師里保×石田亜佑美×田村芽実
6ページ10カット、撮影は佐藤裕之。
鞘師里保は当世風の顔立ちでは無いのだけれど、妙に絵になる。
放出するのではなく吸引するような、不思議な力が有る。
石田と田村は未だ硬いところがあるのだけれど、鞘師はカメラの前での振舞いが変わらない。

本村碧唯・宮脇咲良・谷口愛理(HKT48)
5ページ7カット、撮影はサトウノブタカ。
HKT48の「手をつなぎながら」公演で「ウィンブルドンへ連れて行って」を担当している3人。 前半は集合で4カット、後半は一人1ページ1カット。
強すぎず弱すぎず、光のコントロールが上手い。 まぁ私の好みからすると若干強いかな・・・とは思うのだけれど、表情は生きているのでこれはこれで良い。
宮脇咲良は常に撮られる人としての態度を保っていて隙が無い。 正体を現さない分、写真としての面白みは薄れるが、モデルとして質の高い仕事はしている。
髪のあしらいが三人三様なのだけれど、それぞれ映えるようになっている。 こうしてきちんと見極めて貰えているのも、見ていて嬉しい。

小嶋菜月
5ページ7カット、撮影は桑島智輝。
制服2カットで残りは水着と言う潔い構成。 水着映えするのでこの配分で間違いは無いと思う。
表情は変化に乏しく、劇場の壁掛け写真や生写真の域を出ない紋切り型の笑顔なのだけれど、桑島智輝が上手く纏めているのでモデルが詰まらない割にグラビアとしての出来は良い。
ホームランはおろかヒットすら出ないのに、デッドボールで出たランナーを盗塁とバントで進めて犠牲フライで一点取って、気が付いたら勝っていたような、そんな感じ。

浦野一美
5ページ7カット、撮影は長野博文。
仕方ないっちゃ仕方ないのであるが、七年遅い。 危ういくらいに白くて細くて皮膚が薄くて儚げであった猫被り期の浦野でこれをやっていたら歴史は変わっていたと思う。
積み重ねた苦労がふてぶてしさのような物を醸してしまっているのと、長野博文が仕事だから撮っているような定型写真であるのと、残念な部分は有るが、浦野がきちんと撮って貰えたというのは、矢張り有り難い。 感謝。

伊藤梨沙子
4ページ6カット、撮影はこちらも長野博文。
こちらの方が撮っていても遣り甲斐の点で上なのは仕方ないが、ささっと撮っているようでいて上がりは良い。
モデルの持つ力。

宮崎香蓮
4ページ6カット、撮影はHIROKAZU。
撮られなれていない所為かカメラを睨め付け過ぎるところがあるが、目線を外したカットは上手く撮って貰えている。

仙石みなみ
4ページ7カット、撮影は細居幸次郎。
一寸やっつけ感はあるが、破綻の無い7カット。
手間と時間を屋内撮影分に集約したほうが上がりは良かったのではないか。

新垣里沙
5ページ9カット、撮影は唐木貴央。
造りこみが過ぎたり、眩し過ぎたり、モーニング娘。 関連のグラビアで良く見られる退屈極まるもの。
3カット目は辛うじて見られるものになっているが、あとは論評に値しない。
高橋愛の時もそうだったが、グループを辞める段になって作った写真集の質が悪いってのは如何なものか。

矢島舞美
打って変わって見応えの有る6ページ9カット、撮影は國方大。
しどけなく和室で3カット、凛として弓道場で6カット。 矢島舞美として撮られるときには未だどうして良いか判らないような表情を浮かべることも有るが、何かテーマがあると強い。 特に弓道場でのカットは、緩急・強弱の付いた幅のある表情。
桑島智輝の特質がその場に有るものを組み立てる上手さであるとしたら、國方大はその場に在るものを汲み取る上手さ。
温度や湿り気まで伝わる写真。

真野恵里菜
6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は栗山秀作。
今月末に新たな写真集発売、撮影は再び栗山秀作とのことであるが、「写真集の話はまた次回」とのことで、このグラビアとの関係は不明。 しかしこのグラビアの出来から類推して、かなり良いものになっているのではないかと思う。
安心して撮り、撮られている。

総評
カメラマンとモデルの幸せな出会いが幾つも有る、見応えのある号だった。
1200円と言う最早雑誌とは言い難い値付けではあるのだけれど、それ以上の幸せは得られる。

2012-05-06 イニシエーション [長年日記]

_ UTB+ 2012 5月増刊 続

吉永淳
4ページ4カット、撮影は栗山秀作。
役では無い自分でカメラの前に立ってどう振舞ったら良いのか、未だ分かっていないようでは有るが、役者を撮らせると上手い栗山秀作が何とかした感じ。
1カット目が素直で良い。 この表情でカメラの前に立てれば、どうにかなって行くのではないかと思う。

山崎紘菜
4ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
面白い撮り方。 風景の中に建物や樹木・稜線などで線を描き、その前にモデルを立たせて画面を構成。
そう撮っても埋没しない個性の光を、モデルが放っているからこそ可能な取り方。
一寸頬が上気したような3ページ目に惹かれる。

小池唯
6ページ8カット、撮影は長野博文。
水着グラビアだがロケ地が川と里山と言う珍しいロケーション。
背景の緑を肌に写して面白い色味。
暫く見ない間に小池唯の表情の種類と諧調が増えていた。 一年間主役を張るドラマで取られ続けるとこうも変わるものなのか。

目線を外して意識だけを向けたり、カメラと向き合う角度に変化をつけて見たり。目から鱗の6カット。
さんざっぱら「小池唯のグラビアは詰まらない」と書いてきたような気もするが、もはや呉下の阿蒙ではなかった。

宮本佳林(ハロプロ研修生)
5ページ7カット、撮影は熊谷貫。

研究生とか研修生とか言うものを抱えた束モノの嚆矢は TPD ではなかったかと思うが、TPD の研修生がそうであった様に、今後10年くらいのプレアイドル業界を下支えするのはAKB48やハロプロので下積みの苦労をした連中になっていくのではないだろうか。

閑話休題、宮本の話。
見るからにガチガチで指示を出したところでどうにかなる物でも無いことは自明。 とりあへず身体を動かさせて余計なことを考えさせないようにして撮ったカットのみ、表情が生きている。
カメラと正対させると怯えたような表情になってしまうが、妙につくった顔をされるよりは良い。 怯えたなりに宮本佳林の「今」が切り取れている。

詰まらない被写体をよんどころなく撮ったときの熊谷貫は、時として必要最低限の仕事しかしない事があるが、今回はそんな事も無く試行錯誤を重ねているので、熊谷としてもそれなりに面白い仕事だったのではなかろうか。

飯窪春菜
5ページ6カット、撮影は桑島智輝。
熊谷貫とは対照的にモデルを動かさずに撮っている。
研修生と正規メンバーの差なのか、カメラの前でも物怖じせずにレンズを直視できている。 笑顔が硬いのは瑕だが、それ以外には特に貶すところも無く。
そこにあるもので上手く纏めて撮る、桑島智輝らしいグラビア。

鈴木愛理×真野恵里菜
6ページ6カット、撮影は西田幸樹。
スタジオでの西田幸樹、一寸光が強いようにも思えるのだけれど、表情が死なないギリギリの線ではある。
こうして並べて見ると、モデルとしても魅力的な二人の撮られ方の違いが見えてくる。
真野恵里菜はやはり役者で、一本筋が通っている。

川口春奈
写真集のアザーカットで7ページ9カット、撮影は長野博文。
石垣島と故郷の福江島での撮影とのことであるが、家族や親族の前でも撮影したようで、長野博文の一種異様な撮影風景が身内の前でも展開されたかと思うと、面白いような面白くないような。

水着多めだが、寧ろそれ以外の写真、例えば歯磨きをしているカットなどが良い。

_ UTB 2012 6月号

NMB48(山本彩、城恵理子、谷川愛梨、小笠原茉由、渡辺美優紀、山田菜々)
14ページ16カット、撮影は MARCO 。
集合で2ページ4カット、あとは一人2ページずつ。 スタジオ撮影のファッション写真的水着グラビア。
仰向けに寝かせると、どんな美形でも人相が変わって(崩れて)しまう。 なので私は好まないのだけれど、あえて貶すほど崩れてもいないので、これはこれで良いのだろう。

吉川友
7ページ7カット、撮影は西田幸樹。
接客に於ける親密さと取っ付き易さがアイドルとして売れる為の必要条件になってしまっている現在に於いて、こうしたサバサバしていつつも神々しい美人と言うのもマイナス要因になり兼ねないのだけれど、グラビアの出来は相変わらず良い。
6カット目、水の中に浮かんで顔だけ出しているカットが特に良い。

橋本愛
6ページ6カット、撮影は熊谷貫。
髪をバッサリと切る前後の姿を追ったグラビア。
衣装をフェミニンなものからボーイッシュなものに着替えることでアクセントを付けているが

切る前 → 切った直後 → 切った後

で顔つきまで変わって行く。
モデルの感情の深層まで抉り出すように撮り、敢えて抉り出させているこの関係性。 カメラマンとモデルの関係として考えると幸福だが、切ない。

百田夏菜子
6ページ9カット、撮影は Takeo Dec.
可も無く不可も無い出来ではあるが、ももクロのグラビアは必ずと言って良いほど奇を衒った挙句に失敗しているので、それに較べれば格段に良い。

倉持明日香
6ページ6カットの水着グラビア、撮影は桑島智輝。
古代エジプトみたような輪郭強調アイメイクが恐いのと、臍を隠したカットが多すぎるのが先ず気になる。
AKB48にユニットは数あれど、フレンチ・キスほど売れている割に切磋琢磨より複合汚染の印象の強いものは無い。
柏木由紀のグラビアでもよく見る光景なのだけれど、扇情的なポーズと作り笑顔ばかりで構成されたグラビア。
肉だけ大盛りんなってりゃ喰い付くチョロい客ばかり相手にしているから進歩も成長も無い。

2012-05-05 美、極まれり。 [長年日記]

_ UTB+ 2012 5月増刊

指原莉乃
表紙と巻頭グラビア8ページ4カット、全て見開きでの構成。 撮影は桑島智輝。 オマケで表紙と同じ衣装のポスターが付く。
表紙に「美、極まれり。」とあるが見れば納得の出来。

相変わらず付かないところには哀しいまでに付かないが、全体的には細さは保ちつつ適度に肉が付いて女らしい身体つきになってきた。
それより何より変わったのは、カメラの前で負の感情を出さずに立てるようになったこと。 表情だけでなく、顔や身体の向きから仕草まで、きっちりと仕事が出来ていて過不足が無い。
赤い水着とも下着ともつかない衣装の裾が翻り、小道具の赤い花瓣が舞っているのをシャッタースピードを速めて止めているのだけれど、その撮影手法と指原のモデルとしての仕事が相俟って、止まった時間の中に永遠がある。

何やかやと蔑む方向で言われがちな指原莉乃であるが、私は質の高い仕事をしていると思う。

インタビュー部分でソロデビューにあたってやりたいことを訊かれ、指原先生答へて曰く。

ちっちゃいライブがしたいな。 オリジナルが4曲出来たから、AKB48のユニット曲を借りてきて全部で6曲くらいのミニライブ。
あと本当にいい曲なんで、私のことが好きじゃなくてもいいから一人でも多くの人にカラオケで歌ったもらえたらいいな、と思います。

結果的にプロモーションはあんな事になってしまったが、指原本人はぶれていない。
上っ面しか見ない奴に叩かれると言うのも売れた人間の背負う宿命ではあるのだけれど、それにしても切ない。

和田彩花
6ページ7カット、撮影は細居幸次郎。
紆余曲折ある中で厭でも大人びざるを得ない状況下に置かれている訳だが、陳ね媚びる事無く順調に育ってはいる。
屋内と曇天の屋外。 細居幸次郎らしい淡々と描き出したポートレート。

足立梨花
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
衣装3パターン、バレエをモチーフに白と黒で二面性を見せる趣向はナタリー・ポートマンのあれからの発想だと思うが、白の方がモデル本来の良さに近いのではないかと思う。

渡辺美優紀(NMB48)
7ページ9カット、撮影は佐藤裕之。
まだ全容とまでは行かないが、渡辺美優紀の本性の欠片は捉えたグラビア。
面相も体形も粒揃いのNMB連中と並べると、正直言って中の上くらいにしか見えないのだけれど、こうして一人取り出してじっくり撮ってみると、深みに嵌まると病膏肓な人気の理由が窺い知れる。

背は高からず低からず、それなりに出たり引っ込んだりはしているが肉感的と言う程でもなく、容貌も童顔でも大人びた女優顔でもなく(吉田喜重が好きそうな顔ではあるが)、捉えどころが無いのだけれど、視界に入ると妙に目を引く。

水着より着衣、厚着であればあるほど艶が増す不可思議。
4ページ目。 酒場と思しき扉の前に赤いコートでしどけなく佇む図などは、ついこの間高校を出たばかりとは思えない妖しさ。 始まったばかりなのに既に世紀末的。 ゾラとか荷風がモデルにして書きそうな Femme fatale. こんなハニートラップなら、寧ろ引っ掛かって死にたい。

3ページ目下段、アウトフォーカスの脹脛。 だいぶ後ピンなのだけれど最早そんなことはどうでも良く(写真論なんざ此の際犬にでも喰わせろ!!)、この空気感に引き擦り込まれる。
若い人には解らないかもしれないが、知らない方が幸せなことも世の中には多い。

NMB48 チームN(與儀ケイラ、城恵理子、島田玲奈、谷川愛梨、木下百花、肥川彩愛)
6ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
二人ずつ組ませてそれぞれ2ページ。 自由に振舞わせると子供っぽい部分が出過ぎたり、「まつろはぬもの」の血が騒ぎすぎる厄介な連中の動きと感情を抑制することによって、造形美を抽出することに成功。
このあたりはカメラマンの意図したものなのか編集者の指示なのか判然としないが、巧い。
木下百花もこうして黙って立っていれば実に可愛らしい。 元が良いから下手打ちゃ魚屋の店先の鰤のアラにしか成り得ないような血糊にまみれた姿でも、凄絶の美に昇華される。

木﨑ゆりあ
6ページ8カット、撮影は桑島智輝。
奇を衒わずに可愛らしく撮ることに専念。
渡辺麻友がイメージの固定化を嫌ってか忌避しつつあるハーフツインであるが、AKB48界隈で今これをやって嵌まるのは木﨑ゆりあなのではなかろうか。
ハーフツインは人生の或る短い一時期に、限られた人間しか出来ない髪形であり、それが似合うというのも運命の悪戯。 極めて頂きたい。

岩田華怜・武藤十夢(AKB48)
6ページ10カット、撮影は門嶋淳矢。
夜の屋外で制服、青味がかった光のスタジオでキャミソールにホットパンツを合わせた部屋着的なもの。 安易に水着にしないのは良い。

頭撫でたり、頬を突いたりする牧歌的な写真は屋外で。 もう少し湿り気を帯びた親密な写真は屋内で。
丸みを帯びた岩田と直線的な武藤の対比。 武藤の首から鎖骨に掛けての線の美しさを、心持斜めからから切り取ることによって描き出し、岩田の柔らかな線は正面から。

武藤が思わぬ拾い物。 衒いも気負いも無くカメラの前に立てていて、実に良い表情。
いきなり水着にしなかったからこその物かもしれないが、浅草軽演劇みたいな名前からは想像もつかない美形であった。

杉咲花
4ページ6カット、撮影はサトウノブタカ。
UTB の美点として、カメラマンを名前で使わない事を挙げて良いと思う。 アイドルグラビアとは畑違いだからこそ撮れる写真もある。
3ページ目あたりで微妙に逃していたりもするが、ピント薄めで押して勝負をする撮影手法は面白い。
1ページ目は全てが噛み合っている。眼福。

2012-05-04 Gone with the Wind [長年日記]

_ フォトテクニックデジタル2012 4月号

平愛梨
8ページ8カット、撮影は西條彰仁。
整いすぎた顔をどう撮るか、その一つの答え。
前髪のあしらいが良く、眉そのものは弄らずに、適度に隠すことで整いすぎた顔の印象を薄めつつ、眉の作る表情も生かしている。
表情そのものは単調で面白みも薄いのだけれど、切り取り方で変化をつけている。 無理に表情を作らせないのも良い。

ヒガリノ
6ページ6カット、撮影は松田忠雄。
これ迄は扱いが大きい割りに然程良いとおもった事の無かったモデルだが、このグラビアで印象が変わった。
技術誌なので撮影データが載っているのだけれど、全て単焦点の短めのレンズで撮っている。
古いアパートか旅館か、そんな建物なのだけれど、日本家屋特有の薄暗さの中で廻った廻った光が、モデルの表情を柔らかく引き出している。 絞りは開け気味に撮っているのだけれど、ピンとも露出も構図も決まっていて、且つ出来過ぎてもいない良いバランス。

難と言えば難なのは御手洗のところの便所レンズのボケが安っぽくて五月蠅いところ。
これはまぁ致し方ない。

さくら学院(武藤彩未、三吉彩花、松井愛莉)
4ページ8カット、撮影は北條俊正。
モデルが良いので生きた表情にはなっているが、ピントを浅くしてシャッタースピードは速め、動きを完全に止めてしまっているので写真としては詰まらない。 3人並べたカット等は構図も雑に過ぎる。
カメラマンの技倆不足を被写体が補ったグラビア。 動画と静止画は別に撮るべき。

石田亜佐美
6ページ6カット、撮影は長野博文。
表情は硬いが、それを生々しさに転化出来るのが長野博文。
しかし瞳を真正面から捉えたカットは私には味が濃すぎる。

魚住誠一×クロダミサト(モデル:おかもとまり)
美術よりのクロダと工芸よりの魚住。
私の好みとしてはセンスと技術のバランスの上に立つ魚住なのであるが、センスで押すクロダの写真も悪くは無いと思う(好きではない)。
しかし今回は馬場が重かった分、魚住の方が良い表情を切り取れていると思う。 雪なのに眩しさに硬直したカットが無い。

_ フォトテクニックデジタル2012 5月号

鈴木愛理・矢島舞美
表紙と巻頭グラビア、10ページ9カット、見開き3箇所。 撮影は小林幹幸。
この雑誌の巻頭グラビアはいつも変則的な割付けなのだけれど、今号はいつにも増して変則的。
上がりがべら棒に良いからか、最大限誌面を割いて載せている。 詰め込み過ぎた窮屈な感じはなく、鑑賞に堪え得る大きさと密度に留めているところは流石。
珍しく踊っている絵を、矢島の影で1カット、矢島と鈴木でそれぞれ1カット、計3カット。 このあたりは ℃ute の美点を心得た小林幹幸ならでは。
躍動感溢れる、動きの芯は止まった美くしいブレと、薄暗がりの中に浮かび上がる肢体。

最初の2ページで見る者を脅かしたあとは、ハウススタジオで柔らかく光を廻した優しい写真。 似通っていつつもそれぞれに合わせて見立てられた衣装。
鈴木愛理の一寸ずつニュアンスの異なる優しい笑顔。 思えば最近のグラビアで誰かと組になると、大抵しっかりしなければならない立場に置かれていたが、今回は気心の知れた年長者と一緒と言う事で、程よく肩の力が抜けている。

矢島舞美は未だ一寸考えすぎなようなところもあるが、考えなくとも良いダンスの部分は凄絶。 これまで見た中でも出色。

空気迄しっかり描きこまれたような精緻な絵と、なだらかなボケ。 このあたりはペンタックス645Dのカメラとしての良さをカメラマンが上手く引き出した部分。

栗山秀作と真野恵里菜であったり、熊谷貫と橋本愛であったり、カメラマンとモデルの幸せな出会いが作品として結実することが稀にあるが、℃ute と小林幹幸の出会いも、そうなり得るものなのではないかと思う。

飯窪春菜
6ページ6カット、撮影は長野博文。
これまでは何とも思わなかったのであるが、前号から長野が描き出す眼球の生々しさが気になって仕方が無い。
瞳の中に何かが写っているカットはまだしも、眼球そのものが写ったカットはどうにも直視できない。
まぁ、それだけモデルがカメラに正対出来ていると言うことなのだけれど。

魚住誠一×クロダミサト(モデル:沢木ルカ)
3ページずつ、同じモデルを撮り合う企画。
経験と技術とセンスのバランスが取れた魚住に、やはり一日の長。
整ってはいるものの、基本的に同じ表情しか出来ないモデルを撮りあぐねたクロタと、何とか食らい付いてモノにした魚住の差が出た。

白羽ゆり
6ページ5カット、見開き1箇所。 撮影は関純一。
見開きのカット以外は、厚塗りがあからさまに出てしまって興醒め。
重ねた年輪をモデルの個性として撮るか、そこを隠して化けさせるか、そのあたりの踏ん切りがついておらず、どっちつがずな撮り方がモデルの魅力を損ねている。

_ 週刊プレイボーイ 2012 17号

大島優子・小嶋陽菜
7ページ7カット、見開き1箇所。 オマケでマウスパッドが付いたお陰でそこら中のコンビニで売り切れ。 5軒くらい廻って漸く手に入れた。 撮影は今村敏彦。
大人数のベルトコンベア式グラビアで無い所為か、今村らしさがいつもより出た、楽しげなグラビア。
撮られる側も肩の力が抜けて抜けすぎず、良い塩梅。
このあたり小嶋陽菜の匙加減の上手さは相変わらずだが、昨年の夏前あたりに藤代冥砂に撮られた頃から仕事をし過ぎないようになった大島優子も良い出来。

能年怜奈
5ページ7カット、撮影は今村敏彦。
薄着だが水着ではない、夏らしいグラビア。 これぞ今村な7カット。
目が開ききっていなかったり、笑顔がくしゃくしゃだったりもするが、全カット表情が生きている。

AKB48も時間が無いのは判るが、流れ作業で撮るような粗製乱造の写真をゴテゴテ弄って誤魔化すようなグラビアではなく、今村敏彦に撮らせるならこれくらい下駄を預けて然るべき。

SKE48
リビドー刺激系グラビアは端折ってSKE48。 増刊号からの選り抜きグラビア8ページ。
さまざまなカメラマンが撮っているのだけれど、Takeo Dec.の撮ったオレンジバックのメイド服が酷い。
オレンジの背景紙に肌の色が引っ張られて碌でもない顔色。 元が白すぎる松本はまだマシだが、松村香織と古川愛李は「風と共に去りぬ」に出てくるメイドみたいになっちゃっている。
飛んだ貧乏籤、ご愁傷様。

Google+ 連動企画「48サバイバル」
野中、中塚、松村で1/3ページずつ。 最悪1/4だと思っていたので先ずは良かった。
野中はお悩み相談、中塚は男子向けスイーツ指南、松村はメンバーとの対談。
松村はとりあへず企画の説明と自己紹介。 対談の始まる次回以降に期待。
人柄で押せる野中は大丈夫だと思うが、中塚と松村はネタ探しと工夫が必要になって来るのではないか。

2012-04-22 粗悪品について語るのは虚しい [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2012 21号

柏木由紀
表紙と巻頭グラビア、7ページ12カット。 プレイボーイとは異なり、表紙まで箭内道彦の撮影。
柏木由紀は「インスタントのフィルムカメラ」と語っていたが、それはどうやら使い切りカメラの事であるようだ。 そうであれば後ピンが多いのも得心が行く。 最短撮影距離を感覚的に掴めていない、もしくは掴む気が無い。

巻頭グラビアと言うこともあってか、あからさまなピンボケ写真は少なめなのだけれど、なまじピントが合っていると細部が気になる。

香港・台湾で撮ったのは別の人であるようなので一と先ず措くとして。
1カット目、奥の目にピントが来ているが手前の目はアウトフォーカス。 眩しがりの柏木にしては良い表情なのだけれど、安全策を採ってもう少し絞るか、もしくは厳密にピントを合わせるかすれば何とか見られる写真にはなったのに、微細なピントのズレで台無し。
5カット目は串刺しで日の丸構図。
6カット目、前ピン。
8カット目、盛大に露出オーバー。
9カット目、ピントが何処にも来ていない。
11カット目、後ピン。

これは多分に柏木にも問題が有るのだけれど、然程良い表情が切り取れている訳でもなく、写真としても稚拙。

こんな写真集でも柏木本人は肯定的にコメントしているが、それはそれで良い。 自分の関わった作品は、出来の如何に関わらず先ず自分から愛してあげなければならない。

「160Pの超ボリューム」と銘打たれているので、もしかしたらこれら以外の素晴らしい写真がテンコ盛りなのかもしれないが、瓦礫の山を目の前にして途方にくれるのも馬鹿々々しいので、写真集そのものの購入は見送り。
柏木由紀は歌って踊っているときには非常に魅力的なのだけれど、芝居をしたり静止画像になったりすると途端に輝きが失せてしまう。 売れているうちになんとかしておかないと先は無いと思うのだけれど、事務所はまたぞろ行われるコップの中の嵐を目の前にした「今」しか考えていないように見える。

伊藤梨沙子
4ページ14!カット、撮影は桑島智輝。
巻中カラー4ページに詰め込まれて些か窮屈では有るのだけれど、巻頭の出来損ないと較べると格段に良い出来。
伊藤梨沙子はまだ駆け出しでグラビア慣れしていないから表情そのものは単調だし、器用にポーズも取れないのだけれど、そこは撮る側が寄ったり離れたり様々な角度から切り取って変化を付けている。
桑島智輝の「なんとかする対応力」にモデルが応えた14カット。 佳品。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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